第2822号 令和4年8月7日
新役員紹介、役員組織を承認
ロボット展や愛知大会について審議
愛機工 令和4年度6月理事会開く
愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏・ミズタニ機販社長)は、6月21日午後4時30分より名古屋市中区の東京第一ホテル錦にて理事会を開催した。理事ら26名が出席。理事会では5月の通常総会で選任された新理事4名と新監事1名の紹介をはじめ、ロボット展「ロボットテクノロジージャパン」や来年10月開催予定の全機工連愛知大会などについての審議、各事業の報告が行われた。
水谷理事長の挨拶の後、理事長を議長に審議に移った。
「新役員紹介」では、新理事の田中秀典氏(ミユキ商会/東支部)▽可児宜彦氏(近代精機/南支部)▽伊藤哲生氏(春日鋼機/中北支部)▽石川真氏(石川工具/尾張支部)と、新監事の森庸一氏(森哲)が紹介された。
「組合員・賛助会員数の状況」について、事務局より4月1日現在の状況(組合員221社・賛助会員105社)が報告された。同理事会において、組合員1社の脱退を承認、また賛助会員1社の脱退については保留とした。
「令和4年度通常総会報告」が、志知総務部長(志知社長)より行われた。5月24日に名古屋ガーデンパレスで、組合員221社中、本人出席76名、委任状88名、合計164名にて開催した。来賓9名、賛助会員35名、事務局2名、報道5名も含め、当日は総勢127名が出席した。総会後の懇親会への出席は90名。
総会は、近藤理事(油傳商店社長)が司会を務め、矢野理事(滝川物産社長)が議長となって議案審議を行い、第1号議案から5号議案まで原案通り承認可決した。任期満了に伴う役員改選では、理事候補者34名(新任4名)と監事2名(新任1名)が全員承認された後、第1回目の理事会を開き三役を選出、互選の結果、理事長に水谷隆彦氏〈留任〉、副理事長に髙田研至氏(井高社長)〈留任〉と森田乾嗣氏(モリタ社長)〈留任〉、会計理事に梅村龍盛氏(梅村本店社長)〈留任〉がそれぞれ選任された。次年度総会は2023年5月23日に名古屋ガーデンパレスで開催予定。
「2022年~2024年役員名簿および役員組織」に関し、水谷理事長が説明。役員組織図について、事業部・経営対策部は展示会や愛知大会の運営の兼ね合いから髙田・森田副理事長が担当を兼務する。他の部会についても系図(担当)を省き事業毎に両副理事長が対応するとした。また、これまで常任理事と支部長の兼任を認めていたが、職務の負担を軽減するため、別途、常任理事と支部長の選任を来年度以降に検討する。役員名簿、役員組織が承認された。
ロボット展「ロボットテクノロジージャパン」については、森田実行委員長(副理事長)より、開幕を目前に控え、開催規模や開催要項、組合事務局の設置、来場の際の注意点などが説明された。会期は6月30日~7月2日、会場は愛知県国際展示場(アイチ・スカイ・エキスポ)B・C・Dホール。開催規模は、202社・団体(内、SIer企業60社・団体)1096小間、組合関係出展者は53社262小間となり目標の250小間を上回った。
「第81回組合野球大会経過」について、野崎福利厚生部長(常磐精機社長)が報告。4月9日、江南市民球場にて開会し、6月18日の大会5日目まで11試合を行った。今回も日程調整が生ずるなど進行は遅れ気味となっている。当面は7月23日に4試合、8月は熱中症を避けるため中断、9月に再開して年内の終了を目指すとした。
「セールスエンジニアスクール報告」が、事務局より行われた。今年度第1回セールスエンジニアスクールを5月26~28日の3日間、ポリテクセンター中部にて開催した。受講者20名。講師をポリテクセンター指導員が務めた。今回はコロナ感染も若干落ち着いた感があり申し込みが定員を超えたため、7名を第2回セミナーに優先して事前に受け付ける。次回は10月13~15日に同会場で実施予定。コロナ禍のここ1~2年は受講申し込みが減少傾向にあったが、今回申し込みが増加したことで次年度も年2回の実施を予定する。
「全機工連愛知大会」に関して、水谷理事長が説明した。(1)2023年10月に開催予定(当初予定は2022年10月)。(2)愛知大会実行委員会を三役・常任理事で組織する。(3)当面は大会のテーマ、開催要項をまとめ、大会要項に沿って組織を編成し役割分担等小委員会を設置する。(4)開催要項(案)①式典②講演会③講演テーマを課題にした討論会④懇親会。当初はコロナ禍の中での開催を想定して①懇親会の取り止め②リアルとWEB開催を併用した実施が課題となっていたが、日程の1年延期が承認されたことで、従来通りの開催を想定して企画設営する。(5)講演の案については、中部地区主要産業である自動車関連のEV車の動向や自動車のニューノーマル(新常態)を課題にした講演、もしくは機工関連メーカーと大手卸商社の討論会等も検討されている。講師については、自動車産業に精通し調査研究企業として評価の高いフォーイン社が候補に上がっている。
「青年部総会」について、滝澤青年部長(松本商店社長)が開催の概要を説明した。令和4年度総会を7月1日に東京第一ホテル錦で開催する。これまで2年間コロナ禍により活動を休止していたが、青年部員の入退会等異動もあり、今回は部員相互の顔合わせを兼ね総会と懇親会を行う。感染防止のため広い会場を確保し、着席形式で総会と懇親会を併せて開催するとした。なお、総会では青年部新役員組織とともに今年度活動方針を発表する。感染が懸念されるバスツアーやキャンプ等の厚生事業の実施については、コロナ感染の状況を踏まえ検討する。
