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2021年(令和3年)2月
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2021年2月7日(日)2768
中部経産局1月公表 最近の管内総合経済動向
「緩やかに持ち直している」
前月の総括判断を据え置き

 中部経済産業局は1月14日発表の「最近の管内総合経済動向」で、管内(愛知、岐阜、三重、富山、石川の5県)の経済活動についての総括判断を、2か月連続で「緩やかに持ち直している」とした。(比較は、断りのあるものを除き、2020年11月の実績値による)
 個別の項目もすべて前月の判断を据え置いた。
 生産は、3か月連続で「増加している」と判断。鉱工業生産の動向を指数(11月速報)でみると、生産用機械工業、汎用・業務用機械工業、鉄鋼業などが上昇したことから、前月比0・6%増と6か月連続で上昇した。前年同月比は0・3%増と14か月ぶりの上昇となった。主要業種では、輸送機械が、乗用車、自動車部品ともに高水準。生産用機械は、金属工作機械(海外向け)を中心に持ち直しの動きがみられる。電子部品・デバイスは、SSD向け等を中心に横ばいとなっている。
 個人消費については、2か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比2・4%増と全体では2か月連続で前年を上回った。スーパーは食料品等に動きがみられ同2・7%増、家電大型専門店は生活家電等が好調で同22・9%増となった。一方、百貨店は外出自粛等の影響により同12・8%減、コンビニエンスストアは外出自粛や在宅勤務拡大による来店客数減少の影響で同2・2%減となった。乗用車販売は、小型車が2か月ぶりに前年を下回ったものの、普通車及び軽自動車が2か月連続で前年を上回ったことから、全体でも2か月連続で前年を上回った(乗用車新車新規登録・届出台数…前年同月比5・6%増)。
 設備投資の判断は、4か月連続で「製造業を中心に弱い動きが広がっている」とした。管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)は、一般機械工業向けが25か月連続で、自動車工業向けが24か月連続で前年を下回ったことから、全体でも24か月連続で前年を下回った。
 輸出は、3か月連続で「増加している」と判断。名古屋税関管内の輸出通関額(円ベース・速報)は、3か月連続で前年を上回った。品目別では、「自動車」などが前年を上回った。また主要地域(国)別では、アジア向けが2か月ぶりに、ASEAN向けが9か月連続で、EU向けが2か月連続で前年を下回ったものの、中国向けが7か月連続で、アメリカ向けが3か月連続で前年を上回った。
 その他、公共投資は「堅調となっている」(3か月連続)、住宅投資は「弱い動きとなっている」(7か月連続)、雇用は「需給が緩和している」(6か月連続)と判断した。
 先行きについては、新型コロナウイルス感染症の拡大、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要としている。

管内主要8社の総受注高281億円
25か月ぶりに前年を上回る
中部経産局 11月度金属工作機械受注状況

 中部経済産業局が12月25日発表した令和2年11月度金属工作機械受注状況によると、管内金属工作機械メーカー主要8社(オークマ、アマダマシナリー、ジェイテクト、コマツNTC、FUJI、豊和工業、三菱電機名古屋製作所、ヤマザキマザック)の総受注高は、海外受注の増加により前年同月比2・3%増の281億57百万円となり、25か月ぶりに前年を上回った。前月比も11・5%増と2か月ぶりに増加した。
 国内受注は、前年同月比25・5%減の71億49百万円となり、24か月連続で前年を下回った。前月比は13・8%減だった。
 主力の一般機械工業向けが前年同月比9・9%減の40億89百万円と25か月連続で前年を下回り、自動車工業向けも同62・8%減の13億80百万円と24か月連続で前年を下回った。
 海外受注は、前年同月比17・2%増の210億8百万円となり、2か月ぶりに前年を上回った。前月比も23・8%増となり、200億円を超えたのは11か月ぶり。海外受注比率は74・6%となった。
 アジア向け(トルコを含む)が前年同月比22・7%増と3か月連続で、北米向けが同41・7%増と2か月ぶりにそれぞれ前年を上回った。ヨーロッパ向けは同20・0%減と25か月連続で前年を下回った。シェアはアジア向け40・0%、北米向け37・0%、ヨーロッパ向け19・1%となっている。
 国別にみると、1位のアメリカが75億16百万円(前年同月比43・7%増)、以下、中国55億59万円(同35・1%増)、ドイツ9億80百万円(同2・1%減)、大韓民国8億85百万円(同24・3%増)、イタリア7億10百万円(同17・0%減)の順となった。
 販売額は、前年同月比37・7%減の191億73百万円となり、11か月連続で前年を下回った。前月比は7・9%増だった。
 受注残高は、前年同月比27・7%減の1273億46百万円となり、20か月連続で前年を下回った。前月比は2・6%増だった。

コロナ禍におけるロボット活用事例
日本ロボット工業会 ホームページで紹介

 日本ロボット工業会(会長=小笠原浩氏・安川電機社長)は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染リスクを低減し安全・安心な生活や事業継続を行うために、活用されているサービスロボットの事例を、同会ホームページで紹介している。URL:https://robo-navi.com/servicerobot_covid/index.html
 感染拡大を防ぐための対策として、非対面・非接触で様々な活動ができるサービスロボット活用のニーズは多くの産業分野で高まっており、更なる利用拡大につなげたい考え。
 今回、サービスロボット製造・販売企業19社の協力を得て、自律走行しながら除菌・清掃するロボットや、無人搬送ロボット、AI自動接客ロボットなど、実証段階のものも含めて実用化されているサービスロボット27事例を掲載した。
 事例については継続的にアップデートを行い拡充に努めていくとしている。

スマートミラクルエンドミルシリーズに
形状加工用 ボール・ラジアスエンドミル追加
三菱マテ VQ2XLB/FDRB/HVRB

 三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=田中徹也氏、住所=東京都千代田区)は、難削材加工用SMART MIRACLE(スマートミラクル)エンドミルシリーズに「VQ2XLB ロングネックボールエンドミル」「VQFDRB 高能率加工用複合ラジアスエンドミル」「VQHVRB 高能率加工用制振ラジアスエンドミル」を追加発売した。
 スマートミラクルエンドミルシリーズは、耐摩耗性の大幅な向上と切削抵抗の低減、切りくず排出性を大幅に向上させた(Al ’Cr)N系コーティングの採用により、チタン合金・耐熱合金などの加工において、加工能率と工具寿命延長を実現し、多くのユーザーより高い評価を得ている。
 今回、同社では航空機部品、医療機器部品などのチタン合金、コバルトクロム合金、耐熱合金などの形状加工用エンドミルを追加し、シリーズの拡充を図った。
 「VQ2XLB」「VQFDRB」「VQHVRB」の主な特長は次の通り。
 @独自の(Al ’Cr)N系コーティングと加工形態に合わせた専用超硬母材採用により、耐摩耗性・耐欠損性を向上し安定した工具寿命を実現。
 A難削材加工での摩耗特性や加工形態に対応した独自の切れ刃形状の採用により、耐欠損性を向上し安定した高能率加工を実現。
 発売されたのは「VQ2XLB」φ1o〜φ3oの14型番、「VQFDRB」φ3o〜φ6oの5型番、「VQHVRB」φ1o〜φ4oの8型番。
 標準価格は、代表型番「VQ2XLBR0100N120S06」が9200円、「VQFDRBD0400N160」が1万4800円、「VQHVRBD0300R05N100」が1万3400円(いずれも税別)。
難削材加工用多機能ワイドボール
エンドミル「VQ4WB」を発売

 三菱マテリアルは、スマートミラクルエンドミルシリーズに難削材加工用多機能ワイドボールエンドミル「VQ4WB」を追加した。
 同製品は、ボール有効範囲280度とワイドな切れ刃で5軸加工での内面形状加工やアンダカット加工、穴加工後の背面バリ取りなどに対応した多機能化を実現。
 独自の(Al ’Cr)N系コーティングの採用による耐溶着性、耐摩耗性の向上で炭素鋼から難削材まで幅広い被削材で工具寿命を向上させた。
 また、4枚刃の採用で従来の2枚刃に比べて高送り高能率と工具寿命を大幅に向上させた。
 φ1o〜φ6oの11型番を発売。部品加工での穴背面バリ取り専用端数径サイズ(φ1・3/1・8/2・8/3・8/4・8)もラインナップした。
 5軸加工機、複合加工機の普及に伴い、異形工具や多機能工具による高能率加工・工程集約への要求が高まる中、同社では多様な加工形態に対応した同製品を追加し、シリーズの拡充を図った。
 標準価格は1万6900円〜2万3200円(税別)。

太田智広氏が社長に就任
エヌティーツール 1月1日付けで

 エヌティーツール(本社=愛知県高浜市芳川町)は2021年1月1日付けで、太田智広氏(前NT TOOL(Thailand)社長)が取締役社長に、内藤祐嗣氏(前代表取締役社長)は代表取締役会長にそれぞれ就任したと発表した。
 太田社長コメント「このたび内藤祐嗣の後任として取締役社長に就任いたしました。つきましては誠に微力ではございますが、全力を尽くして社業の発展に務める所存でございますので、前任者同様格別のご指導とご支援を受け賜りますようお願い申し上げます」。
 内藤会長コメント「このたび代表取締役社長を退任し代表取締役会長に就任いたしました。代表取締役社長在任中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。今後も社業の発展を担う所存につき、何とぞ、引き続きご指導のほどお願い申し上げます」。
 太田社長は愛知県安城市出身の51歳(1月1日就任時)。1993年に立命館大学経営学部を卒業。製造現場における生産管理・工場管理を通じて、モノづくりと海外生産拠点長を経験する。NT SEIMITSU(Thailand)社長を経て、2019年6月、エヌティーツールへ転籍し取締役に就任。同年10月からNT TOOL(Thailand)の現地法人社長としてタイへ赴任する。工場のマネージメントからタイ現地での製品販売にまで関わる。趣味はゴルフ。

全天候OK! 現場で使える新感覚メモ
Memobilly (メモビリー)
トップ工業 耐水紙仕様2色新発売

 作業工具製造販売のトップ工業(社長=石井真人氏、本社=新潟県三条市)は、全天候型で水回り・アウトドア・屋外作業に最適なメモ紙ホルダー「Memobilly(メモビリー)耐水紙仕様」の販売を開始した。
 メモビリーは、スッと出して、サッと書いて、パッと切り取る′サ場で使える新感覚メモ。表紙が下敷き仕様となっていて立ち書きしやすい上、カラビナ付きなので携帯にも便利。A6サイズでペンホルダーを内蔵している。
 好評の従来品に対し、「屋外作業でも使いたい」というユーザーの声に応え、今回ラインナップの拡充を図る形で耐水紙仕様の発売に至った。
 新商品は、ブラック(製品番号TK-16WBK)とネイビー(同TK-16WNB)の2色を用意し、標準価格はいずれも2100円(税別)。併せて、耐水紙リフィル50枚入(製品番号TK-R16W)も標準価格500円(税別)で同時発売した。
 同社では、ノベルティ用の名入れのサービスも行っている。
 同商品に関する詳細は、同社ウェブサイト(https://www.toptools.co.jp/products/tk-16wnb/)にて確認を。

喜一工具 2月15日より
名古屋支店を移転

 喜一工具(社長=梶本眞司氏、本社=大阪市西区立売堀)は、取引先へのサービス向上のため名古屋支店、名古屋営業所並びに中部業務課を移転し、2月15日(月)より新住所にて業務を開始する。
 これに伴い、従来の電話・ファクス番号での受発注業務は2月12日(金)までとなる。
 【新住所】〒462-0064 愛知県名古屋市北区大我麻町127【新電話番号】052-909-6155【新ファクス番号】052-909-6177

年 頭 所 感
回復と成長の年に
(一社)日本機械工業連合会
会長 大宮 英明

 皆様、新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、平素より日本機械工業連合会にお寄せ頂いております皆様方の温かいご支援とご協力に対し、改めて深く御礼申し上げます。
 本年は、延期となりましたオリンピック・パラリンピックが開催されますが、日本にとって大きな節目となる明るい年となることを祈念したいと思います。
 昨年は、新年早々、新型コロナウィルス感染問題が発生、拡大し、世界経済において波乱の年でありました。我が国機械産業も多大な影響を受けており、今年が回復と成長の年となることを切望しております。
 日機連としては、このような状況下、会員の皆様にコロナ対応を含め、必要な情報を発信し、会員の皆様を支援できるよう、事業を行ってまいりました。会合実開催が困難な状況のなか、WEBを活用しつつ、事業運営してまいりましたが、これまで、時間、距離などの制約により、参加が難しかった会員の皆様に、より多く事業に参加いただけたことは、一つのメリットではなかったかと思っております。
 今後、コロナ感染症の展開は予断を許しませんが、「ニューノーマル」の実態に柔軟に対応し、WEBをとり入れた活動もあわせ、より広く会員の皆様へ最新の情報を提供し、サービスの向上に努めていく考えです。
 機械産業の現況ですが、2020年12月末に日機連は、機械工業生産額見通し調査(改訂版)を発表いたしました。新型コロナウィルス感染拡大により、特に需要面で大きな影響が出ており、リーマンショック以来の厳しい状況になっております。2020年度上期は、特に、自動車を中心に輸送機械の生産が大きく減少するとともに、全業種の生産が減少した結果、全体の生産額は前年度比20・0%減となりました。一方、下期は依然として厳しいものの、自動車等の生産は回復が見込まれ、機械工業として持ち直しの動きが見られることから、前年度比6・1%減まで回復するものと見込まれます。従って、2020年度全体としての機械工業生産額は、7月に行った当初の調査の見通し(65兆3704億円)を下回り、前年度比13・1%減の63兆2441億円となる見通しであります。この生産額は、リーマンショック翌年(2009年)の生産額(約61兆円)を上回るものの、東日本大震災翌年(2012年)の生産額(約65兆円)を下回ります。このように機械工業を取り巻く環境は依然として厳しく、今後も新型コロナウィルス感染の影響が続くと予想されます。
 最近の日機連活動に関しましてご紹介いたします。
 昨年は新型コロナウィルス感染拡大のなか、委員会活動や講演会の実開催が困難となっておりましたが、WEBシステムの構築により多くの活動を実施できました。講演会に関しましては昨年合計19回開催いたしました。製造業へのコロナ対策、最新のエネルギー政策、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)などに関し、政府関係者、有識者等各方面の専門家に講演をいただき、会員の皆様への情報提供を強化してまいりました。各委員会では、WEBを活用しつつ、通年では例年と同程度の開催をいたしました。また、ロボット表彰、CO2排出削減の視点も踏まえて再開した省エネルギー表彰事業についても表彰実施にむけて審査を進めております。
 次に税制改正についての取り組みについてご紹介いたします。税制に関しては、機械業界の要望内容の策定とその実現に向けた要望を中心に活動を行っております。令和3年度の税制改正については、「ウィズコロナ、ポストコロナの経済・社会基盤を再構築するための重要税制」として、研究開発税制の拡充、設備投資の促進に向けた税制の創設・整備、欠損金の扱いの改善等の重点要望をとりまとめ、要望いたしました。また、製造業関連8団体連名にて「危機克服・イノベーション加速に向けた令和3年度税制改正共同要望」を、電子情報技術産業協会、日本製薬工業協会等と8団体連名にて「令和3年度研究開発税制共同要望」をそれぞれ策定し、要望項目の実現に向けて、共同で陳情活動を展開しました。その結果として、総額型の税額控除限度額引上げやクラウドによるサービス提供の対象化等の研究開発税制の見直し、企業のDX及びカーボンニュートラルに向けた投資促進税制の創設、繰越欠損金の控除上限の特例等、数多くの成果を実現することができました。今後の機械産業の発展のため、是非その活用をお願いしたいと思います。
 ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会事務局(以下RRI)の活動支援も日機連の重要な業務です。成長戦略の一環として政府が策定した「ロボット新戦略」に基づき、「ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)」が2015年に発足しましたが、その後順調に活動を展開しており、現在、会員数は約548となり、発足時の226から約2・5倍となっております。RRIの2020年度の主な活動状況をご紹介いたします。
 RRIのロボット分野の事業(ロボットフレンドリーな環境構築に関する取り組み)に関連し、当会は、2020年度「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に係る補助事業者に選定され、RRIと連携しながら「施設管理」、「小売」、「食品」の3分野での事業推進に着手しております。
 また、人材育成については、ロボットメーカー7社の産業界、教育機関(高等専門学校、工業高等学校)、職業能力開発施設が連携して、2020年6月、「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI(チェルシー))」を設立し、RRIの下に事務局を設置しました。今後、CHERSIは、教員向けインターンシップや企業エンジニアの学校への派遣など、「教育機関から産業界へのニーズ」と「産業界の有するシーズ」とをマッチングさせて、オールジャパンでの人材育成を推進してまいります。
 RRIのもう一つの柱であるIoT分野では、ドイツPlattform Industrie4.0、ドイツ工学アカデミー(Acatech)と、アフターコロナの世界に向けたものづくりの課題と方針についての日独有識者会合を2020年5月にWeb形式で開き、共同声明「アフターコロナの世界におけるものづくり」をまとめ、発表しました。
 2020年10月には経済産業省との共催で、『グローバルトップが語る「製造ビジネスとパラダイムシフト」』と題する「ロボット革命・産業IoT国際シンポジウム2020」を開催し、コロナ禍対応及び危機後のものづくりのデジタル化・IoT化をどのように進めていくべきか、日・米・独の研究・産業リーダーによる講演・ディスカッションを行いました。シンポジウムには、ドイツアカテック理事会議長カガーマン博士、米クレムゾン大学ジョンソン教授他の著名な有識者に登壇いただきました。調査研究・情報共有活動では、2020年2月の米国出張調査内容を踏まえ、「米国のAdvanced Manufacturingの取り組みに関する調査報告書」を6月に発表しました。
 引き続き日機連は、ロボットの社会実装、IoTの普及と我が国機械産業の競争力向上に向け、RRIを支援していく考えです。
 日機連の最近の事業の一部を紹介いたしましたが、日機連は、引き続きRRIと一体となり、DXや環境エネルギー課題への対応、強靭なサプライチェーンの構築等、我が国経済の持続的な成長に向けて、日本の機械産業に貢献し、また更なる発展を実現できるよう努めていく所存でございます。本年も日機連、RRI共々、我が国機械産業発展のため、誠心誠意努力を続けて参りたく、引き続きの御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。最後になりましたが、皆様の一層のご健勝とご活躍を心から祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
コロナ後を見据えた
 成長力の強化に向けて
(一社)日本産業機械工業会 会長 斎藤 保

