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2021年(令和3年)1月
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2021年1月3日(日)・10日(日)・2765・2766
年 頭 所 感
令和3年年頭所感
中部経済産業局長 畠山 一成

  令和3年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
  我が国経済は、昨年を通じて新型コロナウイルス感染症拡大に伴う景気下押しの影響が広がり、正に国難とも言うべき局面に直面しました。また、世界経済に目を向けると、人・モノ・カネの流れが制約され、自由貿易体制の維持や国際的分断の進行が懸念されています。この危機に対して、デジタル化の遅れやサプライチェーンの脆弱さなど顕在化する社会課題を解決し、「新たな日常」を見据えた「質」の高い経済社会を実現する必要があります。
  経済産業省といたしましては、デジタル改革を進めグリーン社会の実現を図るべく企業のチャレンジを支援してまいります。また、イノベーションの促進やサプライチェーンの強靱化、地域経済の活性化を図ってまいります。
  新型コロナウイルス感染症により、地域経済を支える中小企業・小規模事業者におかれましては、非常に厳しい状況が続いています。中部経済産業局といたしましては、資金繰り支援、人材マッチング等のきめ細やかな支援策により、事業継続を支えることはもちろん、ポストコロナを見据えた事業再構築についてもしっかりと支援してまいります。また、当地域の産業競争力を一層強化していくため、イノベーションを推進し、当地域が自動車産業で培ってきた高度なものづくり基盤をベースとして、デジタル化やグリーン社会にも対応した多様な次世代産業の創出を目指します。
  本年が皆様におかれましても、地域経済においても繁栄の年になりますよう祈念いたしますとともに、経済産業行政へのご支援とご協力をお願いいたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
2021年 年頭所感
愛知県知事 大村 秀章

 あけましておめでとうございます。
 新たな年が、県民の皆様にとりまして素晴らしい1年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症により、県民生活や経済活動に大きな影響が生じる中、愛知県では、県民の皆様にご協力いただきながら、「感染拡大防止・医療」「県民生活」「経済」の3つの対策を柱に、感染防止と社会経済活動の両立に取り組んでまいりました。
 こうした中でも、ジブリパークの本体工事着手や、国内最大のスタートアップ支援拠点「ステーションAi」事業開始など、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えつつ、「愛知」を「新起動」させる取組を進めた1年となりました。
 世界は、新型コロナウイルスの感染拡大、グローバル化やデジタル化の加速度的な進展などにより、日々刻々と変化し続けています。愛知県が活力を維持し、日本の成長エンジンとして、我が国の発展をリードし続けるためには、そうした変化に的確に対応し、新たな付加価値を生み出していかなければなりません。
 今年も、国内外のネットワークを活用して最先端の技術・サービス・人材を取り込みながら、モノづくり産業と融合した愛知独自のスタートアップ・エコシステムを推進し、新たな付加価値を創出し続ける「愛知発イノベーション」の実現を目指します。
 あわせて、ジブリパークの整備を始めとした愛知の魅力を高める取組を着実に進め、国内外での愛知のプレゼンスの向上を図ります。
 また、リニア大交流圏を見据えた社会インフラ整備、農林水産業の振興、教育・人づくり、女性の活躍、医療・福祉、環境、雇用、多文化共生、防災・交通安全、東三河地域の振興など、県民生活と社会福祉の向上にもしっかりと取り組んでまいります。
 愛知県では、今年も、ロボカップアジアパシフィック大会・ワールドロボットサミット、世界ラリー選手権などのビッグイベントが開催される予定です。万全の準備を整え、愛知の魅力を世界中に発信してまいります。
 県民の皆様に笑顔で元気にお過ごしいただけるよう、昨年策定した「あいちビジョン2030」の基本目標「暮らし・経済・環境が調和した輝くあいち〜危機を乗り越え、愛知の元気を日本の活力に〜」の実現に向け、全力で取り組んでまいりますので、一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。

新年のごあいさつ
三重県知事 鈴木 英敬

 新年あけましておめでとうございます。令和3年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、雇用経済情勢は厳しい環境におかれましたが、一方で、コロナ禍をきっかけに大都市部への過度な一極集中のリスクが顕在化し、地方創生の取組に期待が高まるなど「新たな日常」に対応する動きが活発化しました。このような情勢に的確に対応するため、県では、県民の皆さんの命と健康を守り抜き、傷ついた暮らしと経済の再生・活性化を図る「命≠ニ経済≠フ両立をめざす『みえモデル』」を策定し、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進、三重の強みの活用、一極集中リスクの軽減と地方創生の推進、SDGs(持続可能な開発目標)の推進の4つの視点を重視し、経済の再活性化から始まる、三重県らしい、多様で、包容力のある持続可能な社会の実現に向け取り組んでいるところです。特に、本県経済を支える中小企業・小規模企業が「新たな日常」に向けた事業の拡大を実現できるよう、DXによる生産性向上・競争力強化・経営改善活動を超えた新たな事業展開や価値創出に係る取組を支援しているところです。
 今年は、伊勢志摩サミットの開催から5年の節目を迎えます。この記念すべき年に、太平洋島しょ国首脳が三重の地で一堂に会する「第9回太平洋・島サミット」、さらには、東京2020オリンピック・パラリンピックの熱気と感動をつなぐ「三重とこわか国体・三重とこわか大会」が開催されます。県におきましても、こうした本県の知名度をさらに高めるチャンスを生かし、県政史に新たな1ページを残せるよう、大成功に向けてオール三重で取り組んでいきます。
 新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立たない中ではありますが、皆様が夢や希望を持ち、明るく前向きに挑戦、活躍し続けられるよう、県政を推進してまいりますので、引き続きご支援・ご協力をお願い申し上げます。
 最後に、本年が皆様にとって幸多い年となりますことを心から祈念申し上げます。

”「いのち」 と 「くらし」 を
  全力で守り抜くマチ ナゴヤ”
名古屋市長 河村 たかし

 年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。市民・事業者の皆様には、ウィズコロナ時代における新しい日常の中で、新たな年をお迎えのことと存じます。
 昨年は、世界規模で新型コロナウイルスの感染が拡大し、ここナゴヤにおいても苦難を伴う1年間となりました。これまで当たり前のようにあった日常や社会経済が一変し、その脅威にどう対応するかが試されている状況に、私ども行政は、感染の連鎖を少しでも早期に断ち切り、迅速にPCR検査や適切な医療に結び付けられる体制の構築に向けて、さらには、市民の皆様の雇用と事業者の皆様の商売を全力で応援し、ナゴヤ全体の社会経済活動を支えるため、懸命に対策を講じてまいりました。
 市民の皆様の「いのち」を守る取り組みとしては、検査・医療体制の拡充を図るとともに「感染者・濃厚接触者に対する積極的疫学調査」においては、全国に先駆けて感染可能期間を発症の2日前からとするなど、国基準より幅広い対象者に対し、地道で丁寧な健康観察を実施してまいりました。このナゴヤのいわゆる「柔らかい隔離」は、皆様の目に留まりにくい部分ではありますが、私としては行政が直接的に関わることのできる最も有効な感染防止対策であると自負しております。
 そして、商売・雇用の灯を絶やさず「くらし」を守る取り組みとしては、私が尊敬する尾張ナゴヤの英雄にあやかって「ナゴヤ信長徳政プロジェクト」と銘打ち、市内金融機関と連携して中小企業者への資金繰りを全面的に支援したり、新しい生活様式等に対応した日本で一番使いやすい設備等導入補助金を新設するなど、社会経済の活動レベルの維持に努めてまいったところです。
 私としては、戦後の焼け野原から不死鳥のごとく復活し、世界でも有数の都市へと発展した我らがマチ ナゴヤであれば、必ずやこの苦難を乗り越えられるものと確信しており、そのためには低迷する社会経済の回復を牽引する中長期的な視点に立った新たな取り組みに対する積極的な公共投資が必要不可欠であると認識しております。
 今後ともこの方針のもとに、全ての市民・事業者の皆様の「いのち」と「くらし」を絶対に守り抜くため、全市一丸となって新型コロナウイルス感染拡大防止対策、医療提供体制等の強化及び社会経済の活性化に全身全霊で取り組んでまいります。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年 頭 所 感
選ばれるまち 岐阜市≠目指して
岐阜市長 柴橋 正直

 新年あけましておめでとうございます。
 謹んで新年のご祝辞を申し上げます。
 皆様方におかれましては、輝かしい新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中、感染拡大防止と社会経済活動の両立にご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。引き続き、岐阜県と連携を図りながら、オール岐阜で取り組んでまいります。
 さて、本市では、多くの人に選ばれるまち≠目指し、未来を見据えた様々な施策を展開しています。
 まず、子育て支援の充実に向けては、公立保育所におけるお昼寝用ベッドの導入や病児・病後児保育施設の増設など、子育て世代の目線で数々の施策に取り組んでまいりました。
 また、教育立市の深化に向けては、岐阜市教育大綱の改定のほか、岐阜市いじめ防止対策推進条例の制定などにより、いじめ克服に全力を尽くすとともに、不登校対策として、本年4月に東海地区初となる公立の不登校特例校「岐阜市立草潤中学校」を開校し、学びの多様性を確保してまいります。
 一方、中心市街地活性化に向けては、岐阜駅周辺から岐阜公園までの一帯を本市のセンターゾーンと位置づけ、その未来像を皆様と共有するため見える化≠オました。本年度は、金公園と周辺道路で公共空間の新たな活用に向けた社会実験や、県内初となる小型バス車両による自動運転の実証実験を実施し、市民の皆様に近未来を体感していただきました。また、本年春に開庁予定の新庁舎建設をはじめ、金公園の再整備や市街地再開発事業、リノベーションまちづくり等も進んでいます。
 さらに、岐阜公園周辺においては、ぎふ長良川水辺空間活用協議会等での意見を参考に計画を策定し、水辺空間を生かしたまちづくりを進めてまいります。
 市民の皆様とまちの未来像を共有し、まちに対する愛着や誇り、すなわち「シビックプライド」を高めていくことが、本市の持続可能な発展につながるとの考えのもと、未来を見据えた政策を実現するとともに、市政の課題を一つひとつ解決してまいりますので、市民の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

年 頭 の 辞
愛知県中小企業団体中央会
会 長 長谷川 正己 

 会員の皆様には、健やかに新春をお迎えになられましたことと、心よりお慶び申し上げます。
 平素は、本会の事業推進につきまして、多大なご支援・ご協力をいただき深く感謝申し上げます。
 さて、我が国経済は、企業収益や雇用・所得の改善により、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、外出や各種イベントの開催自粛などによって、企業の生産活動が大きく制限され、社会経済活動は停滞を余儀なくされました。
 緊急事態宣言解除後は、経済活動は徐々に改善が見られておりましたが、気温の低下とともに感染が再び拡大し、先行きはさらに不透明な状況となっております。
 特に、中小企業におきましては、人手不足や後継者不足による事業承継問題、長時間労働の是正や同一労働同一賃金等の働き方改革、事業継続計画(BCP)、デジタル化への対応など課題が山積しているうえ、新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響は大きく、かつて経験したことがない難局に直面しております。
 これまで、我々、中小企業は、幾多の困難な状況に見舞われてきましたが、その都度、中小企業組合等の連携の力を活用し、これらを乗り越えてきました。今こそ、中小企業組合組織の原点である、「相互扶助の精神」に立ち返り、団結がなせる相乗効果を各組合が強力に発揮して行くことが求められております。
 中小企業がコロナ禍により大きく変化した経営環境に対応しつつ、「ニューノーマル」の時代において、中小企業が、持続的に発展を遂げていくためには、変化に臆することなく、しっかりと将来を見定め、積極果敢に事業展開を図っていく必要があります。
 本会といたしましては、新型コロナウイルス感染症による影響への対応支援を最重点事項として位置づけ、感染防止に十分配慮した上での巡回指導と相談業務の徹底、組織化の推進をはじめ、コロナ禍の影響を受ける組合等への経営改善等の支援を行う「専門家派遣事業」、特別枠を設置し補助率をアップするなどの対応を図った「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業」等の各種事業を実施してまいりました。
 引き続き、「頑張る中小企業の応援団」の自負のもと、皆様に寄り添いながら、新型コロナウイルス対応支援をはじめ、経営改善の一助となる事業を、役職員一同、全力で取り組んで行く所存であります。
 会員の皆様におかれましても、新しい年を迎えるにあたり、決意を新たに、団結を更に強固にされ、新型コロナウイルスの影響からの早期復調並びに中小企業の振興のために邁進されますことをご期待申し上げますとともに、ご繁栄とご健勝を心よりご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。

「ウィズ・コロナ時代」の
組合・中小企業の挑戦を応援
岐阜県中小企業団体中央会 会 長 今井 哲夫

あけましておめでとうございます。
 令和3年を迎えるにあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 日頃から本会に対し格別なご支援、ご理解を賜り厚くお礼申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延は、国内外での移動制限、活動自粛やサプライチェーン寸断、インバウンドの縮小による経済活動の停滞をもたらし、国内景気はリーマンショック以来の低水準に落ち込んでいます。国の緊急事態宣言の解除後、経済活動が再開し、国の施策実行もあり一部の業界では業況改善の兆しがあるなど国内経済は徐々に回復に向かいつつあったものの、ここに来ての新型コロナウイルス感染再拡大により、長期化も予想され、中小企業は以前にも増して厳しい経営環境に置かれています。
 こうした中で、岐阜県中小企業団体中央会におきましては、中小企業連携組織の専門支援機関として、中小企業・小規模事業者による組織化の推進と組合の活性化・運営支援に注力するとともに、『連携の力で無限の可能性にチャレンジ!〜中央会は、「ウィズ・コロナ時代」の組合・中小企業の挑戦を応援します〜』を新たなスローガンに掲げ、連携による新たな価値の創造、生産性の向上のみならず、社会の変化に柔軟に対応し、コロナ禍にあってもピンチをチャンスに変えるための新事業展開や新事業創出に取り組む組合・中小企業者に対して、中央会が持つ多様な施策やノウハウを通じて積極的に支援してまいります。
 未曾有の事態により、社会経済の混迷が深まり、先行きが見通しにくい中ですが、本年が皆様にとって、逆境を乗り越える力強い年となりますことを心からお祈り申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
新年のごあいさつ
三重県中小企業団体中央会
会 長 三林 憲忠

 新しい年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申しあげます。
 さて、昨年初めから突如として世界中で感染拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、わが国経済においても、経済活動の抑制や個人消費の低下によって経済悪化を余儀なくされ、終息も未だ見えず、先行き不透明な状況となっています。
 このような厳しい経営環境下において、社会経済活動と感染拡大防止対策の両立が求められている中、地域の経済・雇用を支える中小企業・小規模事業者も、その担い手として、持続的な成長に向けて経営基盤を強化し、近年急速に普及しているリモート化、デジタルトランスフォーメーションによる産業構造やビジネスモデルの変化等に適応した新たな働き方の実施などを通して、更なる生産性の向上に取り組むことが求められています。そのためには、個々の取り組みだけではなく、組織の力を最大限に活用し、直面する様々な課題を克服するために、組合等の連携組織の果たす役割は一層重要なものとなってきております。
 三重県では、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた様々な支援策が積極的に推進される中で、令和2年3月に「三重県中小企業・小規模企業振興条例」が改正され、平成30年11月策定の「みえ産業振興ビジョン」と共に、若者等の就職・定着促進、働き方改革の推進、情報通信技術の活用など新たな経済・社会構造にも柔軟に対応できるための施策が示されています。
 中央会といたしましても、国・県当局の施策と協働し、中小企業連携組織の専門支援機関としての役割を最大限に発揮しながら、会員並びに中小企業・小規模事業者の皆様の多様なニーズに応えるため、時世に即した支援事業を実施し、中小企業連携組織を通じた支援事業活動を堅実に展開し、皆様が経済活力の源泉として充分に力を発揮できますよう環境整備に全力で取り組んでまいりますので、より一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。
 本年が、名古屋機工新聞読者の皆様方のご繁栄とご健勝、そして希望に満ちた飛躍の年になりますよう心より祈念申しあげまして、新年のあいさつといたします。

