第2917号 令和7年3月16日

賀詞交歓会に前年上回る396名が参加
2025年度通常総会は5月27日
愛機工 今年度最終理事会を開催


 愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏・ミズタニ機販社長)は、2月6日午後4時30分より東京第一ホテル錦で、理事20名が出席して2月理事会を開いた。理事会では、各事業報告に続いて、今年度の決算予測が和久田修志会計理事(三和商事社長)より説明され、2025年度通常総会の準備などを確認した。理事会の後は1年の慰労を兼ねた懇親会も行われた。
 冒頭、水谷理事長が「本日は令和6年度最後の理事会となり、理事会後に懇親会もあるので宜しくお願いします」と挨拶。続いて、各議題について審議および報告が行われた。
 1.組合員・賛助会員数の状況…事務局
 組合員217社、賛助会員110社(2025年2月6日現在)。組合員1社が諸事情により脱退した。
 2.組合賀詞交歓会報告…事務局
 2025年愛機工組合賀詞交歓会を1月28日、ホテルグランコート名古屋にて開催した。前年を上回る総勢396名が参加し賑やかに開催された。試食会で前菜の内容を変更したが、概ね好評だったと思われる。当日は急なキャンセルが数件あったものの、順調に進み盛況のうちに閉幕した。また、幹事である東支部員の協力により、受付、来賓への対応や司会進行など円滑に進めることができた。参加者の内訳は来賓8名、組合員210名、賛助会員172名、報道4名、事務局2名。来年の組合賀詞交歓会は2026年1月28日にホテルグランコート名古屋での開催を予定。幹事は尾張支部が務める。
 3.愛機工組合親睦ゴルフ大会報告…矢野茂雄福利厚生部長(滝川物産社長)
 第50回組合親睦ゴルフ大会を12月5日、レイクグリーンゴルフ倶楽部レイクコースにて開催した。参加者40名。優勝は鈴置一仁氏(大豊商会)。以下、準優勝・溝手儀孝氏(ジーネット)、3位・足立達哉氏(ハタヤリミテッド)、4位・堀明典氏(金馬)、5位・安藤義和氏(安藤)。
 4.組合親善野球大会について…矢野福利厚生部長
 (1)第83回組合親善野球大会経過
 決勝は3月15日に草井球場で実施する予定。Aゾーンは新栄商会×井高、Bゾーンは岡谷鋼機×東陽B。決勝戦終了後、日を改めて福利厚生部、青年部、江南審判部を交えて反省会を開催する。
 (2)第84回組合親善野球大会について
 ①開幕予定は4月5日、江南市営グランドにて。②キャプテン会議を3月19日に開き、大会要項説明およびトーナメント抽選を行う。
 5.令和7年度社員研修日程について…伊藤哲生経営対策部長(春日鋼機社長)
 (1)令和7年度新入社員研修
 4月15・16日の両日、名古屋都市センター(名古屋市中区金山町)にて実施する。2日間とも午前9時30分~午後5時。会費は一人1万円(テキスト・昼食代含む)で、名南経営コンサルティングが講師を務める。
 (2)セールス・エンジニアスクール
 第1回セールス・エンジニアスクールは6月12~14日、第2回セールス・エンジニアスクールは12月4~6日の日程で、ともにポリテクセンター中部(愛知県小牧市)にて実施する。会費は一人1万5千円(テキスト・昼食代含む)。
 6.2024年度決算予測&2025年度通常総会について…事務局
 ①通常総会を5月27日、名古屋ガーデンパレスにて開催する。午後5時開会。②令和6年度決算予測に関し、和久田会計理事が説明。剰余金の処分および次年度支部補助金については三役会で協議して決定する。③支部総会を4月中に開催し、支部総会終了後に総会議案書と銀行通帳の写しを事務局に提出。④三役会および常任理事会を4月理事会前に開催する。⑤総会の進行について、司会および議長は総務部会にて選任し4月理事会で発表する。
 7.全機工連中部ブロック会議について…髙田研至中部ブロック長(組合副理事長・井高社長)
 中部ブロック会議を2月18日、都ホテル四日市で開催する。幹事組合は三重県機械工具商組合。参加者29名(予定)。全機工連の坂井会長、一條事務局長も参加して全機工連の活動や各地域の状況・課題等について意見交換を行う予定。また、会議終了後には懇親会を開催する。
 8.青年部活動予定…滝澤有一青年部長(松本商店社長)
 (1)講演会の実施
 2月28日に名古屋都市センター会議室にて実施する。時間は午後6時30分~同8時30分。菅野祥一氏が講師を務める。テーマは「ハラスメント(対策)について」。部下、後輩への業務指導がパワハラにあたってしまうのか否かの線引きについて大前提となる考え方を学ぶ。
 (2)青年部プロデュース バスレクの開催
 3月8日に「大井川鉄道に乗って、大井川の絶景満喫!いちご狩りバスツアー」(静岡方面)を実施する。午前8時~午後6時30分(予定)。会費は大人8千円、小人6千円。
 9.部会の開催について…事務局
 年度内(3月まで)に各部会を開催する。事業部会は10月に実施済、情報部会は2月19日実施予定。
 10 .その他…事務局
 (1)今後のスジュール
 ①理事会=4月21日、6月17日、8月6日、10月14日、12月2日、2月3日(理事会終了後に懇親会を開催)。いずれも会場は東京第一ホテル錦。②MECT2025=10月22~25日、会場はポートメッセなごや。③全機工連第45回全国大会(東京大会)=11月4日、会場は東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)。
 (2)2024年10~12月の景況調査結果(回答総数82社、37・6%)
 最近3カ月の売上高については、前年同期(2023年10~12月)と比較して「増加」が39・0%で前回調査より6・0pt上昇。「同水準」が40・2%、「減少」が20・8%で、それぞれ4・5pt、1・5pt低下した。一方、仕入価格については前3カ月と比べて「上昇した」が75・6%と最も多く、利益率は「変化なし」の68・3%に続いて「悪化した」が24・4%だった。
全日本機械工具商連合会
第45回全国大会(東京大会)
11月4日、東京国際フォーラムで
 全日本機械工具商連合会(全機工連、会長=坂井俊司氏・NaITO社長)の第45回全国大会(東京大会)が11月4日、「激動の時代を乗り越えろ!! 掴め!世界のトレンド」をテーマに東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)で開催される。
 当日は、第1部「式典」、第2部「機械工具商で使える最新ガジェット(便利な小型の電子機器)紹介」、第3部「基調講演」に続いて、第4部「懇親会」が予定されている。
 基調講演では、前日産自動車社長兼CEOの西川廣人氏が「日本のモノづくりへの期待」(仮称)と題して講演する。