 2021年を迎えるに当たり、新年のご挨拶を申し上げます。
 皆様には、気分も新たに新年を迎えられたことと思います。
 昨年を振り返りますと、新型コロナウイルスのパンデミックにより国際社会は未曾有の危機に直面し、わが国においても、感染拡大を防止するために、史上初めてとなる緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出自粛や休業要請の他、遠隔・非対面・非接触による業務など、日常を巡る風景が大きく変わりました。
 経済面では、12月に発表した日銀短観によりますと、大企業製造業の業況判断指数は、コロナの影響を強く受けた2020年4〜6月期を底として改善傾向となったものの、依然としてマイナス圏を抜け出しておりません。また、感染の再拡大もあり、設備投資計画がマイナスとなるなど、多くの企業が先行きを厳しく見ていると思われます。
 一方、海外では、他国に先駆けて経済活動を再開した中国の景気回復が見られたものの、新型コロナの感染者数が再び増加する欧米では景気の2番底が懸念されるなど、世界経済の腰折れリスクが高まっているのかと思われます。
 私ども日本産業機械工業会としては、政府や自治体の要請・指示を受け、会員各社の協力により、感染防止策の徹底や医療関連物資の提供などに取り組むとともに、事業活動の維持・継続に努めました。
 なお、2020年度上半期の産業機械受注については、国内では官公需が下支えしたものの、外需が減少したことから、受注額が2兆1157億円、前年同期比97・9%と2年連続で前年同期を下回る結果となりました。
 さて、2021年は、新型コロナウイルスの抑え込みに向けた、大変重要な一年になると思われます。救世主として期待されるワクチンや治療薬の開発が進展しており、わが国でもワクチン接種の準備が始動しております。ただ、多くの人々への接種を実現するためには、今暫く時間がかかるとみられており、それまでは制約の多い環境が続くと思われますが、引き続き国民一人ひとりが危機感を共有し、一丸となって感染防止策に取り組む必要があります。
 こうした中、我々産業機械業界としては、感染拡大防止に細心の注意を払いながら、事業の継続と雇用の維持を最優先に努力を続けていくとともに、先が読めない時代だからこそ、短期的な回復のみならず、コロナ後を見据えた中長期的な成長力を高める取り組みを継続していく必要があると考えます。
 特に、世界の新潮流である脱炭素化については、産業機械業界にとっても大きなビジネスチャンスであり、「グリーン成長」に貢献する革新的イノベーションの創出に取り組んでいくことが益々重要になっております。
 また、我々が長年にわたって蓄積してきた技術や経験を生かし、リモート、非接触、自動化、省力化などの社会や企業が直面している課題を解決し、付加価値の増大につなげていくなど、わが国産業の生産性向上や競争力強化に貢献していく必要があると考えます。
 政府におかれましては、新型コロナの感染「第三波」への対策の拡充を軸に、経済運営に万全を期していただきたいと思います。さらに、コロナ後を見据えた経済構造の転換と好循環の実現に向けて、脱炭素社会の実現やデジタル改革、企業の生産性向上といった重要課題に対して、スピード感をもって取り組んでいただくことを期待しております。
 年頭にあたり考えるところを述べさせていただきましたが、関係各位におかれましては一層のご指導、ご協力をお願いしますとともに、皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

Withコロナの新常態で
 新たな経済活動が進展
(一社)日本ねじ工業協会 会長 椿 省一郎

 新年を迎え、心よりお慶び申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症が、経済のグローバル化が進展する中での流行であり、瞬く間に全世界に広がり、経済・消費活動は大収縮し、世界中の景気がほぼ同時に急激に悪化しました。
 当協会では感染予防を優先して、会員が出席を要する活動を中止または延期し、会合はオンラインで開催するばかりで、会員の皆様方にとりましては直接会って交流する機会もないという不活発でご不満な一年であったと思いますが、皆様方からの多大なるご高配とご理解を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。
 今年の世界経済は、自国主義の台頭が気掛かりですが、各国の大胆な財政、金融政策で持ち直しが期待される一方で、根本的な感染対策が確立されるまでは感染再拡大の懸念から経済活動は抑圧的になり景気拡大のスピードやタイミングを測ることは難しい状況が続くと思われます。
 しかし、そうした先行き不透明の中にあっても、技術革新の波は、確実に怒涛の勢いで押し寄せてきています。例えば、自動車はC(つながる)A(自動運転)S(共有)E(電動化)、流通はネットショッピングやキャッシュレス化、輸送手段にドローンを使う、IOTでは地球の裏側の機械設備や物の動きのみならず人の動きまで瞬時に把握する時代が訪れようとしています。
 そうした中でのWithコロナという新常態で、新たな需要が喚起され、技術革新との相乗効果で、新たな経済活動が進展する年とも考えられます。
 2020年度は当協会創立60周年を迎えた記念すべき年であり、新たな出発の年と考えています。延期した記念式典は本年3月26日に予定していますが、その準備段階で改めて会員の皆様の声を聴き、これを機に改革に取り組み、日本で唯一の全国組織としてご期待に添えるよう変革し、そして新たに開始
する協会活動についても、次世代を担う若手の方々にも魅力を感じて貰え、会員の皆様に必要とされる事業を推進して参る所存です。引続きご協力を賜り、積極的なご参加よろしくお願い申し上げます

 最後になりましたが、皆様方の今後の更なるご活躍とご健勝、また一日も早くコロナ感染が終息することを心よりご祈念申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。

リアルとデジタルを活用し
 お客様との関係を強化
DMG森精機 取締役社長 森 雅彦

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は、COVID-19(新型コロナウイルス)の世界的な感染拡大の影響を受け、大きな変化の年となりました。工作機械業界においても受注低迷が続いていましたが、昨年4〜6月を底に、リーマンショック後と比較すると緩やかではありますが着実に回復しています。日本政府が2050年カーボンニュートラル宣言を発表しました。全世界でクリーンな環境を目指しCO2削減が求められ、より精密な機械、技術の需要が生まれています。厳しい状況が続いていますが、視野を広げて需要の機会を逃さずに、皆様とより緊密につながり、この難局を乗り越えていきたいと思います。
 当社はお客様がいつでもどこからでもアクセスでき、リアルタイムでつながるデジタル化の提案を推進しています。工作機械は長年お使いいただく商品ですので、お客様と長期的に強いパートナーシップを築くことが重要です。
 my DMG MORIポータルでは、保有機情報を一元管理でき、急なトラブル時もサービスセンタと連携し早期に復旧できます。今後、オンラインでの修理復旧依頼などのつながる機能を拡張します。また、当社ショールームをフルCG化したデジタルツインショールームでは、1000以上の豊富なコンテンツや、デジタルならではの普段見ることが出来ない自動化システムの内部もご覧いただけます。今後、デジタル上で加工シミュレーションを行うサービスも展開します。さらに、製造現場のデジタル化支援ツールとして、TULIPの販売を開始しました。専門的なプログラミングの知識が不要で、現場主体で製造プロセスの改善・効率化が可能です。また、非常に自由度が高いので、医薬品製造業や食品加工業など多種多様な業界で幅広く活用いただけます。
 一方、昨年6月から毎週金曜日に伊賀・東京で、少人数制オープンハウス「テクノロジーフライデー」を開催し、お客様のご要望に沿ったセミナー、見学、実演加工を通して複合的な生産性向上の提案を行い、大変ご好評いただいています。今年も引き続き開催し、全世界14ヵ所の工場にも展開していきます。今後は、リアルとデジタルを存分に活用し、お客様との関係を強化してまいります。
 工作機械産業はそのものがCSRであり、精度と生産性向上において社会に貢献します。地球環境保護においてはCO2ニュートラルの取り組みを加速しており、商品自体の省エネに加えて、自社での製造活動や原材料調達過程でのCO2排出量削減、2022年にはサプライチェイン全体でCO 
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ニュートラル達成に取り組んでまいります。一例として、間伐材を活用したバイオマス発電システムを導入し、伊賀事業所の塗装工場で必要な電源や熱の大部分を賄います。
 当社では、社員が自律的に自身の時間をマネジメントし、心身ともに充実した生活を送ってスキルアップできる風土を重視しており、「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げています。健康経営宣言を行い、全社員が有給休暇を20日取得、定められた在社制限時間内で効率的に働き、ワークライフバランスを実現します。
 本年も、全社をあげたさらなるTQMの推進により、経営理念の達成にむけて邁進します。引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

年 頭 所 感
新型コロナ感染症への
適切な対応を願う
(一社)日本防錆技術協会 会長 羽田 隆司

 新年あけましておめでとうございます。
 会員の皆様におかれましては健やかな新年をお迎えになったこととお慶び申し上げます。
 昨年も日本防錆技術協会に多大なご支援を賜り、心よりお礼申し上げます。本年もよろしくお願い致します。
 昨年は新型コロナ感染症が猛威を振るい、社会活動や個人の生活にまで大きな影響を受けました。
 当協会でも大幅に活動の制約を受け、重要な行事の一つの防錆防食技術発表大会は予稿集の発行のみの実施となりました。幸いなことに皆様のご協力により防錆技術学校は順調に進めております。
 本年は引続き予断を許さない新型コロナ感染症への対応、世界情勢の大きな変化が予想されますが、皆様におかれましては十分ご留意され適切な対応を取られることを切に願うものです。
 今年も各事業分野における注目すべき活動について振返り今後の課題を考えてみます。
 「防錆に関する調査研究を行う事業」では、昨年、1月に「わが国における腐食コスト」報告書が完成し、2月にシンポジウムを東京、大阪で開催し多数の参加者を得ました。その後、「防錆管理」7月号には、その要約を改訂版として掲載いたしました。
 「技術者の養成を行う事業」の主体の防錆技術学校は、昨年も5科351名の受講者で開講し、本年3月5日に修業式を迎えます。会員をはじめ関係各位のご協力を得て継続して多数の受講者を迎え感謝にたえません。本年も多数の受講者をご紹介頂きますようお願い申し上げます。
 「防錆に関する情報を収集整理する事業」では、昨年の第40回防錆防食技術発表大会があげられます。「東京ガーデンパレス」において開催する予定でしたが、コロナの影響により、集合する会を回避するため、予稿集のみの発行とさせていただきました。第41回防錆防食技術発表大会の委員長には、九州大学大学院 M田秀則氏(元 港湾技術研究所)に継続して頂きました。内容の一層の充実を図りさらなる発展を目指します。
 最後になりましたが、皆様ならびにご家族のご健康と更なるご健栄を心よりお祈り申し上げます。

若い英知を結集し
活力溢れる企業グループへ
岡谷鋼機
取締役社長 岡谷 篤一

(同社の社内イントラネットに掲示された岡谷社長の「年頭の辞」の要旨)
 新年明けましておめでとうございます。コロナ禍であり例年と異なる正月であったと思いますが、御家族お揃いで良い新年を迎えられた事と存じ、心からお慶び申し上げます。今暫くの辛抱と思いますが、工夫もして御家族の健康を第一に良い年にして下さい。
 ・昨年は、2019年12月頃からの新型コロナウイルスの世界的大流行の収束目途が立たず、世界経済にも急ブレーキがかかり、各国とも大幅なマイナス成長となりました。このような環境下、当社も業績の低迷により中期計画「Gih-2020」は大幅未達となる見込みです。中期計画の5年間、新事業・新商品分野への取組み不足と総合的な実力不足を痛感し反省をしなければなりません。
 ・OECD予測によると、2021年の世界経済成長率は4・2%と緩やかな回復が見込まれています。米中関係は米首脳交代により緊張は少し緩み、また国際協調も改善が期待される年です。しかしコロナワクチンの遅延とその効果に疑念が生じれば、不測の事態も生じ得る緊張と不安ある新年だと思います。また、わが国内では、地球温暖化対策強化(EV含む)、DXの普及推進そして国土強靭化対応のほか、構造改革に取組む経済対策も計画されており、その成果に期待をします。
 ・今年上半期には新中期計画を策定します。コロナ禍のなか、世界各国で大きな社会変化が予想されます。過去の延長線上にはない社会を見込んで、挑戦的な目標と戦略を積極果敢に立案・実行して大きな成果を目指します。挑戦は自由闊達な企業風土がグループに行き渡る事により実現できますので、基礎となるコミュニケーションのさらなる充実など、一層の人財育成に努めたいと思います。そして、ポストコロナには若い英知を結集して活力溢れる企業グループに成長する事を期待しています。
 1990年5月に社長に就任して以来30年余、バブル崩壊、リーマンショック、世界各国での紛争、わが国での大震災等の自然災害、そして新型コロナウイルス等に拘わらず大過ない会社発展があったのは、唯一社員各位が正面から業務に精励された賜物と改めて御礼申し上げます。今後も信用を大切にして、より良い会社を目指し尚一層の活躍と発展を祈念します。
 疫病退散・無病息災
 御家族ともども益々の御健勝と御多幸の新年を祈念して年頭の辞とします。