戦後最悪の落ち込みとなった
経済情況からの回復を目指す
岐阜商工会議所 会頭 村瀬 幸雄

 皆様には、令和3年の新春を穏やかにお迎えのことと心よりお祝い申し上げます。
 昨年は世界的に新型コロナウイルス感染症が蔓延し、過去に類を見ない新型ウイルスの脅威に直面した一年でありました。世界各国で、都市封鎖や入国制限などの措置が講じられ、わが国においても、感染対策と経済活動の両立のために様々な手立てが講じられました。コロナとの対峙は続いており、私たちは一致団結してこの難局を乗り越えていかなければなりません。
 国内では4月に緊急事態宣言が発令され、営業時間の短縮や休業要請、外出自粛などにより経済が停滞し、サービス業を中心に個人消費が大きく落ち込むなど、4〓6月期の日本経済は歴史的なマイナス成長となり、企業収益も大幅に減少しました。しかしながら、緊急事態宣言が解除された5月下旬以降は、政府による財政・金融政策にも支えられ、世界的な経済活動の再開とともに日本経済は最悪期を脱して底堅さを見せ、輸出や生産など企業活動は徐々に持ち直しました。11月以降、再び感染者数が増加に転じており、感染拡大が内外経済を下振れさせるリスクへの注意が必要となります。
 岐阜経済は、観光産業の要である旅館等の稼働率が一時的に一割以下まで落ちこみました。「GoToトラベル」は、10月、11月と、客足の回復基調を招来しましたが、12月には、年末年始の全国一律停止が発表されました。今後の感染動向により、景気の先行きが左右されるため、依然として予断を許さない状況が続いております。
 本年は、ワクチンの早期実用化などによる感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善に伴う持ち直しの動きが続くことを期待します。
 このような中、岐阜商工会議所は昨年12月に創立130周年を迎えました。振り返れば、創立した翌年の明治24年には濃尾大震災が起こり、大多数の家屋が倒壊し荒廃した町から復興する多難な船出となりました。その後、幾多の困難を乗り越え現在の産業・文化を築いた先人の一旅中興の精神を引き継ぎ、本年は戦後最悪の落ち込みとなった経済情況からの回復を目指します。具体的にはコロナ収束を見越し、昨年延期したイベントなどを積極的に開催していきます。
 なかでも「エンジン01」は、芸術・文化・科学・スポーツなど幅広い日本文化を学ぶことができるとともに、岐阜の認知度向上を図る絶好の機会であり、成功に向け尽力したいと存じます。また、このイベント開催時だけにとどまらず、継続して岐阜地域に観光客が訪れたくなるような仕組みづくりを、行政や地元事業者とともに展開していきたいと存じます。
 さらに毎年開催しておりました「鮎菓子たべよー博」についても感染拡大防止の観点から実施できるイベントは限られますが、高島屋前にて銘菓鮎菓子の販売に特化した「鮎菓子マルシェ」を実施することで、柳ケ瀬エリアの活性化につなげ、引き続き岐阜の鮎菓子の知名度向上を通じて、岐阜ブランドの確立・観光振興に寄与したいと存じます。
 また、広域での観光産業の活性化にも尽力します。昨年は創立130周年記念事業の一環として岐阜市内で「かわべの宵(ゆうべ)」を開催しましたが、「長良川上中流域」には、美濃の「美濃和紙」や、関の「刃物」、郡上の「藍染め」などといった、水や川の水運と深いつながりのある伝統工芸が厚く分布しております。将来的にはこうした点在する多くの観光資源を「長良川」ブランドへとつながるよう取り組んでまいります。
 国際交流は、具体的な事業は新型コロナの状況を見ながらにはなるものの、昨年失われた時間を一気に取り戻せるような取組みを積極的に行いたいと考えております。
 岐阜市は今後、市役所の新庁舎移転や、高島屋南再開発、名鉄名古屋本線の高架化に伴い、岐阜のまちづくりに大きな変化が訪れます。当所会館は、岐阜市中心市街地に位置し、地域の交流拠点・防災拠点として大いに活用を図ってまいります。
 昨年、中濃から飛騨地方を中心に大きな被害をもたらした「7月豪雨」のように、全国的に災害による被害が激化・多発する中、社会基盤の一員である企業には、災害発生時でも事業が継続できるようBCPの策定が求められています。岐阜市内企業のBCPの策定支援に注力するとともに、その根底となる社会インフラ、特に、重要物流道路である東海環状自動車道、岐阜南部横断ハイウェイをはじめとした高規格道路の早期整備促進にも、尽力してまいります。
 さらに、地域経済の担い手である中小・小規模事業者は、人手不足や後継者難などの経営課題が山積する中、新型コロナの影響も相まって、事業承継の時間軸は一気に早まったと考えております。支援にあたっては、地元金融機関との連携や事業引継ぎ支援センターなどを活用しながら、伴走型支援による課題解決を通じ、地域の事業者を減らさない取組みが肝要となります。
 最後になりますが、皆様方の本年一年のご健勝とご繁栄を祈念いたすとともに、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
ウィズコロナ時代に適応できる
ビジネスチャンスの創出に注力
名古屋商工会議所 会頭 山本 亜土

 明けましておめでとうございます。
 皆様には、令和3年の新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症が瞬く間に全世界に拡大し、健康被害はもとより、製造業のみならず観光やサービス業など非製造業に至るまで全業種に亘り大きな経済的な打撃を受け、大恐慌以来の未曽有の事態に直面した大変厳しい年でありました。
 1.閉塞感の打破
 企業は業種を問わず需要が蒸発してしまうというかつて経験したことのない事態に見舞われ、特に中小・小規模事業者は極めて厳しい経営環境に置かれています。国や自治体等の支援策を最大限に活用し、ギリギリのところで耐え忍んではいるものの、コロナへの決め手もなく、厳しい経済情勢がさらに長期化することが予想され、倒産や廃業が急増することを強く懸念しております。このため、今後感染の波が再来しても経済活動レベルを極力落とさなくて済むよう、感染の拡大防止と社会経済活動が両立できる環境を国が改めて整備をすることが必要となっています。
 一方、コロナ禍が長期化する中では、我々経営者も自ら気概を持って、知恵と工夫を最大限に発揮して、この苦難を乗り切る懸命な努力が必要だと思っております。相手がウイルスだけに、先を見通すことが困難な中、変化への対応力が求められています。中小企業の経営者の皆様は、現場の課題を日頃からよくよく熟知されており、環境の変化に大胆かつ素早く対処していくことが可能な筈です。したがって、コロナを契機として新商品やサービス開発、デジタル化などに積極的に挑戦することで、コロナ禍を十分克服していけるものと確信しております。
 新型コロナウイルスであっても、必ず終息する時が来ます。その暁には、恐らく経済構造や消費行動も大きく変わっていることが予見されます。厳しく、難しい状況だと思われますが、新しい動きを探り、新しい試みに敢えて挑戦し、この閉塞感を打破し、明るい希望の持てる社会を実現していくことが必要なのではないでしょうか。
 2.中小企業の事業継続とデジタル化への対応、ビジネスマッチング
 商工会議所としては、まずは地域経済の担い手である中小・小規模事業者の皆様の事業継続に向けた支援をしっかりと継続して参ります。
 今後も総勢約70名の経営指導員による巡回や窓口対応などきめ細やかな「伴走型支援」を徹底しつつ、昨年秋からスタートした「オンライン経営相談」の普及を図り、より柔軟で充実したサポート体制を構築して参ります。
 また、名古屋中小企業IT化推進コンソーシアム(Pit〓Nagoya)による生産性向上に向けた「IT活用」や「セキュリティ対策」などのデジタル化支援に加えて、会員の皆様方から多くの期待をお寄せいただいている「メッセナゴヤ」をはじめとする商談会や交流会事業は、「リアル開催」「オンライン開催」、これらを併用した「ハイブリッド開催」など、ニーズや効果を踏まえながらウィズコロナ、アフターコロナ時代に適応できるビジネスチャンスの創出に注力を致します。
 3.産業の大変革への対応/イノベーション・スタートアップの創出
 5G等の通信技術やセンシング技術、AI等の発達により情報の高度利用が進み産業の大変革は着実に、そして加速度的に進むものと思われます。
 その対応の鍵を握るのがデジタル・トランスフォーメーション(DX)とイノベーションにあると考えております。
 そこで、「DXワールド」や「デジタルフェア」の開催を通じ、企業のDXを積極的に支援するとともに、サテライトオフィスを設け運営協力するインキュベーション施設の「なごのキャンパス」では、創業や事業計画など様々な相談に対応しつつ、ビジネスマッチングや新たな分野での人脈の形成を支援することで、地域発のイノベーション・スタートアップを創出する「火付け役」としての役割をしっかりと果たして参りたいと思います。
 4.東京一極集中の是正に向けたインフラ整備と地域の魅力向上
 新型コロナウイルスの感染拡大により、人口や企業あるいは情報が首都圏に過度に集中していることのリスクが改めて問題だと懸念する人が増加しています。また、自然災害の頻発する我が国においては、国土強靭化やリダンダンシー(代替性)の確保が喫緊の課題だと思われます。
 このため、私どもは東京一極集中の是正に向けた提言を近々に取りまとめ、政府に対して所要の政策を講じるよう呼びかけるとともに、この地域の機能強化に向けた取り組みを鋭意進めて参ります。特に、日本の中央に位置する当地は、リニア中央新幹線の早期全線開業と中部国際空港の2本目滑走路、そして名古屋駅のスーパーターミナル化が実現することで、スーパーメガリージョンのセンター(中央)として、首都圏のバックアップ機能を十分に備えた地域と成り得ると考えております。
 また、東京一極集中の是正にはこの地域の魅力度向上も大変重要な要素です。経済活動の本格的な再開が期待されるアフターコロナも見据え、東京・首都圏に負けない「なごやの街の魅力」を高めていく努力を経済界や行政それに市民の皆さんを巻き込んで継続していく必要があると思います。 
 その一つとして、商工会議所では新しく「和菓子土産」を作り出すことや街の雰囲気に似合って食べ歩きに適した「ワンハンドフード」の開発、街の賑わい創出につながる「まちなかマルシェ」など、新しい試みに挑戦しております。こうしたことを通じて、新製品の開発や販路開拓などに積極的に挑戦する中小企業の後押しをしながら、引き続き「躍動し愛されるナゴヤ」の実現に邁進して参ります。
 5.むすび
 現在、世界中でワクチンや治療薬の開発が急がれており、春先には日本でも接種が始められる兆しも出て参りました。1日も早く安全で有効な薬が普及することで、明るく希望の持てる社会が取り戻せることを願っております。
 名古屋商工会議所は地域の皆様方に支えられ、今年で創立140周年を迎えます。今後もコロナ禍の厳しい現状の打破と新たな飛躍に向け、企業の発展、ひいては地域経済の再生に向けて取り組んで参りますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

集中から分散への移行
(一財)機械振興協会
会 長 釡 和明

 皆様 新年明けまして おめでとうございます。
 昨年春から発生した新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックは未だに終息する気配がなく、私たちの生活や経済活動に大きな影響を与え続けています。こうした中、現在も命がけで感染者の治療にあたっておられる医療従事者の皆様には、心から敬意と感謝を表します。
 この度のコロナ禍は、当協会の活動にも大きな影響を与えています。具体的には感染対策の一環として、各会議、研究会及びセミナーの殆どをオンラインで実施し、会議室受付窓口やBICライブラリ(専門図書館)などでは飛沫防止のためのアクリル板やビニールシートを設置したり、手洗い・消毒・換気の徹底、在宅勤務などに努めています。
 一方、この度のコロナ禍によって、世界中でICT(情報通信技術)の活用が一気に加速しています。テレワークやWEB会議などが普及し、私たちの社会生活は変容し始めています。このような現象を一言で表現するならば、それは、「集中から分散への移行」と言えるのでないでしょうか。
 そして、その最も大きな変化として、都市から地方への移住を考える人が増えていることが挙げられます。新型コロナウイルス(COVID-19)は世界中で未だに多くの人々の命を奪い続けている存在です。しかし、一方で、この度のコロナ禍によって世界中でライフスタイルやビジネススタイルの見直しが起きていることは、コロナ禍がもたらした人類への警鐘と捉えることができます。
 例えば、日本の東京一極集中問題は長きにわたり議論されてきましたが、この度のコロナ禍は、地方分散を推し進めるきっかけを与えています。これは当協会が50年以上にわたりその発展の一翼を担ってきた機械産業にとっても無縁ではありません。優秀な人材が地方に移住したり、若者が地元に留まることは、少子高齢化に悩む地方の産業や中小企業にとっても大きな力となります。この度のコロナ禍がもたらした意識・価値・行動における変容の兆しを私たちは決して無駄にしてはいけないと思います。
 さらに、こうしたコロナ禍を契機とする分散型社会の進展は、国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)の実現とも深く関係しています。そこで、当協会では、ウィズ・アフターコロナ時代のSDGsの実現の観点から、経済研究所と技術研究所の機能を活用しながら日本の機械産業に対して様々な支援・研究活動を実施して参ります。
 さて、今年の干支は「丑(牛)」ですが、世界初のワクチンである天然痘ワクチンが雌牛から取られたためにその名がつけられました。丑年の今年こそ、新型コロナウイルス(COVID-19)に効くワクチンが世界中の人々に速やかに普及し、皆様にとって「一陽来復の年」になりますことを願ってやみません。

年 頭 所 感
激変に果敢に挑戦
(一財)素形材センター
会 長 青木 宏道

 2021年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 昨年の新型コロナウイルス感染症の拡大は、その影響の本質である『人の接触制限』により、サプライチェーン寸断による供給ショックと、対面サービスを中心とする需要蒸発ショックとを世界中で併発させ、これらが所得・雇用ショックへと負の経済連鎖に繋がり、金融危機を起点とするリーマンショックとは異なるグローバル化の別の脆弱性を顕在化させることとなりました。
 我が国においては、昨年4月の緊急事態宣言に伴う外出自粛、営業制限や出入国制限などの劇薬の副作用に夏の東京オリンピック・パラリンピックの延期も加わり、GDPギャップは、▲10・5%(2020年第2四半期)とリーマンショック時の▲6・9%(2009年第1四半期)を大きく超え、国の手厚い雇用維持対策にも拘わらず非正規労働者を中心に雇用状況がじりじりと悪化しており、更には感染症の収束が見通せない状況下で第2の就職氷河期の到来も懸念されています。
 素形材産業をはじめとする産業分野においては、受注の大幅な減少に加え、国内外のサプライチェーンの再構築の新たな動きなど事業を取り巻く環境が変化し、従来の企業経営戦略の変更を余儀なくされている企業も少なからずおられると思います。加えて、eコマースやオンライン会議などのIT技術活用に止まらず、デジタル・トランスフォーメーション(DX)や脱炭素化など社会構造・産業構造を変容する新しい潮流が加速しており、多くの皆様がその見極めと対応に苦慮されていることと思います。
 今回の新型コロナウイルスというブラック・スワンが惹起した新しい潮流は、その衝撃が極めて大きく、それが故にそれへの対応は大きなビジネス機会ともなり得るものです。国も環境変化に呼応して、デジタル庁を設置し、20年も前に『e〓Japan戦略』で表明した電子政府の実現などに真剣に取り組み始めたほか、2050年までにCO2等温室効果ガスをゼロとする脱炭素社会を目指して、エネルギー基本計画の抜本的な見直しや、水素、次世代蓄電池など現状を打破する最先端技術開発の支援など、政策の舵を大きくかつ急速に切り始めようとしており、このような激変に果敢に挑戦することによって、今後の大きな飛躍に必ずや繋がるものと信じております。
 当センターとしても、素形材産業の皆様が現下の厳しい経済状況を一刻も早く克服されるとともに、更に中長期の課題に取り組まれますよう、より多くの方々にご参加いただけるように素形材技術セミナーや技術研修講座をオンライン化するなど、今後とも人材育成、普及啓発事業、交流促進事業などの各種事業を一層拡充して、皆様を積極的にご支援して参る所存でありますので、是非とも当センターの機能を最大限に活用して頂きたいと願っております。
 最後になりますが、皆様方のご健勝と益々のご活躍並びに素形材産業の一層の発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