その他、8月理事会を8月9日午後4時30分より東京第一ホテル錦で開催することを決定。また、4月1日実施の景況調査(組合員対象)の集計結果が報告された。
景況調査(2022年1~3月実績調査、回答率48%)結果によると、組合員企業の売上高は前年同月(2021年1~3月)と比較して「増加」が45・3%、「同水準」が36・8%、「減少」が17・9%となり、前回調査より「増加」が9・6Pt低下、「同水準」と「減少」がそれぞれ3・8Pt、5・8Pt上昇した。昨年は徐々に売上回復傾向にあったが、ここに来てややその勢いも弱まってきたと指摘された。また、仕入れ価格が前3か月(2021年10~12月)と比べて「上昇した」と答えた企業は89・6%に上り、前々回・前回調査連続で7割を超えていたにもかかわらず、さらに今回調査で9割近くとなり、今後もさらに値上げをするメーカーが増えることが予想されるとした。
以上で理事会を終了。
なお、同理事会では議事に入る前に、大樹生命より社員の健康づくりへの取り組みについて紹介された。
50周年記念誌制作に向けスタート
今年度の事業計画を検討
愛鋲協 令和4年度第1回定例理事会
愛知鋲螺商協同組合(理事長=大野正博氏・中部製作所社長)は、6月30日午後6時30分より名古屋駅前の安保ホールで、理事7名が出席して定例理事会を開催した。今年度の事業について審議したほか、組合の財務強化を図るため、愛知県中小企業団体中央会が扱う保険の加入促進に努めることも申し合わせた。
冒頭、大野理事長が「短時間ですが、有意義な議論ができるようお願いします」と挨拶。小倉正嗣副理事長(小倉商店社長)が議長を務めた。
事業部報告では、事務局より4~6各月の売上報告が行われた。6月までの累計売上高は昨年を若干上回っており、『ねじ総合カタログ(東鋲協発行)』の発行再開や『ねじの日』の記念グッズの売上が貢献した。
また、組合が推奨している保険について、南泰行匠ライフデザイン社長が組合員の加入状況を報告。同氏は「何とか組合の有利性を高める、何とか事業費の方にも活用できないかという話をいただいており、その中で組合としてのメリットは何か、入る保険によって割引率、手数料が変わってくるので、その辺の話をさせていただきたい」と述べ、一般加入と比較した違いなどを説明した。
質疑応答では、組合に入っているメリットを明確に伝えて加入を募集した方が良いのではとの意見が出された。また生保関係のみでなく、今後は損保関係も取り扱うことを承認した。
その他、書類発送費節減のため、できる限りメールでの配信とし、メール環境のない所は引き続き郵送することも確認した。
6月6日に名古屋市内で開かれた「日本ねじ商連常任理事会」の報告が大野理事長より行われた。その中で、原材料の高騰などで値上がりしている商品の値上げについて、客先へ協力のお願い文を出すことが承認された(後日、日本ねじ商連より文書が届き、全組合員に送付した)。
今年度事業として、鈴木浩久理事(八幡ねじ専務)と片岡森夫理事(片岡商店社長)が中心となり4回のセミナーを計画している。7月8日の第1回目「持続可能な成長のためのSDGs×脱炭素取組セミナー」には8社13名(6月30日現在)が参加予定で、鈴木理事が「1社でも多くの方に参加していただけるように、参加の呼びかけをお願いしたい」と協力を求めた。また、当日の運営について協議した。
広報部からは奥田勝彦理事(東邦精器社長)より、組合創立50周年記念誌の内容に関する意見が求められた。編集委員長の小倉副理事長が「しっかりとした内容で作らなければならないと思っている」と話し、意見交換した。今回の議論を踏まえて編集委員会で草案を作り、次回理事会に提出することとした。
第2回定例理事会を開催
今年度第2回定例理事会は7月21日、安保ホールで午後6時より開かれ、理事7名が出席した。
大野理事長の挨拶のあと議事に入り、事業部報告として7月の売上報告が行われた。
また、7月8日に開催された第1回セミナーについて、鈴木理事が報告。20名が参加し、参加者からは次回セミナーにも期待する声が多く聞かれたとした。第2回セミナー(10月7日)は「イキイキ働く職場づくりセミナー」。
組合創立50周年記念誌については、奥田理事より、7月11日に小倉副理事長、フリーライターとの打ち合わせでまとめた、冊子の大まかな掲載内容と構成案が示された。発行に向けて、協賛金を募集していくことも確認した。
組合報「愛鋲協」に関しては、新社長、新組合員を取材し紹介することが承認された。引き続き、広告も掲載していくこととした。
日本ねじ商連総会は、8月3日にホテルグランヴィア大阪(大阪市北区)で開催される。通常はねじ商工連盟の総会後に引き続き開催されるが、今回はコロナ禍のためねじ商工連盟の総会は中止され、日本ねじ商連だけの総会となる。大野理事長、小倉副理事長が出席する。
その他、青年部復活については、コロナ感染が再拡大しており、引き続き様子見とするとした。
三井住友海上の協力を得てセミナー
SDGsと脱炭素取組について
愛鋲協 令和4年度セミナー第1弾
愛知鋲螺商協同組合は、7月8日午後5時30分より三井住友海上名古屋ビル(名古屋市中区)の会議室にて「持続可能な成長のためのSDGs×脱炭素取組セミナー」を開催した。事業担当の鈴木浩久理事(八幡ねじ専務)と片岡森夫理事(片岡商店社長)の企画運営により今年度4回シリーズで開催するセミナーの第1弾。当日は組合員ら20名が参加した。