組合員、賛助会員ら約120名が参集
新年を祝い業界の発展を期す
岐阜県管工機材商組合 新年賀詞交歓会を開催


 岐阜県管工機材商組合(理事長=森浩氏・山兼社長)は、1月30日午後6時より岐阜市柳ケ瀬通のホテルグランヴェール岐山において、2025年新年賀詞交歓会を開いた。組合員、賛助会員、来賓など約120名が出席し盛会となった。
 新年賀詞交歓会は後藤茂理事(五光山彦社長)の司会進行により開会。
 冒頭、森理事長が挨拶で日頃の組合活動への理解・協力に御礼を述べた後、「日本では昨年末、石破政権が誕生した。総理が公約に掲げたのが地方創生。地方の発展が日本の未来を築くと仰っていたが、まさに今、この岐阜も岐路に立たされている。昨年7月に高島屋が撤退したことで、人口は国内で17番目に多い県なのにも拘らず、日本で百貨店のない4県の一つになってしまった。先週、岐阜県知事選が行われ20年ぶりに新しい知事が誕生した。新知事には是非、岐阜県を再び百貨店を呼び戻せるような魅力のある県にして、若者たちが働ける活動の場を増やせるよう頑張っていただきたい。私どもの業界もその恩恵にあずかって皆様方と一緒に繁栄していきたい」と話した。
 この日は来賓として、岐阜県設備工業協会副会長廣川重幸氏、岐阜市指定管工事協同組合理事長岡田明彦氏、愛知県管工機材商業協同組合副理事長石原太郎氏と、岐阜県管設備工業協同組合理事長荒川晶一氏が所用により欠席となり代理で同組合事務局長が出席した。
 乾杯に際し、挨拶に立った石原愛知県管工機材商業協同組合副理事長(原芳商会社長)は、盛大な新年賀詞交歓会の開催に祝意を表すとともに、昨年盛況裏に開催された愛知組合主催の第34回管工機材設備総合展への参加・協力に対して感謝。「次回第35回の展示会は、2026年に愛知県でアジア競技大会が開催されることに伴い展示会場の使用がほとんどできないため、色々検討をしているが2年後に開催するかは決まっていない。何とか開催したいと思っているので、引き続きご協力のほど宜しくお願いします」と協力を仰ぎ、同氏の力強い発声で乾杯した。
 宴もたけなわとなり、渡部勝裕副理事長(大東社長)が閉会挨拶で「失われた30年とよく言われるが、何が失われているのか不思議に思っている。美味しい物を毎日食べて、着る物も豊富、住居は広くなり、医療も発達したから世界トップレベルの就業率になっている。失業率は2~3%で、海外に持つ対外純資産は世界一。海外は決して日本より良い生活はしていない。もっと日本人は自信を持っていい。景気は気なり―ということなので、本日は手締めを止めてアントニオ猪木スタイルで行いたい」と述べて「1、2、3、ダー!」で締められた。