新時代の組織運営にリモートを活用
(一社)日本金型工業会 会長 小出 悟

 令和3年の新年を迎えるにあたり、会員の皆様をはじめ関連官公庁、関連団体の皆々様に謹んで新春のお喜びを申し上げます。
 一昨年は令和の時代が始まりいよいよ本格始動の年だと思いきや、年初に始まったコロナ騒動がそのまま年を越し、いまだに収束の兆しがうかがえない状況であり、いささか困惑の感は否めない所ですが、考え方を変えれば昨年ほど固定観念を強引にでも打ち破り、新しい観念をもって臨まざるを得ない一年であったこと、リーマンショックの時でも起こらなかった現象で近年では例がない年であったのは間違いなく、得てして新時代が到来するときには、このような強引さの中に始まるものだと改めて悟ったような気がいたします。ならば私たちもその流れに逆らうことなく積極的に且つ、慎重に前に進みたいものと改めて新年の抱負として様々なことを考えさせられた次第です。
 図らずも始めることになったリモートでの数々の施策ですが、今考えるにデジタル化が進めば進むほど、工業会活動の在り方がリモート化されるしかなかったとも思え、事務局の人手の少ない体制での全国規模の活動を過不足なくフォローするためには、まさに打って付けな方法であったと気づかされました。まさに「瓢箪から駒」の格言のごとく本年の活動にも積極的にリモートの行事を取り込み、新時代の組織運営に役立てたいと考え、日本金型工業会会員以外の企業にも、時に活動の一端を感じていただき、同朋になっていただくべくリモートを活用していきたいと考えていますし、日本の社会のみならず全世界にもリモート化が進み、必然的に海外の情報も視野に入れた将来ビジョンを考えることも求められるでしょう。またそうしなければ日本の企業は存在すらできなくなるかもしれず、リモートは取り入れるしかなかった手法であると改めて気づかされた気がいたします。
 昨年は「令和時代の新金型産業ビジョン」を発表させていただき、皆様方ともビジョンを一つの題材としてたくさん意見交換をさせていただきました。自画自賛とはなりますが、事務局員にも本当に熱心に取り組んでいただき、大変良いものが出来上がったと思っており、概ね肯定的な受け止められかたであったとは思いながらも、正直に言って「だから何をなすべきなのかまではわからない」との率直なご意見も頂戴したことも事実で、だからこそ従来では考えなかった、気にもかけなかったことなどに気付き、新たな考えを持つに至った方がいらっしゃれば、ビジョンを発布した一つの目的が達成されたものと自負する所であり、そこは今後においても工業会全体で、継続的に煮詰めていく必要のある事柄であると考えています。
 また昨年の11月20日には三年越しの取り組みである、「技術等情報漏えい防止措置認証制度」という国家制度において、審査認証機関として全国で6番目の認定団体となりましたので、本年はそのような従来にない工業会の運営を強いられ、予測のつかない状況になることも覚悟していますが、昨今の新種のサイバー攻撃であるランサムウェア(身代金要求型コンピュータウイルス)に見るデジタル化社会の新たな脅威に対して、無防備ではとても企業活動ができない環境で、情報を奪われることの実害というより、外注先コンピュータがハッカーに侵入された事実が世間に知れ渡ることによるお客様に与える不安や自社への信用の失墜を重要事項ととらえ、まずは令和2年度は30社の会員企業様に認証を受けていただくべく段取りを進めて行き、その後順次工業会の皆様にも参画をお願いできればと考え、日本金型工業会はすべからく信用の置ける団体であり、信頼できる企業の集団であることをご認識いただき、ますますの存在感を出せればと考えております。
 今年の経済環境はまだまだ混沌として、はっきりと見通せない所もあるでしょうが、何もしないのではなく、行えることから順次ことを進め、日本の金型業界の安定を勝ち取るべく活動したいと思いますので、会員企業の皆様のお力添えはもとより、関連官公庁、関連団体の皆様のご協力も得ながら、着実に進めていく所存でおりますので、皆様のご理解ならびにご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。

我々の力で我慢強く、
これから芽が出る年に
日本精密機械工業会 会長 松 喜与志

 新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 コロナ禍の中で直接ご挨拶出来ない方もおいでますが、ワクチンや治療薬の開発も進んでいると聞いています。今しばらくの辛抱だと思いますので、共に頑張りましょう。
 さて新型コロナウイルス感染症が発生し1年が経過しようとしていますが、当初私は科学技術が進んだ現在、感染症などは簡単に鎮静化出来るものと信じていました。しかし人間の技術力でも及ばない物があると思い知らされています。そういえばインフルエンザも無くならないし、新しい型が大流行すれば多くの人が亡くなる年もあります。世界的に見ても人の往来が増えると病気も増えると言う相関がある様ですが、人間が生きて行く為に経済も大切であります。待ちに待ったワクチンや治療薬の完成が近づいています。そして早く経済活動が元に戻ることを望んでいます。
 アメリカの新大統領が決定し、新政権が発足します。ところでアメリカの選挙制度は、国民投票はするが最終的には選挙人の選挙で決まると言います。これでは民主主義で無い様な気もしますが、日本はどうでしょうか。議院内閣制であり総理大臣は国民が直接決められない仕組みです。日本国憲法第67条に「内閣総理大臣は国会議員の中から国会の決議でこれを指名する」とあります。国民が行政のトップを決められる様な憲法に改正すればどうでしょうか?憲法改正という言葉自体にアレルギーになっている人も多くいる様ですが変えて行かなければならない事もあるのではないでしょうか。もっと国民の関心と議論が必要だと思います。そして、アメリカの新大統領、日本の菅総理大臣には世界の諸問題解決と経済の発展に貢献する働きをして欲しいと期待しています。
 日本の人口は減少し世界の人口は爆発状態です。人口減少の日本は経済力が弱まっており、人口の多い中国は内需だけで経済は増大しています。その経済力で軍事力も増強しています。日本の少子化対策として菅政権の子供が欲しくても出来にくい人に支援するのはとても良い事だと思います。また、働き手や後継経営者がいなくて苦戦している中小企業にも再編、統合なども含め生産性を上げる支援策をお願いします。
 今年の干支は辛丑です。我々の力で我慢強く、これから芽が出る年にしていきましょ。

年 頭 所 感
高速・非接触にて
更なる高品質へ寄与
日本光学測定機工業会 会長 浜田 智秀

 明けましておめでとうございます。謹んで新春のご挨拶を申し上げます。平素より関係者の皆様には日本光学測定機工業会の活動に、ご理解とご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年は、米中貿易摩擦などの保護主義的な流れが経済へ影響を及ぼし、下降局面でスタートしました。更には、想定外の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、産業界全体が冷え込み、リーマンショック以来の環境悪化となりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症により働き方の改革を迫られ、昨年も触れたデジタルトランスフォーメーションは、前倒しされながらより一層加速されてきました。5Gはサービスが開始され、AIの応用も着実に身近なものとなってきました。
 一方、モノづくりそのものに目を移しますと、その手法自体は大きく変わってきています。種々雑多な材料を前提とした多品種少量製品へ適用するための3Dプリンターなどが生産へ寄与する領域の拡大が顕著となっています。このようなアディティブ・マニュファクチャリング領域に於いても最終部品・製品の高品質を保証することが重要となっています。形になれば良いのではなく、目的とする機能・性能を安定的に実現することが求められます。
 過去より度々繰り返される品質問題は益々顕在化する可能性を含んでおり、歩留り向上やコストダウンという狭義での品質保証の領域を遥かに超え、問題を起こした製品の評価を単に下げるだけでなく、企業価値そのものを大きく毀損させるリスクがあることを強く認識しておく必要があります。
 当工業会では見えないものを見えるようにするだけでなく、定性的なものを定量化できるよう活動を続けております。光学測定機が得意とする可視光領域に加え、近赤外や紫外線、更にはX線などの不可視光を使用することによってこれまで検出困難であったものを数値化し、更に高速かつ大量な計測データを瞬時に取得することを可能としており、これまで見逃していた現象・事象の把握だけでなく評価方法の確立をも推し進めてきています。加えて、検査・測定・計測の自動化、省力化をなお一層進化させ、製品・部品の良否判定だけでなく、スピーディに工程改善へのフィードバックなどを可能とし更なる高品質をも具現化します。
 人間の恣意やバラツキ、不確かさの入る余地がない品質保証、信頼性、ひいては安全、安心を実現する世界へ向けて今後も新たな提案を継続していき、皆様の企業価値向上に繋げるためのお役に立てると確信しています。厳しい競争に勝ち抜き社会へ貢献する企業の皆様と共に、更に成長するため精進して参ります。
 劇的に変わりゆくこのような時代にめぐりあえたことを幸せだと感じ、産業の発展へ寄与できることをこの上ない喜びと考えております。これまで以上に関係各位の皆様との連携を深め、皆様方の課題解決を図るだけでなくイノベーションのお手伝いができるよう取り組みます。
 ダイナミックでスピード感のある大きな時代変化の流れの中、それに呼応する形で、光学に基づく切り口を武器に非破壊・非接触型測定機を主としたリアルタイムな光学測定技術を深化させ、あらゆる課題を見える化・顕在化させることによって素晴らしいモノづくり、コトづくりを実現してゆきますので、今年もよろしくお願い申し上げます。

進化する日本のモノづくり
日本精密測定機器工業会 会長 吉田 均

 皆様、あけましておめでとうございます。謹んで新年のお慶びを申し上げます。また、皆様には平素より日本精密測定機器工業会の活動に深いご理解と御支援、御指導を賜わり、厚く御礼申し上げます。
 昨年は本当にコロナ禍に振り回された一年でありました。世界経済はCOVID-19により大きなダメージを受け、モノづくり産業も多大な影響を受けました。結果、当工業会では本来、今年は一昨年対比で回復の年を予想していましたが、一変して大きなダウンとなりました。しかしながら、昨年の秋口からは景況感に底打ち感が出てきております。計測機器の需要の大きい自動車産業の生産も本格的に戻りつつありますので、回復もそう遠くないと思います。ただ、力強い景気回復にはワクチンや特効薬などCOVID-19への強力な対応策が必須になると見ております。出来るだけ早期に対策が進み、景気回復が進むことを切に望みます。
 さて、今年の予想ですが、コロナ対策の時期にも左右されますが、回復への動きが本格的になることは間違いないと考えています。昨年は設備の更新需要も一斉に止まっていましたので、その分も今年は期待できると考えています。また、産業的にはこのコロナ禍でも堅調に推移している半導体産業は5Gの普及に牽引されて更なる伸びを見せるでしょうし、モノづくりの代表である自動車産業も従来のパワートレイン生産の回復以外に、EV化の流れを受けた新たな計測需要の波が出てくるものと見ています。
 今、モノづくり産業からは品質の作りこみに対する要求が高まっています。つまり、作ってから良不良を確認するのではなく、良品のみを作り不良を作らないと言うことです。
 従来は生産ラインから抜き取とった製品を検査室で測定して品質を確認してきましたが、最近は生産ラインの中で全数測定して良品のみを次工程に回す要求が増えています。さらに、その測定データを生産ラインへフィードバックし、不良品を作らないようにする動きもあります。これらを実現するためには計測機の自動化や高速化、耐環境性の向上など取り組むべきテーマは沢山あります。
 また、現場環境でのトレーサビリティの確立や不確かさを考慮した規格作りも必要です。
 当工業会としては世の中のニーズを先取りした活動を通し、日本のモノづくりが世界で活躍できるようバックアップして行きたいと考えております。
 最後になりましたが、今年はCOVID-19が一掃され、皆様が安心した生活を取り戻し、さらに日本のモノづくり産業の飛躍の年となることを祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。
 今年も皆様のご多幸とご健康、ご隆盛をお祈り申し上げます。

コロナ禍を乗り越え、
山積する課題に対応
(一社)日本鋳造協会 会長 藤原 愼二

 明けましておめでとうございます。
 会員並びに関係各位の皆様方には2021年の新春をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。また、協会の運営に当たり、皆様方には格別なご理解とご協力を戴いておりますことに御礼を申し上げます。
 昨年は、中国武漢で発生した新型コロナウイルスが世界に拡散しパンデミックとなり、12月までに世界では6千万人を超える感染者と150万人近い死亡者が出ています。
 日本でも1月以降順次感染拡大し、政府は企業の存続支援のため急遽31兆円の補正予算を組み、持続化給付金の支給や雇用調整助成金の特例措置、資金繰り支援などを講じています。
 その後、一旦は落ち着いてきたものの年末には再び感染拡大し医療ひっ迫事態になってきました。
 この影響で、昨年の鋳造業の生産は5月頃にはほぼ半減したものの順次復調し通年では、銑鉄鋳物▲18・1%、鋳鋼▲15・8%、銅合金鋳物▲18・2%、アルミニウム鋳物▲22・7%の減少となる見込みです。
 自動車の需要は当初大きく減少したものの、その後は復調してきましたが、造船・工作機械などは世界需要激変の中でしばらく影響が継続すると見込まれます。
 昨年の当協会活動は、書面決議・Web開催・中止などへ移行するなど大きな影響を受けました。
 この中で、協会としてコロナ感染症影響調査の緊急アンケートを2回行い政府への政策提言に役立てることができました。
 下請取引や金型取引の改善では経済産業省による産業界への強力な指導とフォローアップ調査が行われております。調査結果によると、昨年は部分的ではあるものの不使用型の返却・廃却が進み始め、型保管費用の顧客負担も交渉の俎上にあがり始めるなど着実に成果が出始めていることが伺われますが、進まない項目も多く今後さらに取引改善努力が必要です。
 一方、政治に目を向けると米国大統領の交代、日本では菅新政権が誕生。自由や人権をめぐる国家間の対立が次第に顕在化し、我が国は欧米の自由主義体制にあるものの、経済的には中国との関係が大きく今後の対応は困難が予想されます。
 コロナ後は、経済の穏やかな復調は見込まれるものの、世界の分裂、少子高齢化と後継者難や人手不足問題、働き方改革の影響に加えて、菅首相の温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標宣言の影響でエネルギー多消費の当業界には難しい対応が求められます。また、コロナ禍対応の各国比較では日本のデジタル化の遅れが表面化しました。IoTを含めたデジタル化は生産性効率化や品質改善効果もあり、鋳造業も対応が必要です。
 次々に押し寄せる難題に対し、会員の皆様とともに正面から取り組んで参りたいと思いますので、今後とも、関係各位のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
 皆様にとって2021年が幸多き年になりますようお祈りいたします。