冒頭、大野正博理事長(中部製作所社長)が「本日のテーマはSDGs、脱炭素の取組ということで、直接ビジネスとの関係がどれだけあるのかということですが、今まではどちらかというとお客様のニーズで世の中が動いていた。それが、これからは公益資本主義という形で進んでいく。今までの形で進むと未来がないと、色々な規制が生まれていく。その一つがカーボンニュートラルやSDGs。継続的に成長するために進んでいく。今の延長線で未来を考えるのではなく、未来から今日を見て、ではどの様なマーケットが見えるのだろうか、我々鋲螺商としてどの様なことに還元できるのだろうか、ということで勉強できると良いと考えています」と挨拶。
鈴木理事は「三井住友海上は保険業界で初めて経済産業省より中小企業の『経営革新等支援機関』としての認定を受けており、今回はその支援の一環として会場の無料提供、講師の派遣をしていただいた。企業が抱える多様な課題に応える人材を豊富に揃えている。個別にも相談に応じてもらえる」と紹介した。
セミナーでは、講師の早川一郎氏(三井住友海上経営サポートセンター経営リスクアドバイザー)が挨拶の後、世界共通のゴールSDGsとは▽SDGs取組紹介▽企業が脱炭素経営に取り組む必要性▽SBTとは▽脱炭素経営取組のステップ▽省エネ・再エネの概要について講演し、参加者は熱心に聞き入っていた。
全国大会は11月8日横浜で
今年度行事について協議
名古屋伝動機商組合 令和4年度7月例会開催
名古屋伝動機商組合(理事長=岩田典之氏・イワタ社長)は、7月13日午後6時より名古屋市中区の東京第一ホテル錦にて例会を開催した。長引くコロナ禍の影響により組合活動ができない状況が続いていたが、約2年半ぶりに活動を再開した。
大矢顕常任理事(大矢伝動精機社長)の司会進行で、はじめに岩田理事長が挨拶に立ち「コロナ禍の中で、私たちの業界の工具、伝導機はフェイス・ツー・フェイスのスタイルが中々できなくて、やりづらい世の中だと思います。第7波の感染増加も言われていますが、プロ野球などの入場者規制も無くなってきたので、例会を開催させていただきました。今後は状況を見ながらとなりますが、今年は11月に全国大会(東京大会)もありますし、皆様とコミュニケーションをとって温かい名古屋伝動機商組合を運営できればと思います」と述べて組合員各位の協力を求めた。
例会では、村瀬広幸会計理事(ムラセ社長)が令和3年度の収支決算報告を行い、承認された。
今年度行事については、岩田理事長が全国大会に関し「コロナ禍で2回延期となっており、今回こそは開催しようと動いています。11月8日・9日の予定でしたが、コロナの状況も踏まえて8日のみの開催ということで無事決定しました。緊急事態宣言が出なければ実行します」と報告。会場はホテルニューグランド(神奈川県横浜市)本館2階とし、当日は午後1時30分開始、同7時30分終了予定。名古屋組合は全員参加を基本に積み立てをしており、「3年後には名古屋での全国大会につながっていくので、東京・大阪の両組合員とも交流を深めてもらえれば」と岩田理事長は話した。
例年11月に開催しているボウリング大会は、コロナの状況が見通せないため、今年は中止することとした。
9月の組合員有志によるゴルフ、10月例会、11月の全国大会、来年1月の新年会については開催を予定。感染対策を万全にして開催することを申し合わせた。
2年半の間で転勤等により組合員メンバーが多数入れ替わったため、改めて全国大会について長村康義副理事長(長村商店社長)より、また伝動機商組合については岩田理事長より、端的かつ分かり易く説明された。組合員名簿の確認も行われた。
次回10月例会の当番幹事2社(太田廣、落合)を確認し、例会を終了した。
例会後は懇親会が開かれ、長村副理事長が「コロナに負けずに皆様で頑張ってまいりたい。全国大会もできる限り全員で参加して、長年続いている行事なので盛り上げて行きましょう」と挨拶し乾杯の音頭をとった。参加者一人一人が自己紹介や近況報告を行い、親睦を深めた。
2022年6月度鍛圧機械受注額
日鍛工 400億円超えは2017年3月以来
日本鍛圧機械工業会(日鍛工、代表理事会長=北野司氏・アイダエンジニアリング常務執行役員)が7月8日発表した月次会員受注統計によると、2022年6月度の受注総額は前年同月比38・7%増の439億17百万円となり、2021年年初から18か月連続で前年を上回った。単月での400億円超えはコロナ禍前の2017年3月以来。
一方で、全世界的には依然として一部部品の品薄や物流関係の混乱、またウクライナ侵攻や円安による原材料高騰等の影響が引き続き懸念されるとした。
機種別にみると、プレス系機械は、前年同月比53・1%増の199億64百万円となり、3か月連続で前年を上回った。中型プレスが2・8倍、超大型プレスが2・2倍に増加。小型プレス、大型プレス、油圧プレス、フォーミングは減少した。
板金系機械は、前年同月比46・0%増の161億62百万円となり、15か月連続で前年を上回った。パンチングが55・1%増、レーザ・プラズマが37・2%増、プレスブレーキも48・8%増だった。
内外別(機種計)では、国内が前年同月比77・4%増の210億3百万円となり、16か月連続で前年を上回った。自動車2・9倍、電気81・7%増、一般機械2・5倍、鉄鋼68・9%増となり、金属製品のみやや減少した。