2026年1月、マルカと経営統合へ
卸流通で最適な価値を提供
ジーネット 2025年新春情報交換会開く


 ジーネット名古屋支社(取締役支社長=松吉正訓氏)は1月24日、主力仕入先でつくる中部ジーネット会会員と主力得意先が一堂に会する製販合同の「2025年新春情報交換会」を、名古屋市中区のANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋で午後5時30分より開催した。販売店56名、メーカー100名ほかジーネットの幹部らが出席し、連携を深めた。
 冒頭、古里龍平ジーネット社長が挨拶で、昨年12月16日に開催されたフルサト・マルカホールディングス(社長=古里龍平氏)の取締役会にて、完全子会社であるジーネットとマルカ(社長=飯田邦彦氏)の合併による統合が決議されたことを発表。「グループの最大セグメントである機械・工具セグメントの中にマルカとジーネットがありシナジー効果を追求してきたが、何れは最も合理的なやり方に改修したいと考えており、システム統合の目途がついたことで来年1月に両社の経営統合を行う。社名、主要な役員人事については決定後、発表する」と説明した。
 ジーネットとしては「マルカのノウハウを活用し、色々な新しい商材、新しい考え方を卸流通で展開しながら、皆様のプラスになるように取り組みたい」との考えを強調した。
 続いて、興梠敬明BIG DAISHOWA Japan取締役東部営業部部長兼中部営業部部長が「環境も変わり、新しい発想をもって営業にあたることが必要。我々メーカーは、ジーネット様が掲げる『その手があったかを、次々と』の、その手になれるよう精進してまいりたい」と挨拶し、高らかに乾杯の音頭をとった。
 祝宴では和やかに情報交換が行われる中、新年の恒例イベントとして出席者の中から巳年生まれの10名が紹介され記念品が贈られた。
 ジーネット名古屋支社の幹部紹介に続いて、松吉支社長が「新たな一手として、どのような付加価値を付けていくか。人と人とのつながりの中で情報を得るのは非常に大切だと思っている。皆様方に色々とご指導ご鞭撻をいただきながら、我々は新たなステージに成長して進みたい。本日は有難うございました」と御礼の挨拶。
 中締めでは、村田真哉ヤマザキマザックトレーディング中日本販売部部長が「トランプ米大統領が就任式で力強く〝米国の黄金時代を築く〟とスピーチをされた。米国が急速に加速していき、我々製造業においても今後、自動車業界などが動き出すのではないかと期待する。特に中部地区の昨年の厳しかった状況を打ち払うような2025年になってほしい」と挨拶した。