年 頭 所 感
バルブ産業の認知度と
魅力の向上へ
(一社)日本バルブ工業会 会長 堀田 康之

 新年あけましておめでとうございます。2021年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。
 日本バルブ工業会会員並びに関係各位には、平素より多大なるご協力を賜り厚く御礼申しあげます。
 さて昨年は、年初には想像もしていなかった新型コロナウイルス感染症の拡大が、全世界の経済活動に大きな影響を及ぼしました。我が国においても11月には第3波といわれる感染者の急激な増加が第2波のピークを越えるなど、未だに多くの国でパンデミックが続く中、一部の国では再び部分的封鎖を実施する動きもあるなど緊張した状態が継続しています。幸い、2020年の景気後退は当初の予想よりも緩やかになり、この収縮と回復によって2021年の世界経済は若干の成長が見込まれているものの、感染爆発再発の可能性もあり、予断を許さない不透明な状況です。また、次期米国大統領はバイデン氏となるのはほぼ確実と思われますが、この政権交代が世界経済に及ぼす影響も未知数です。バルブ業界においても、原油価格の下落や民間企業の設備投資の抑制などにより、2021年も厳しい状況が継続するものと思われますが、お客様のニーズに合った製品、テクノロジー、エンジニアリングを提供することこそが、この難局を乗り切る唯一の手段であると考えています。
 少子高齢化が進行し、若者のモノづくりへの関心が年々低下しているのが現状です。今年は、この問題を解決するために、安心・安全で誰もが働きやすい職場づくりと、IoT・AIの導入による自動化、ロボット化等による新しい働き方への転換を進めるとともに、多様な人財を育成し、工業会会員企業の皆様とともにバルブ産業の認知度と魅力を高めてまいりたいと考えています。
 また、エネルギーシフトや循環型社会への対応を通じて、環境負荷低減に貢献する取り組みを進めてまいりたいと考えています。近年、大規模な自然災害が発生していることを踏まえると、地球環境の変化や温暖化への対応は引き続き急務となります。バルブの製造から流通に至るあらゆる段階において、製品品質を高く維持することはもとより、未来の社会に貢献できる先進的な技術と環境に配慮した商品の開発により、持続可能な社会の実現に向けて一層努めてまいる所存ですので、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申しあげます。
 最後に、皆様の益々のご繁栄とご健勝を祈念申しあげ、新年のご挨拶とさせていただきます。

2020年工作機械受注額は
1兆円を下回る見通し
(一社)日本工作機械工業会 会長 飯村 幸生

 2021年の新春を迎え、謹んで年頭の御祝詞を申し上げます。
 さて、昨年を振り返りますと、米中対立の激化や世界的な新型コロナウイルスの感染拡大によって、国際情勢は、政治・経済両面にわたり極めて厳しくかつ不確実な様相を呈した一年となりました。世界各国の経済活動は4〓6月期を底に徐々に回復に向かいましたが、その中で中国ではインフラ投資や半導体関連の他、自動車などの設備投資が比較的早期に立ち上がりました。一方、欧米・日本の設備投資は緩やかな持ち直しの動きが続き、年初の想定を大きく下回る水準で推移しました。この結果、2020年の受注総額は、2010年以来10年ぶりに1兆円を下回る見通しです。
 このような状況の中、当会では昨年11月にJIMTOF2020 Onlineを開催致しました。JIMTOFのWEB開催は初の試みとなりましたが、世界9カ国・地域から約400社に出展頂き、日本が誇る世界最先端の工作機械技術・製品を世界に向けて発信致しました。学生諸君に工作機械産業の魅力を伝える工作機械トップセミナーをオンラインで開催したほか、時流に沿った講演も併催し、参加された多くの方からご好評を得ました。
 本年についても、新型コロナウイルス感染症の終息や米中対立の行方など、先行きの不透明感を抱えた状況は暫く続いていくと思われます。
 そのような最中にあっても、AIの進化、5Gの普及に伴う高速・大容量通信によるDX活用やロボット技術との融合による省人化技術により、生産技術革新が加速して参ります。また、自動車産業ではCASE、MaaSへのシフトが進展しております。加えまして全世界的に、地球環境に関する規制が強化されており、製造業にはライフ・サイクル・アセスメントやカーボンフットプリントへの対応が求められております。コロナ禍で産業構造の転換が促され、自動化・見える化・リモート化のニーズ実現を可能にするデジタル変革(DX)により、非対面・非接触型のビジネスモデルの構築が進展していくと見込まれます。日本の工作機械産業はこれらの変化に柔軟に対処し、あらゆる技術を進化・発展させて世界の製造業の発展に貢献して参ります。
 当会は、本年12月1日に創立70周年を迎えます。70周年に向けて、業界一丸となって「工作機械産業ビジョン2030(仮称)」の策定、「70周年誌」の編纂作業を進めて参ります。
 関係各位には当工業会の事業に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 本年が皆様にとって更なる飛躍の年となることを祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

激しい変化に即応し
チャンスを掴む
(一社)日本工作機器工業会 会長 寺町 彰博

 あけましておめでとうございます。
 年頭に際し、所見を述べさせていただきます。
 昨年の世界経済は、米中貿易摩擦の影響が続く中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、リーマン・ショック後を上回るマイナス成長に陥る懸念が高まり、先行きへの不透明感が解消されない状況が続きました。日本においては、4月に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出自粛や休業などの要請がなされ、社会経済活動は停滞しましたが、宣言解除後には持ち直しの動きが見られています。しかしながら、欧米では第2波、日本では第3波が到来しており、コロナ対策と経済対策をどう両立させていくのかが大変難しい段階にあります。したがって油断することなく運営に努力する必要があると考えます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、実体経済へ影響を及ぼす一方で、事業を取り巻く環境に劇的な変化をもたらし、私たちのビジネスチャンスは広がりを見せています。リモートワーク・オンライン学習の広がりによる半導体関連の需要の拡大や、非対面のニーズの高まりによる自動化関連の需要の裾野の拡大、そして、自動車業界におけるCASEやMaaSは強力に加速していく状況にあります。したがって、私たちはこれらに対応し新たな需要を掴む努力をしなければなりません。
 さらに、インダストリー4・0やIoTが着実に進展する中、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進め、会社組織、人の資質、そして製品やサービスまであらゆる領域を見直していかなければならないと考えます。しかしながら、デジタル技術とはいえ乗る船が無ければ何ともなりません。私たちの存在感は下がってきてはいるものの、乗る船をしっかりと提供しており、それをさらに価値あるものにしていかなければならないでしょう。
 このように事業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する時代において、私たちに求められることは、変化に即応し、ベストよりモアベターを優先し実行するスピードを上げること、これに尽きるのではないでしょうか。最初からベストを目指して討議などに時間を費やすと、ベターにすら到達しないまま、タイミングを逸してしまう可能性があるからです。たとえ、後で振り返った際により良い方策があったとしても、それはベターな方策を実行し、ある程度の成果が出たからこそ見えてくるものです。したがって、良いと思ったら早く実行に移して結論を出し、修正点があればより良くする、これを繰り返してこそ、激しい変化に即応しチャンスを掴むことができるのではないでしょうか。
 これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を牽引していくことができるものと考えております。
 従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、新たなものを徹底的に開発、提案し、業界の発展に寄与してまいる所存です。
 最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
コロナを克服し、変化をチャンスに換える年に
日本工作機械販売協会 会長 依田 智樹

 2021年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 昨年はコロナ一色の年でした。昨年新しい年を迎えた時点ではまさかこれほどの大事に至るとは想像がつきませんでしたが、改めて振り返りますと、世の中が数か月で一変するという事を皆が体験した年でした。
 コロナがもたらした変化として、働き方・生活様式の変化、デジタル化の促進、事業構造の変化・サプライチェーンの多様化、遠隔・非接触ニーズの高まり、そして格差と分断の拡大が挙げられます。
 「コロナ後」はどうなるのかと言えば、元に戻るものもあれば戻らないものもあるでしょう。コロナによって効率を重視しムダを省くデジタル化が進みましたが、同時に我々はムダと余白のあるリアルな世界で新しい発想や創造は生まれる、という価値にも気付きました。従い、コロナ後はデジタルのメリットを生かしつつリアルの価値も認めるハイブリッド的な社会が形成されてくるのではないかと思います。例えば、勤務形態は出社か在宅か?雇用形態はメンバーシップ型かジョブ型か?という二者択一的な議論が盛んですが、これらもそれぞれの良い点を組み合わせたハイブリッド型が主流になって来るでしょう。
 米国では今月バイデン新大統領がデビューしますが、バイデン氏は同盟国と共同で中国に圧力を掛ける政策をとると思われ、米中間対立の間で安全保障・人権・環境問題と通商問題を分けて扱うのが難しくなり、日本は中国への姿勢を明確にする必要に迫られ外交は難しい舵取りになりそうです。経済も米中関係に相当影響を受けるでしょう。
 日本のものづくり業界は生産が戻り、設備投資も徐々に復活することにより市況も緩やかに回復して行くと思われますが、人手不足、デジタル化、低炭素社会への移行といった世の中の変化が更に速度を増す中で、我々商社は生産性向上に資する本当に価値のある良い提案をお客様に提示し課題を解決する重要な機能・役割を発揮していかねばなりません。
 日工販は10月28日にお陰様で創立50周年を迎えることが出来ました。また昨年はオンライン形式の各種講座を開催する等、コロナ禍の中でも教育事業に注力しました。引続き日本のものづくりに貢献するパートナーを目指して鋭意活動して参りますのでご支援賜ります様お願い申し上げます。
 2021年の干支は辛丑(かのと・うし)。牛は古くから酪農や農業で人間を助けてくれた大事な動物で、「芽吹きを迎えようとする年」、また「我慢の年」になるそうです。今年がコロナを克服し、イノベーションを生み出し、皆様にとって希望に満ちた年になる様心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

本年こそ良い年に
日本工作機械輸入協会 会長 中川 貴夫

 2021年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は当協会の事業活動にご支援ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。
 私は、輸入工作機械は、今や工作機械製造大国たる日本の、市場ニーズのニッチな部分を埋める、しかしながら決して輝きを失うことのないものだと確信しております。
 当協会は、工作機械の輸入を通じて、「日本人のものづくり」を支えるため、一層の努力をしていく所存です。
 昨年は新型コロナウイルスに振り回された一年でした。まずはこうして無事に新しい年を迎えることができることを感謝したいと思います。
 今までに経験したことのない新たな生活様式、新たな仕事のしかたを模索し、密こそ良かれの時代から疎こそ良かれの時代に変わり、すべてはオンラインに急激に移行されました。
 昨年の今頃、よもやオリンピック・パラリンピックが延期になり、JIMTOFがOnline開催となるなどと誰が予測したでしょう。
 当協会の会員企業は、「鎖国」により海外パートナーとの往来が絶たれ、業績へも深刻な影響が出ました。
 昨年の工作機械の輸入統計は、約680億円(予想)で、一昨年より約37%ダウンとなり、周辺機器を加えた総合計では、約8100億円(予想)、同約19%ダウンとなります。
 今年は昨年の試練をどう乗り越えるか、知恵を絞っていかに生き残るか、あるいは大きく飛躍するか、国も企業もその「力」を問われる年となります。
 前を向いて、明るく元気を出して一歩ずつ進んで参る所存です。
 皆様にとりまして、本年こそ良い年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

前を向く1年の始まり
日本機械工具工業会 会長 石川 則男

 令和3年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年令和2年は新型コロナウイルスの感染拡大に世界経済が翻弄された記録、記憶に残る1年となりました。中国湖北省の武漢から拡大したとされる新型コロナウイルスに対して各国政府はロックダウンといった厳格な策で対処しましたが経済に与える影響が甚大すぎて耐えられないことが明確になると、感染対策と経済政策の両立を目指すことを模索して新年を迎えることになりました。日本でも第3波とされる拡大が11月から顕著となり私たちの生活様式はNEW NORMALの定着を余儀なくされています。
 機械工具業界は4月以降、需要が激減し、市場在庫の調整の影響もあり切削工具と耐摩耗工具の生産は大きく減少しました。当工業会(JTA)の1月から9月までの累計生産金額も2763億円で対前年同期比では73%まで下がりました。
 しかしながら9月後半からは世界経済の回復、特に中国の自動車産業が回復したこともあり、需要は増加してきた中で新年を迎えることが出来たのは大変喜ばしいことです。米国ではバイデン氏が新大統領に就任する見通しで、分断された世界の修復に努めるとともに、温暖化ガスの削減対策に大きく舵を切ることが確実視されていることから、エネルギー政策の見直しとともに自動車産業の電動化推進が予想されます。JTAもそれに対応した活動を行うことが必須となることでしょう。自動車のパワートレインの変更に伴いあらゆる分野でのシェアに変化が見られています。JTAは世界の切削工具の生産シェア19%(2018年推定※WCTC2019プレゼンより)をさらに伸ばすべく技術力を磨きたいと思います。
 さて、令和3年は1年遅れの東京オリンピックの年です。NEW NORMALの日常の中で開催される東京オリンピックでは無観客の競技もあろうかと思いますが、それでも5G時代の幕開けを飾る素晴らしいオリンピックになることが期待されます。新型コロナウイルスのワクチン接種が何時頃から、どんな形で進むのか、新しい時代の象徴になりそうです。「NEW NORMAL」の1年から「前を向く1年」が始まりました。JTAも会員の皆様とともに前を向いて運営してまいります。
 末尾になりますが、日本経済の益々の発展と会員の皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

新しい時代に適応し
さらなる発展を
全日本機械工具商連合会 会長 坂井 俊司

 新年、明けましておめでとうございます。
 新型コロナウイルスの影響で世界経済はもとより、日本経済そして我々機械工具業界も大きな打撃を受けました。
 リーマンショック以来、緩やかな成長のもとで安定した経済状況が長く続いたこともあり、逆にこの景況の落ち込みがより一層厳しく感じられます。また新型コロナの影響前より言われていた『働き方改革』についても、働き方のみならず、ビジネススタイル、ライフスタイルまでも大きく変わってしまいました。
 働き方では時差出勤・フレックスタイムや在宅勤務も常態化され、またビジネススタイルにおいても、顔を合わせての会議、お客様を訪問しての商談、そして仕事の後の懇親会なども新型コロナ下での自粛で見直されるきっかけとなりました。
 わたくしの会社でも会議も研修もリモートが当たり前になってしまいました。人事の採用もWebで実施しています。今まで『業務の効率化』や『ムダの削減』のお題目があっても取り組めなかった様々なことが奇しくも新型コロナをきっかけに大きく前進しました。もう以前のスタイルに完全に戻ることはあり得ません。Webを利用した営業展開、営業活動のデジタルツールの活用などこれまで以上に我々機械工具業界にも求められていくように感じます。
 これまで機械工具業界は、日本の製造業の変化に敏感に反応し、対応してきました。製造拠点の国内外への移転に際してもその動きに行動を共にし、また商社不要論にしてもユーザーニーズに対してはエンジニアリング機能の充実、メーカーニーズに対しては地域密着と対面営業の強化で乗り越えてきました。
 当然従来からのユーザー密着のコテコテな営業も大事ですし必要な場面もあることは理解しますが、ユーザー様、メーカー様のスタンスも変わる中、新しい取り組みをこの業界でも進めていくべきだと思います。
 さて、各地区機工会の皆さんも組合活動に制限が多く、これまで以上にご苦労されていると思います。
 Webでの勉強会を行われていると思いますが、営業と同じでやはり現地において実際に現物を確認しないとイメージできないことも多いと思います。デジタル技術の発展でより分かり易く動画やVRでのプレゼン等で座学でも随分と充実した勉強会も多くなりましたが、やはり実物に敵うものはありません。
 メーカー会員・賛助会員の方にお願いですが、ぜひとも機工会の組合活動の中で、新型コロナ感染のリスクを回避する形で現地・現認できる勉強会をこれからも積極的に開催していただければと思います。
 また、生産現場におけるIoTやAI・人工知能への取り組みや、企業活動におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)等、新しいものを組合活動において取り上げていっていただきたいと思います。今から始めれば3年後、5年後に実績となり還ってくると思います。
 最後になりましたが、会員各社、メーカー会員、賛助会員の皆様が新型コロナウイルスに打ち勝ち、これからの新しい時代に適応して、ますますご発展されることを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
変化多き良い年に
愛知県機械工具商業協同組合 理事長 水谷 隆彦