2021年のロボット受注額は
前年比4%増8840億円の見通し
(一社)日本ロボット工業会 会長 小笠原 浩

 新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 本年の年明けは、例年と異なり昨年初頭より世界中に蔓延した新型コロナウイルス(COVID-19)の猛威が、第2波、第3波と更に拡大方向にある中で静かに迎えることとなりました。なかなか終息の兆しが見えない状況ではあるものの、ワクチンの実用化が進み、既にその接種も始まりつつあることから、その効果による感染拡大抑止に大いに期待を寄せるところです。
 このような中ではありましたが、昨年末、惑星探査機「はやぶさ2」が6年50億キロもの旅を経て、小惑星リュウグウからの試料を収めたカプセルを見事に地球に帰還させた偉業は、日本国民に大きな感動と元気を与えるとともに科学技術への大いなる信頼と期待を抱かせる明るいニュースでした。
 翻って、このコロナ禍下での2020年の世界経済を見ると、昨年10月の「IMF世界経済見通し」では対前年比▲4・4%と予測しており、我が国においても経済活動の抑制によって生産、雇用・所得、企業収益、そして個人消費の落ち込みといった厳しい年でした。その中にあって、中国ではCOVID-19のいち早い終息とその成長回復が著しく、主要国では唯一のプラス成長となりました。
 明けて2021年の今年は、IMFによる世界経済見通しで対前年比5・2%のプラス成長とするほか、米国の次期政権ではコロナが完全に終息するまで金融緩和を継続することで、景気支援のさらなる強化が期待されるなど、世界経済は緩やかながら景気の回復が期待されています。
 このような状況の下、2020年の我が国ロボット産業は、コロナ禍の影響等により年初よりマイナス傾向が続きましたが、中国からの外需増が年後半からの輸出市場を牽引し、全体としてプラス成長が見られました。これにより2020年は、受注額で対前年比4・7%増の8500億円、生産額では前年並みの7790億円となると見込まれます。
 そして、本年のロボット市場は、緩やかな景気回復とともに、従来からの底堅い自動化需要に加えて今回のコロナ禍による感染防止対策上での新たなロボットニーズも生まれており、受注額は対前年比4%増の8840億円、そして生産額は5・6%増の8220億円の見通しとしました。
 政策面では、政府が2019年7月に取り纏められた「ロボットによる社会変革推進計画」において、ロボットの社会実装を加速することで社会変革を推進するとして、人材育成、エコシステム、R&D体制の構築やオープンイノベーションを重点に各種政策を強力に展開しています。そして、昨年7月に産学連携のロボット人財育成機関としてロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会内に「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CEHRSI)」が設立されたほか、同8月に社会実装を加速するオープンイノベーションの観点より「技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構(ROBOCIP)」が設立されるなど、新たな活動がスタートしたところです。
 当工業会としても、昨年はコロナ禍の影響により事業活動では様々な影響を受けましたが、「with コロナ」が常態化する中で、事業の取組方法に違いはありますがロボットの社会実装を加速し、ロボットの利活用推進にあたって全力で取り組む所存です。そして、当工業会の活動の柱となっている「市場拡大に向けた取組」、「イノベーションの加速化」、そして「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」の三つを主体的に行うこととしております。
 特に、市場拡大に向けた取組としては、その担い手でもあるFA・ロボットシステムインテグレータ協会が、昨年度試行した「ロボットSI検定3級」を本年度より正式に実施運用することとしており、システムインテグレーションに対する専門性の高度化に向けた人材育成の活動をはじめ、業界ネットワークの構築やマッチング活動等の事業を更に積極的に展開することと致しております。
 また、イノベーションの加速化では、ロボット関係学会及び関連業界との連携を通じ、市場の獲得・拡大、更には我が国競争力の維持・向上を図ることとしています。
 そして、ロボットの国際標準化では、JIS Y 1001(サービスロボットを活用したロボットサービスの安全マネジメントシステムに関する要求事項)が2019年5月に制定されたのに併せ、ISO/TC299へ新規作業項目の提案を行った結果、2020年7月に新たなWGとして採択・設置され、日本が議長国となってISO規格制定に向けた審議が開始されることとなりました。このように国際標準や国際交流についても引き続き積極的に推進することとしております。
 展示会に関しては、コロナ禍で昨年中止となった「実装プロセステクノロジー展」を5月26日〜28日に、また延期となっていた「Japan Robot Week」を7月8日〜11日に開催するとしております。いずれもCOVID-19の感染状況を見つつ、対策に万全を期して準備を進めてまいります。その一方、本年12月に開催予定であった「国際ロボット展」については、東京オリンピック・パラリンピックの開催上、残念ながら年を越して2022年3月9日〜12日での開催となりました。
 そして、当会は2022年10月に創立50周年を迎えますが、その「50周年記念事業」企画について現在検討を行っております。それらの具体化と準備作業を2021年度より本格的に取り組むほか、市場調査、技術振興等の各事業についても意欲的に展開する所存です。
 引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
健康、快適、安心・安全な
 暮らしの実現に向けて邁進
鰍kIXIL取締役 代表執行役社長兼CEO 瀬戸 欣哉

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 LIXILは、2020年12月1日付で、株式会社LIXILグループと子会社の株式会社LIXILの合併が完了し、持株会社体制からより迅速な意思決定を可能にする事業会社体制へと移行して、新生LIXILとして新しいスタートを切りました。私たちは、将来にわたって世界中の誰もが願う住まいの夢の実現を通じて社会に貢献できるよう、起業家精神にあふれ、よりシンプルで機動的な組織の構築に向けて変革を推進してきました。この合併は、このような組織変革における大きな節目であり、機動的な組織の構築、意思決定の迅速化やガバナンスの強化につながります。LIXILは新体制のもとで、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
 昨年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、誰も想像できなかったようなスピードで、社会や経済、私たちの働き方や暮らし、価値観など様々な側面で大きな変化が生まれました。当社は、お客さまやお取引先さま、従業員やその家族などあらゆるステークホルダーの安全と健康を最優先に考え、感染拡大の抑止に努めるとともに、世界の人びとの健康で快適な暮らしを支えるという企業としての使命を果たすことができるよう、事業継続に注力してきました。
 COVID-19によってかつてない環境の変化に直面していますが、LIXILはこうした変化の中にも新たなチャンスが生まれると考えています。例えば、「ニューノーマル」において、自宅で過ごす時間が増えることで、快適な住環境の重要性や、衛生や健康面への関心がこれまで以上に高まっています。こうしたニーズを受け、国内では、「非接触」「非対面」「換気」「ワークスペース」「オン・オフ切替」などをテーマに、“おうち時間”を健康、快適、安心・安全に過ごすためのリフォームアイデアを提案する「おうち時間を幸せに」プロモーションを展開しています。例えば、手を触れることなく利用できるタッチレス水栓や、非対面での荷物の集荷や受け取りが可能なスマート宅配ポストなど、「ニューノーマル」における新しいエンドユーザーのニーズに対応する幅広い製品を提供し、新しい暮らしや働き方をサポートしています。この取り組みは今年も継続していきます。
 また、コロナ禍において、デジタル化の流れが大きく加速しています。LIXILでは、数年前からデジタルの活用を積極的に推進していたことから、在宅勤務への移行もスムーズに実現することができ、従業員の多様な働き方を積極的に推進しています。さらに、デジタル化によって、従業員間だけでなく、お客さまや取引先さまなどあらゆるステークホルダーとのコミュニケーションのあり方が変わりつつあります。日本全国に展開するショールームでは、デジタルツールを活用することで、商品の案内から見積もりの作成など、お客さまが自宅にいながら来館時と同じようにサービスを受けることができる「オンライン接客」をいち早く導入し、夜間でも対応を可能にするなど、新たなビジネスチャンスにつながっています。これまで継続的に進めてきた変革の取り組みがあったからこそ、事業環境の変化にも迅速に対応し、新たな成長機会へと変えていく力につなげることができました。
 こうした中、LIXILでは、エンドユーザーの声に耳を傾け、ニーズや困りごとを理解し、最新のテクノロジーと生活者の視点に立ったデザインを組み合わせた商品やサービスの開発を通じて、課題の解決策を提供することに注力しています。例えば、世の中のニーズに迅速に対応するために発足させたLHT-Japanの新規事業部門「ビジネスインキュベーションセンター」では、取り付けるだけで住宅の玄関ドアを自動ドアへ生まれ変わらせる電動オープナーシステム「DOAC」を開発しました。車いすユーザーが外出、帰宅する際や、重い荷物を持っている時など、誰でもタッチレスで玄関ドアの開閉が可能になり、新しいバリアフリーリフォームを実現しています。
 加えて、LIXILでは、事業活動を通じて社会に貢献することを目指し、当社の技術や知見を活かして、グローバルな社会課題への対応を継続的に進めてきました。世界でCOVID-19の感染拡大が大きな脅威となり、予防策として手洗いの徹底が叫ばれる中、世界では約30億人が日常的に手洗いをすることができない環境に置かれています。こうした状況において、当社は開発途上国向けの新たな手洗いソリューション「SATO Tap」を開発し、ユニセフをはじめとする様々なパートナーと連携しながら、迅速な手洗いの普及を積極的に進めています。事業活動を通じて社会に貢献することは、企業としての使命であり、社会全体に利益をもたらすだけでなく、当社の長期的な持続可能性を高める上でも、非常に重要だと考えています。
 中長期的にみると、当社の売上の約7割を占める日本市場においては、新設住宅着工件数の減少が続くことが予想されており、さらにCOVID-19の影響により、需要の減退は加速することが見込まれています。また、消費者ニーズの変化や急速なデジタル化の進展により、旧来のビジネスモデルを転換させることは喫緊の課題となっています。このような環境下において、競争力のさらなる強化と持続可能な成長の実現に向けて、従業員の働き方や企業文化の変革をスピーディーに進め、変化に迅速に対応していくことが必要です。2019年秋に国内事業の活性化を目指した包括的な人事戦略「変わらないと、LIXIL」を導入し、より顧客志向の組織へと転換し、実力主義の文化を醸成し、多様な人材が活躍できる、活力に満ちた組織の構築を図っていますが、今年はこうした取り組みをさらに加速させていきます。成熟した市場に対応した事業構造へ転換を進め、コスト競争力を強化し、拡大するリフォーム需要とオンライン化が進むエンドユーザーの消費行動に対して、より迅速に対応していきます。
 私たちLIXILは、「ニューノーマル」における健康、快適、安心・安全な暮らしの実現に向けて、そして世界中の人びとの豊かで快適な住まいを実現するために、経営陣と従業員が一丸となり、2021年も邁進してまいります。本年も皆さまの一層のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2021年2月14日(日)2769
2020年(暦年)の工作機械受注額
前年比26・7%減の9018億円
日工会 10年ぶりに1兆円を下回る

 日本工作機械工業会(日工会、会長=飯村幸生氏・芝浦機械会長)が1月21日発表した2020年(暦年)の工作機械受注額は、前年比26・7%減の9018億円で、2年連続の減少となった。新型コロナウイルスの広範かつ急速な流行を受けて、世界各国で経済活動が停滞し、先行き不透明感の高まりから上期を中心に設備投資が厳しく抑制された。受注総額が1兆円を下回るのは2010年以来10年ぶり。一方、昨年9月に修正値を発表した受注見通し(8500億円)との比較では500億円強上回った。
 受注総額の内訳は、内需が前年比34・2%減の3245億円、外需が同21・6%減の5774億円で、外需比率は同4・1ポイント上昇し64・0%となった。
 内需は、2年連続で減少し、8年ぶりの4000億円割れとなった。自動車等の低迷や米中貿易摩擦の影響で、月300億円前後で推移していた年初から、コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された4月、5月にはすべての業種で受注が停滞し、5月には182億円まで落ち込んだ。宣言解除後の6月以降も先行き不透明感から投資の慎重姿勢が続き需要回復は緩やかで、自動車関連投資や半導体関連で受注の戻りが見られたものの、年終盤に月300億円前後と年初の水準を回復するにとどまった。
 主要4業種では「一般機械」が前年比34・2%減の1331億円、「自動車」が同40・3%減の834億円、「電気・精密」が同20・2%減の343億円、「航空機・造船・輸送用機械」が同54・6%減の111億円となり、国内外で航空機需要が低迷した「航空機・造船・輸送用機械」の減少幅が最も大きくなった。
 外需は、2年連続で減少し、11年ぶりの6000億円割れとなった。主要3極とも米中貿易摩擦等の影響もあって、月500億円前後で推移していた2019年後半から、国内同様コロナの影響により2020年初から更なる減少が続き、5月には330億円まで落ち込んだ。その後も感染拡大の収束が見られない欧州、北米では需要の回復ペースが緩やかなものとなったが、早期に感染拡大が収束した中国では、政府の支援策に加え、コロナ禍で拡大したテレワーク需要を取り込み、5月から前年同月を上回る回復を見せ、その後も年末まで拡大基調が続いた。その結果、外需総額でも年後半は月600億円を超える水準まで回復した。
 地域別では、アジアが前年比1・4%減の2916億円で、3年連続の減少。このうち東アジアは同13・0%増の2395億円となり、幅広い業種で拡大が続いた中国が同23・5%増の2019億円と回復を牽引した。
 欧州は、コロナ感染拡大の影響で主要国を中心にロックダウン等が実施されたため、中国回復の恩恵を受けることも難しく、年間を通して回復速度が主要3極で最も遅く、前年比45・6%減の963億円と2年連続で減少した。
 北米は、前年比27・4%減の1788億円となり、2年連続の減少。コロナ感染拡大の影響により、5月を底に落ち込み、その後緩やかな回復が続いた。
 これにより各地域別の受注シェアは、早期に回復に転じた中国の影響でアジアのシェアが大幅に増加し50・5%(前年比10・4ポイント増)、欧州が16・7%(同7・4ポイント減)、北米が31・0%(同2・4ポイント減)となった。
 一方、機種別では全11機種すべてで前年に比べ減少した。旋盤は前年比31・1%減の2877億円。このうち複合加工機は同25・1%減の1109億円となり、旋盤に占める割合は38・6%と統計開始(2015年)以来の過去最高比率を更新した。マシニングセンタは、同18・3%減の3841億円。このうち5軸以上は同32・7%減の820億円で、マシニングセンタに占める割合は3年連続で20%を超えたものの3年ぶりに低下した。
 その他の機種では、FMSが同49・4%減の167億円、中ぐり盤が同48・0%減の70億円、研削盤が同39・5%減の567億円、専用機が同34・6%減の148億円といずれも3割以上減少した。
 2020年末の受注残高は、前年比23・2%減の4308億円となり、2年連続で減少し、11年ぶりに5000億円を下回った。1月から減少を続け9月に4194億円まで低下したが、10月、11月に微増した。当該年末の受注残高を直近3か月(2020年10〜12月期)の販売平均で除した「受注残持ち月数」は5・0か月で前年末から横ばいとなった。
2020年12月分工作機械受注額
12か月ぶりの900億円超