輸出は、前年同月比23・3%増の151億23百万円となり、15か月連続で前年を上回った。中国向けが68・9%増、北米向けが20・5%増、韓国・台湾向けも41・5%増だったが、東南アジア向け、欧州向けは減少した。
コロナ禍での事業の新しいカタチを模索
令和4年度青年部総会開催
愛機工青年部 3年ぶりとなるリアル開催
愛知県機械工具商業協同組合の青年部(部長=滝澤有一氏・松本商店社長)は7月1日(金)、名古屋市中区の東京第一ホテル錦にて感染症予防対策を十分講じたうえで、令和4年度青年部総会を開催。43名(委任状含め)の青年部員が出席した。出席数が部員総数の過半数を超え、本総会は有効であることが認められている。なお、コロナ禍でこれまでほとんどの事業の開催を中止してきたことから水谷理事長ら来賓の出席は見送られたが、久しぶりのリアル開催ということもあり青年部OBは招待された。
伊藤哲生青年部統括幹事長(春日鋼機社長)が開会の辞を宣言。滝澤部長が登壇し、参加者に向け挨拶した後、滝澤部長が議長へと選出され、以下の議案審議に移行。いずれも満場一致で承認可決された。
【第1号議案の1】令和3年度事業報告承認の件。
【第1号議案の2】令和3年度収支決算報告承認の件。監査報告。
【第2号議案の1】令和4年度事業計画(案)の件▽感染症拡大防止の観点から、今年度のバス旅行レクリエーションならびにキャンプは中止が決定。リモートなどを活用した講演会や講習会、また、青年部員を対象とした交流会などの事業を今後計画していくこととなった。
【第2号議案の2】令和4年度収支予算(案)の件。
【第3号議案】青年部会費納付の件。
【第4号議案】その他の件。
すべての議案審議が滞りなく終了し、滝澤部長が議長を退任。横井尉人前青年部統括幹事長(大矢伝動精機)が閉会の辞を宣言し、本総会は閉会した。
休憩後、服部嘉高青年部副部長(服部商会社長)が登壇し乾杯の挨拶。久しぶりに顔を合わせる青年部員、初めて参加した青年部員らの会話は弾み、懇親会は大いに賑わっていた。最後は伊藤統括幹事長が中締めの挨拶をして散会となった。
ロボットテクノロジージャパン2022
目標超える4万1880人が来場
活況呈し成功裏に初開催を終了
6月30日~7月2日に愛知県常滑市の愛知県国際展示場(アイチ・スカイ・エキスポ)で初開催された、産業用ロボットと自動化システムの専門展「ロボットテクノロジージャパン2022」(以下、RTJ2022)は、3日間で当初目標の3万人を大きく上回る4万1880人が来場し、盛況のうちに閉幕した。
202社・団体が出展し、開催規模は1096小間と産業用ロボット専門展としては中部地区最大。産業機械・機器と産業用ロボットが連携した実用的な自動化システムなどが展示され、各ブースでは担当者の説明を熱心に聞くユーザーの姿が多く見られた。来場者の滞留時間も長く活況を呈した。
初日は午前9時30分より会場内の主催者ステージで開会式が行われ、主催者を代表してニュースダイジェスト社の樋口八郎社長が「思い起こせば、2年前の2020年7月の開会に向け準備をしていましたが、新型コロナウイルス感染症により中止となってしまいました。今回の展示会が初開催と、仕切り直しとなります。RTJ2022は、製造業の現場で使用されている産業用ロボット、またはロボットを組み込んだ工作機械や設備機械、装置や機器に限定をし、本展のテーマ『NICE TO MEET FUTURE』に沿って、来場者の皆様に『未来に出会えてうれしい』と思っていただける展示会になるよう頑張ってまいりました。出展者の皆様に心より感謝申し上げるとともに、感染症、熱中症の対策をしっかり取りながら開催したいと存じます」と挨拶。
来賓挨拶で大村秀章愛知県知事は「愛知県は産業の集積地。県としてもSIerの人材育成や拠点作りに力を入れており、非常に興味深い展示会だと思っています」と期待を示した。経済産業省製造産業局ロボット政策室の大星光弘室長、協賛団体である日本ロボット工業会の山口賢治会長(ファナック社長)、出展者を代表してデンソーウェーブの相良隆義社長からも祝辞が述べられた。
同展示会を共催する愛知県機械工具商業協同組合の水谷隆彦理事長(ミズタニ機販社長)の紹介があり、来賓4名と主催者・共催者によるテープカットでRTJ2022は開幕した。
また、同日正午よりアイチ・スカイ・エキスポの会議室で開かれた開会レセプションでは、ニュースダイジェスト社の八角秀常務が「協働ロボットの普及によって、今までロボットを使ったことがなかった方々にとっても導入のハードルが下がって来たと感じています。産業ロボットに本来期待されていたことがどんどん実現してきている。今まさに、その瞬間にいると感じています。世界トップレベルのロボットメーカーが日本に、しかも製造業が集積している愛知でこの展示会を開催できることに、大きな責任と期待を抱いているところです」と挨拶。
ダイヘンの金子健太郎常務執行役員FAロボット事業部長の乾杯挨拶で祝宴に移った。
中締めは、愛知県機械工具商業協同組合の水谷理事長が「初めての展示会、初めての会場で、これから新しい時代に向けてロボットの時代が進んでいくと良いと思っています。本日はロボットメーカー様ならびに工作機械メーカー様、そのほか機器、工具のメーカー様、そしてSIerの皆様が一堂に会して開催でき、大変うれしく思います」と述べ、一丁で締められた。
RTJ2022 会場リポート
●PLANSEED(岐阜県羽島郡岐南町)※モリタブース内