 世界中が新型感染症に見舞われた一年を過ごし、未だ終息の兆しが見えない中で、決してのんきに「おめでとう」などと言っていられない新年を迎えました。先ずもってコロナ禍とその対策で、影響を受けられた全ての方々にお見舞いを申し上げます。また、世界中の医療従事者の方々には心から敬意を表する次第です。どなたにおかれましても、この状況には心を痛めておられることでしょう。一刻も早いコロナ終息が待たれる年明けとなりました。
 さて当業界の景況を見ると、大幅に落ち込んだ4〜5月以降、緩やかな回復傾向は見られるものの、総じて前年には届かないところで推移しているようです。それにもまして、いつまで続くか分からないコロナ禍の不安な状況が、経済回復のスピードを鈍らせている感は否めません。中小企業においては、売り上げ減だけでなくコロナ対策にかかるコストも増大し、経営を圧迫しているように感じております。
 先ずこの一年で世の中は様変わりしました。「マスク、検温、うがい手洗いと手指消毒」が常態化し、オンラインによる「ミーティング」「研修・講演会」「飲み会」が一般的にもなりました。リモート勤務や時差出勤、短縮営業など働き方改革も一気に進んだように思います。中でも「3密」そのままの、多人数の集会や会食を伴う会合が制限されたことは、大きな変化であり、皆さんが最も寂しさを感じているところではないでしょうか。
 当組合では5月の総会も書面で行い、偶数月の理事会4回と、2回のMECT2021実行委員会を除いて、すべての行事を中止致しました。これにより、情報交換、親睦交流、勉強といった多くの機会を失いましたが、来たる本年10月20日から4日間行われます展示会MECT2021出展募集は、既に昨年内に満コマとなり、大幅に締め切りを早める異例の事態となりました。実行委員会の皆様はじめ関係各位のご協力に感謝申し上げます。
 今回はいつにも増して各出展社様の期待の高さがうかがえ、同時にコロナ後の新しい時代に向けて、新しい展示会を創って行こうという使命感が湧き上がってまいりました。感染対策もしっかり行い、多くの皆様に楽しんでいただけますよう、心して取り組んでまいりますので、どうぞご期待ください。
 本年はいつもと違うお正月を迎え、これからは組合活動も順次再開に向けて準備を整えてまいります。皆様にはなお一層のご指導、ご協力をお願い申し上げます。
 何はともあれ、人類の歴史にも必ず残ると思われる今回の災禍が、大きな時代の変わり目のきっかけであることは間違いありません。新型コロナも生き残るべく第一波から第三波へは感染力を高めて変異したと言われています。同様に人類も変化を恐れず、自らを変化させ「進化」していきたいと思います。来年こそは新時代の幕開けで、心から「おめでとう」と言えるよう、本年が皆様にとって変化多き良い年になりますよう心よりご祈念申し上げ年頭のごあいさつとさせて頂きます。

リアルとバーチャルを融合
岐阜機工会 会長 嶋ア 晴久

 新年あけましておめでとうございます。健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。旧年中は当会に対し一方ならぬご厚情と温かいご支援を賜りありがとうございました。あらためて御礼申し上げますと共に本年も引き続き宜しくお願い申し上げます。
 2020年は、新型コロナ一色でした。政治も経済も大混乱に陥り、東京五輪は延期という前代未聞の事態に直面しました。収束がいまだ見えない中、世の中のあらゆるシーンで「集まる」という形、行事の在り方に変革を求められました。人生の節目や繋がりを強く感じられる場でさえ、今もあり方が模索され続けています。一方でGoToキャンペーンをはじめ、外出か自粛かはっきりしない政策が続き、多くの方が戸惑ったのではないかと思われます。ただ、外出か自粛かという二者択一ではなく、この矛盾をどう両立させるかを考える事が、同じような矛盾を持つ企業経営に役立つのではないかと感じています。
 感染拡大以前から、デジタル化は経営問題として不可避であると言われてきました。また、中小企業のデジタル化への取り組みの消極さが批判もされました。都会にオフィスを構えて仕事が出来ていた業種では早く進めることは可能でしょうが、でも見ているとデジタル化にかこつけて目的がコスト削減や人員削減ばかりになっていて新たな製品作りやサービス提供といった部分が抜け落ちてしまっている気もします。
 機械工具商においては、これからはリアルとバーチャルをうまく融合させて、会社が進むべき方向をきちんと判断しなければならない時代がいよいよ待ったなしで来たとも言えるでしょう。中小規模の製造業の方々はものづくりにはとても熱心で、時間もお金も手間も掛けます。しかし、製品を作った後でそれをどう知ってもらうかというコミュニケーション、つまり情報発信が不足しているケースが多いのです。昔は広告宣伝料は高額でしたが、今はSNSを上手に使えば安い費用で同等の効果を上げることができますので、私たち専門商社にしかやれる事はないか知恵を絞って、お客様と共存していくことが大切だと考えます。
 岐阜機工会も昨年度は何の活動も出来ませんでした。会員の皆様には本当に申し訳ないとお詫び申し上げます。本年は知恵を絞って両立させ、会の存在価値を改めて確認できるようにしたいと考えております。
 最後となりますが、この一年が皆様にとって明るく素晴らしい年になりますことを祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

業界を超えて思いを一つに
三重県機械工具商組合 理事長 山田  浩

 年頭にあたり謹んで新春のお慶び申し上げます。
 昨年来、新型コロナウィルスの影響で時代の流れが大きく変わってしまいました。皆様も同じ思いで年を越されたと思います。そんな中でも、新年を迎えられました事、改めまして誠にありがとうございます。
 昨年は、自粛・自粛で県外はもちろん、近くの方々とお会いする機会も少なく、同じ業界の人達とでさえ、ほぼお会いできませんでした。令和2年も激動と言ってよい年になってしまいました。
 震災を、台風をみんなで乗り越えて来ました。この未曾有の国難である新型コロナウィルスの脅威に対して、日本国民が思いを一つにして立ち向かわないといけない時になっております。
 コロナ禍の中で、大変厳しい状況に置かれている、業界・業種そして人々、私共、機械工具商業界でも、やはり厳しい状況に変わりはございません。飲食業・観光業等の様な、あからさまに影響がある様には見えてはおりませんが、今年、来年とじわじわと影響が出る気配がしてなりません。今はまだ、仕事として成り立たせて頂いてはおりますが、先行き不安は否めません。
 昨年、「鬼滅の刃」なるアニメが群を抜いて注目され、数字においてもものすごい売上の実績も金額も、今の世の中にあってコロナを感じさせないものでした。その勢いを今年になっても続けて欲しいものです。
 日本全体が良くなって行けば、コロナによる自粛ムード、いや自粛要請の出ている業種・地域の皆様にも行政の配慮が届くと思います。
 2021年は昨年より延期になった、東京オリンピックが開催されると思います。今年こそは無事に開催されることを祈ります。延期によって、吉と出る選手もいれば、この一年が体力的にも大きく影響する選手もいらっしゃるかも知れません。でも常に、ポジティブに物事をとらえて前へ突き進んで欲しいです。
 三重組合においても、2020年度の事業を全て、中止または延期しており、何も出来ない一年でした。今年3月まで予定は真っ白です。いつになったら、新型コロナウィルスが終息するのか見当もつきませんが、良くなった時には、この間の分も含めて皆様にとって何か役に立つ様なことをして行きたい、それを考える時期だと思って頑張りたいと思います。
 芸能界・スポーツ界・政財界・日本国民が一つになって、新型コロナウィルスの影響を乗り越え、改めて「頑張ろう日本」です。
 今年は「丑年」、私の年になります。区切りの年として良い年にしたいと思います。そして、皆様にとっても良い2021年になりますように。
 最後になりますが、会員各社のご発展と社員様、ご家族皆様のご健勝を祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。
 関係各位の皆様、本年も宜しくお願い致します。

頭を使って、考える
遠州機工会 会長 前嶋 孝行

 新年明けましておめでとうございます。
 健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 2020年は年明けより新型コロナウイルスの話題が始まり第一波、第二波、そして秋以降第三波が来て「いつまで続くのか?」と不安のまま新年を迎えてしまいました。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
 しかしながら我々はここ10年余りの間に様々な困難を経験しており、その時の経験が少なからずと役に立っているのではないでしょうか。
 確かに昨年春以降、売り上げは下がりました。ただ以前のように数年続くような感じではないような気がいたします。遠州地域では秋を迎えるころより4輪車の生産台数が伸びてきており、明るい兆しが見えてきたように思われます。
 最近思うことは、昨春からの新型コロナウイルスの影響で「バブル以降失われた…年」と言われ続けていた状況が大きく動き出してきたように思います。2020年の年頭所感にも書かせていただきましたが、大手企業の中から「早期退職を募る」ということが増えてきたり、首都圏から本社を地方に移したり、在宅ワークが増えたり、我々の業界の大きな問題の一つでもあります「時短」を進めるタイミングができたりと、悪いこともありますが、良いことも増えてきたように思います。
 業界内でも新しい事業(商品)を立ち上げ軌道に乗せている会社もあるとお聞きします。いつまでも「・・・だから」と考えてるときは過ぎたのではないでしょうか。
 プロ野球のある監督の名言集の中に「頭を使って、見ろ、考えろ、備えろ」という言葉があります。この1年この言葉を胸に抱いて頑張っていきたいと思います。
 最後になりましたが、新型コロナウイルスと戦うには「油断をしないこと」が一番と思います。また「医療従事者の方々への感謝を忘れず、誹謗中傷はNG」ですね。
 遠州機工会を支えていただいております関係各団体様には多くのご厚情とご支援を賜り誠にありがとうございます。
 皆様方のご健勝と商売繁盛を祈念申し上げ御挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
各委員会を中心に活動を展開
(一社)全国管工機材商業連合会 会長 橋本 政昭

 令和3年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様方には丑年をすこやかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、世界経済は戦後最悪の経済危機に直面しています。供給面では、人の移動の停滞等により生産活動や物流が止まり物資の不足が生じました。さらに国際分業の進展により、国境を越えるサプライチェーンの途絶が発生しました。
 需給面では感染拡大抑制のため外出制限や自粛、渡航制限等に伴い、対面サービスの需要が縮小し、また耐久財の需要も急減しました。
 この需給ショックは所得・雇用面に波及し、1930年代の大恐慌以来最悪の失業率をもたらしました。感染状況の先行きに関する不確実性や失業の増加、所得の低迷は、投資や消費を急速に縮小させています。
 当管機連は平成25年に一般社団法人として生まれ変って以降、真の全国組織を目指し活動を展開して参りました。昨年度はコロナ禍の状況下、定例理事会の延期、総会をみなし決議で対応等余儀なくされましたが、10月にはWEB会議の導入等で理事会、臨時総会を開催いたしました。
 今年度はピンチをチャンスにしたいと思います。下記事業計画を重点的に実施すべく総務委員会、人材委員会、IT推進委員会、経営推進委員会、事業委員会を立上げ、各委員会がテーマを定め活動を展開しています。
1.管機連組織の増強(正会員=18組合、特別会員=43社)
2.賛助会員の加入促進(賛助会員=112社)
3.官公庁との連携強化(経済産業省、国土交通省、厚生労働省)
4.工販との連携(全管連)
5.各地区組合の防災協定締結の推進(三管協方式の展開)
6.製販との連携(メーカー、業界団体)
7.「管工機材の将来を考える研究会」の継続実施
8.情報発信の強化(ニュース発信、管機連だより等)
9.青年部活動支援(全国連絡会)
10.管工機材・設備総合展への支援
11.働き方改革、人材不足へのサポート活動
 管工機材業界の益々の発展と皆様方のご活躍を祈念申し上げます。

ピンチをチャンスに!
愛知県管工機材商業協同組合 理事長 大藪 淳一

 新型コロナウィルスの収束が見通せないなか、令和になり、二回目の新年を迎えました。
 昨年は当組合主催にて「第三十三回管工機材・設備総合展」をはじめ、工場見学会、各種講演会、ボウリング大会、名管会(ゴルフ会)等々、多岐にわたる活動を開催する予定でおりましたが、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、ほとんどが中止となりました。また、通常総会や理事会も書面により決議することを余儀なくされました。組合員、賛助会員各社に於かれましても経験のない事態に直面し、対応に大変苦慮したことと思います。一日も早くワクチンが開発され、コロナ禍が収束していくことを祈念しております。
 昨年2月頃よりのパンデミック騒ぎから社会が一瞬にして変わってしまいました。会社のありかた、個人の働き方を根底から考え直す機会を与えられました。競争戦略の研究者マイケル・ポーター教授は「適切に設計された環境規制は、企業の効率化や技術革新を促す」という「ポーター仮説」を唱えています。自動車産業において、1978年のマスキー法による厳しい排気ガス規制の導入が、その後のアメリカ市場での日本製の躍進につながったケースが良く知られています。
 「コロナ」=「適切に設計された環境規制」とはいえないかもしれませんが、長年疑問もなく続けてきた「常識」を見直す良い機会を与えられました。出社しなくてもテレワークで仕事はでき、オフィスにメンバーが集まらなくてもオンラインで会議ができる。コロナ禍で半ば強制的に働き方に変化を求められましたが、そのことによって新しい発見が得られたのも事実です。
 コロナという外部要因とともに、AI・ビッグデータをはじめとした技術革新により、業界を取り巻く環境は激変していくことが避けられない状況です。この苦境をピンチととらえるのではなく、自己革新のチャンスに変えていく。そんな一年にしていきたいものです。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年 頭 所 感
希望の年に
岐阜県管工機材商組合 理事長 渡部 勝裕

 新年明けましておめでとうございます。令和3年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年は、新型コロナ禍に始まり、トランプに終わる1年でしたが、今年はコロナワクチン供給、東京オリンピック開催の、希望の年に成ればと願っております。
 そもそも、一昨年末までの世界経済バブルが、コロナ禍に依って崩壊し、世界大恐慌が起きる予測は見事に外れ、一昨年末以上のバブル経済が、昨年は増殖しました。
 理由は、世界がコロナ対策と銘打って、将来からの債務を増やして国民救済に使い、各国の中央銀行、日本では日銀が株を買い支えたことにより、世界各国がコロナ禍に依る損失以上のカバーをして、金余り状況を作り出したからです。
 日本もしかりで、運輸、旅行、宿泊、飲食、歓楽、冠婚葬祭、等、密に繋がるサービス産業が大打撃を受けました。
 日本政府は、世界各国の行動に準じて、損失業界にではなく、国民に、コロナ禍損失を埋め合わせる以上の、ヘリコプターマネーをばら撒きました。国民一律10万円、計12兆円や、100万200万の一時給付金、4000万無利子無担保5年据え置きの特別貸付金、各GoToキャンペーン等の救済援助の結果、コロナ禍が無かった如くの好況さえ感じます。
 各国が同じ歩調の政策に従って、現況、世界のバブル経済は、土地株美術品がより高騰、バージョンアップして躍動しています。
 将来からの債務で成り立つ各国の経済、日米の株価最高値更新が、いつまで続けられるか年頭から不安を感じるところです。また、若者達への将来の負担増を、年配者達が強いるのは、申し訳ない思いです。
 今年2021年は、バブルが弾けるのか、もっと膨らむのかは、皆目見当が付きません。今までの経済学では説明出来ない複雑な要素が絡み合って、予測不能です。
 例えば、地政学的見地もあるし、世界の三分の一は今でも独裁国家である事実です。中国はそのお手本でありルールです。自由民主主義国家の決められない混乱を見ると、民主主義・個人主義とは古い制度にも思えてきます。
 我々は、コロナ禍の中、中国の様な管理国家に向かうのか、今の制度を信じて、個人の自由人権を守るのか、人類はコロナ禍に試されている様にも思えます。
 日本国民がオリンピック開催を、コロナ禍怖い、やらない方が善いとの選択は、簡単ですが、日本は落ちて行く国民に成る積りでしようか。
 日本人に根付いている、ゼロリスク探求症候群の言葉。「安全でも安心できない」は、全てを思考停止にする呪いの言葉です。
 如何したらオリンピックを開催出来るかを考え行動する、希望を持つ国民で有りたいと、私は思います。
 マスコミや医療関係者コメンテーターの印象操作に、煽られてはいけません。新型コロナウイルスは、病気の王様ではないです。
 今年は、日本国民がコロナ禍の風評に惑わされる事無く、正しく怖れて打ち勝つ年で有りたいと願っております。
 我々、管工機材業界も、力を合わせて、活気ある年にして行きましょう。
 今後共、皆様のご指導ご鞭撻、宜しくお願い申し上げます。