 日工会が同日発表した2020年12月分の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比9・9%増の990億57百万円となり、2か月連続で増加した。前月比も11・7%増と2か月連続で増加し、受注総額が900億円を上回るのは2019年12月以来12か月ぶり。世界各地で新型コロナウイルスが再び猛威を振るう厳しい経済状況下にあって、内外需とも昨年年央以降緩やかな増加傾向が継続している。
 内需は、前年同月比14・6%減の318億42百万円となり、25か月連続で減少した。前月比は17・8%増と3か月ぶりに増加し、3か月ぶりに300億円を上回った。半導体製造装置やロボット、ローダー、搬送機等の自動化設備、医療関連、各種コネクターや金属部品等、幅広い製品用途で需要の増加が見られるが、外需と比較して回復の動きは緩やかなものとなっている。
 外需は、前年同月比27・3%増の672億15百万円となり、2か月連続で増加した。前月比も9・0%増と2か月連続で増加し、2019年5月以来19か月ぶりに650億円を上回った。
 主要地域では、前年同月比が109・1%増で30か月ぶりの400億円超となったアジアでの需要増が顕著。一方、北米ではジョブショップや自動車等、また欧州も医療や在庫が掃けた商社・代理店等からの受注が見られたが、コロナ禍を受けての経済停滞や先行き不安が大きく影響し、年末の期末効果を受けての一段の増加には繋がらなかった。
 同会では、会員ヒアリングの結果などから当面の見通しについて「中国市場では幅広い業種で工作機械需要が高まっており、強靭な国内市場の形成を標榜する政府の後押しも窺える。旧正月(2月上旬)の休みを挟んで一旦落ち着く可能性があるが、年央にかけて引き続き活況が続くとみる向きが強い。また、新政権による経済政策の効果が期待される日米をはじめ、欧州やインド等でも緩やかな景況改善が進むとみられる。業種別ではデータセンター増設やテレワークの普及、巣ごもり需要、次世代携帯端末の製造等が追い風となり半導体製造装置関連需要が高水準で推移すると見込まれる。また、自動車産業でも、新車販売の回復を受けて、これまで先送りされていた案件の成約が進むとともに、EVやHVの製造、コネクティビティや自動運転の追求、MaaSの可能性を探る動き等が徐々に設備投資に結びつくものと期待される。産業機械関連では、コロナ禍により自動化・効率化の重要性が一段と高まった他、各種インフラ整備のための建設機械や、医療機械、測定機器等の需要も高まっている」との見方を示した。
 同会の飯村会長が今年の年頭所感で示した2021年の受注総額の見通し1兆2000億円についても、「昨年後半からの増加基調を着実に捉えることで、見通し達成の展望が開けてくるものと期待する」とした。
「TECH Biz EXPO 2021」開催中止
 2月24〜25日の2日間にわたり名古屋市千種区の吹上ホールで開催予定だった「第10回次世代ものづくり基盤技術産業展-TECH Biz EXPO 2021-」が中止されることとなった。同展を主催する名古屋国際見本市委員会と公益財団法人名古屋産業振興公社が1月22日発表した。
 両者は、新型コロナウイルス感染防止への対策を講じながら開催準備を進めてきたが、愛知県を含む11都府県に2月7日まで緊急事態宣言が発出され、その後の収束も見通せない現状を踏まえて、出展者及び来場者の健康と安全を確保しながら、宣言下において有意義な展示会を開催できるかを協議した結果、同展を中止することを決定した。
 なお、「TECH Biz EXPO 2021 企業紹介」を2月24日からホームページ上に掲載する予定としている。
2020年度機械工業生産額(改訂)見通し
日機連 前年度比13・1%減の63兆2441億円

 日本機械工業連合会(日機連、会長=大宮英明氏・三菱重工業会長)が昨年12月22日に発表した2020年度の機械工業生産額(改訂)見通しは、前年度比13・1%減の63兆2441億円で、2年連続の減少見込みとなった。新型コロナウイルス感染症により、特に需要面で大きな影響が出ており、リーマンショック以来の厳しい状況になると見込んだ。上期は特に自動車を中心に輸送機械の生産が大きく減少するとともに、全業種の生産が減少した結果、全体の生産額は前年度比20・0%減になった。一方、下期は依然として厳しいものの、自動車等の生産は回復が見込まれ、機械工業として持ち直しの動きが見られることから、前年度比6・1%減まで回復すると見込んでいる。
 日機連では、毎年関係工業会の協力を得て、年度ごとの機械工業の生産額見通し調査を実施しており、このほど2020年度改訂見通しの集計結果(調査時点2020年11月5日)をまとめた。
 今回の改訂見通しでは、昨年7月に発表した当初見通しに比べ前年度比で2・7ポイント、金額ベースで2兆1263億円弱の下方修正となった。この生産額は、リーマンショック翌年(2009年)の生産額(約61兆円)を上回るものの、東日本大震災翌年(2012年)の生産額(約65兆円)を下回る。業種別では、すべての業種で減少を見込んでいる。
 業種別機械工業の動向は次のとおり(発表内容を一部抜粋)。
【一般機械】
 一般機械の生産額は、前年度比(以下同様)10・6%減の13兆5580億円となる見通し。
 機種別にみると、▼ボイラー・原動機は、ボイラー・タービンが石炭火力向けは引き続き厳しく、バイオマス発電、天然ガス向けも伸びず、はん用内燃機関はガソリン機関、ディーゼル機関、ガス機関のいずれも減少を見込み、全体で13・0%減。▼土木建設機械は、国内は公共投資の下支えがあるものの、民需が厳しく減少、輸出は欧米、アジア向けのいずれも厳しく、15・1%減。▼合成樹脂加工機械は、輸出が中国向けで回復基調にあるものの、上期は大幅減、受注も厳しさが続いており、30・0%減。▼印刷・製本・紙工機械は、国内が物流向けは堅調なものの、国内外共に設備投資の落ち込みや、需要の先送りにより、21・8%減。▼ポンプ・送風機・圧縮機は、国内は官公庁向け、輸出は中国向けの需要が下支えするものの、民需が厳しく、15・0%減。▼油空圧機器は、空気圧機器が中国向けで回復しており増加を見込み、油圧機器は上期に主力の土木建設機械向けで大幅に減少したことから、全体で5・8%減。▼ロボットは、中国向けや半導体関連向けは回復しているものの、国内外共に投資の先送りや自動車向けの低調が続くと見込み、5・3%減。▼動力伝導装置は、変速機が受注は戻りつつあるものの上期が厳しく減少、歯車は減少、スチールチェーンは下期に中国向けの回復に期待するものの、伝動用、搬送用、自動車用等いずれも減少を見込み、全体で19・6%減。▼農業用機械器具は、国内が消費税増税前の駆け込み需要の反動による減少が続き、輸出は欧州向けで減少を見込み、全体で10・0%減。▼金属工作機械は、国内外共に自動化、省力化のニーズは高いものの、上期に大幅に落ち込み、需要は底打ちしたものの、多くの需要先で設備投資の様子見が続くと見込み、33・4%減。▼第二次金属加工機械は、機械プレス、液圧プレス等がいずれも大幅な減少を見込み、27・5%減。▼繊維機械は、化学繊維機械が微減、織機、編組機械等は大幅な減少を見込み、全体で23・5%減。▼食料品加工機械は、乳製品加工、飲料加工等業界向け等が微増、製パン・製菓、醸造用業界向け等で減少を見込み、全体で4・5%減。▼包装機械・荷造機械は、国内が物流業界向け等の設備投資に期待できるものの、輸出は上期に減少したことから、2・6%減。▼木材加工機械は、輸出の大幅な減少を見込み、30・5%減。▼ミシンは、家庭用ミシンが横ばい、工業用ミシンは国内外共に大幅な減少を見込み、全体で31・7%減。▼冷凍機・同応用装置は、エアコンディショナ等の比較的高水準の生産が続いていた品目の反動減や、輸出の減少を見込み、全体で9・3%減。▼半導体製造装置及びFPD製造装置は、データトラフィックの急増により、データセンターや5G等、IT機器向けの需要増が見込まれ、6・7%増の見通しである。
【電気機械】
 電気機械の生産額は、前年度比3・2%減の7兆3926億円となる見通し。
【情報通信機械】
 情報通信機械の生産額は、前年度比9・6%減の2兆7844億円となる見通し。
【電子部品・デバイス】
 電子部品・デバイスの生産額は、前年比(以下同様)2・2%減の6兆2004億円となる見通し。
 データトラフィックの急増によるデータセンターの拡張や増強へのニーズの高まり、小型・薄型・省エネルギーに貢献する高信頼性電子部品や半導体に対するニーズの増加や、5Gやローカル5G対応の進展による新たな需要喚起も期待できるものの、先行きの不透明感があり、電子部品は0・5%増、電子デバイスは4・2%減の見通しである。
【輸送機械】
 輸送機械の生産額は、前年度比(以下同様)18・7%減の27兆2781億円となる見通し。
 機種別にみると、▼自動車は、上期が国内外共に大幅減、下期は中国向けの輸出、安全装備の拡充や環境対策、買替需要等による回復を見込むものの、自動車全体では17・7%減。▼自動車部品は、自動車生産台数が上期の減少により部品も大幅に減少し、下期は回復を見込むものの、20・1%減。▼産業車両は、国内が物流施設等での効率化による需要増が期待できるものの、主力のフォークリフトトラックの回復が遅れ、輸出も厳しく、全体では13・0%減。▼鋼船は、受注残の減少により、操業を落としており、14・2%減。▼航空機は、航空輸送需要減が続き、官需が多くを占める機体は微減、発動機は増加するものの、民需が多くを占める機体部品及び発動機部品、装備品のうちの民需が大幅に減少し、全体では31・9%減の見通しである。
【精密機械】
 精密機械の生産額は、前年度比(以下同様)11・4%減の1兆2864億円となる見通し。
 機種別にみると、▼計測機器は、計量機器が国内外共に減少を見込み11・7%減、光学・精密測定機は受注の停滞による減少を見込み26・5%減、分析機器は一般検査需要の減少による機器需要の減少を見込み2・0%減、測量機器は輸出が厳しく14・4%減、計測機器全体で7・9%減。▼光学機械は、写真機が11・2%減、望遠鏡・顕微鏡は生物顕微鏡、工業用顕微鏡、実体顕微鏡、教育用顕微鏡のいずれも減少が見込まれ、16・3%減、全体では19・8%減の見通しである。
【金属製品】
 金属製品の生産額は、前年度比(以下同様)9・3%減の2兆6393億円となる見通し。
 機種別にみると、▼ばねは、国内外共に厳しく、24・3%減。▼機械工具は、特殊鋼・超硬工具が輸出の大幅な減少を見込み24・6%減、ダイヤモンド工具は下期に中国向けを中心とした輸出や国内需要の回復を見込むものの、上期が減少したことから7・6%減、機械工具全体で21・9%減。▼バルブ・コック・鉄管継手は、半導体関連向けが増加、建築設備、水道向け等は減少を見込み、全体では5・4%減の見通しである。
【鋳鍛造品】
 鋳鍛造品の生産額は、前年度比(以下同様)19・6%減の2兆1049億円となる見通し。
 機種別にみると、▼粉末冶金製品は、14・1%減。▼鍛工品は、自動車、産業機械、土木建設機械向け等のいずれも減少を見込み、21・8%減。▼銑鉄鋳物は、電気機械、輸送機械向け等のいずれも減少を見込み、18・7%減。▼可鍛鋳鉄・精密鋳造品は、5・6%減。▼非鉄金属鋳物は、22・9%減。▼ダイカストは、20・0%減の見通しである。
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アイディアをお客様に提供
東 陽 新年挨拶をHPで動画配信

 機械・工具の専門商社東陽(社長=羽賀象二郎氏、本社=愛知県刈谷市)は、毎年年初に仕入先の商社、メーカーらおよそ600名が参加して新春賀詞交歓会を開催していたが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のためこれを中止とし、代わりに羽賀昭雄会長と羽賀象二郎社長の新年挨拶を同社ホームページで1月6日から約2週間、動画配信した。
 主な挨拶内容は次の通り。
◆羽賀象二郎社長
 皆様、新年あけましておめでとうございます。
 この2021年がどのような年になるのかは、正直申し上げて新型コロナウイルスのご機嫌次第という感じではありますが、そうは言ってもワクチンがかなり開発されてきていますので、おそらくは先進国同士だけでも人が自由に行き交うようになる日はそう遠くないというように考えております。
 昨年、病気が猖獗(しょうけつ)を極めた時には世界中の経済が止まってしまうのではないかと思ったのですが、意外や意外、人類はすごく頑張っております。この2021年初頭になっても、株価はしっかりと伸びておりますし、商品価格も、昨年春に一時期大きく落ち込んだのですが、それから復活。特に株価はバブル以来の高値を更新してしまった。非常に金あまり状況にあります。これも、ITを活用しwebでやり取りをすることが成功したことと、あとグローバリズムのおかげで物流網がかなり強靭だったことで、実物を動かすことに関してはあまり停滞することがなかった。2020年の間はそれが上手くいったと考えております。我々のお客様の生産も一時期大きく落ち込んだのですが、その挽回で今非常に好調です。
 海外でも、北米や中国は回復をして来ておりますし、欧州は、また新しい変異種が出たということで混乱をしておりますが、EUとイギリスも上手く交渉ができたということで、おそらくはEU全体としての経済も回復していって、自動車生産も伸びていくと考えております。
 ただ、投資に関しては非常に難しい。お客様が、決算が悪いから予算がないということも勿論そうなのですが、むしろ何をするのか、これが非常に難しい。自動化、電動化というものは、次世代という段階ではなく、実用化され、これから更にレベルアップを重ねていく段階に入っていく。その一方で、従来のハイブリッドや、散々叩かれているピュアガソリン、ピュアディーゼルといった車もまだ売れている。これらを進化させていく部品も、精度を上げ燃費を上げていったら、まだまだ寿命が延びていくかもしれない。
 我々のお客様からすると、未来への投資も当然やっていかなければならない。そうでないと世界の自動車のトレンドについて行けない。一方で、足元の生産、今作っているものの進化というものも、やっていかなければならない。この両方のお金を惜しまずにやっていかなければ、メガサプライヤーの地位から落ちてしまう。マーケティングを上手く行い、当たる車、売れる部品を作っていくことが求められています。
 このような状況の中、我々、メーカーさんも含めて何をするべきかというと、長期的に産業に資する知恵とアイディアの提供です。足元でこういう商品・技術というよりも、思想として、こういう考え方で行きましょう、今はまだ形になっていなくてもこういう物が使えますということを、色々とお客様に提案していくことが必要となっていく。ロボットを使う、ITを駆使すると言っても、人間の知恵がなければ、最大限の効果は機械や道具だけでは出すことはできません。我々は立ち止まることなく、常にモノづくりの進化に貢献していくアイディアをお客様に提供していきたいと思います。
 この1年、私ども東陽は全社員を挙げて皆様の商品を一生懸命販売していきますし、皆様に教えてもらった知恵、皆様から提供していただいたアイディア、そういうものをどんどんお客様にぶつけて行って、これは要る、これは役に立つ、ではこのようなものを開発してほしいといった情報もフィードバックして、皆様の発展に貢献していきたいと考えております。宜しくお願いいたします。
◆羽賀昭雄会長
 明けましておめでとうございます。
 2020年は、コロナ騒動で混乱の極みの年でありました。今年2021年は、ワクチンの接種も開始され、治療方法も確立されて、新しい常態ニューノーマルの時代になっていくのではないかと思います。
 この中で、わが社が生きていくためにも、DX(トランスフォーメーション)をやっていかなければならないと考えております。
 私たちの主要顧客である自動車部品産業は、正常生産あるいはピークであった2018年に比べて今回落ち込みましたが、最も楽観的な予想では2021年、あるいはメインシナリオでは2022年、最も悲観的なシナリオでも2024年には正常に復すると言われております。
 またこの一方、CASEと言われている100年に一度の大変革が我々を襲っております。これは、お客様にとって非常に大きな負担であります。マーケットが縮小する中、利益を生まない将来投資に全力を挙げなければ、会社が生きていけない。
 我々は、この事態に対して、どう変革していくのかを問われるわけであります。当然、お客様もそれに備えて全力で開発、投資、研究、技術提携、合併等を行っていくものと思います。
 東陽としては、今まで以上にお客様に密着して、小さなシーズ(Seeds・種)を拾い込み、それを育てていきたいと思います。このシーズを見逃すことなく、新しいCASEの時代に対応していけば、我々の更に成長する道はあるものと確信しております。
 私たちのお客様の売上高をざっくりと計算したところ、13兆円あります。従って、その中で変わるもの、残るものを一生懸命に追っていけば、充分まだ成長の力はあります。新しい分野、航空機や医療という分野に出て行っても、過当競争だけで何らわが社の成長には役に立たないものと考えております。
 わが社は現在、世界中に54か所の営業所があります。2017年にM&AしたアメリカのPTS Automationのようなロボット会社を加えて、1300人の従業員がお客様のために皆様の商品を販売するのに全力を尽くしております。どのような事態になろうとも東陽は業界で最強のチームであり、色々な問題があろうとも自動車部品業界に皆様の商品を売る最大のパートナーであります。新しい時代に向けても一番早く情報を取ってきて、CASEに対して私たちのお客様は最も進んだ会社であり、そのようなグループに入っておりますが、そこで起きる変化には東陽は絶対に対応していく自信があります。どうぞ、頼れるパートナーとして東陽をご信頼くださるようお願い申し上げます。本年も宜しくお願いいたします。
新代表取締役社長に岡谷健広氏
岡谷鋼機 31年ぶりの社長交代