“逆風を更なる100周年への追い風に”
創業70周年を記念し「感謝の集い」
東陽 仕入先など約330人を招き盛大に開催


 東陽(社長=羽賀威一郎氏、本社=愛知県刈谷市)は今年1月に創業70周年を迎え、1月15日、名古屋市中村区の名古屋マリオットアソシアホテルにて「創業70周年感謝の集い」を開催した。仕入先メーカー、グループ企業、金融機関など約330人が出席し、同社の節目を祝った。
 開会の辞に続いて、東陽の70周年の軌跡を辿る記念映像が流された。
 同社は1955年1月、
愛知県刈谷市にて、刈谷機械工業協同組合工具販売部の解散に伴い、理事長を務めていた犬飼芳雄氏がその業務一切を継承する形で創業。1963年2月に「株式会社東陽商会」を設立し、大量生産時代の到来で活気づく自動車市場に参入。1968年10月に業界の先駆けとなる機械展示場を刈谷市に開設した。一方で、「買い手がいるものは何でも売る」の精神のもと事業の多角化を推進。1976年には東陽流営業の象徴となっている「東陽ワンマンショー」の第1回を開催した。同社の「顧客第一主義」「定期定時訪問」などの営業戦略はこの頃に確立された。
 1980年7月、「株式会社東陽」に社名変更。1982年12月に2代目社長に就任した羽賀昭雄氏は海外進出を推し進め、1988年9月に米インディアナ州に Precision Tools Service,Inc(PTS)を設立。米国にとどまらず、1999年8月には東南アジア初の拠点としてタイ・バンコクにPTSを設立した。2006年6月に就任した3代目社長羽賀象二郎氏は、国内外拠点の拡充および管理体制の強化を通じて大きな成長をもたらし、2019年には過去最高の売上高1580億円を達成。2023年1月、羽賀威一郎氏が4代目社長に就任した。現在、グループ会社を含め世界9カ国70カ所に拠点をもち、グローバルカンパニーとしての地位を確立している。
 羽賀昭雄会長は挨拶の冒頭、出席各社のこれまでの支援に深謝。「主力取引先である自動車産業、とりわけトヨタ自動車の発展と、それを取り巻くトヨタグループTier1を中心とした自動車部品産業の世界的な生産拡大が、当社の成長の最大要因」とした上で、仕入先メーカー、金融機関等の協力によりサプライチェーンの一角を占めることができたことに改めて御礼を述べ、「次は100周年に向かって精一杯努力したい」と新たな抱負を語った。
 次いで挨拶に臨んだ羽賀威一郎社長は、100年に一度と言われる自動車業界の大変革期を迎え「世界中の自動車メーカーが生き残りをかけた変革を開始している」とし、「皆様と一緒にこの大変革期の時代を柔軟また多様に対応しながら、世界に通用し得る価値観、未来につながる基盤をしっかり創造し、日本のモノづくりの一端を担い社会と世界に貢献して行くことが我々の使命であり、それこそが東陽の存在意義となる。さまざまな局面で起こり得る逆風を更なる100周年への追い風に変えることで成長してまいりたい」と決意を述べた。
来賓挨拶では、大村秀章愛知県知事が、地元が刈谷方面というつながりで衆議院議員時代に支援を受けた犬飼前会長、羽賀会長との思い出を披露した後、「創業された犬飼前会長が基盤を作られた上で、羽賀昭雄会長がトヨタグループのグローバル展開に、アメリカから世界にネットワークを作り発展してこられた。まさに東陽さんが自動車産業の生産現場を、本日お越しの仕入先、また取引先の企業もあわせたネットワークで支えているのだと思う」と讃えた。さらに県の施策を紹介し「愛知の製造業を盛り上げ、日本を盛り上げて行きたい。その中心で、引き続き東陽さんにご活躍いただきたい」と述べて祝辞とした。
 続いて山口賢治ファナック社長兼CEO、石川則男オーエスジー会長兼CEO、岸田貢司山善社長より祝いの言葉が贈られた。山口氏は「変化のある時代になり、自動化、生産性向上、カーボンニュートラルといった社会課題の解決が要請されている。この流れをリードできるように、私どもメーカーには対応する商品を開発し市場に提供し続けることが強く求められていると思う。東陽様はこれまで、お客様とメーカーをつなぐ架け橋としてご活躍されてきた。これからも機械業界の発展に大きく貢献されるものと信じている」。石川氏は「100年に一度の変革期を迎えている自動車産業。電動化、自動運転など遠くにあるものは見えるが、そこに向かって行く道筋はジグザグ。分からないことが多い中でも、自らの努力で何とかなる所を東陽様と一緒に切り開いて行ければ良いと思う。東陽様は生産財の商社として、それができる経営の力を持っている」。岸田氏は「世界の中の日本、日本から見た世界、すべてが1つになって産業はできており、その中で我々はプレゼンスを高めて生きて行かねばならない。それを率先してやられる東陽様に心より敬意を表したい。これから先の時代、もし我々が失敗するという事があるとすれば、それは挑戦しない事だ。東陽様が70年築かれた足跡を我々も見ながら共に前に進んでまいりたい」と述べた。
懇親会では、酒井庸行参議院議員、石井拓元衆議院議員の祝辞に続いて、長﨑俊也東陽執行役員(PTSタイ社長)の発声で乾杯。石川県能登半島・志賀町を拠点に、能登半島地震からの復興を誓い力強く活動している「志賀天友太鼓」の演奏が披露された。
中締めで、江原勉東陽執行役員(PTS米国社長)が「世界9カ国70拠点に設けた当社の営業拠点の約6割が海外にある。海外市場はまだまだ可能性を秘めた魅力のあるマーケットであり、今後も市場開拓に努めて行きたい」と挨拶し、引き続き支援と協力をお願いした。