組合員の発展と防衛に尽くす
静岡県管工機材商組合 理事長 一色 哲巳

 明けましておめでとうございます。
 昨年は大きなことがいくつも起こりました。まずコロナ。世界では5千万人を超える感染者が出て100万人以上が死亡、国内でも10万人以上が感染し、千人を大きく超える人が亡くなられました。そしてまだまだ勢いは衰えていません。そのために世界経済も日本経済もどうしようもないところまで来ているような感じです。不思議なことに株価は一時大きく下がりましたが、回復してコロナ以前よりも高くなっています。トランプ大統領は選挙に負けましたし、安倍首相も菅さんに変わりました。世界では中国の一人勝ちのような感じがしないでもありません。
 振り返って我々の業界のことを考えてみると、交通機関に関する製造部門から運行部門まで、観光業界、インバウンド関連等々、そこに関連しているところは非常に悪い、これからは住宅部門にも大きな影響を起こして業績の悪いところが出てくる、そこが非常に心配です。
 今年は昨年よりももっと悪くなるのは確実だと思います。私は静岡県の管工機材商の理事長として、不景気になったら表れてくるだろう強烈な度を外した安売り競争を何とか防ぎ、共倒れには何とかならないよう精いっぱい尽くしていくつもりです。それには組合員のより一層の団結、メーカーさん、商社さんの大きな協力無くしては大変難しい。微力ながら何とかうまくかじ取りをして組合員の発展と防衛に尽くしていくつもりです。
 今年も静岡の組合へのご協力をお願いして年頭所感の締めとさせて頂きます。本年もよろしくお願いします。

「組織はリーダーで決まる」
日本ねじ商業協同組合連合会 会長 小林 三洋

 年頭にあたりご挨拶申し上げます。
 平素はねじ商業協同組合に対しまして格別なご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 地球規模で新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、わが国では2月に一斉休校が行われ、4月に緊急事態宣言が発令されました。
 そのため我々の活動も制限を受け、殆どの事業が中止となり、安全対策としてリモート又は書面決議などで行いました。組合員の皆様には誠に申し訳なく思っております。事情ご拝察賜り、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 ねじ商社の特性上、在宅勤務は非常に困難で、時差出勤、売上減による雇用調整助成金の申請とともに計画的休業や教育訓練を実施いたしました。
 コロナ禍を通してリーダーのあり方が問われています。国のリーダー、自治体のリーダー、そして、企業のリーダーの各場面における「意思決定」「発言内容」「振る舞い」に対し、賞賛や非難が起っています。我々は未曽有の体験を通して、誰もが先行きを見通せない状況です。しかし我々は組織を正しい方向へ導かなければなりません。
 危機的場面でのリーダーに必要な振る舞いは下記の通りです。
@速やかに意思決定し行動する
A現状を正直に、正確に、明確にメンバーに伝える(希望が全くないことは避けること、希望が持てることに焦点を当てる)
B過ちは素直に認め生産的に対応する
C正しい情報を集め、学び、柔軟に対応をする(方針を徹底して貫くことは危機的場面ではそぐわない)
 各組合各社にとって、まだまだ大変な状況が続きます。リーダーの皆様におかれましては、ご苦労が絶えないかと思います。しかし、「組織はリーダーで決まる」この事実は変えられません。この危機を乗り切り、一致団結して我々の目的である経済的地位の向上を図る活動を継続していきたいと考えます。
 今年もご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

「笑う門には福来る」-四
愛知鋲螺商協同組合 理事長 藤田 守彦

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、御健やかに新しい年を御迎えになられた事と御慶び申し上げます。
 昨年は改めて言うまでもなく、コロナウィルスに翻弄され、大変な一年となりました。正直一年もすれば落ち着くと思っておりましたが、全くその気配もなく益々深刻な状況になりました。しかし、ここで思うのは「日本人のまじめさ・協調性」です。確かにコロナ禍の初期は「感染予防製品」確保で嫌な思い、雰囲気も有りましたが、それも束の間、感染予防・防止の施策を各企業、個人が行って来ました。それが海外と比較して、感染者の大幅拡大を防ぐ事が出来た一因ではないかと思っております。
 Withコロナ、アフターコロナ、等々言われていますが、私自身は「changeコロナ」と思っております。「change」という表現が良いか、否か迷いますが、過去も、今も、様々なウィルスが人類を脅かしています。これからも変異しつつ同じ様な状況は続くと思います。今回のコロナ禍により生活は基よりあらゆる事が変化をして来ました。この状況は更に続くものと覚悟しなければなりません。如何にして「changeコロナ」に対応していくのかが課題です。それは人類の強みで有り「change」していくものが生き残る。まさに会社経営にも繋がるものではないでしょうか。コロナ禍を背景として仕事の仕方改善が進んでいます。Web会議、リモートワーク、等々は新しい仕事のスタイルとして確立されていくとは思います。ただ、私どもの製品は自社で生産する、外注先に生産を御願いしている等々様々です。当然ながら共に社員が出勤しなければ生産する事が出来ません。直接・間接が合わさっての多角的視野に立ってのコロナ禍対策をしていきたいものです。リモートワーク、Web会議により、パソコン等周辺機器の販売が好調です。これもよくよく精査をしていきませんと、コロナ禍が落ち着いた時に無用の長物になってしまっては意味が有りません。いま一度、「木を見ながら、森を見て、森を見ながら、木を見る」コロナ禍終息をも見据えての対応をしたいものです。
 表題の「笑う門には福来る」は今回で「四」となりました。「一」は「分相応」、「二」は「莫妄相」、「三」は「順境の時に逆境が芽生える」でした。「四」完結として「一日一笑」としました。この言葉は知的障害施設の先生に教わりました。コロナ禍の時こそ「一日一笑」を励行して明るく過ごして下さい、と言われました。是非とも皆様にも御伝えしたく、「四」とさせて頂きました。
 そして毎年申し上げておりますのが「笑顔」です。苦しい時こそ「笑顔」を絶やさずに「一日一笑」を励行したいものです。「笑顔」「笑い」は周りの人を明るくし、和ませ、力をくれます。どうぞ今年もコロナ禍の中では有りますが、明るく「一日一笑」で過ごして参りましょう。
 「笑う門には福来る」「一日一笑」「笑顔」

年 頭 所 感
再生可能資源である
木材活用の進展に期待
全日本木工機械商業組合 理事長 福本 寛之

 新年、あけましておめでとうございます。
 皆様方には、常日頃より当組合の活動に多大なるご支援、ご尽力頂き、厚く御礼申し上げます。
 2020年は、2月初旬までは中国とダイヤモンドプリンセス号特有の問題で対岸の火事だと感じていたCOVID―19が、日本ならびに世界中で猛威を振るった一年でした…、そのような総括で間違いないものと思います。今尚、この感染症の脅威、猛威と戦わなくてはいけない状況にあり、必死に対応されておられる関係者、医療従事者の方々には、紙面を借りて心より感謝申し上げます。尚且つ昨年は、7月に九州豪雨による被害に見舞われるなど、近年同様に大きな災害が多発した一年でもありました。被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げますと共に、一日も早い復興を祈念申し上げます。
 海外では、米国の大統領選挙の結果、この1月に政権交代が為される予定です。トランプ政権によるアメリカ・ファーストの様相を呈していた4年間が幕を閉じます。経済面を始め諸々の弊害はありましたが、米国の強気な外交政策が中国とのバランスを上手くとっていたように思われます。今後の中国の覇権主義は、一層増大し、世界の経済圏、特にアジア圏やアフリカ圏に対して大きく広がる可能性が懸念されます。
 一方で、我が国では、長期政権であった安倍政権が幕を引き、菅内閣が誕生しました。菅首相の安倍政権を踏襲される方針の下、『自助・共助・公助』というモットーは、コロナ禍の日本に『先ず自分達で頑張ってみよう、それでも上手くいかなければ仲間と共に頑張ってみよう、それでもダメな場合は国が助けますよ』という解釈にもなり、私共産業を担う者達へのエールと捉えることが出来ます。
 本年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックもまた、日本経済が上向いていく要素の一つとなるだろうことが少なからず期待できます。そして、菅首相の『2050年温室効果ガスの排出実質ゼロ』との表明は、この先のマテリアル利用に、再生可能資源である木材の活用が一層進む期待感を、木材業界に身を置く全ての方々に届けて頂いたものと思います。
 景気の『気』は『気持ち』の『気』でもあります。産業を担う私共が気を落としてしまっては、景気に悪影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。探せば明るい兆しを感じる話題はそれなりにあるものと考えます。私共、全日本木工機械商業組合では、日本の景気に好影響を及ぼすような事業活動を行い、関連する皆様に自信を持って『2021年は良い年であった』と思って頂ける一年にして参りたいと思っております。
 最後になりますが、皆様のご発展と更なるご活躍を祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
 本年もどうぞ宜しくお願い致します。
 新年、あけましておめでとうございます。

コロナに打ち勝つ予防策と
自助努力で素晴らしい年に
中日本木工機械商工協同組合 理事長 福本 豊彦

 新年明けましておめでとうございます。
平素は当組合事業の活動に格別のご支援、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
昨年は国際的にも国内的にも様々な現象や難局に直面した一年でありました。アメリカでは大統領選挙の報道で知る限り、その醜態ぶりは民主主義の盟主と信じ尊敬の念すら抱いた国が急転、幻滅感を味わうことになりました。中国に対してはコロナ発生の地にも拘らず、世界に多大な混乱と迷惑を与え、その謝罪や反省のメッセージも出さない厚顔さと破廉恥さを痛感しました。南シナ海、東シナ海の領有権問題のゴリ押しの姿勢、チベット、ウイグル自治区を含む国民に対する基本的人権への圧迫等は世界に大きな影響力を持つ現在、到底看過できるものではありません。
さて、日本では各地で新型コロナウィルス感染の猛威により、各産業界全体がマイナス成長の一途を辿り、感染拡大の影響から雇用問題に深刻な状況に見舞われています。コロナ禍の収束がいまだ見えない状況で新しい年を迎え、多くの企業がその危機感に喘いでおります。
一方、2021年は明るい材料として東京オリンピックの開催があります。世界各国からの訪日でインバウンド需要の活性化とその経済効果に期待できるとされておりますが、新型コロナウィルスの予防ワクチン開発次第でその夢も断たれる危険性を秘めています。また、リニア新幹線、大阪万博開催も明るい材料の一つとして新しい時代の幕開けを迎えようとしています。
新型コロナウィルス感染の拡大次第では経済面も予断を許さない状況が今後も続く危険性があると思われますが、一日も早い新薬、ワクチン開発を切実に祈願する次第です。
私どもの業界に目を転じますと、住宅着工件数は微減で推移しており、機械設備投資による受注も同様の傾向にあるようです。他産業と比較する限り、未だ恵まれた状況にあると思われます。
最後に皆様にとりまして、新型コロナウィルスに打ち勝つ予防策と自助努力により素晴らしい一年を迎えられますよう祈念申し上げ、年頭のご挨拶と致します。

アフターコロナ元年となるよう皆様と頑張りたい
愛知県金物商工協同組合 理事長 印藤 武司

平素は、私ども組合に対しまして、格別のご理解とご協力を賜りまして、心より厚く御礼申し上げます。新年にあたりまして、謹んでご挨拶申し上げます。
 さて、去年は新型コロナウイルスの発生で、世界中大変な一年でした。我が国の威信をかけたビッグイベントであったオリンピックも今年へと順延されてしまいました。そして現在もその新型コロナウイルスの猛威に世界中がさらされています。
 我が国においては、衣・食・住そして観光旅行業界、交通運輸業界すべての業界が大変なダメージを受けその回復には、数年かかるとさえ言われています。各国急ピッチでワクチンの研究、開発そして製造が行われていて、この春頃から、我が国においても順次接種が始まるとの政府の発表もなされていますが、肝心なワクチンの信頼性もいまだ不確実であります。
 平成から令和へと元号が変わり各業界働き方改革をしましょうというやさきのコロナ禍でした。今一度働き方改革の原点に戻り、新型コロナウイルスへの対策を真剣に考慮して三密を回避した新しい職場・環境作りに取り組んでいかなければなりません。自助、共助そして弱者にたいして大いなる公助を実施して頂きますように政府には強くお願いしたいと思います。
 本年がアフターコロナ元年となるよう皆様と一緒に頑張っていきましょう。

信頼のスクラムをひろげて
攻めの姿勢を貫き 時代の変化を先取る
且R善 代表取締役社長 長尾 雄次

 年頭にあたり謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
 振り返れば、中国・武漢で新型コロナウイルスが発生したとされる時から、もう早や一年が過ぎました。未だ先行きは不透明ですが、ウィズコロナでの本年は、萎縮することなく感染対策と販売活動の両立に果敢に取り組んでまいります。足元の製造現場では、堅調な半導体関連に加え、裾野の広い自動車関連が回復傾向にあり、企業の勝ち残り対策も本格化する見通しです。「変化対応業」として、こうした市場の変化を的確に掴み、迅速に対応してまいります。
 コロナ禍により、テレワークやリモート活用の普及に加え、モノづくりや暮らしの様々な現場でも、自動化・省人化や換気・除菌対策、巣ごもり消費などの新たな市場が広がりました。同時に、データとデジタル技術を活用したデジタルトランスフォーメーションを軸とした地殻変動が加速しています。当社においても経営基幹システムの構築と併せてDXの取り組みを進めており、業務の生産性向上はもとより、新たなビジネスモデルの創出を推し進めてまいります。
 一方で、デジタル化への対応が進む中、改めてリアルな対面による新たな価値≠ェ生じてきたと思います。人間としての感情や熱意、信頼感、一体感などを共有できるのは、やはり対面による高度なコミュニケーションが必須であり、それを私は「ニュー・リアル」と呼んでいます。具体的には、整理された情報の提供や提案はオンラインで、理解を深め共感し、信頼を生むには対面で、というデジタルとリアルを機敏に使い分ける「ハイブリッドな攻めの提案営業」を積極的に展開してまいります。
 当社は、2021年(令和3年)の経営スローガンを、「私たちは 信頼のスクラムをひろげて 攻めの姿勢を貫き 時代の変化を先取りしよう」としました。
 これまでも幾度の試練に直面する度に、勇気と知恵を振り絞り、挑戦し続けることで、共に成長してきました。新しい年を迎え、皆様との「連帯と共存」の信頼のスクラムをひろげ、市場の変化を先取りし、共に新しい時代を力強く切拓いてゆく所存でございます。
 皆様の益々のご発展、ご健勝を心より祈念申し上げます。 
 本年も、何とぞ宜しくお願い申し上げます。

2021暦年鍛圧機械受注予想
前年比13.3%増の2560億円
日鍛工 緩やかな回復基調での推移を予想

 日本鍛圧機械工業会(日鍛工、会長=坂木雅治氏・アマダ相談役)は12月16日、世界経済に深刻な影響を与えた新型コロナウイルスのワクチン接種開始と経済対策により2021年は緩やかな回復基調に戻ると期待し、2021暦年の鍛圧機械受注予想を前年比(2020年受注見通し額比)13・3%増の2560億円と発表した。
 国内外ともに自動車のEV化に伴う新規生産設備、医療機器関連、IoT、AI、5G、DXなどのデジタル関連への投資、新常態に対応した消費市場の需要が見込まれるものの、大型設備投資の回復までには至らないと予想した。海外は、米中貿易摩擦による不透明感があるが、経済が順調な中国に設備投資の牽引役を期待。米国、欧州は正常化に時間を要するとみられ、ASEAN、その他新興国への投資拡大に期待する。
 内訳は、プレス系機械が同11・5%増の920億円、板金系機械が同19・2%増の870億円、サービスは同9・2%増の770億円とした。
 内外別(機械合計)では、国内は同9・7%増の1075億円と予想。国内設備投資は、EV化、DX・IoT・AI・ロボットなどのデジタル関連及び医療機器への需要は高いものの、大型設備投資の先送りが懸念されるとした。社会インフラ再整備及び5G関連投資などに期待する。
 輸出は同24・3%増の715億円で、例年並みの輸出比率に戻ると予想した。欧米は経済の回復に時間を要し、設備更新需要の回復も遅れると予想。当面は中国が自動車関連の大型設備投資の牽引役になると期待を示した。
 また、2021年度の受注予想についても同19・5%増の2700億円と発表した。
 併せて発表された、2020暦年受注見通しは前年比(2019年実績比)30・9%減の2260億円、2020年度受注見通しは同26・0%減の2260億円で、国内外とも全般的に設備動向に停滞感がみられ、前年に比べて大幅に減少する見込みとなった。