岡谷鋼機(本社=名古屋市中区)は、1月29日に開催した取締役会で、専務取締役の岡谷健広氏を代表取締役社長に昇格する人事を決議した。岡谷篤一社長は取締役相談役に就く。
 同社の社長交代は31年ぶり。事業環境が大きく変化するなか、新たな経営体制で更なる企業価値向上を目指す。令和3年3月1日就任予定。
 岡谷健広氏(おかや・たけひろ)、昭和48年生まれ、47歳。[学歴]平成8年3月慶應義塾大学法学部卒業、同9年8月アメリカ国際経営大学院国際経営学修士課程(MIM)修了、同11年5月バブソン・カレッジ大学院経営学修士課程(MBA)修了。[略歴]平成11年8月フィデリティ投信入社、同15年9月岡谷鋼機入社、同20年3月貿易本部第一部長、同21年5月常勤監査役就任、同23年5月常務取締役就任、情報・電機事業担当、プロジェクト本部長、海外関連事業部長、同25年5月鉄鋼事業担当(現任)、鉄鋼本部長、同26年5月貿易本部長、同30年5月専務取締役就任(現任)、営業部門管掌補佐、令和2年5月営業部門管掌(現任)。
自宅をリフォームして住み続けたい
自動・除菌・節水に関心集まる
TOTO コロナ禍での実態調査実施

 TOTO(社長=清田徳明氏、本社=福岡県北九州市)は、コロナ禍による生活者の住宅への意識や生活行動の変化・リフォーム意向を、水まわり(トイレ・洗面所・キッチン・浴室)を中心に把握するため、2020年8月、『コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査』を実施。その調査結果がまとめられ、2020年12月17日(木)報道向けにリモート説明会が開かれた。
 日本では今後、人口減少、単身世帯増加、少子高齢化などへの社会変化が見込まれ、生活者の住宅への意識や生活行動にも変化が起こると思われる。TOTOは、こうした変化の定量的把握を目的とした住宅全体および水まわりに関する生活調査を定期的に実施している。特に2020年度以降の調査では、新型コロナウイルス感染症流行以降の消費者の生活意識や行動の変化を把握して、今後の住宅設備商品の開発に活かしたい考えのようだ。
 調査概要と主な調査結果は以下の通りだ。
 【調査概要】
●調査名▽コロナ禍における生活意識と行動に関する実態調査
●調査方法▽インターネット調査
●実施時期▽2020年8月28日から9月1日※緊急事態宣言解除後、コロナ第2波の渦中に実施
●調査対象▽全国の20歳から79歳までの男女で、本人または配偶者の持ち家居住者
●サンプル数▽2197サンプル
 【主な調査結果】
●リフォーム意向▽コロナ禍を経験した、今後の住まいへの意向は「今の自宅をリフォームして住み続けたい」が4人に1人。そのうち、水まわり≠フリフォーム意向が高くなった人の割合が多く表れた。水まわり≠ナ欲しい設備は『自動・除菌・節水』に関するものが上位を占めた。
●意識・困りごと▽自宅を「リラックスできる空間」「安全・安心を確保できる空間」「衛生的な空間」にしたい人が多数を占めた。困りごとでは「光熱費がかかる」「掃除が大変」「衛生面が気になる」が多く見受けられた。
●行動の変化▽コロナ禍により自宅で過ごす時間が増え、水まわり≠ナは特に『洗面所での行動が増えた』人が多い。キッチン・トイレ・洗面所では『掃除や片付け頻度が増えた』人が多い。また、トイレ・キッチンでは『除菌をしている』人が多い。
     ◇
 本調査結果について詳しくは、TOTOのWEBサイト内「ニュースリリース」にアクセスを。
小流量から大流量まで
独自構造のステム・ステムガイド採用
ベン 蒸気用減圧弁『RP-70』

 桃のマークでおなじみのバルブメーカー・ベン(社長=鈴木一実氏、本社=東京都大田区)は、蒸気用減圧弁『RP-70(特許出願中)』(写真)を2020年11月27日(金)に発売した。現在、数多くの問い合わせや発注が寄せられているようだ。
 昨今、生産性の向上や品質の安定化を図るため高性能減圧弁へのニーズが全世界規模で高まっている。流量特性を最大限引き出すダイヤフラム式が採用された蒸気用減圧弁『RP-70』には独自構造のステム・ステムガイドが採用されており、パワフルかつ精密な圧力制御が可能だ。流量が多い場合でも、従来の減圧弁と比べて圧力降下(オフセット)が小さく、蒸気による温度管理が必要な機器・装置に適している。また、部品製作から組み立てまでのすべての工程において、品質の高い日本の技術にこだわって仕上げられているところも特筆すべき点だろう。
 『RP-70』には外部検出方式が取り入れられた。蒸気を使用する機器の直近から圧力を検出することで配管抵抗などの影響を受けにくく、機器直近の圧力変動を検知し高精度な圧力制御を可能としている。パイロット部へのスケール流入を防ぐためのフィルターも内蔵され、メンテナンスする際は本体を分解することなく、外部よりフィルターを取り外すことで異物の除去を可能とするなど、利用者のことを第一に考えた蒸気用減圧弁である。
 製品価格は、税別19万円(呼び径15/寸法L146o×H388o/質量16s)から。本製品の仕様など詳しくは同社名古屋営業所▽電話=052(411)5840、同社静岡出張所▽電話=054(275)2705、および全国の各営業所へ問い合わせるか、同社ウェブサイトへアクセスを。
ZEH普及をさらに促進
新サービス「建て得でんち」開始
LIXIL 4月1日より

 LIXIL(社長兼CEO=瀬戸欣哉氏、本社=東京都江東区)は、ZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及をさらに促進するとともに、ニューノーマル時代の住まいへのニーズを見据えた、より快適で安心な暮らしの実現に向け蓄電池事業をスタート。新商品「スマート蓄電システム」を4月1日(木)より販売すると発表した。
 さらにLIXIL傘下のLIXIL TEPCOスマートパートナーズ(社長=柏木秀氏、本社=東京都江東区、以下LTSP社と表記)にて、指定のLIXIL商材を採用したZEH仕様の住宅を新築する施主向けの新サービスとして、この蓄電システムと太陽光発電システムをセット販売し、賢くお得に電気代を節約し、万が一の停電時でも安心≠ニ銘打った業界初の新プラン「建て得でんち」を、こちらも4月1日より展開すると発表した。
 低炭素社会の実現に向けた国の省エネ政策では「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現」を目標に掲げるなど日本の住宅のさらなる省エネ性能向上が求められている。LIXILでも高性能住宅工法「スーパーウォール」や、余剰売電収入を得る代わりにユーザーの太陽光発電システムの割賦支払い負担を実質ゼロにするLTSP社のサービス「建て得バリュー」などの商品・サービスを通じて、ZEHの普及促進に向けて取り組んでいる。
 一方で、昨今では住宅用太陽光発電システムの導入はFIT価格下落とともに減少傾向となっており、発電した余剰電力は売電せずに貯めて使う「蓄電池」が注目されている。それに加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から家で過ごす時間が長くなったことによる電気使用量の増加、また台風や地震など多発する自然災害への備えなど、その暮らし方は大きく変わってきており、これまで以上に「蓄電池」が必要とされている。しかしながら「蓄電池」は政策により価格低減が進んでいるものの費用対効果が少ないのが現状で、導入費用が高いことも普及促進の妨げとなっている。そこでLIXILは新たに蓄電池事業をスタートさせ、LTSP社の新サービス「建て得でんち」を利用してもらうことで導入時にかかるイニシャルコストを低減し、毎月の電気代(ランニングコスト)にメリットのあるプランを展開する。
 「建て得でんち」は、指定のLIXIL商材を採用したZEH仕様の住宅を新築する施主を対象に、LTSP社が10年間ユーザーの余剰売電収入を得ることで、LIXILの大容量(11・5kWh)・全負荷タイプ「スマート蓄電システム」と「太陽光発電システム」を、製品・工事代を含め税別価格198万円で設置できるサービスだ。また、断熱性や省エネなど環境性能が高い建材・設備を使用することで消費電力の削減となるのはもちろん、太陽光発電・蓄電池による大幅な光熱費削減効果も期待でき、利用者にとっては毎月の電気代の低減が期待できる。これにより電気代を上手に節約できるだけでなく、夜間や災害による万が一の停電時でも昼間に貯めておいた電気を使えるので、これからの時代にも対応した快適で安心な暮らしを実現できることだろう。
 LTSP社の新サービス「建て得でんち」にて展開するLIXILの新商品「スマート蓄電システム」は、11・5kWhの大容量・全負荷タイプとなっており、ほぼ1日分の電力を貯めることができ、万が一の災害時でも必要最小限の家電を長時間使うことができる。また、全負荷型・200V出力のため停電時でも家中のコンセントを使用することができるので安心だ。さらに、災害警報をキャッチすると自動で充電する災害対策モードが搭載され、かつ、気象データから発電予測を行い、ユーザーの生活スタイルから電力消費を予測して充放電を最適化するスマートAIも搭載されている優れものだ。システム保証15年に加え、洪水などでも補償が受けられる自然災害補償10年も付いているから安心だ。
 本件に関して詳しくはLIXILお客さま相談センター▽通話料無料のフリーダイヤル=0120(228)267まで問合せを。
愛知県フェンシング協会とコラボ
フェンシングの相棒・乳酸菌GABAゼリー
ノダキ 1月18日発売開始

 ノダキ(社長=野田典嗣氏、本社=名古屋市西区)は全国のさまざまな製造業と深い関わりがあり、夏場の熱中症に悩まされている過酷な現場にも出入りしている。これまでも熱中症対策にと塩飴を現場に販売していたが「暑い状況で塩飴を長時間舐めるのは少し抵抗がある」「夏の高温で飴が溶けて包装紙を開けにくい」「飴玉を舐めながら電話を取れない」などといった現場の意見を得て、もっと気軽においしく塩分を摂取できるものはないかと考えていた。そこで、老舗駄菓子メーカーの共親製菓(社長=安部隆三氏、所在地=名古屋市西区)に相談し、夏風邪にも対策が打てるようマルチビタミンを多く含んだ『現場の相棒・塩ビタミンゼリー』が誕生した。
 『現場の相棒・塩ビタミンゼリー』1本(約10g)+水分100m?で厚生労働省推奨濃度とほぼ同等の電解質補給が期待でき、70%が水分でできていることもあって、乾いた身体に無理なくおいしく補給できる。クーラーボックスや冷蔵庫で冷やすとさらにおいしくいただける。1ボトルの内容量は約1s(約100本)、詰替え用の内容量は約700g(約70本)で販売されている。無駄な廃棄を避けるため、BtoBと通販のみの販売にこだわっているというが、それでも発売初年度で80万本以上の売れ行きがあり、大ヒット商品として話題となった。夏を過ぎた今でも飲食店でのコラボカクテルとしての販売や、製造現場はもちろん、建築現場、学校やスポーツ団体など幅広い現場で好まれており、年間を通して売れ続ける熱中症予防の商品としてすっかり定着したようだ。
 この『現場の相棒・塩ビタミンゼリー』が2020年6月、ノダキと共親製菓両社から愛知県フェンシング協会(会長=後藤泰之氏)に1200本寄贈されたことは弊紙でも以前取り上げた。その後、同協会はこの1200本を愛知県内のジュニアクラブや中学校、高校、大学などのフェンシングチームに配布したという。夏場でも全身に防具をつけるフェンシング競技は熱中症にかかるリスクが非常に高い。手軽に素早く塩分を補給できる商品として「効率的な練習ができた!」と数多くのメッセージが同協会を通じて両社に寄せられたという。
 さて、新型コロナウイルス感染症のニュースが報道されるようになっておよそ1年が経ったが、世の中の情勢は好転することなく、2020年はさまざまなイベントや大会が軒並み中止や延期、縮小開催を余儀なくされるなど、スポーツ界でも他と同様大変厳しいものとなっていた。そんな不安定な情勢のなか、選手が抱える悩みを解決したいと愛知県フェンシング協会の冨田弘樹常任理事から野田ノダキ社長に相談が持ちかけられた。
 冨田常任理事によると選手は成果を上げるためのハードな練習によるプレッシャーだけでなく、大会中止や延期によりモチベーションの維持と目標設定の難しさに直面しており、精神的ストレスから自律神経のバランスを乱し免疫力が低下するのではないかと懸念されているという。そこでノダキと共親製菓は、選手の精神的なサポートをするための商品を開発することに着手。乳酸菌とGABAを含有することが望ましいとの情報を得た両社は森永乳業(社長=宮原道夫氏、本社=東京都港区)の協力を得てシールド乳酸菌の提供にこぎ着け、新感覚の乳酸菌ゼリー『フェンシングの相棒・乳酸菌GABAゼリー』が完成した。
 愛知県フェンシング協会は6月12日(土)と13日(日)の2日間、スカイホール豊田(所在地=豊田市八幡町)で国内フェンシングイベント史上最大規模の大会となる【2021AICHI FENCING FESTIVAL】の開催を発表。それに向けて、1月から6ヵ月連続で愛知県内のさまざまな業種のトップランナーとコラボしていく企画『愛知県フェンシング協会×愛知トップランナー』をスタートさせた。その第一弾となる『フェンシングの相棒・乳酸菌GABAゼリー』は1月18日()より発売開始された。
津島新工場竣工!
生産能力20%増強へ
二村機器 2月16日操業スタート