短期間で進歩を遂げる昨今の工作機械市場においては、いずれ旧態化するかもしれない大がかりな専用機を導入するよりも、顧客が必要とするプロセスのみロボット化を図ってフレキシブルに対応する方がよい。そんな考えのもとに開発されたのが『HALF AUTOMATION』。ハーフとはフルではなく半自動化、必要なプロセスのみの自動化である。
深刻な人手不足を背景に、協働ロボットとして需要が高まる中、カメラ検査やピッキング、塗布作業、パレタイジングなど作業の効率化に関する相談が予測される。営業マンの多くが技術畑出身で、生産現場のニーズを聞き取ってすぐにも形にできる。技術に裏打ちされた営業トークは説得力が違う。
●安藤(愛知県名古屋市昭和区)
高圧・負圧エアーの圧力と流量によってつかむ力とスピードの調整ができるハンドを持つロボットをアピール。ハンドはシリコンゴム製で、やさしくはさんだり、しっかりつかんだり、先端部でつまむことができる。このほか、タップ穴の汚れや切粉を除去するためのスマートエアーガンシリーズを展示。騒音レベルを10%下げたA-SSG、広範囲にエアーブロウを送るA-SCG、エアー使用料を35%削減したA-SPGの3機種を紹介した。
●三機(愛知県名古屋市熱田区)
「協働ロボットいっぱいあるよ」として、配膳、ピッキング、パレタイジングなどロボットとの様々な協働のあり方を提案。中でも目を引いたのは、キズやワレなどの不具合検出、紛れ込んだ金属片や髪の毛などの異物混入検査、洗い残しチェックなどの残留物検査といったヒトによる外観目視をAIが代行するソフト『RoxyAI』を導入したロボット。同社では、AIを使ってできることを総花的に詰め込むのではなく、製造現場の実情に合わせた機能を提案している。
●こうら(愛知県名古屋市熱田区)
切削工具、測定工具、工作機械、伝導機器など幅広く取り扱う機械工具商社。エンジニアリング部と連携し、人手不足を解消するバリ取り自動化システムを試作した。
●エヌティーツール(愛知県高浜市)
ツールのセッティングや分解、ホルダーや刃物の洗浄などの自動化システムを紹介。ホルダーと刃物は別物であり、セッティングするにはこれを紐付けなければならず、今回自動化するにあたり、ツールIDや二次元バーコードを活用した。人員削減が期待でき、ヒューマンエラー防止につながるのが導入効果。人がここにいなくてよい分、他の仕事に従事することができ、量産系の製造現場で重宝されている。
●YATOMIエンジ(愛知県弥富市)
ピッキングをはじめ、3Dカメラによる検品後、正しい位置へ正しい向きでセッティングするロボット(エリートロボット製)などを展示。
●中部地域Sler連携会
日晃オートメとナベルホールディングスの2社が代表して、協働ロボットによる共同作業の展示を行った。「スマートセットアップロボット」の紹介である。
カメラ機能に優れたロボットAと数値処理に長けたロボットB、これら異種ロボットをランケーブルで繋ぎ、信号(数値データ)をやりとりさせながら作業を行った。ロボットAとBは普段は別の仕事をしていながら、それぞれが空いた手を貸すのだといい、動きは双碗ロボットと変わらない。装着部品は至って少なく、構造もシンプル。コストパフォーマンスを上げた。大量生産型工場に導入する考え方とは異なり、隙間時間にロボットの手を借りるという発想だ。
同連携会は「設備の特性を細かく知り、それぞれに合わせてチューニングすることで、実はまったく異種のロボットでも協働作業が可能になる」ことを強調した。
●日東工器(東京都大田区)
商材であるポンプを使った省エネ対策ロボットを提案。従来、コンプレッサーで風圧をつくるエフェクターによってモノを吸着させてきたが、これに代わり、真空ポンプで直接風圧をつくることを考案。エネルギー効率がよく、結果として省エネになる。工場内に長い配管を設備し、常時稼働させていた従来のコンプレッサーのあり方を見直した。
●タイム技研(愛知県丹羽郡大口町)※岐阜機械商事ブース内
電動リフター機能付き台車を開発。荷台の高さに合わせて機械テーブルが自動(もしくは手動)昇降し、常に荷物の取りやすい高さを保って作業者の負担軽減を図る。荷物の積み降ろし、高所への持ち上げ、検査・組立ラインへの移動時などで効果を発揮する。
【記者の感想】
企業が真にロボット化させたい箇所はどのプロセスにおいてか―。必要なのは、あらゆる機能を網羅したオールマイティな機械ではなく、言わばスペシャルなそれ。実情にあわせた特別な一部分を自動化した機械こそ、当該企業にとって価値あるものとなる。
そこで、営業マンにはニーズを聞き分ける取材力が求められよう。顧客の求めに応じてアイデアと想像力を交換し、理想の生産ラインに近づけていく。ロボット導入のあり方は必ずしも一律ではない。
行って 見て買って良かった!中部みらい市
8月19日(金)・20日(土) 吹上ホール
Webみらい市も同時開催!
新商材に期待ふくらむ!!
主催 中部みらい市実行委員会
中部みらい会(会長=伊藤辰之氏・イトウ社長、橋本総業と販売店・メーカーの集い)主催『2022 共に栄える 中部みらい市』が、8月19日(金)と20日(土)の2日間、名古屋市千種区の吹上ホールで開催される。前回展から導入され話題となった『Webみらい市』も同時開催。環境や状況、また施工現場などに合ったコロナ対策商材やエネルギー商材・リフォーム商材などを、リアルでもWebでも提案してくれる。今回展では新商材も期待大だ!