3月21日は「バルブの日」バルブ・水栓 特集
バルブ業界の持続的な発展に期待を込めて
3月21日は「バルブの日」


 2009(平成21)年3月、バルブ産業の地位向上を目指す日本バルブ工業会(本部所在地=東京都港区芝公園、会長=西岡利明氏・SANEI社長)は毎年3月21日を「バルブの日」として制定した。「バルブの日」を何月何日とするかについては同会会員企業から多数の提案が寄せられたようで、広報委員会にて慎重に審議した結果、同会の発足日である3月21日を「バルブの日」とすることが定められた。日本バルブ工業会は、1954(昭和29)年3月21日に発足。2024年に創立70周年を迎え今なお活発な活動を続けているが、広報委員会が考える現在の課題はバルブ産業そのものの社会における認知度の向上だという。「バルブ業界を志す若者が増えるよう、そして、バルブ産業に携わる人たちがより大きな誇りをもって働けるよう、今後もさまざまなカタチでバルブ産業のPRに努めていきます」とコメントしている。
バルブは「流す」「止める」「絞る」機器
 我々の生活のなかで一番身近なバルブは水道の蛇口だ。水を飲みたい時には蛇口を開けて水を出し、出し過ぎたかなと思ったら少し閉め、コップに水を注ぎ終わったら蛇口をきっちり閉めて水を止める。このように我々は水道の水を思った通りに流したり、止めたり、量を調整したりすることができる。その他にも、普段の生活ではあまり目にしないかもしれないが工場やビルの中、車や船や宇宙ロケットの中でこれと同じことをしているバルブはたくさんある。ただし、このような場所で使われているバルブの中を通るのは水だけではない。熱湯、蒸気、食べ物の原料、400度以上の高温の油、ガソリン、危険な薬品、目には見えないガスや空気、マイナス200度未満の低温で液体になったガスなど実に様々だ。どんな流体でも、しっかり「流す」「止める」「絞る」を行い、縁の下の力持ちとしてバルブは我々の暮らしと産業を日々支えてくれている。
呼び名はバルブ? 弁?
 バルブは、日本語では「弁」(べん)と呼ぶ。その使い分けの基準についてあまり厳密なルールがあるわけではないが、安全弁、調整弁、ステンレス弁、のように何かの修飾語が付く場合には「弁」を用いることが多く、単独で用いる場合は「バルブ」と言うことが慣習のようになっている。いろいろな種類があるバルブの呼び方でメーカーやユーザーが混乱しないよう、JIS(日本工業規格)では一定の呼び方を定めているが、これも規格のタイトルは「バルブ用語」なのに、中に出てくる用語は水栓関係のものを除けば、ほとんどが「〇〇弁」となっている。一方で「ゲート弁/ゲートバルブ」「ボール弁/ボールバルブ」のように修飾語がカタカナの場合は、どちらのケースもよく使われている。本来の英語名称をカタカナにしているだけなので当たり前かもしれないが、そうした傾向はあるようだ。ちなみに、水道の蛇口は正しくは「給水栓」だ。水回りのバルブの多くは「〇〇栓」(例えば止水栓、分水栓)という呼び方をされる。結局のところ、その呼び方をする人が多くなればその用語が定着するので今後も変わっていくかもしれない。
バルブの歴史
 バルブの起源を辿ると紀元前1000年頃の古代エジプトの遺跡から発掘されたコック(樽についている栓のことで、バルブの一種)と推定される木製のものまで遡ることができる。古代ローマ時代には既に貴族の家に水道のパイプが敷かれ、その出口には青銅製のコックが付いていた。金属製のバルブは2000年以上も前から実用化されていたのである。水道だけでなく船でも使われていたようだ。我が国では酒樽の栓などはかなり古くから使われていたが金属製のバルブが登場したのは1863(文久3)年、紡績用のボイラが輸入されたとき一緒に入ってきたのが最初と言われている。国内で製造され始めたのは明治に入ってからで、横浜市が1885(明治18)年に水道事業を開始し、続いて東京ガスの事業化などによりバルブ製造工場が造られるようになった。大正の初期までは水道・ガス・紡績用の青銅弁が需要の中心だったが、第一次世界大戦後に我が国の産業が急速に発展したことに合わせて鋳鉄製・鋳鋼製のバルブも作られるようになった。第二次世界大戦後には復興建設資材として設備の高度化を支えるためにいろいろな種類が生み出され、その用途も拡大していった。
環境配慮バルブ登録制度
 日本バルブ工業会は、2007(平成19)年に策定した『バルブ産業ビジョン』において将来のバルブ産業のあるべき姿を描いている。それを、環境配慮設計基準(含有有害物質規制、リサイクルルート構築、LCA管理など)に基づくモノづくりを行っているバルブ産業のあるべき姿としている。この将来像を具現化し、全産業規模で環境保全に寄与すること、また、環境配慮設計に取り組んだ同工業会会員企業製品の国内外へのアピール、環境負荷の少ない製品の需要喚起・供給促進を目的として、2016(平成28)年11月、「環境配慮バルブ登録制度」がスタートした。登録対象製品は以下の通りだ。●手動弁●調節弁(空気式・電気式・油圧式)●自力式調整弁●電磁弁●安全弁●スチームトラップ類●ブリーザバルブ●給水栓(手動式・電気式のキッチン用・バス用・洗面用・その他用)●止水栓●分水栓。本制度に登録される製品は、すべて会員企業が自社従来製品(従来品がない場合は新規設計目標値)との相対比較によって環境側面を自己評価した製品である。着目すべき環境への影響は、①製造・使用段階でのエネルギー消費量削減と、それに伴うCO2排出量削減。②製造・使用・廃棄の各段階での資源の有効活用・再資源化。の2点。その評価は同工業会発行『バルブ製品アセスメントガイドライン』に規定する製品評価項目に沿って実施される。
日本バルブ工業会とは?
 日本バルブ工業会は、日本のバルブ工業の進歩発展に寄与することを目的に1954(昭和29)年3月21日、国内の主要バルブ製造業者が参加して設立された。以来、今日まで経済情勢の変化に対応しつつバルブ工業発展のために有効な事業を実施し、現在に至っている。理事会のもとに運営会議/部会/委員会が設けられており、部会にはバルブ/自動弁/水栓の3部会が、委員会には、各種対策に必要な事項を審議するための委員会が多数設けられている。また、国内は4地区にエリア分けされ、それぞれの地区に支部を設置。各地区会員を対象とした地区活動が行われている。2025(令和7)年3月10日現在、正会員115社、賛助会員73社。