 “イーグルスターブランド”でおなじみの回転センター専業メーカー・二村機器(社長=二村忠宏氏、本社=名古屋市中村区)は、かねてより建設中だった「津島工場」が竣工を迎えたことをうけ、3月稼働の当初予定を繰り上げ2月16日(火)より同工場の操業を開始すると発表した。
 同社は新世代回転センターの量産体制の確立を目的に、愛知県津島市宇治町に事業用地を取得。2020年3月26日に同地で地鎮祭を執り行い、建設を進めてきた。
 これまでイーグルスターブランドの回転センター商品群は同社の本社工場でのみ生産されてきたが、次世代に対応した新しい回転センターの研究開発環境の充実を図るため新たな生産設備の導入も含めた新工場の設立を決定。生産拠点を本社と津島工場の2か所に分散し、本社工場では研究開発環境をさらに充実させると同社は言う。
 津島工場の延床面積は863・61u。事業用地全体の敷地面積からすればその規模は小さいものの、今後の経済動向などを踏まえて増強の余地が残されているようだ。同社工場の総延床面積はこれで2303uに。同工場の完成で全体の30%強の増床を果たしたこととなる。
 生産能力的には、基本は既存設備の津島工場への移設と、それに伴う本社工場内の空きスペースでの研究開発環境の整備となるもよう。また、少数ながらも新規設備が導入され、約20%の生産能力の増強を同社では見込んでいるようだ。
 本件に関して詳しくは二村機器本社代表番号▽052(411)1196まで問い合わせを。

 【津島工場概要】
●所在地▽〒496-0008 愛知県津島市宇治町字小船戸107番
●電話▽0567(55)8956
●FAX▽0567(69)8956
●延床面積▽863・61u
●操業開始▽2021年2月16日(火)
●事業用地の南側(県道79号線沿)と東側に入口あり。駐車場完備。
3月出展募集開始予定
INTERMOLD ONLINE
4月東京展出展企業は無償で利用可

 インターモールド振興会は、4月14日(水)から同17日(土)までの4日間、東京ビッグサイト青海展示棟(所在地=東京都江東区)で開催予定のINTERMOLD/金型展/金属プレス加工技術展 2021(東京展)のアフター企画として『INTERMOLD ONLINE 2021』を5月より開催すると発表した。4月の展示会出展企業情報をアーカイブとして情報提供を継続し、開催終了後も製品情報や最新技術の情報更新・配信にて営業フォローを支援するツールとして活用することができる。
 本展は、金型および金属プレス加工に特化した見本市であり、その特性を活かした専門性の高い情報収集の場としてオンライン展が展開される。また、オンライン企画と並行して、4月東京展に連動したテーマ別オンラインフェア開催も展開される。2月・3月のプレ企画で事前告知・来場動員を強化。5月・6月・7月・8月のアフター企画で営業活動支援強化が図られる。
 長引くコロナ禍において製造業界の、とくに中小企業の営業活動は制限せざるをえない状況にあるなか、中小・零細企業におけるオンライン活用の重要性はさらに高まっていると言える。そこで『INTERMOLD ONLINE』では、4月の東京展出展企業にこのシステム利用を無償提供することで、中小・零細企業のオンライン戦略を支援(東京展出展企業以外は有償)。出展企業が、より多くの情報を登録することで『INTERMOLD ONLINE』のコンテンツとしての価値も高まり、出展企業・来場者のビジネス活動もより活発化するものと思われる。『INTERMOLD ONLINE』を営業活動ツールのひとつとしてぜひ役立ててほしい。
 【アフターインターモールド企画/5月18日(火)〜同28日(金)】この期間は出展者情報に加え、4月東京展で行ったセミナーなどのオンデマンド配信が行われる予定である。
 【出展者情報掲載/5月18日(火)〜11月30日(火)】企業情報、製品写真、製品資料などPDF・動画やPRテキストを掲載できる。長期間出展者情報の閲覧を可能とすることで、資料提供のツールとして活用できる。資料PDFのダウンロードや動画再生を行った来場者のデータも入手できる。
 【特別企画テーマ別「オンラインフェア」※別途有料企画】実施回ごとにテーマを厳選した「出展企業を限定したフェア」とし、より専門性の高い内容での開催が計画されている。既存のリアル展示会の開催会期に合わせて、開催告知と顧客の集客強化を図る企画。開催は4月のリアル展の前後、プレ開催(2月・3月)、アフター開催(5月・6月・7月・8月)に予定。数ヶ月にわたって企画をオンラインサイト上に投入することで『INTERMOLD ONLINE』出展者情報へのアクセスチャンスも増加する。
 詳細についてはコチラ▽https://www.intermold.jp/online2021.pdfへアクセスするか、インターモールド振興会▽電話=06(6944)9911、▽FAX=06(6944)9912へ問い合わせを。なお『INTERMOLD ONLINE』への出展申込開始は3月を予定しているという。
オープン通信プロトコルに対応した
「IoTconnector」
DMG森精機 工作機械に標準搭載開始

 DMG森精機(社長=森雅彦氏、本社=名古屋市中村区)は、このほど工作機械のネットワーク接続で使用されている、さまざまなオープン通信プロトコルに対応する「IoTconnector」を開発し、同社製の工作機械への標準搭載を開始した。
 IoTconnectorは、通信専用のPC機能を持ったデバイスであり、工作機械の制御盤に組み込むことで、さまざまなオープン通信プロトコルを使ってネットワークに接続が可能となる。工作機械で広く使用されているオープン通信プロトコルに対応するため、同社製の工作機械と他社製品を含めたIoTシステムとのネットワーク接続が可能となり、工場のデジタル化を促進する。
 主な特長は次の通り。
 @「データ接続用ソフトウェア MDC」…MTConnectやOPC UA、MQTTといったオープンな通信プロトコルに対応。他社製を含めたIoTシステムとDMG森精機製の工作機械とのネットワーク接続。工作機械本体のネットワーク性能が向上し、最高のセキュリティを提供(同社調べ)。
 A「オンラインサポート NETservice4.0」…DMG森精機の修理・復旧センタとオンラインで接続し、機械トラブルを遠隔で解決。問題解決に必要なデータをオンラインで修理・復旧センタに転送できるファイル転送機能。SERVICEcameraにより、動画によるサポートが可能(オプション)。
 B「オンラインアップデート DEVICE MANAGEMENT」…最新のセキュリティアップデートをオンラインで実施。新しいソフトウェアやアプリケーションをオンラインで提供。
 搭載対象制御装置は、CELOS搭載機「MAPPSV」「MAPPSIVS」「Siemens 840D SL Operate」「Heidenhain TNC 640」、Siemens「840D SL Operate」「840D SL1」、Heidenhain「iTNC 530 HSCI」「iTNC 5302」「TNC 620」「TNC 640」、FANUC「30@ B」「31@ B」「31@ B5」「0@ TF」「32@」。
 工作機械技術の進歩に伴い、5軸・複合化といった高度な加工技術が可能となったことで、工程集約などの生産の効率化が実現できるようになった。近年では、さらに洗練された生産プロセスを実現するために、センシング技術やIoTなどを活用したデータの蓄積や分析の必要性が高まっており、製造現場でもデジタル技術の導入が進んでいる。
 同社は、今後もより多くの顧客ニーズに応えられるよう、より高機能で信頼性が高く、投資価値のある商品を市場へ投入していくとしている。
高硬度鋼旋削加工用コーテッド
CBN材種「BC8220」発売
三菱マテリアル 耐摩耗性と耐チッピング性を両立

 三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=田中徹也氏、住所=東京都千代田区)は、高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8220」(72アイテム)の販売を開始した。
 BC8220は、高靭性CBN・耐クレータ摩耗性を持つ母材に耐摩耗性の高いコーティング膜を採用することで、耐摩耗性と耐チッピング性を両立した新材種。高硬度鋼の汎用切削加工において長寿命化を実現する。
 新たに開発した“新特殊セラミックスPVDコーティング”を採用。CBN焼結体との付着強度を向上させると共に、超多積層コーティングにより耐摩耗性と耐チッピング性を高いレベルで両立させた。
 また、新開発の“超微粒・耐熱バインダー”を採用することで、クレータ摩耗とチッピング・欠損を抑制し工具寿命を向上させた。
 高速切削から断続度の大きい加工まで幅広く使用することができる。
 標準価格は、代表型番「NP-CNGA120408GA4 BC8220」が9920円、「NP-SNGA120408GA2 BC8220」が5220円、「NP-WNGA080408TA3 BC8220」が6760円(いずれも税別)。
 同製品に関する問い合わせは、三菱マテリアル加工事業カンパニー営業本部営業企画部=03-5819-8770まで。
人事異動
 敬称略、( )は前職
【DMG森精機】
 2021年1月1日付

 小林弘武=代表取締役副社長経理財務管掌兼経理財務本部本部長兼SSEPカンパニープレジデント(代表取締役副社長経理財務管掌兼経理財務本部本部長)▽ヌド・ジェームス=専務取締役米州担当(専務取締役DMG MORI USAプレジデント)▽太田圭一=常務執行役員ICT本部長兼DMG MORI USAプレジデント兼DMG MORI MANUFACTURING USAチェアマン兼DMG MORI ADVANCED SOLUTIONSプレジデント兼DMG MORI SOFTWARE TECHNOLOGY SOLUTIONS USAプレジデント兼DMG MORI Americas担当(常務執行役員ICT本部長兼SSEPカンパニープレジデント)▽堀井賢治※昇格=常務執行役員製造カンパニーヴァイスプレジデント兼伊賀事業所長兼生産管理部長(執行役員製造カンパニーヴァイスプレジデント兼伊賀事業所長兼生産管理部長)▽高野夏峰※新任=執行役員人事部長兼SSEP人事部長(人事部長兼SSEP人事部長)▽栗谷龍彦※新任=執行役員機械設計担当部長(機械設計担当部長)▽中務陽介※新任=執行役員開発人事・経理・管理部長兼製造人事部長(開発人事・経理・管理部長兼製造人事部長)
 【ミツトヨ】
 2020年12月31日付

 吉森浩一※退任(上席執行役員人事部長兼本社総務部管掌兼川崎総務部管掌)
 【キッツ】
 2021年4月1日付

 川口忠昭=Cephas Pipelines Corp.副社長(管理本部経理部長)▽別所研一=管理本部経理部長(管理本部副本部長付部長)▽牛丸誠=管理本部経理部副部長(管理本部経理部経理システム統括・革新グループ長)
2021年2月21日(日)2770
MECT2021受付好調、満小間に
総会は5月25日に開催を予定
愛機工 令和2年度2月書面理事会

 愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏・ミズタニ機販社長)は、政府による緊急事態宣言に伴い、2月2日に開催予定だった令和2年度2月理事会を中止し書面方式にて執り行った。今年10月に開催するメカトロテックジャパン2021(MECT2021)の出展状況や今後のスケジュール、令和3年度総会に向けた準備日程などが説明された。
 書面理事会の議事は次の通り。
 1.会員の状況
 組合員227社、賛助会員106社(2021年1月20日現在)。
 2.MECT2021について
 会期…2021年10月20日(水)〜23日(土)、場所…ポートメッセなごや。
 MECT展の出展者募集はコロナ禍の2020年11月2日に開始され、当初は2021年10月の開催とは言えコロナの影響が懸念されていたが、受付は好調に推移し2020年12月15日に申し込みの締切りを発表した。組合関連の実績は、2021年1月18日現在、120社470小間を受け付けている。但し、コロナ禍の影響を踏まえ開催規模は1850小間(前回1941小間)を想定しており、また、増小間の申し込みも目立っており、減小間の調整は必須となる見込み。
 今後は、1月末までに出展者を確定し減小間要請の調整を行い、2月に開催規模の概要をまとめる予定。2月末日までの出展キャンセルはキャンセル料が発生しないためコロナ感染状況により出展見直しも懸念される。今回のキャンセル待ちは10社程度になっている。
 3.今後の事業予定
 @新入社員研修…4月14日(水)・15日(木)、会場は名古屋都市センター、講師は名南経営渡邊圭蔵氏。定例(昨年度中止)の新入社員研修を予定通り開催する。案内は2月5日(金)に配信し、3月5日(金)に申し込みを締切る。但し、コロナの感染状況を見て開催を中止することもある。実施においては、密の状況を避けるため広い会場を確保し、検温器、アルコール消毒、マスク等、感染防止を徹底する。
 A組合野球大会…5月または6月に開幕予定。例年は2月に参加募集を開始して、3月にキャプテン会議、4月開幕の日程だが、コロナ禍の状況で5月もしくは6月に遅れる可能性がある。日程はコロナ感染状況により判断する。会場は江南市民球場、草井球場を中心に年間を通して確保している。
 Bセールスエンジニアスクール…次年度は、6月および9月に2回の開催を予定しているが、日程についてはポリテクセンターと調整中。
 C経営者・管理者セミナー「事業承継に関わるM&A」(仮題)…日程は未定。
 Dその他…時節に対応したセミナーを考える。
 4.2021年度(令和3年度)総会について
 総会日程…5月25日(火)17時、会場…ホテル名古屋ガーデンパレス。
 @2020年度決算予測。今年度はほとんどの事業が中止されたため、展示会収入の無い年度としては例年に比べ赤字が大幅に縮小された。
 A次年度総会は役員改選無し。総会を進行する司会および議長は総務部会にて選任し、4月理事会で発表する。総会後の懇親会は取り止める。但し、コロナ感染の状況により重要案件が無いため書面で執り行うこともあり得る。
 B次年度の支部総会は3月または4月に開催する。開催要項は各支部に一任するが、議案については重要案件が無いため書面による総会も可能。次年度支部助成金については、展示会収入を考慮し三役会で調整した上で各支部に提示する。
 C支部は2020年度収支決算書(支部総会議案書)を4月末日までに事務局に提出する。
 D各部会は2021年度予算申請書(事業計画書)を3月末日までに提出する。
 E三役会・常任理事会を4月理事会前に開催する。
 5.コロナ禍における組合活動について
 今年度の組合事業は、コロナ感染拡大に伴い大半の事業が中止となった。2021年度についても議題3の事業を企画しているが、コロナ感染の状況はワクチンの接種が計画されているものの収束は不透明である。各事業が2期連続で実施できない際は、組合として何らかの対応を図る必要があるかと思われる。対応については、三役会または三役常任理事会で検討した上で素案をまとめ、理事会で議論する。
 6.理事定数規約改正について
 規約改正素案について、具体的な定数を三役会または支部長会議でまとめた上で、支部総会にて提案、周知する。規約改正案は2021年度総会に上程する予定。
 現在の理事定数は@支部員40名以上…5名A39名以下…4名B24名以下…3名。
 【参考】2021年度期首支部員数(見込み)
*組合員総数227社
◎東支部…29社(±0)◎南支部…41社(マイナス2)脱退2社(森竹、ヒラノ機工)◎西支部…31社(+1)転入1社(オノマシン、中北支部より)◎北支部…19社(±0)脱退1社(清水商店)、転入1社(喜一工具、熱田支部より)◎中南支部…17社(±0)◎中北支部…23社(マイナス2)脱退1社(永井商店)、転出1社(オノマシン)*朝日は、幡野理事の任期終了後、南支部へ転出の予定◎熱田支部…23社(マイナス1)脱退1社(渡邊商店)、転出1社(喜一工具)◎三河支部…22社(±0)◎尾張支部…22社(±0)
 7.2021年1月実施の景況調査集計結果報告(別掲)
 8.その他
 2021年度理事会日程(案)…4月20日(火)三役会・三役常任理事会・理事会15時〜18時30分▽6月2日(水)16時30分〜18時30分▽8月3日(火)16時30分〜18時30分▽10月5日(火)16時30分〜18時30分▽12月7日
(火)16時30分〜18時30分▽2022年2月1日(火)理事会16時30分〜18時、懇親会18時10分〜20時(コロナの状況で中止の場合有り)。会場はいずれも東京第一ホテル錦。
愛機工組合
景況調査結果