コロナ禍で多くの展示会が延期もしくは中止せざるを得ない状況が2年以上も続き、メーカー各社からは「せっかく新商品を発売しても、商品訴求の機会や場が無くPRできない」と、これまで以上に嘆きの声が聞こえてきている。こうした状況を憂いた橋本総業(社長=阪田貞一氏、本社=東京都中央区)ならびに全国各ブロックのみらい会は、感染症予防対策の一環として『Webみらい市』を前回展(中部みらい市は2020年10月9日・10日開催)からスタートさせた。リアルとWebが連動したみらい市は好評を博し、今回展でも同時開催される。感染症予防対策などにより当日会場に行けないユーザーは、ぜひともこの『Webみらい市』を利用してほしい。
「7つのみらい コロナショックと大変化の時代に」をテーマに開催される“共に栄える 2022中部みらい市”。橋本総業とみらい会が提示する7つのみらいのキーワードは、①ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた「コロナ対策」、②カーボンゼロや省エネを考える「環境エネルギー」、③ストック活用と各種リフォームに対応する「中古住宅流通、リフォーム」、④高齢化・医療改革などに取り組む「健康、快適」、⑤国土強靭化のもとインフラ商材が充実した「安全、安心」、⑥観光や地域創生を促す「地域活性化」、⑦ますます身近な存在となった「IT技術の活用」の7つだ。出展メーカー・団体は各々が得意とする分野の“みらい”を提案すべく「コロナ対策」「防災対策」「家事ラク商材」「季節(暑さ)対策」の4つのエリアに分かれ、新商品やイチオシ商品などを展示・販売する。
前回展から導入された『Webみらい市』は通常営業のツールとしての役割のほか“いつでもどこでも、みらい市”をテーマに誕生した。獲得ポイントがポイント対象商品と交換できる特典も嬉しいサービスだ。利用者の多くがスマートフォンからアクセスすることを想定し画面のデザインはスマートフォン向けに最適化されているが、パソコンからの利用ももちろん可能である。各メーカーの最新情報などが随時『Webみらい市』へと集約され、ワンストップでの情報発信が実現。さらに、メーカーのショールームを仮想化し、スマートフォンで閲覧できる「バーチャル・ショールーム」から各社の動画サイトや商品詳細ページへとアクセスすることも可能だ。
展示会場内では、建築設備業者向けに、配管工事の火無し施工の講習会(認定証発行)や、「2050年カーボンニュートラルに向けて~建築設備業界が取り組むべきことは何か~」と題した講演会が開催されるほか、名城公園内テニスコートでプロテニスプレーヤーから直接レッスンを受けることのできる「プロテニススクール」(雨天中止/参加申込受付中)も開催予定だ。
『2022中部みらい市』では、もちろん新型コロナウイルス対策に力を入れる。政府や自治体が提示するガイドラインを遵守するとともに、来場者や出展スタッフにマスクの着用、手洗いや手指消毒の徹底と敢行を周知。来場時には氏名や連絡先などの記入が求められる。当日、発熱や咳、倦怠感など体調不良の症状が見受けられる来場者や出展スタッフには、来場・入場を辞退するよう呼びかけるという。
【開催概要】
●開催日時▽2022年8月19日(金)15時~18時、同20日(土)9時30分~16時30分
●会場▽名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)1階大展示場(所在地=名古屋市千種区吹上2-6-3/地下鉄桜通線「吹上」駅5番出口下車徒歩約5分)
●出展社数▽265社・団体/290小間(過去最大規模)
●目標動員数▽3300名(WEBみらい市アクセス1回/1名)
●テーマ▽7つのみらい コロナショックと大変化の時代に
●主催▽中部みらい市実行委員会
●問合せ▽橋本総業中部支店・電話=052(269)3520
※掲載写真は前回展(2020年)の中部みらい市の様子である。
自動車・医療産業など戦略市場での
トップ3サプライヤーを目指す
三菱マテリアル 東海ブロックDIAEDGE特約店会
三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=田中徹也氏〈三菱マテリアル執行役常務〉)は、5月19日午後3時30分より名古屋市中区のヒルトン名古屋にて「2022年度東海ブロックDIAEDGE(ダイヤエッジ)特約店会」を開催した。リモートでの参加も可能なハイブリッド形式で行われ、特約店41社41名、代理店10社12名(内、リモート参加は特約店17社17名、代理店1社1名)、合計53名が参加。総会では加工事業カンパニーの経営方針や国内営業部方針の説明、年間表彰の発表などが行われた。
総会の冒頭、田中常務が挨拶で、日頃のDIAEDGE製品の拡販とリサイクル活動への尽力に対して謝意を示した後、三菱マテリアル並びに加工事業カンパニーの方針について説明した。
その中で、まず三菱マテリアルの目指す姿として、「人と社会と地球のために」を企業理念に掲げ、ビジョン「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、持続可能な社会に貢献するリーディングカンパニー」に基づき、「社会的価値と経済的価値の両立を図る」ことを目指すとした。具体的には、①銅を中心とした非鉄金属素材及び付加価値の高い機能材料・製品の提供を通じて豊かな社会の構築に貢献する②リサイクル可能な製品の提供、高度なリサイクル技術による廃棄物の再資源化を通じて循環型社会の構築に貢献する③地熱等再生可能エネルギーの開発・利用促進、環境負荷低減を考慮したものづくりの徹底により脱炭素社会の構築に貢献することを目指す。これらの達成のために、事業ポートフォリオの最適化▽事業競争力の徹底追求(ものづくり戦略、品質管理戦略、デジタル化戦略)▽新製品・新事業の創出(研究開発・マーケティング戦略)の3点を全社方針として挙げた。
加工事業カンパニーにおいては「〝顧客視点に立ったスピードと変革を常に求め、実現し続けることで、顧客より真のパートナーとして信頼を得る、活力溢れたワクワクする事業体となる〟という事業方針(ビジョン)に向かって取り組んでいく」と田中常務。「戦略市場でのトップ3サプライヤー」を長期目標とし、クリーンなものづくりの推奨(超硬リサイクル原料と再生可能エネルギーの活用)▽先端技術を活用した高効率製品の提供(生産効率と環境効率の両立)▽高機能粉末事業の展開(切削工具以外のビジネス拡大)を長期戦略に掲げた。