バルブ・水栓 特集
ヨシタケ
手動洗浄付きストレーナ「SY-40R」
スチームトラップ「TS-5シリーズ」


 自動弁総合メーカーのヨシタケ(社長=山田哲氏、本社=名古屋市昭和区)は、手動洗浄機能付きストレーナ「SY-40R」、小型ステンレス製スチームトラップ「TS-5シリーズ」をはじめ、建築設備や工場・プラント設備で威力を発揮するラインアップを充実させている。
 手動洗浄機能付きストレーナ「SY-40R」はカバー脱着不要のため安全・安心に使用でき、製品を分解することなくスクリーンの清掃が可能となっている。これまでのスクリーン清掃の場合、内部の流体の漏れに注意しながらフタを外してスクリーンを掃除し、ガスケット交換してスクリーンとフタを元に戻す必要があったが、「SY-40R」の場合、ハンドルを回してボールバルブの開閉作業のみで完了するため作業時間の大幅削減に貢献する。また、既設の「SY-40」からフタ一式のみ交換するだけで使用でき、同社のワイヤレス監視システム「Wi-Flo」と差圧計を組み合わせることで清掃のタイミングを知らせることも可能(オプション)。
 小型・軽量・コンパクト設計を実現したステンレス製サーモスタティック式スチームトラップ「TS-5シリーズ」は蒸気用エアーベントとしても使用可能で、配管取付は水平・垂直任意。飽和蒸気温度より低い温度で作動するため蒸気漏れがなく、飽和蒸気温度に連動した作動のため調整も不要。インライン型「TS-5V」とストレート型「TS-5S」、ブローバルブ付き「TS-5BP」をラインアップ。「TS-5BP」は、ブローバルブを開けることで初期の大量なドレンと空気を速やかに排出する。トレースライン、食品・医療・クリーニング機器などあらゆる業種に対応する。
 各製品に関して詳しくは同社エンジニアリング事業部(所在地=愛知県小牧市)▽電話(0568)75-4336まで。