 愛知県機械工具商業協同組合がこの程まとめた景況調査結果(2020年10〜12月の実績調査、組合員の44・1%にあたる100社が回答)によると、最近3か月間の売上高が前年同月(2019年10〜12月)と比較して「減少」したと回答した企業は78社、「同水準」が18社、「増加」が4社だった。また「減少」のうち、38社が「1割程度の減少」、40社が「2〜5割程度の減少」で、「6割以上の減少」は無かった。
 前回調査(2020年7〜9月)と比べると、「1割程度の減少」が23社増加、「同水準」も13社増加しており、同組合では「今回の調査期間においても、売上高に関しては前年比減が多数を占めているが、その減少幅を1割程度に抑えているという回答がぐんと増えた。前々回↓前回の調査ではほぼ結果に変化が無かったことを思うと、前回↓今回の調査では売上高の点においてはかなりの回復傾向が見られる」としている。
 2021年の景況見通しについては「横ばい」が65社と最も多く、次いで「悪化する」が21社、「好転する」は14社だった。

令和3年度総会開催について審議
最終的には3月理事会で決定
静岡県管工機材商組合 1月理事会を開催

 静岡県管工機材商組合(理事長=一色哲巳氏・一色機材社長)は、1月22日午後3時より静岡市内のホテルシティオ静岡にて、令和3年に入って初めての理事会を開催した。理事9名が出席し各議案を審議した。
 令和3年度総会については、新型コロナウイルス感染拡大収束の見通しが立たない中、着座式(定員は60人位)で行うか、総会のみにするか、賛助会員はどうするかなどを審議。次回の3月理事会で最終決定することとした。前年と同規模で仮予約済であると事務局から報告もあった。
 来年度会費については、今期事業をコロナ感染拡大防止のため中止や最低規模での開催としたことにより、今年度分の予算が余っていることから、来年度分は徴収しない、正会員のみ徴収するなどの意見があり、3月の理事会で最終決定することとした。
 3月22日に日本工業倶楽部会館で開催される管機連理事会については、一色理事長と大村副理事長がWebで参加する予定とした。
 運転中の携帯電話の使用について、丸尾理事から大まかな説明があった。詳細は次回。
 コロナ対応について、PCR簡易検査(ネット通販や管材商社等でも取扱い有り)や、各所の対応などを意見交換した。
 静岡県管工事業協同組合連合会の協賛依頼に対しては、詳細を聞いた上で、組合で協賛するかについては理事長に一任することを確認した。
 その他、愛知組合より組合だよりが送られてきたことが報告された。
 次回理事会について、2月は中止とし、3月5日にホテルシティオ静岡にて午後3時より開催する予定。
 1月理事会当日は、理事会前に鋼管・継手部会の研修会(担当=一色理事長)が開かれ、講師を務めた協成の小栗静岡営業所長が、業界市況や、会社紹介で被覆製品の製造だけでなく商社機能も有する(伊藤忠丸紅鉄鋼の100%子会社)ことなどを説明した。

管内主要8社の総受注高314億円
2か月連続で前年を上回る
中部経済産業局 12月度金属工作機械受注状況

 中部経済産業局が1月29日発表した令和2年12月度金属工作機械受注状況によると、管内金属工作機械メーカー主要8社(オークマ、アマダマシナリー、ジェイテクト、コマツNTC、FUJI、豊和工業、三菱電機名古屋製作所、ヤマザキマザック)の総受注高は、前年同月比4・4%増の314億12百万円となり、2か月連続で前年を上回った。前月比も11・6%増と2か月連続で増加した。
 国内受注は、前年同月比3・5%減の96億11百万円となり、25か月連続で前年を下回った。前月比は34・4%増だった。
 主力の一般機械工業向けが前年同月比16・4%減の45億11百万円で26か月連続して前年を下回ったが、自動車工業向けは同36・4%増の31億84百万円となり25か月ぶりに増加に転じた。
 海外受注は、前年同月比8・4%増の218億1百万円となり、2か月連続で前年を上回った。前月比も3・8%増だった。海外受注比率は69・4%となった。
 アジア向け(トルコを含む)が前年同月比62・6%増と4か月連続で前年を上回った。一方、北米向けは同33・5%減と2か月ぶりに、ヨーロッパ向けも同1・8%減と26か月連続でそれぞれ前年を下回った。この結果、シェアはアジア向け50・4%、北米向け26・4%、ヨーロッパ向け17・6%となっている。
 国別にみると、1位の中国が84億55百万円(前年同月比116・5%増)、以下、アメリカ50億54百万円(同38・9%減)、インド11億39百万円(同104・5%増)、ドイツ8億13百万円(同19・7%減)、イタリア7億44百万円(同2・1%増)の順となった。
 販売額は、前年同月比41・7%減の216億16百万円となり、12か月連続で前年を下回った。前月比は12・7%増だった。
 受注残高は、前年同月比22・7%減の1279億48百万円となり、21か月連続で前年を下回った。前月比は0・5%増だった。

通期連結業績予想を上方修正
TOTO 国内リモデルの売上が堅調

 TOTO(社長=清田徳明氏、本社=福岡県北九州市)は1月29日、2021年3月期の通期連結業績予想を上方修正し、前回(2020年10月30日)発表の減益予想から増益に転じる見通しを発表した。
 売上高は前期比2・8%減の5800億円(前回予想は前期比5・6%減の5630億円)、営業利益は同6・1%増の390億円(同15・7%減の310億円)、経常利益は同2・5%増の370億円(同18・3%減の295億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は同1・8%増の240億円(同25・8%減の175億円)と予想。国内住設事業で新型コロナウイルス感染症拡大による影響はあるもののリモデルの売上が堅調であることや、海外住設事業で中国及び米国が好調なことなどを引き上げの理由とした。
 同日発表された2021年3月期第3四半期連結決算(2020年4〜12月)は、売上高が前年同期比6・5%減の4198億44百万円、営業利益が同7・2%減の277億21百万円、経常利益が同15・4%減の262億32百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同28・5%減の155億35百万円で、上期の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により減収減益となった。
 国内住設事業は、売上高が前年同期比9%減の3043億円、営業利益が同33%減の149億円で、リモデル・新築ともコロナ拡大の影響を受け減収減益となったが、10〜12月ではリモデルが好調に推移し増収増益となった。
 海外住設事業は、売上高が前年同期比2%減の965億円、営業利益は同28%増の144億円となり、減収増益となった。中国は、コロナ拡大の影響で減収となったが、足下では回復し増益。アジアは、ベトナム等におけるコロナ拡大の影響で減収となったが、台湾が堅調で利益横ばい。米州は、コロナ拡大の影響があったものの、ウォシュレット及び非接触商品の販売増により増収増益となった。
 新領域事業は、売上高が前年同期比7%増の189億円、営業利益が4億円で黒字に転換した。中でもセラミック事業は、半導体市場の需要増により増収増益だった。

スマートミラクルエンドミルシリーズに
VQN2MB/4MB/4MBF追加
三菱マテ 超耐熱合金加工用2枚刃・4枚刃

 三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=田中徹也氏、住所=東京都千代田区)は、難削材加工用エンドミルSMARTMIRACLE(スマートミラクル)エンドミルシリーズ≠ノ超耐熱合金加工用として2枚刃ボールエンドミル「VQN2MB」と4枚刃ボールエンドミル「VQN4MB」「VQN4MBF」を追加し、このほど発売した。
 スマートミラクルエンドミルシリーズは、チタン合金・耐熱合金などの加工において、加工能率と工具寿命延長を実現し、多くのユーザーより高い評価を得ている。
 今回、同社では航空機部品に多く使用されているN@基超耐熱合金を加工する用途に特化した「VQN2MB」9アイテム、「VQN4MB」8アイテム、「VQN4MBF」8アイテムを追加、シリーズの拡充を図った。
 「VQN2MB」「VQN4MB」「VQN4MBF」は、超耐熱合金加工用として耐摩耗性と耐熱性に優れた(Al,T@,S@)N系のコーティングの採用により、耐摩耗性・耐チッピング性を向上。超耐熱合金加工に対応した独自のR刃のすくい角やボールカーブの最適化により、耐欠損性を向上し安定した高能率加工を実現する。
 また、中心まで4枚刃を保持し5軸加工にも最適な「VQN4MBF」と、先端2枚刃で切りくず排出性に優れ荒加工に対応する「VQN4MB」を選択することができる。
 標準価格は、代表型番「VQN2MBR0050」が8600円、「VQN4MBR0300」が1万5500円、「VQN4MBFR0600」が3万5100円(いずれも税別)。

12月度鍛圧機械受注総額4.1%減
22か月連続で前年を下回る
日鍛工 プレス系機械の輸出で回復の兆し

 日本鍛圧機械工業会(日鍛工、代表理事会長=坂木雅治氏・アマダ相談役)が1月13日発表した鍛圧機械会員月次統計によると、2020年12月度の受注総額は、前年同月比4・1%減の233億9百万円となり、22か月連続で前年を下回ったものの、減少幅は一桁に縮小した。特にプレス系機械の輸出(同46・4%増)において回復の兆しがみられた。
 同会では、全世界的にコロナ禍の収束は見通せず経済回復の不透明感が続いているが、中国を中心に自動車のEV化関連、大統領選後の北米での投資活発化を期待するとしている。
 機種別にみると、プレス系機械は、前年同月比11・6%増の99億55百万円となり、6か月ぶりに前年を上回った。小型プレスが16・2%減、超大型プレスが50・5%減となったが、中型プレスは15・4%増、大型プレスも2・8倍増。また、油圧プレスが15・3%減、フォーミングが15・6%減、自動化・安全装置は96・1%増だった。
 板金系機械は、前年同月比12・3%減の75億36百万円となり、15か月連続で前年を下回った。パンチングは4・2%増、レーザ・プラズマも3%増となったが、プレスブレーキは35%減だった。
 サービス系(サービス・部品金型)は、前年同月比14・5%減の58億18百万円となり、9か月連続で前年を下回った。
 内外別(機種計)では、国内が前年同月比16・6%減の95億78百万円で、一般機械向けが27・3%増、鉄鋼・非鉄金属向けが7・1%増となったが、金属製品製造業向けは22・6%減、電機向けは28・4%減、自動車向けも17・8%減だった。
 輸出は、前年同月比31・2%増の79億13百万円となり、韓国・台湾向けが34%増、中国向けが41・7%増、インド向けが3倍増、北米向けが2・4倍増となった。欧州向けは34・1%減だった。

TOTOの登録商標 「ウォシュレット」 が
「日本ネーミング大賞2020」 優秀賞を受賞

 TOTOの登録商標「ウォシュレット」が昨年12月2日、「日本ネーミング大賞2020」家電・ゲーム部門の優秀賞を受賞した。
 今回が第1回目となる「日本ネーミング大賞」(主催=一般社団法人日本ネーミング協会、審査委員長=太田光氏[爆笑問題])は、ネーミングの重要性を広く社会に発信することで産業の進展に寄与することを目的に、優れたネーミングを選出・表彰するために創設されたもの。
 審査対象となったネーミングは2016点で、「飲料部門」「自動車部門」など15部門ごとに1点ずつ優秀賞が選ばれた。「家電・ゲーム部門」の優秀賞に選ばれた「ウォシュレット」は、「クリエイティビティも高く、カテゴリーを代表する商品名としての世の中への浸透力」および「国際的に通用するネーミングとして“ネーミングの重要性”を掘り起こすことができた2020年に讃えるべきネーミング」と評価された。
 TOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」は、1980年6月より発売開始し、昨年2020年で発売40周年を迎えた。「Let's Wash!(さあ、おしりを洗いましょう!)」を逆にしたものがネーミングの由来。今では海外での出荷台数が年間63万台(2019年度実績)、累計出荷台数(日本+海外)は2020年4月に5300万台を突破。日本国内での温水洗浄便座の一般世帯への普及率(他社品含む)は80・3%(2019年、内閣府調べ)となり、日本では“おしりを洗う”習慣が当たり前となった。

耐火DV継手に透明継手登場
エスロン透明耐火DV継手
積水化学工業 ラインアップも豊富に

 積水化学工業(社長=加藤敬太氏、東京本社=東京都港区虎ノ門)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント=平居義幸氏)は、2007年に販売を開始した建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管用継手「エスロン耐火DV継手〈FS-DV〉」の新たなラインアップとして『エスロン透明耐火DV継手』を発売した。
 2007年発売以来、火災発生時の熱により中間層が膨張し、貫通部からの熱気の浸入を遮断できる管材として好評を得ている「エスロン耐火DV継手」。令和元年度版の公共住宅建設工事共通仕様書ならびに公共住宅機械設備工事積算基準に建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管・継手として掲載された本製品だが、施工管理のさらなる省力化を推進する声が多くのユーザーから寄せられていた。そこで、今回『エスロン透明耐火DV継手』が新たにラインアップに追加された。
 基本性能は同社従来品と同等の認定・評価を取得しているが、これまでと違い、透明度が高く接合状態を目視で確認が可能。また、着色接着剤の種類によってさまざまな現場への対応が可能だ。例えば「bV3Sバイオレット」(インテリアフロア工業会推奨・床材汚染対策用接着剤)は、色の染み出しメカニズムを解明し原材料から見直した新配合で軟質塩ビシート表面への染み出しを解決。さらに「bV3SUV」(蛍光接着剤)はブラックライトで接着剤塗布部分が光るので、床下などの暗所でも塗り忘れのチェックが可能だ。
 品揃えも豊富で、呼び径40、65、125、150と呼び径100差込ソケット、やりとりソケットも順次ラインアップに追加される予定だ。
 本件に関して詳しくは同社環境・ライフラインカンパニー建築システム事業部▽03(6748)6502へ問い合わせるか、同社webサイトへアクセスを。

金属外装材「Danサイディング」
窓開口部新工法専用部材
旭トステム外装 2月1日発売

 外装建材総合メーカーの旭トステム外装(社長=阪本浩一氏、本社=東京都江東区毛利)は、金属外装材「Danサイディング」の窓開口部の新たな納め方である「クリアフレーム工法」専用部材を2月1日(月)から全国で発売開始した。
 金属サイディング「Danサイディング」は、さまざまな専用施工部材を用いて施工される。窓まわりにおいても専用施工部材を用いて取り付けを行うため、その施工性や見た目が課題となっていた。こうしたなか同社は施工後の外観をもっとスッキリさせることはできないか検討を重ね「クリアフレーム工法」は誕生したという。
 今回発表された「クリアフレーム工法」は、従来の窓開口部の納め方と比べて外観側に役物が現れないため、とてもスッキリとした外観を実現してくれる。また、水密性能をしっかりと確保したうえで専用役物の形状を単純化したため、施工手間を軽減できるのと同時にシーリング使用量も削減できるなど、省施工化も追求されている。住宅瑕疵(かし)担保責任保険※が適用される工法となっている点も嬉しい。(※クリアフレーム工法は国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人5社すべてで、住宅瑕疵担保責任保険が適用される)
 既存ALC外壁にDanサイディングを使って重ね張りリフォームが可能となる「鉄骨造(S造)ALC改修工法」専用ビスも同時に発売されている。
 本件に関して詳しくは、同社サービスデスク(ナビダイヤル)▽0570(001)117まで問い合わせるか、同社webサイトへアクセスし、問い合わせフォームから問い合わせを。