重点施策として、顧客課題解決へ繋がる新技術の活用と新サービスの展開・拡大ならびに、グローバル供給体制・機能の充実化に取り組み、22中経の到達点として「戦略市場の攻略に向け、デジタル技術を活用し、競争力あるグローバルな事業基盤の構築」を目指すとした。
また、田中常務はインサートの受注及び生産能力に関し「2020年5月以降の急激な受注の回復に人員の補充が追い付かず、生産能力が受注を下回る状況になってしまい、回復に時間がかかっているのが実態」と報告。2021年度下期以降は生産能力が受注を上回る体制を維持しており、「今年度は、昨年度まで抑えていた設備投資もしっかり行い、受注残を早期に解消していく」と述べ協力を求めた。
超硬事業の売上高については、コロナ前の2019年度を100とすると、2020年度は86まで低下。「2021年度は105となり2019年度をキャッチアップした形。今年度は更に10%アップの116を目指し、長期的には2030年度に175までアップさせる」と継続的な成長目標を示した。
さらに、今年の11月8日から東京ビッグサイトで開催されるJIMTOF2022への出展計画も紹介し、ブースへの来場を呼び掛けた。
最後に田中常務は「これからも特約店様・代理店様・ユーザー様と共に考え、感動を共有し、挑戦し続け、手に取るすべての方に『ワクワク』を感じていただけるよう取り組んでまいります」と述べ、引き続きDIAEDGE製品への愛顧をお願いした。
年間表彰の発表に移り、プレゼンターを務めた金子善昭加工事業カンパニー営業本部長は挨拶で「今年は、積極的に打って出る年にしたいと思い決意を新たにしています。そういう観点から、超硬事業の基本的な販売方針として①マーケットイン②集中と選択③キーアカウントの徹底的な攻略、これに向かって今年度は徹底的にアグレッシブに活動していきたい」と意欲を示した。
DIAEDGEパートナーオブザイヤー賞(6社)、DIAEDGEフロンティアスピリット賞(5社)、DIAEDGEチャレンジングスピリット賞(3社)、DIAEDGEリサイクル賞(1社)が発表され、表彰盾授与式で各社の代表に盾が手渡された。
続いて、木田喜久加工事業カンパニー営業本部国内営業部長が2022年度国内営業部方針について説明。活動方針として「代理店・特約店と三位一体となって、増販の取り組みを進めていきたい。お客様視点で考え行動する。代理店・特約店と一緒に動き、ユーザーに提案をし、品物を届けることに邁進する。更に『もの売り』にとどまらず、『こと売り』として色々な改善提案も届けていきたい」と話した。
具体的な活動としては、JIMTOF・サマー・ウィンターの各キャンペーンを通年で展開し、新製品の市場浸透のため、積極的な営業活動を推進していく。また、コロナ対策として実施してきた加工技術センターでのリモート立会い試験による加工改善提案は、好評なため今後も継続していく。DXについては、まずは社内の業務改善にデジタル化を取り入れ効率化を進め、更に社外のユーザー、販売店、代理店との接点をデジタル化・効率化し、情報を素早く渡せるようにしていく。色々なデジタル、マルチな接点をつくり、使いやすいWEBサイト、携帯アプリ等を展開する。
その他、WEB講習会、新製品、キャンペーンの詳細などを紹介した。
総会後は懇親会が催され、特約店を代表して時津達也新栄商会社長が挨拶と乾杯を行い開宴。コロナ感染防止に配慮しながら情報交換して親睦を深め、代理店の梅村龍盛梅村本店社長の中締めで終了した。
今年度連結250億目指す
『削るのは、未来へのスキマ』
MOLDINO 業績報告会オンライン配信
MOLDINO(社長=鶴巻二三男氏、本社=東京都墨田区)は6月27日(月)、2022年度業績報告会『MOLDINO VISION 2022』をオンライン配信で開催した。鶴巻社長らが登壇し、2021年度の受注実績や2022年度の受注見込みを説明。そのほか、今後の経営方針や新製品・販売強化製品の発表なども行った。
同社は2022年3月22日、高硬度鋼加工用エンドミル『EPDBEH(エポックディープボールエボリューションハード)-TH3』にストロングネックタイプを追加発売。現在、多くの引き合いが寄せられているという。同社が独自に新開発した次世代ハードコーティング〝TH3〟を採用したこのエンドミルシリーズは、高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮する。ターゲットとなる鋼種は、焼き入れ鋼などの高硬度鋼(特に50HRC以上)やハイス鋼。これらの加工領域で長寿命を約束してくれるのは、利用者にとって嬉しい限りだ。
立壁/底面仕上げ加工用8枚刃エンドミル『ER/ES 8WB』は、2021年〝超〟モノづくり部品大賞「機械・ロボット部品賞」(日刊工業新聞社)を受賞。これ1本で立壁と底面を仕上げることができる優れたエンドミルだ。立壁加工に特化した外周刃設計を採用し倒れが少なく狙い通りの加工を実現でき、再加工や修正工数を低減できる。また、独自のコーナR刃により、高品位な底面加工を実現してくれる。
MR技術を活用し開発
コンクリート締固め管理システム
ユアサ商事ほか 2年後のサービス展開に向け
ユアサ商事(社長=田村博之氏、本社=東京都千代田区)は錢高組(社長=錢高久善氏、本店=大阪府大阪市)、インフォマティクス(社長=齊藤大地氏、本社=神奈川県川崎市)と共同で、MR(Mixed Reality)によるコンクリート締固め管理システムを構築。実証実験で実用化に目途をつけたと発表した。
コンクリート構造物の品質は、コンクリート打込み時の締固め作業に大きく左右される。従来、コンクリート締固め作業は現場作業員の目視による経験的な判断に委ねられているところが大きく効果的な締固めには熟練度が必要とされてきた。一方、近年のMR技術の進展は目覚ましく、あらゆる場面で品質管理や生産性向上に役立てられている。