オンダ製作所
国内最薄無極性循環口
『JF series』


 オンダ製作所(社長=恩田由紀氏、本社=岐阜県関市広見)から2024年10月に発売されたJF型無極性循環口『JF series』は国内最薄の循環口(同社調べ)である。
 従来のJS型循環口をさらにスリム化させた極薄のJF型循環口。その厚みはJS型循環口と比較して約61%も削減されている。フィルター厚さ約7ミリ、浴槽からの出代は約9ミリで、間違いなく国内最薄だろう。入浴時、突起が肌に触れる不快さもこれで大幅に軽減される。
 しかし、極薄型とは思えないほど吸込・吐水・かくはんの各性能に優れており、従来品と同等の高品質・高耐久性能の弁で、快適な入浴タイムを演出してくれる。無極性循環口だから、往き・戻り配管の指定は無い。ステンレスフィルターは取り外しも容易で、余計な段差も生じることなく浴槽はスッキリ! 毎日の面倒な掃除などの手入れも楽々だ。
 接続バリエーションも豊富で、ダブルロックジョイント式、ねじ式、タケノコ式が用意されている。ダブルロックジョイント式(写真)は文字通りダブルロックジョイントを内蔵しており、樹脂管をワンタッチで接続できる。これなら、昨今の課題でもある省施工の実現に貢献してくれる。
 浴槽取付穴はφ50。浴槽厚みは15ミリまで。使用流体は冷・温水、使用温度範囲は5度~80度となっている。
 『JF series』について、技術的な問い合わせは同社お客様相談窓口▽通話無料のフリーダイヤル(0120)12-8585へ。注文は全国の各営業所へ問い合わせを。同社ホームページに詳しい製品情報を掲載中。ぜひアクセスを。

SANEI
強力な水流で汚れを落とす
予洗い水栓「プレパシュ+」


 毎日の食事やくつろぎのひとときに欠かせないグラスを、もっと気持ちよく使える予洗い水栓「プレパシュ+(プラス)」は、2024年の販売開始以来、今なお高い人気を誇っている。それもそのはずで、朝食時のコーヒーカップから運動後のプロテインシェーカー、リラックスタイムのワイングラスにいたるまで、さまざまなシーンで活躍してくれるからだ。
 本体アーム部にグラスを押し付けるだけの簡単操作で、底の深いボトルやスムージー容器もスッキリ洗浄。パーティーなどでグラスを頻繁に使い分ける場面でも、素早く洗えてとても便利だ。もし、使用後すぐに洗えないときも、予洗いをしておくだけで汚れや匂いの付着を防ぎ、大切なグラスを長く美しく保ってくれる。
 「プレパシュ+(プラス)」は、SANEI(社長=西岡利明氏、本社=大阪市東成区)の独自技術を活かし、電気を使わずに強力な水流でグラス全体を均一に洗浄。細やかな日本製ならではの工夫として、使用しないときはカバーで保護でき、アーム脱着時の水漏れもストッパーで防ぐことができる。キッチンに上質な使い心地をプラスしてくれる一台だ。
 対応グラスサイズは内径最小φ30、外形最大φ85。アームを取り外して掃除ができ、いつでも清潔に保てるのも嬉しい。お湯(40度程度)での使用も可能だ。2025年3月時点の希望小売価格は5万4000円(税込5万9400円)となっている。
 本製品に関して詳しくは、同社カスタマーセンター▽通話無料のフリーダイヤル(0120)06-9721(対応時間/祝日除く月曜日~金曜日午前9時~午後5時)へ問い合わせるか、全国の各支店・営業所まで問い合わせを。同社 ホームページにも詳細が掲載されているので、ぜひアクセスを。