営業・サービス部門を組織統合
ミツトヨ 1月1日より

 ミツトヨ(社長=沼田恵明氏、本社=神奈川県川崎市)は1月1日より、営業本部とテクノサービス事業本部を組織統合し、営業サービス統括本部として新たな組織体制のもと活動を行うこととなった。
 各地の活動拠点についても、サービスセンタの機能を営業所に統合し、営業・サービスの拠点として、顧客に今まで以上に身近で価値ある存在として課題解決に努めていくとしている。
 営業サービス統括本部拠点一覧
 【東日本第一営業サービス部】仙台営業所、郡山営業所、宇都宮営業所、つくば営業所、伊勢崎営業所、さいたま営業所、新潟営業所
 【東日本第二営業サービス部】川崎営業所、東京営業所、厚木営業所、諏訪営業所
 【中部第一営業サービス部】浜松営業所、安城営業所、中部オートモーティブ営業所
 【中部第二営業サービス部】名古屋営業所、岐阜営業所、金沢営業所
 【西日本第一営業サービス部】大阪営業所、神戸営業所、京滋営業所、岡山営業所
 【西日本第二営業サービス部】広島営業所、福岡営業所
 【センシングビジネス部】センシング営業課、地震機器課
 【カスタマーサポートセンタ】カスタマーサポートセンタ

Cominix 切削工具製造・販売の
川野辺製作所を子会社化

 Cominix(社長=柳川重昌氏、本社=大阪市中央区)は12月15日、切削工具製造・販売の川野辺製作所(本社〓東京都大田区)の株式85・8%を取得し子会社化したことを発表した。
 創業67年の川野辺製作所は、茨城県常陸大宮市に生産拠点を構え、金属切削用の工具製造に係る独自の加工技術や、自動車メーカーの厳格な納期管理に対応した生産管理体制に強みを持つ。国内大手自動車メーカー及び部品メーカー等を主な取引先とし、2019年12月期の売上高は7億8200万円。
 Cominixは、日本・北米等に優良な取引先を持つ同社を子会社化することで、切削工具事業の事業領域拡大・拡充につなげる。

デジタル化で製造現場の改善を支援
「TULIP」の国内販売強化
DMG森精機 新会社 TProject 設立

 DMG森精機(社長=森雅彦氏、本社=名古屋市中村区)は12月17日、2019年より資本・業務提携している米国Tulip社が開発した、デジタル化により製造現場の生産性向上を支援する「TULIP(チューリップ)」を日本国内で販売する新会社「T Project」を2020年9月に設立し、このほどWebサイト(https://tprj.co.jp/)を公開したと発表した。
 多くの製造現場では、作業者による品質のバラつきや作業ミスの抑止、新任担当者への教育時間確保、生産データの収集・モニタリングといった、生産性向上への課題がある。TULIPは、これら製造現場の課題解決をデジタル化により支援する、全く新しい製造支援アプリケーション作成プラットフォームとなる。
 TULIPの活用にはプログラミングの専門知識は不要。作業手順書や品質管理、機器モニタリングなど多様な機能を持つアプリケーションを、現場担当者自身が簡単に作成できる。紙の作業手順書や品質チェックシートのデジタル化、生産データの見える化、工程改善などが可能となり、製品仕様や工程の変化にも柔軟に対応できる。さらに、製造現場では計測機器や既存システムなどとも連携でき、現場主体の工程改善やデジタル化に取り組むユーザに最適な製品といえる。
 また、TULIPは自由度が非常に高いため、多種多様な業種に応用可能。例えば、医薬品製造業では医薬品製造の手順書や品質・トレーサビリティ管理システムとして、食品加工業では複数言語や動画を活用した作業手順書として、物流業では入出庫や梱包業務の手順書として、不動産業では不動産営繕や保守点検業務の品質維持・効率化の手段としてなど、発想次第で幅広く活用できるという。
 TULIPは工作機械ユーザに限らず活用できる製品であり、サービスの提供形態やユーザとの関わり方において、既存の同社製品の枠にとどまらない大きな可能性を有していることから、同社はTULIPによる新しいソリューションの提供を通じ、ユーザの生産性向上をより広範かつ強力に支援することを目的に、T Projectを設立したとしている。
 【新会社概要】
▽社名=株式会社T Project
▽事業内容=製造業向けプラットフォームサービスの提供
▽設立年月日=2020年9月7日
▽本社所在地=東京都江東区枝川3丁目1番4号DMG MORI 東京デジタルイノベーションセンタ
▽代表者=荒谷茂伸氏
▽資本金=10百万円(DMG森精機が100%出資)
 【TULIPについて】
 ■主な特徴
 @6種類の機能を駆使した製造支援アプリケーションにより、生産性を向上
・作業手順書、教育サポート、検査・品質管理、工程分析、見える化、機器モニタリング。
・作業時間、教育時間、不具合率の削減。
 A現場主体
・現場を熟知した作業者自身の手でアプリケーションを作成可能。
・動画やポカヨケ機能など、デジタルならではの分かりやすさで人的ミスを抑止。
・蓄積した作業実績データを活用して工程改善を実現。
 Bプログラミング不要のアプリケーション制作
・プログラミング言語を使わず、高度な機能も容易に追加可能。
・製品仕様や工程の変化に応じて、ユーザ自身でアプリケーションを柔軟に編集可能。
・計測機器や既存システムなどと連携させ、複雑な作業も強力サポート。
・バーコードリーダ、フットペダル、指示灯、センサなど、すぐに導入可能な基本セットを同時販売(別売)。
 C想定される業界
・工作機械を使用する製造業全般、医薬品製造業、食品加工業、物流業、不動産業など。
 ■販売価格
 1ライセンス 年間36万円(税抜き)
 ■TULIP紹介映像
 https://www.dmgmori.co.jp/theme/movie/id=5029

能率改善に貢献
2製品を同時発売
タンガロイ 豊富なアイテム数を用意

 タンガロイ(社長=木下聡氏、本社=福島県いわき市)は、ヘッド交換式ドリル『DrillMeister(ドリル・マイスター)』に非鉄金属加工用DMNヘッドを拡充し、2020年11月30日(月)より販売を開始した。
 ワンアクションでのヘッド交換は工具交換時間を大幅に短縮することが可能。そんな、トータルの加工コスト削減を実現してくれる画期的なヘッド交換式ドリル『DrillMeister』に、非鉄金属加工用DMNヘッドが今回新たに追加された。シャープエッジ採用のDMNヘッドは鋭い切れ刃により刃先溶着を抑制することができ、アルミを始めとする非鉄金属の穴あけ加工に最適だ。材種にはKS15Fを採用。微粒系超硬合金である専用材種KS15Fは刃立ち性が良く、また、耐欠損性にも優れていることから安定した長寿命を発揮してくれる。工具径はφ10・0oからφ19・9oがラインアップ。自動車部品をはじめとした幅広い非鉄金属加工に活用できることだろう。
 アイテム数は全31アイテム。主な型番・標準価格は、●DMN100▽8590円(税込9449円)、●DMN140▽9050円(税込9955円)、●AMN190▽1万3900円(税込1万5290円)となっている。同社は初年度の販売実績を480万円と見込んでいる。

 タンガロイはこの日、小型旋盤用工具としては画期的な、ヘッド交換式バイトシリーズも、全国で同時に販売を開始している。
 小型部品を加工する自動旋盤では、機内スペースが狭く刃物台に工具を付けたままインサートを交換することが非常に困難で、機械を長く停止させる必要があった。この新しいヘッド交換式バイトは、本体(シャンク)を刃物台に固定したまま刃先部分(ヘッド)を脱着できる機構を備えている。そのためインサート交換が容易で、また取付け精度にも優れているため交換後も刃先位置が変化することはない。さらに、段取り変更時でも、各ヘッド長が統一されていることでヘッド交換後すぐに加工が再開でき、機械のダウンタイム(停止時間)を大幅に削減してくれるという。自動車部品、医療部品、IT部品などの小型部品加工において、大幅な能率改善に貢献してくれることだろう。
 今回用意された、その豊富なヘッドとシャンクは以下の通りだ。
 【ヘッド】●外径加工用(ISOポジインサート使用)、●外径加工用(MiniForce-Turn両面ポジインサート使用)、●後挽き用、●溝入れ加工用。※また、高圧クーラントにも対応する内部給油機構付きヘッド(CHP型)も設定されている。
 【シャンク】●12o×12oサイズ、●シャンク長85o、120o(ヘッド装着時)の2種類を設定。※また、内部給油型ヘッドに対応する接続ねじ付きシャンクも設定されている。
 主な型番と、その標準価格は以下のように設定されており、同社は、初年度の販売実績を2億5000万円と見込んでいる。
 【ヘッド】●QC12-JSDJ2XR07-CHP▽3万5800円(税込3万9380円)、●QC12-JSDJ2CR11▽1万1900円(税込1万3090円)、●QC12-STCR18-CHP▽2万5500円(税込2万8050円)。
 【シャンク】●QC-1212F▽2万2000円(税込2万4200円)、●QC-1212X-CHP▽3万3500円(税込3万6850円)。

 いずれの製品も、詳しくは同社各営業所に問い合わせるか、ウェブサイト▽https://www.tungaloy.com/jp/へアクセスを。

イグス ラベリングマシン用の
クシロス ガイドローラーに
黒色ガイドローラーが登場

 イグス(日本法人=東京都墨田区)はこのほど、ラベリングマシン用に新しく黒色ガイドローラーを開発した。
 組立済みですぐに取付け可能な同製品は、黒アルマイト処理アルミニウム製チューブと、メンテナンスフリーのクシロス ポリマー製ボールベアリングで構成されている。
 クシロス ポリマー製ボールベアリングは、無潤滑・メンテナンスフリー、衛生的で起動トルクが極めて低いという特性から、主に包装・食品機械業界で採用されている。このクシロスとアルミニウム製/カーボン製/PVC製チューブを組み合わせたクシロス ガイドローラーは完全組立済みシステムで、フィルムやラベルの方向転換、搬送用ガイドローラーとして使用されている。耐摩耗性を備えた高性能ポリマーおよび薄肉チューブは、金属製に比べて最大48%の軽量化と42%の低慣性化を実現しており、これにより、加速に必要なエネルギーはかなり小さくなり、ローラーは素早く搬送速度に到達するという。
 今回ラインアップに追加された新しい黒色アルミニウム製ローラーは、ユーザーのアイデアから実現した。標準タイプのアルミニウム製ローラーの技術特性は既に実証済みであったが、黒い製品を必要としていたユーザーのリクエストに応えるために、黒アルマイト処理アルミニウム製ローラーと、黒色のクシロス フランジ付きクシロデュールS180製ボールベアリングを組み合わせて開発された。この新しいソリューションは、黒色で光反射が無いためカメラシステムにも適している。
 ユーザーの用途に適したガイドローラーの選定には、イグスのガイドローラーエキスパートを利用できる。このオンラインツールに外径・内径、ローラー長、荷重条件、環境温度を入力すると、オンラインエキスパートがローラーにかかる力を計算し、適切なチューブ材質を選定する。提示された選択肢から、たわみや重量、価格データを基にガイドローラーを選択し、その場でオンライン注文することができる。また、コンフィギュレーション用のCADデータのダウンロードも可能としている。

「メカトロテックジャパン2021」
満小間で出展申し込み受付終了
中小企業支援ブースは引き続き募集

 メカトロテックジャパン2021(MECT2021)を主催するニュースダイジェスト社(社長=樋口八郎氏、本社=名古屋市千種区)は12月15日、MECT2021の出展申し込み小間数が会場の収容力を超えたため、本年2月26日までを予定していた出展募集の受付期間を前倒し、12月14日をもって締め切ったと発表した。
 今回展の最終小間数は、新型コロナウイルス感染症に対する政府や自治体の方針、指示に従い決定するため、1700〜1900小間程度の開催規模となる予定。小間数の確定は本年6月頃を予定している。
 MECT2021は、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)に次ぐ国内2番目の規模の工作機械と最新技術の専門見本市。前回のMECT2019では477社・団体(1941小間)が出展し、9万244人が来場した。21年展は、昨年11月2日に出展募集を開始して以来、前回展と同様の速いペースで出展申し込みが進んでいた。
 樋口社長は「新型コロナウイルス感染症の影響で先行きが不透明な状況だが、多くの出展申し込みをいただいたことは大変光栄なこと。このような時期だからこそ、展示会を活用して新しい需要を取り込みたいとの機運の高まりを感じる。1年後の開催に向け、感染症への対策も含めて準備を進め、皆さまの期待にお応えしていく」とコメントしている。
 なお、中小企業を支援するために用意された低料金のパッケージ小間「中小企業支援ブース」(従業員数30人以下で初出展に限る)については、通常小間に多数の申し込みがあったため、募集定数を最大20社から10社に変更し、その上で引き続き定数まで募集を続ける。
 【MECT2021概要】
▽会場=ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
▽開催期間=2021年10月20日(水)〜10月23日(土)の4日間
▽開場時間=10時〜17時 ※22日(金)は18時まで、最終日23日(土)は16時まで
▽主催=ニュースダイジェスト社
▽共催=愛知県機械工具商業協同組合
▽料金=1小間(幅2970o×奥行き2970o×高さ2700o)26万円(税抜き)
▽出展対象製品=工作機械、鍛圧・板金加工機、射出成形機、3Dプリンター、機械工具、のこ刃、切削工具、工作機器、測定機器、試験機器、研削砥石、研磨材、油圧・空圧・水圧機器、歯車・歯車装置、環境・安全対応機器装置、CAD/CAM/CAE、制御装置・関連ソフトウエア、産業用ロボット、搬送装置、洗浄機械装置、品質管理・安全・試験認証機関、新素材、マイクロマシン、ナノテクノロジー関連など

「非接触」と「非対面」をテーマに
協働運搬ロボット実証実験開始
ユアサ商事 ロボットの活用方法を検証

 ユアサ商事(社長=田村博之氏、本社=東京都千代田区)は2020年12月3日(木)、Doog(社長=大島章氏、本社=茨城県つくば市)と東日本旅客鉄道(社長=深澤祐二氏、本社=東京都渋谷区/以下JR東日本と表記)が実施した高輪ゲートウェイ駅でのロボットの実証実験へ参加したと発表した。
 本実証実験ではDoogの新製品・協働運搬ロボット「サウザーベーシック」を用い、重たい荷物を自律移動または自動追従で目的地まで運ぶ作業を重ね、駅や商業施設への将来的な導入に向けたさまざまな検証が行われた。
 その目的とは、アフターコロナの新しい生活様式における「非接触」と「非対面」をテーマに、@より安全で快適な駅環境づくりならびに新しいサービスの提供方法の検証、Aまちづくり共創パートナーを対象とした施設「Partner Base Takanawa Gateway Station」(高輪ゲートウェイ駅構内・通常非公開)における協働ロボットやパーソナルモビリティの活用方法の検証、の2点である。
 「Partner Base Takanawa Gateway Station」は、2024年度に街びらきが予定されている品川開発プロジェクト(第T期)における、パートナーとの街づくり共創拠点である。通常非公開エリアとして、高輪ゲートウェイ駅改札外2階ならびに3階に開設された。本エリアでは、新しい街の模型や映像などを活用しながらディスカッションや実証実験が実施され、街づくりが進められていくという。
 実証実験に参加したロボット「サウザーベーシック」はDoogが2020年10月から販売を開始した新製品で、PCやタブレットでの複雑な作業をせずにボタンひとつで誰でも簡単に操作できる協働運搬ロボットだ。最大120sまでの荷物を載せることができ斜面(最大9度)や段差(最大3p)の走行も可能。前方の人やモノに追従する「自動追従機能」と、一度走ったルートを記憶して自動走行する「メモリトレース機能(特許出願技術)」が搭載されている。
 ユアサ商事では今後、牽引での運搬やバッテリー増設、遠隔操作など、顧客の要望に応じた「サウザーベーシック」のカスタマイズ仕様を提案していくという。