そこで3社は共同で、コンクリート締固め作業の品質確保と省力化(生産性向上)を図るため、MRによりリアルタイムでコンクリートの締固め位置と締固め程度を色と数値で「見える化」するシステムを開発。その特長は、バイブレータのコンクリートへの挿入深さを3次元座標でリアルタイムに判定できる点にある(特許出願中)。作業員はヘッドマウントディスプレイ等で打込み箇所の締固め状態を確認しながら、また、現場管理者はタブレット等でコンクリート締固め状況を把握しながら締固め作業が可能となるため、打ち重ねが必要な場合においても未熟練者でも締固め不足のない良質なコンクリート打込みが可能となる。実証実験では、仮想空間でのバイブレータ先端位置(X、Y、Z)は実空間でのバイブレータ先端位置とほぼ一致していることを確認。今回開発したシステムの有効性が認められた。
今後は、実証実験で得られた知見をもとに、打ち重ね管理システムとの連携やバイブレータの空間的な位置合わせ精度の向上、演算処理速度の向上など、現場で扱いやすいシステムに改善しながら実用化していく予定だという。2年後のサービス展開を目途に、ユアサ商事より発売予定だ。
半導体市場向けフィルター増産へ
キッツマイクロフィルター新工場
キッツ 成長分野へ積極的な投資行う
キッツ(社長=河野誠氏、本社=千葉市美浜区)は7月13日、拡大する半導体市場向けフィルターの増産を目的に、100%子会社でフィルター製品の製造・販売を行うキッツマイクロフィルター(社長=黒岩太氏、本社=長野県茅野市)の新工場の建設及び生産設備への投資を行うと発表した。生産設備を含む総投資額は約34億円。2024年1月の稼働開始を予定している。
キッツマイクロフィルターは、半導体をはじめとする幅広い産業分野に、中空糸膜と各種成型技術をベースにした付加価値の高い流体分離製品を提供している。世界的な業界団体SEMIによると、半導体市場は設備を含めて2030年まで成長するとされており、その市場規模は2020年の4640億ドルから1兆ドルを超えるとみられている。
現在のキッツマイクロフィルターの工場は、2025年以降の需要に対して設備能力が不足することに加え、増産のための設備を追加するスペースも限られることから、今回、新工場を建設し、量産化及び自動化生産設備を導入して生産能力の増強を図ることにより、十分な供給体制を整備する。
新工場は鉄骨造2階建てで、延床面積は6854平方メートル。長野県茅野市にある生産・技術・開発機能を集約した「キッツちのテクノパーク」内に建てられる。主な生産品目は半導体・レジスト液製造プロセス用等工業用精密フィルター。
企業版ふるさと納税で
長野県茅野市を支援
キッツは6月23日、寄附を通じた地方公共団体が行う地方創生の取組支援を目的として、長野県茅野市が策定した〝若者に選ばれるまち〟を目指す「第2次茅野市地域創生総合戦略」に対して、2000万円の寄附(企業版ふるさと納税)を行った。
茅野市には、同社の茅野工場のほか、グループ会社の拠点が複数所在しており、市内に在住する社員も多く、これまでも茅野工場では、諏訪大社御柱祭に事業所をあげて参加し地元の活性化の一端を担うほか、災害時には社員食堂及びKITZ Groupイノベーションセンターを市民の避難所として、また敷地の一部を山岳遭難救助活動用のヘリポートとして提供するなど、地域とともに社会課題に対する取り組みを進めてきた。
キッツ 三吉バルブブランド製品
8月1日から10%値上げ
キッツは7月4日、三吉バルブブランドの鋳鉄バルブ、バタフライバルブ及び部品の販売価格を10%値上げすると発表した。8月1日出荷分から実施する。
三吉バルブブランドについては、今年5月に青黄銅弁及び定流量弁の値上げを実施したが、その後も原材料価格はウクライナ侵攻による原材料供給不安の広がりもあり価格上昇に拍車がかかり、さらに原油価格の値上げに起因して様々な商品の価格も高騰しており、これまで販売価格を据え置いてきた鋳鉄バルブ、バタフライバルブ及び部品についても企業努力で現状価格を維持することが困難な状況になってきたためと、同社は値上げの理由を説明している。
二期会会員のソリストを迎え
オペラの名場面を演奏
ダイドー 第30回クラシックコンサート
メカトロニクスの専門商社ダイドー(社長=山田貞夫氏、本社=名古屋市中村区)が主催する「第30回ダイドークラシックコンサート」が4月9日、名古屋市東区の愛知県芸術劇場コンサートホールで午後3時より開かれた。
このコンサートは、同社の取引先関係者や児童福祉施設の子どもらを招いて行われるチャリティーコンサート。多彩なゲストを迎え、クラシックに馴染みのない人でも楽しめる選曲、山田ダイドー社長の特別指揮など見どころ・聴きどころも豊富で毎回好評を博している。同社の社会奉仕活動の一環として1994年(平成6年)から毎年続けられ、今回で30回目を迎えた。
前回、前々回とコロナ禍により招待客の絞り込みが行われたが、今回は愛知県のコロナウイルスまん延防止等重点措置も解除され、基本的な感染症対策の下、多くの観客が演奏会を楽しんだ。
コンサートはオペラ名場面集と歌の名曲集の2部構成。セントラル愛知交響楽団の演奏で、指揮者に小松長生氏(セントラル愛知交響楽団桂冠指揮者)、ソリストとして二期会会員の木下美穂子さん(ソプラノ)、福井敬さん(テノール)、今井俊輔さん(バリトン)、幸田浩子さん(ソプラノ・ナレーション)を迎え、イタリアのオペラ作曲家プッチーニの代表作、歌劇「トスカ」(ハイライト、構成=宮本益光氏)が上演された。また、歌劇「カルメン」の“闘牛士の歌”や歌劇「蝶々夫人」の“ある晴れた日に”などの名曲も披露され、観客を魅了した。
山田社長が今回指揮したのは、ベートーヴェンの劇音楽「エグモント」作品84序曲。祖国の独立運動に活躍したエグモント伯爵に扮した姿でタクトを振り、会場から多くの「ブラボー!」(掛け声の代わりにカードを掲げる)と盛大な拍手が送られた。
司会は、FM愛知で放送中の「ダイドーおは・クラ・サタデーwithセントラル愛知交響楽団」(毎週土曜日、朝8時から)に出演のパーソナリティー佐井祐里奈さんとマーシー山本教授こと山本雅士さん(セントラル愛知交響楽団音楽主幹)が務め、分かりやすい解説を交えて進行した。
同コンサートでは毎回、会場内でチャリティー募金が行われており、集められた善意は名古屋市福祉基金に全額寄付されている。コンサートの中で目録の贈呈が行われ、名古屋市の河村たかし市長と名古屋市社会福祉協議会の佐藤良喜副会長より山田社長に感謝状が授与されるとともに、河村市長から「大事に使わせていただきます」と御礼の言葉があった。
第2822号 PDFはこちら