バルブ・水栓 特集
KVK
新商品/ワイヤレス式
遠隔スイッチセット EU290D


 キッチンや洗面の水回り商品は「より快適に」がキーワードで、水栓金具においてもレバーハンドル操作を中心に「使い勝手が良い水栓」が求められている。そんなニーズのなか新しいコンセプトで登場したのが、KVK(社長=末松正幸氏、本社=岐阜県加茂郡富加町)の「ワイヤレス式遠隔スイッチセット」EU290D(写真)。この商品は使い勝手の良さに加え「人にやさしい」をとことん追求した商品だ。現在使用中の既設の混合栓にセットするだけで、湯水の出し・止めが手元スイッチで遠隔操作できる便利な水栓に早変わりする。
 既設の混合栓の止水栓部等に電磁弁と制御ボックスを付けるだけの簡単仕様なので施工時間を短縮できてリフォームにも最適。電池式で電気工事は不要だ。ACタイプで使用したい場合、別売のACアダプターで対応できる。遠隔スイッチはカウンターの上など好きな場所に自由に置いて使えるので、キッチンワークで手元が汚れている場合など手の甲や肘で操作ができてとても便利である。スイッチはマグネットも内蔵しており磁石のつく壁面にも設置可能。スイッチ単体でも購入できるだけでなく、増設もできるので、各家庭の環境に合わせた使い方が可能となっている。
 人にやさしい仕様だから、車いす利用者や小さな子供など水栓のレバーに手が届きにくい利用者でも使いやすさが実感できるという。手元でこまめに出し止め操作ができるので、節水にも効果的だ。主にキッチン用・洗面用の混合栓に後付けして使用するタイプで、一般住宅はもちろん介護施設にも最適な商品といえるだろう。
 1セットの希望小売価格は8万4000円(税別)。詳しくは同社の各支社または営業所に問い合わせるか、同社ホームページへアクセスを。

カクダイ
ランドリールームでも屋外でも
「新型スロップシンク」


 カクダイ(社長=多田修三氏、本社=大阪市西区)の「新型スロップシンク」(写真)は、フチが薄くスタイリッシュなスクエアタイプ。深さのある広いシンクには15リットルのバケツも入れることができ、水ハネや泥汚れの飛び散りを気にせず使用できる。また、前下がりの形状になっているため身長の低い小さな子供なども使いやすい。付属の排水栓にはゴミ受けがついており、泥や服の繊維といったゴミをキャッチしてくれる。さらに、ゴミ受けを押し込むだけで水を溜めることも可能だ。
 本製品は屋内、屋外ともに使用でき、ランドリールームに設ければ汚れ物のつけ置き洗いや予洗いに、屋外に設ければガーデニングやペットの足を洗うのに最適である。ムダのない洗練されたスタイリッシュなデザインと多用途に活用できる機能性を兼ね備えた、大活躍間違いなしのスロップシンクだ。
 本体価格など、本製品に関して詳しくは、同社名古屋支店▽電話(052)504-1551、同社岡崎営業所▽電話(0564)65-3121、または全国の各支店・営業所へ問い合わせるか、同社ウェブサイトへアクセスを。

ベン
高圧用減圧弁に新ラインアップ
「RD-55型」発売


 桃のマークでおなじみのバルブメーカー・ベン(社長=鈴木一実氏、本社=神奈川県横浜市)は、2018年に発売した高圧用減圧弁「RD-54CN型」(ナイロンコーティング品)に接液部ステンレス鋼製の高圧用減圧弁「RD-55型」をラインアップに追加した。
 昨今の高層ビルや高層マンション化によって給水設備も高圧化需要が進み、また配管材料もライニング鋼管から、一般配管用ステンレス鋼管の使用も徐々に増え、それに伴いステンレス鋼製の高圧減圧弁が求められてきている。「RD-55型」は、一次側圧力を2・0MPaまで対応可能。二次側圧力範囲も0・3~1・0MPaまで調整可能にし、本体・接液部ステンレス鋼製で、耐食・耐久性に優れ、給水・給湯用のクリーンな減圧弁として使用が可能。なお、同シリーズには「RD-55N型」水道法性能基準適合品もラインアップしている。
 新製品「RD-55型」の仕様は以下の通り。●呼び径▽50~100。●適用流体▽水・温水・材料を腐食しない液体。●一次側適用圧力▽2・0MPa以下。●端接続▽JIS16K・20K(共用)RFフランジ。●材質▽本体(SCS)、バネケース(FC)。
 その他の詳細な仕様や販売価格など、詳しくは、同社名古屋営業所▽電話=(052)411-5840、もしくは同社静岡出張所▽電話=(054)297-5488へ問い合わせるか、同社ウェブサイトへアクセスを。

お詫びと訂正


 弊紙3月2・9日合併号「名機工同友会新年情報交換会」記事について中締め挨拶を近藤名機工同友会副会長と記載しましたが、正しくは上村伸行山善専任役員名古屋支社長の誤りでしたので訂正させていただきます。ご迷惑をお掛けした関係者の皆さまには謹んでお詫び申し上げます。

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