ひろびろボウル・非接触操作
ボウル一体ツインデッキカウンター
TOTO 4月1日より発売開始

 TOTO(社長=清田徳明氏、本社=福岡県北九州市)は、パブリック向け洗面カウンター『ツインデッキカウンター ボウル一体タイプ』(写真)に、W500oのボウルの品揃えを追加して4月1日(木)から発売を開始する。
 同社はこのたび「ツインデッキカウンター」に従来のW380oのコンパクトなボウルに加えてひろびろとしたボウルのW500oサイズ『ツインデッキカウンター ボウル一体タイプ(W500)』を追加。W500oの広いボウルで手洗い時の水はねを抑制でき、しっかりと快適な手洗いが可能だ。また、手洗いはもちろん、洗顔をするときもゆったりと使用できる。奥行きは、空間に合わせて450oと600oの2タイプが用意された。
 新しい生活様式でパブリックトイレの衛生性に関心が高まっている。TOTOでは新型コロナウイルス感染症流行の前・後で「手洗い」の行動変化とパブリックトイレでの手洗いの要望を調査したところ、コロナウイルス流行前はパブリックトイレで「しっかり手を洗っていた」と答えた人の割合が55%であったのに対し、コロナウイルス流行後は81%まで上昇し、手洗いに対する意識が高まっていることが判明した。また、パブリックトイレに望ましい器具については非接触で操作できる自動水栓、自動水石けん供給栓を望む人が共に約90%と高い割合を示していた。
 ツインデッキカウンターに採用されている深いボウルは、手洗い空間を広く取ることができるため「しっかりと手を洗いたい」といった要望に応えることができ、非接触の自動水栓・自動水石けん供給栓をセットすることで衛生的に使用することができる。
 TOTOは発売3年目に、ツインデッキカウンターで年間4500台の販売を見込んでいるという。
 本製品に関して、価格や仕様など詳しくは、同社お客様相談室▽通話料無料のフリーダイヤル=0120(03)1010まで問い合わせるか、同社webサイトへアクセスを。

ボールねじナットに代わる
ポリマー製送りねじナットを開発
イグス ドライスピンJGRM送りねじナット

 イグス(日本法人=東京都墨田区)は、このほど、ドライスピンポリマー製送りねじナットのラインアップに、射出成形で製造されたJGRM(製品番号=DST-JGRM-*)を新たに追加した。新設計のポリマー製送りねじナットは、無潤滑で耐摩耗性に優れ、高荷重に対応し、ボールねじナットからの置換えが可能。オプションで、ステンレスプレートを取り付けたヘビーデューティーバージョンも用意している。
 建設機械、アクチュエータ、追尾式太陽光発電架台など幅広い用途で使用される送りねじには、高荷重下での安全性や長寿命が求められる。このような用途専用に新開発されたドライスピンJGRM送りねじナットは、新設計によりラジアル荷重とアキシアル荷重を分散させ、従来のフランジ付き送りねじナットよりも大きな力を吸収する。標準的なボールねじナットと同じ取付サイズ及びピッチに対応しており、簡単に置き換え可能。φ14、16、18、20oのねじサイズに対応している。
 イグス本社(ドイツ・ケルン)にて射出成形で製造された同製品は、軽量でコスト効率に優れているほか、独自開発の高性能ポリマーイグリデュールJ材質を使用しているため摩擦係数が非常に低く、丸みを帯びたねじ面とボール不使用により滑らかに動く。送りねじナットには固体潤滑剤が配合されているため、環境に悪影響を及ぼす潤滑剤が不必要でメンテナンスフリーとなっている。
 JGRMには高いアキシアル荷重向けにステンレスプレート付きも用意。ステンレスプレートはナット前面に取付けられており、力を分散させる耐荷重面が増え、ねじヘッドとプラスチックが接触しない。このヘビーデューティーバージョンは、広さ3800uのイグス試験施設でのテストで、最大6MPaの荷重を吸収し、同等の樹脂製フランジ付き送りねじナットより50%高い負荷に耐えることが実証されている。

協働ロボット専用ショールームを開設
山善 生産現場の自動化提案を推進

 山善(社長=長尾雄次氏、本社=大阪市西区)は1月25日、大阪本社本館1階(大阪市西区立売堀2-3-16)に協働ロボット専用のショールームをオープンした。
 コロナ禍の中でますます需要の高まる省人化・自動化ニーズに応えるため、各メーカーの協働ロボットを展示、デモンストレーションも行いながら具体的な活用方法を提案する。
 このショールームは、エンジニアリング機能を駆使して生産現場の省人化・自動化を提案する同社の専門部隊であるFAE(factory automation and engineering)支社が主管し、エンドユーザーやSIerとの打ち合わせの場・商談の場として活用していく。
 ショールームは130u(約40坪)の面積に、5台の協働ロボットを展示。同社が2020年7月に正式に代理店契約を締結した台湾の協働ロボットメーカー、テックマンの実機も展示する。テックマンロボットは、協働ロボットでは世界初というカメラ内蔵型ロボットで、物体の位置情報の認識が早く、正確な動きができることが特長。先端部分の「ハンド」も用途に合わせ取り替え可能で、様々なワークを行うことができる。
 ショールームではテックマンロボットがネジ締めのワークを行ったり、冷蔵庫からペットボトルを取り出してテーブルに給仕したりするデモを行う。また、ファナック社の協働ロボットCR-Xや、ABB社の双腕型協働ロボットYuM@も展示しており、様々な生産現場のワークに最適な協働ロボットを提案できる場とする。
 協働ロボットは人と一緒に働くことができるロボットで、安全柵なしで設置でき、ティーチングも簡単な点が特長。生産現場では以前より人手不足が大きな課題となっており、自動化は大きなテーマだった。コロナ禍では“密”を回避する動きも加わり、需要はますます高まっている。
 今年度FAE支社では2名のエンジニアを採用。さらに来年度もエンジニアを1名増員しエンジニアリング機能を強化する。また、テックマンの女性専任営業チーム「テックウーマン」に今年度の新入社員も加え増員。高まる需要に応える体制をつくり、営業活動を強化している。

2021年3月期第3四半期決算
コロナの影響などで減収減益
日東工器 通期予想は据え置き

 日東工器(社長=小形明誠氏、本社=東京都大田区)が2月1日に発表した2021年3月期第3四半期連結決算(2020年4〜12月)は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要減少などの影響を受け、売上高が前年同期比19・6%減の163億54百万円、利益面では営業利益が同54・4%減の14億9百万円、経常利益が同50・3%減の15億53百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同50・0%減の10億88百万円となった。
 事業セグメント別に売上高を見ると、迅速流体継手事業は設備投資需要の停滞が続き同22・5%減の67億28百万円、機械工具事業は建設業界向けの販売が減少し営業活動が限定されたことにより同26・2%減の50億51百万円、建築機器事業は国内とアジアでの需要低迷により同17・8%減の15億15百万円。一方、リニア駆動ポンプ事業は新たな需要により同3・2%増の30億58百万円となった。また、海外売上高は同8・4%減の51億75百万円で、連結売上高に占める割合は31・6%となった。

ダイジェット工業 新製品
「マックスマスター」
高硬度材用インサート等 シリーズ拡張

 ダイジェット工業(社長=生悦住歩氏、本社=大阪市平野区)は、好評の両面4コーナ仕様の高能率荒加工用工具「マックスマスター」に、インサートENMU-PH形、ENMU-SL形、ENMU-HL形、ENMQ形を追加し、今年1月発売した。
 高能率な安定加工の要望に応え、様々な加工被削材に対応するブレーカ付きインサートのラインナップ追加により、さらなる性能向上を実現した。炭素鋼から焼入れ鋼・高強度ステンレス鋼・チタン合金などの難削材の平面・ポケット、ヘリカル、曲面、溝削り加工などに対応する。
 ENMU-PH形(汎用ブレーカ/材種JC8050)は、切れ味と刃先強度を兼ね備えたブレーカにより、耐欠損性に優れ高負荷切削に対応し、幅広い被削材及び幅広い切削条件下での安定加工が可能。
 ENMU-SL形(低抵抗形ブレーカ/材種JC7518)は、シャープな刃先形状と低抵抗形ブレーカにより、チタン合金や耐熱ステンレス鋼等の難削材の安定加工を実現する。
 ENMU-HL形(高硬度材加工用ブレーカ/材種DH102)は、フラット刃形と弱ブレーカにより刃先強度を確保し、ダイカスト金型材やプラスチック金型材等の60HRC以下の高硬度材加工に最適。
 ENMQ形(高硬度材加工用ノンブレーカ/材種DH102)は、上下面研磨により刃立ち性と刃先強度を両立したノンブレーカ形状で、60HRC以上の高硬度材加工に適している。
 標準価格は、全インサート共通の1180円(税抜)。
ソリッドラジアスエンドミル
「ハード1ラジアス」新発売

 ダイジェット工業は、高硬度材加工用ソリッドエンドミル「ハード1シリーズ」の第2弾となる新製品、ソリッドラジアスエンドミル「ハード1ラジアス」(SFSR形)を1月5日発売した。
 焼入れ鋼などの高硬度な鋼材の直彫り加工によるリードタイム短縮が求められる中、ハード1ラジアスは、切削熱の発生を抑える低抵抗な刃形と強靭で耐熱性に優れた高硬度材用新材種を採用し、高能率加工を実現。高硬度材(60HRC)、合金鋼、工具鋼等の荒加工から仕上げ加工まで幅広く対応する。
 同製品は、刃長1Dのスーパーショートタイプで工具剛性を向上させた、4枚刃のソリッドラジアスエンドミル。高精度なコーナR切れ刃と外周切れ刃はシームレス形状を採用、不等分割・不等リードで切削抵抗を低減し、良好な仕上げ面と加工時のチッピングを抑制できる。
 彫り込み加工が可能な広い切りくずポケットを有する中心刃形状で、L/D=0・2以下のドリリング加工も可能。高速回転における剛性と精度を有した焼きばめホルダ(シュリンク)やハイドロツーリングに適応可能なシャンク精度を有している。
 超硬コーティング材種に高硬度材加工用新材種「DH110」を採用。超硬母材は、超微細なWCを用い、優れた刃立ち性が得られる。被膜「DH1」は、ナノ多層膜で構成された耐高温酸化性、耐衝撃性、被膜靭性および密着性において優れた材種である。
 サイズはφ2〜φ12(4枚刃)、全15形番をラインナップ。標準価格は5000円〜2万500円(税抜)。
ダイジェットウィンター
キャンペーン2021

 同社では新製品発売を記念したキャンペーンを実施している。
 対象製品は、難削材加工用高送りカッタ「SKG-GU 09タイプSKG-09/MSG-09形」、高能率荒加工用カッタ「マックスマスターGMX/MXG形」、高精度刃先交換式ボールエンドミル「ミラーボールBNM/MBX形」、新たにラジアスタイプ「ハード1ラジアスSFSR形」を追加した高硬度材加工用ソリッドエンドミル「ハード1シリーズ」。
 キャンペーン実施期間は2021年3月31日まで。販売目標を合計700セットとし、数量限定につき、なくなり次第終了となる。
 セール内容については、同社ウェブサイトhttps://www.dijet.co.jp/product/event/を参照のこと。

2021年、全世界でカーボン
ニュートラル達成を目指す
DMG森精機 「グリーンマシーン」マーク表示開始

 DMG森精機は1月12日、2021年に全世界でカーボンニュートラルな事業活動の達成を目指すと発表した。
 同社はまず、欧州を拠点とするDMG MORI AGにて、自組織の事業活動にともなうCO2排出量に対し、国際的に認定された持続可能な気候保護プロジェクトへの出資によりオフセットすることで、2020年にカーボンニュートラルを達成した。
 2021年には、欧州に加え日本を含む全世界において、また、自組織の事業活動に加えて部品の調達におけるCO2排出量に対してもカーボンニュートラルの達成を目指す。これにより、調達から出荷までの全工程でカーボンニュートラルに生産された商品をユーザーに届けることになる。
 2021年1月より出荷する全世界の同社機へ「GREENMACHINE(グリーンマシーン)」マークの表示を開始する。
 CO2排出量削減に対し、同社はこれまでにも太陽光発電設備の導入や各拠点における照明の低消費電力・長寿命LEDへの取り換え、先進的な暖房・換気・冷房システムの採用など、あらゆる面で取り組んできた。東京グローバルヘッドクォータでは、2020年4月よりCO2排出量ゼロの電力供給を開始しており、今後さらに国内の他拠点への導入を拡大していく。また、2021年秋頃には、同社伊賀事業所構内にCO2排出量ゼロの木質バイオマス熱電供給システムの設置を予定している。
 同社は、事業活動における取り組みに加え、サプライチェーン全体でのCO2排出量抑制も推進。専用のCELOSアプリケーションやLEDライトなどの消費電力を抑えた部品、ブレーキエネルギー回生、ユニットのインテリジェント制御などを通して、長年にわたって工作機械のエネルギー効率を最適化し、CO2排出量を抑える取り組みをしており、今後も同社商品の運用時のエネルギー効率を継続的に改善することで、ユーザーの施設においても最先端なエネルギー効率を実現できるようサポートしていくこととしている。
 また、同社商品により風力・水力発電装置や燃料電池、e-モビリティ向けなど革新性の高いグリーンテクノロジー関連の部品を加工する世界中のユーザーをサポートすることで、加工技術やノウハウを蓄積し、グリーンテクノロジーのさらなる開発に寄与していきたい考え。
 日本政府により「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことが発表された。欧州をはじめ同様に宣言する国・地域は多く、世界的にCO2削減が求められることで今後より一層、精密な機械や技術への需要は高まっていく。同社は「工作機械産業そのものがCSRおよびESGと言えますが、今後も、商品の精度と生産性向上により総合的なカーボンニュートラルの実現を目指し、社会に貢献してまいります」としている。

超硬ねじ切りカッタシリーズに
ロングネックタイプを追加
MOLDINO 首下3D、3.5Dタイプ

 MOLDINO(社長=菊池仁氏、本社=東京都墨田区)は、このほど「超硬ねじ切りカッタシリーズ」にロングネックタイプを追加し発売した。
 2010年に発売された超硬ねじ切りカッタシリーズは、主要なねじ規格を追加することで順調に販売を拡大しており、使用ユーザーの裾野が広がる中で、市場より高まるロングネックタイプ追加の要望を受け、今回の発売に至った。
 超硬ねじ切りカッタは、良好な切り屑排出性で折れ込みのリスクを低減し、美しい加工面が得られることが特長。高硬度鋼のねじ切り加工を実現し、NCによる自動化に貢献する。また、EDT形は1本で穴あけとねじ切りを同時に加工できる。
 今回発売されたロングネックタイプは、従来の首下長では干渉が発生する加工(壁際の加工など)や、従来では切りくずの排出性に難のある加工(穴奥の加工など)に対応する。
 仕様は次の通り。
 【エポックスレッドミルET形】◎メートルねじ用首下3Dタイプ(M3〜M16、8アイテム)◎メートルねじ用首下3・5Dタイプ(M3〜M16、8アイテム)。
 【エポックDスレッドミルEDT形】◎メートルねじ用首下3Dタイプ(M3〜M16、8アイテム)◎メートルねじ用首下3・5Dタイプ(M3〜M16、8アイテム)。
 価格は、ET形(首下長3D、3・5Dタイプ)が1万120円〜2万2990円、EDT形(首下長3D、3・5Dタイプ)が1万1120円〜2万5220円(いずれも消費税別)。