本社敷地の北側スペースに
2階建の新本社ビルが完成
志知 昨年11月下旬より業務開始

 工作機械・工具総合商社の志知(社長=志知亨氏、本社=名古屋市中区古渡町15-30)は、約990u(約300坪)ある本社敷地の北側に新本社ビルを建設し、昨年11月24日から業務を開始した。新社屋は耐震構造の2階建で、延べ床面積は633・5u(約192坪)。
 同社は志知永作氏が明治33年(1900年)に創業、昨年創業120周年を迎えた。
 旧本社ビルは、築50年以上経過し老朽化しており、耐震性や階段が狭く急勾配であるなど構造上の問題があった。新社屋を建設することで、労働環境を改善するとともに、災害時の人的被害、設備面の被害の低減が図られた。
 また、新社屋の建設に伴い屋上に太陽光発電システムを導入し、災害(停電)時でも電源を確保し業務を維持することができるようになっている。
 建物の外観は、黒を基調にしたシックなたたずまい。大通りに面した壁はガラス張りで、吹き抜けの階段スペースとなっており、建物内は天井が高く非常に明るいイメージだ。
 1階(床面積339・5u、約103坪)は事務所と倉庫。事務所内は一人一人の間隔が広く取られており、商談スペースも完備している。2階(同294・0u、約89坪)は、社長室と常務室、応接室兼会議室、セミナールームのほか、社員食堂や一部が畳敷きになっている社員の休憩室などを設置。2階にはベランダもあり、気候の良い時期にはリフレッシュスペースとしても活用できる。
 旧社屋の店頭にあった出荷スペースは、新社屋北側に移動させた。トラックを横づけでき、さらにトラックの荷台と床面との段差を少なくしたことで、入・出荷作業の軽減と効率化が図られた。
 旧社屋は取り壊し駐車場となる予定で、2月中旬から遅くとも3月中旬には完成する。

社員の健康管理に重点を置く
「健康経営」に取り組む
服部商会 ブライト500の認定めざす

 工作機械・工具総合商社の服部商会(社長=服部嘉高氏、本社=愛知県津島市百島町字三正六歩23)は、数年前より社員の健康管理をしながら優良な経営を目指す取り組みに力を入れている。
 昨年は、優良な健康経営を実践している法人を顕彰する経済産業省の健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2020(中小規模法人部門)」に認定された。2019年6月には協会けんぽ愛知支部で健康宣言を行い「銀賞」を受賞、平成30年度津島市企業の健康宣言Wチャレンジでは取り組みが評価され「優秀賞」を受賞した。
 同社では健康経営アドバイザーの資格を、ヒューター嘉緒里常務を含む2名が取得。年に2回の健康に関するセミナーの実施や、毎月1日に健康・心・体をテーマにした情報誌(アクサ生命提供)の配布など、ヘルスリテラシーの向上に努めている。
 また、社員にストレス度合や健康への意識、栄養などに関するアンケート調査を行い、その結果をもとに社員に情報を提供し、現在の状態を把握してもらうようにもしている。
 その他、社員全員参加による「つし丸体操(津島市の体操)」の実施や、30品目のランチバイキングの実施、新型コロナウイルス流行後は朝食欠食対策としてプロテインバーと野菜ジュースの提供など、様々な取り組みを通じて社員の健康への意識向上を図っている。
 ヒューター常務は「健康経営優良法人認定を得ることの意義が本当の意味で理解できました。企業の生産性、業績だけではなく、従業員の幸福度を向上させる健康経営に取り組み活気あふれる企業づくりを目指すことを決意しました。その過程で、働き方改革・採用の改善につながりました。また、社員に長く健康であり続けてもらうために頑張っている」と話す。
 健康経営優良法人認定制度では、本年より健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)の中から、特に優良な上位500法人を新たに「ブライト500」として表彰することになり、同社はこれを新たな目標として一層取り組みを強化している。

2021年1月17日(日)2767
コロナ再拡大で新年会を中止に
総会は5月26日に開催予定
愛鋲協 今年度第4回定例理事会開催

愛知鋲螺商協同組合(理事長=藤田守彦氏・藤田螺子工業副会長)は、12月17日午後6時30分より名古屋駅前の名鉄グランドホテル会議室にて令和2年度第4回定例理事会を開いた。理事6名が出席した。
 冒頭、藤田理事長が挨拶で「新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか収まらず、総会後は三役(理事長、大野・小倉両副理事長)と事業担当理事が集まり、ソーシャルディスタンスをしっかりと確保しながら行ってきました。今回は、後半の主な事業である新年会や、今年度休部から復帰を目指す青年部のこともあり、理事の方々に参加をいただきました」と話し、出席者に礼を述べた。引き続き、藤田理事長が議長を務めて議事に入った。
 第1号議案=事業委員会に関する件は、11月の実績について事務局より報告があった。その中でコロナ禍の影響を受けたためか、今期売上累計額が前期比で約35%減となり、厳しい状態が続いていると報告された。
 第2号議案=令和3年新年会の件は、1月22日の開催に向けて会場となる名鉄グランドホテルの担当者と感染防止に関して綿密な打ち合わせを重ねてきたが、第3波拡大の状況を受け開催は困難と判断、中止を決議した。今年度は予定していた事業が開催できていないこともあり、理事長の新年挨拶文と共に年賀を組合員に贈ることとした。品物については、理事長と事務局で協議して決めることを承認した。
 第3号議案=研修会(親善ゴルフ会)の件は、担当の鈴木理事(エフシーテック社長)より、1月23日に新南愛知カントリークラブ美浜コース(愛知県知多郡美浜町)にて開催し、組合員14名が参加すると発表された。また、コロナ感染防止のため、プレー終了後のパーティーは行わず、プレーのあと順位に応じた賞品を手渡し解散とすることを確認した。
 第4号議案=その他の件では、コロナ感染予防のために、抗菌・殺菌素材の純銅(純度99・9%)を使用したドアオープナー「フレン銅(どう)」と小型のボタン押しなどに使える非接触ツールをセットにして組合員に配ることとした。さらに、希望者には同製品を、組合を通じて販売することも承認した。
 また、夏の熱中症対策に組合で販売していたゼリー食品の第2弾として、「乳酸菌GABAゼリー」の販売を行うことを承認した。
 令和3年度総会は5月26日を予定し、開催に向けての準備を進めている。
 この後、青年部再開についての意見交換が行われた。
 次回理事会は、2月3日に藤田螺子工業の会議室で行う予定。

日工会 2021年工作機械受注見通し
総額で1兆2000億円と発表

 日本工作機械工業会(日工会、会長=飯村幸生氏・芝浦機械会長)は1月7日、2021年の工作機械受注見通しを総額で1兆2000億円、うち内需が4500億円、外需が7500億円と発表した。
 飯村会長は、2021年の工作機械市場を展望する中で、新型コロナウイルス感染症や各国対立による通商や安全保障面の不安が引き続き足かせとなる可能性があるものの、旺盛な需要を背景に、中国では幅広い業種での好況が継続するほか、新政権による経済政策の効果が期待される日米をはじめ、欧州やインド等でも追随して景況改善が進むと予想。業種別ではデータセンター増設やテレワークの普及、巣ごもり需要、次世代携帯端末の製造等が追い風となって半導体製造装置関連需要が高水準で推移し、また新車販売の回復を受けてCASEやMaaSへの対応等多様なテーマを抱える自動車関連需要も、外需を中心に回復が進むと期待を示した。
 受注見通しについては、例年、飯村会長が賀詞交歓会で新年の祝辞・日工会活動への抱負等と併せて公表していたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえて賀詞交歓会の開催を見合わせたため、会員向け年頭所感の中で公表された。
2020年11月分工作機械受注額886億円
前年同月比が26か月ぶりに増加

 日工会が12月22日発表した2020年11月分の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比8・6%増の886億80百万円となり、26か月ぶりに増加に転じた。前月比も7・9%増と2か月ぶりに増加し、受注総額が850億円超となるのは2019年12月以来11か月ぶり。内需の回復は緩やかだが、中国を中心に外需の増加傾向が続いている。
 内需は、前年同月比13・8%減の270億42百万円となり、24か月連続で減少した。前月比も6・4%減と2か月連続で減少し、2か月連続の300億円割れ。感染再拡大に伴い、投資マインドや営業活動に影響を受け、やや弱含みとなっている。
 外需は、前年同月比22・5%増の616億38百万円となり、2か月ぶりに増加した。前月比も15・6%増と2か月ぶりに増加し、2019年7月以来16か月ぶりの600億円超。中国をはじめ、主要3極(アジア、欧州、北米)すべてで前月を上回り、外需全体で回復傾向が続いている。
 2020年12月上旬に行った会員アンケートによる受注動向見通し(2021年1〜3月期)は、「増加」が24・3%、「保合」が60・8%といずれも前回9月の調査結果(2020年10〜12月期見通し)に比べて10・8ポイント、2・7ポイント上昇。「減少」は14・9%で前回より13・5ポイント低下した。DI値(増加−減少)は前回から24・3ポイント改善し10四半期ぶりのプラスとなり、感染再拡大の中にあっても改善への期待がうかがえる結果となった。。

年 頭 所 感
新春を迎えて
長野県知事 阿部 守一

 新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 県民の皆様には、旧年中、県政の推進に対して格別の御支援と御協力を賜り、誠にありがとうございます。
 「ONE NAGANO」の合言葉のもと、令和元年東日本台風災害からの復旧・復興を加速させるとの想いを持って2020年をスタートしました。
 しかし、1月下旬から新型コロナウイルス感染症への対応が始まり、4月には、全国的な感染の拡大により緊急事態宣言が発出される事態となりました。この間、県民の皆様には幾重にもわたる感染防止対策をお願いしてまいりましたが、その都度、積極的に御協力をいただきましたことに、この場を借りて心から感謝申し上げます

 引き続き、県民の皆様の命と健康を守るため全力を尽くしてまいります。
 コロナ禍の状況においても、県民の皆様が、明日への希望を持って安心して暮らしていただくことができるよう、今年は次の5点に注力しながら県政運営にあたってまいります。
 まず、新型コロナウイルス感染症への対応については、状況に応じた機動的な対策をとり、県民の皆様の命と健康を守るため最善を尽くしてまいります。県内企業の皆様を支援する施策を総動員し経済を支えるとともに、雇用の維持・確保にも積極的に取り組んでまいります。
 次に、東日本台風災害等からの復旧・復興を速やかに進め、災害に強い県土づくりを推進します。生活と生業の再建に最大限の支援を行ってまいります。
 三点目は、アフターコロナも見据えた未来への投資です。二地域居住者、IT人材の呼び込みや、「働く」と「暮らす」をセットにした移住施策を展開するとともに、生産性の高い企業や気候変動対策に率先して取り組む企業の誘致など、成長期待産業の立地を支援してまいります。
 四点目は、デジタル技術とデータの活用を通じて生産性の向上、組織の変革等を進める「長野県DX(デジタル・トランスフォーメーション)戦略」の具体化です。専門家のサポートや企業と行政との協働により、県内企業の生産現場等におけるDXを強力に促進します。
 最後に、2050ゼロカーボンの実現に向けた取組の推進です。エシカル消費や産業イノベーションなどの新たな視点も加え、持続可能な社会づくりを推進してまいります。
 結びに、本年が新型コロナウイルス感染症の克服に向けて大きく前進する年となること、そして、皆様方にとってよき一年となりますことを心より祈念し、新年の御挨拶といたします。

新型コロナウイルスに
 翻弄された一年
(一社)日本鍛圧機械工業会
代表理事会長 坂木 雅治

 新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 平素は、当工業会の運営に格別のご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 2020年は、未曾有の新型コロナウイルスの感染拡大があり、未だに終息についての道筋が見えない状況が続いております。この度災禍に遭われました会員企業の皆様に、謹んでお見舞い申し上げます。
 昨年年頭からの世界的なパンデミックのため、日本でも非常事態宣言が発出されるなど、これまで経験したことのない事態に直面しました。生活様式の変更を余儀なくされ、経済活動も停滞し、東京オリンピックも延期されるという大変な状況になりました。まさにコロナ禍の一年間であったのではと思います。
 本年は是非とも、反転上昇を期待したいところです。次に、昨年を振り返ると共に本年の展望を述べさせて頂きます。
 まず、2020年の受注状況ですが、工業会の受注予想では、暦年・年度予想共に2250億円(前年比約31・2%減)としていましたが、暦年・年度ともに2260億円と微増になると見込んでいます。
 プレス機械系では自動車製造関連業種等の設備投資が世界的に落ち込みましたが、2021年には電機業界を含めた自動車EV化加速に伴う戦略的投資等が期待されるところです。板金機械系ではコロナ禍における経済活動の停滞を反映し、国内外ともに設備投資が低迷しましたが、年の後半から一部では改善の兆しが見られる地域もありました。5G関連や医療機器関連の設備投資が下支えとなっており、2021年の明るい材料と言えます

 こうしたことから2018年より下がり続けた経済状況は下げ止まり、全体的には緩やかであっても上昇傾向で推移するものと思われます。昨年末の調査統計委員会では2021年暦年は2560億円で13・3%増、年度は2700億円と前年を19・5%上回る水準になるものと予想しております。
 一方、今年開催予定であったMF-TOKYO2021は、東京オリンピックの延期を受けて、大変残念ではありますが、中止とせざるを得ませんでした。代わりに新しい試みとしてオンライン展示会の開催を予定しております。是非経済活動の再開の起爆剤となりますよう、会員の皆様のご協力・ご支援を頂き、盛り上げていきたいと考えております。オンラインMF-TOKYO2021では「つながる技術で世界に広げる、明日のものづくり」を副題に日本の技術力の発信に力を入れたいと考えております。
 当工業会の事業活動の柱の一つであるMF技術大賞は、本年5月18日の総会時に表彰式を開催致します。日鍛工会員メーカとそのユーザが共同で達成された優秀な製品を表彰するもので、日本の技術力を国内外に広く知らしめるユニークな表彰です。
 また、鍛圧業界の発展に向け参加しているISO国際規格の制定会議において、日本の提案を織り込んだ国際規格が2規格発行される成果を収めました。順次JIS化の活動も進めていますが、国際会議もコロナ環境で開催が出来ずに活動は停滞気味です。今後も継続的に参加を続け、国際規格の制定に日本案を提案する活動を進めて参ります。
 日本塑性加工学会様との産学連携研究は、その研究成果を会員に公開しております。これまでの3年間の研究成果を吟味し、今後も技術発展に資する共同研究を行い、会員企業の技術力向上に寄与できればと考えております。
 昨年は工業会、各会員の皆様ともに活動ができなかった異常な年となりました。今年は失われた一年を取り戻す時かと存じます。しかしながら新型コロナ感染症対策には十分に留意され、安心かつ安全に活動されることを心からお願い申し上げます。
 本年も工業会活動に関係各位のご支援、ご協力と会員各位の積極的なご参加をお願いいたします。
 皆様方にとりまして本年も良い年でありますようご祈念申し上げますと共に、益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げます。

年 頭 所 感
自動車工業4団体連携事業の
  推進に積極的に参加
(一社)日本自動車機械器具工業会
        理事長 辻  修

 あけましておめでとうございます。
 令和3年の新年を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 昨年は、年初に新型コロナウイルスの発生が確認されて以降、その感染防止策に全力で取り組んできた一年であったと思います。
 新型コロナウイルスは、瞬く間に全世界に蔓延し、各国の経済活動を停滞させ、経済状況は大きく減速しました。
 我が国においても、2020年7〜9月期のGDP(速報値)を踏まえた年間予想は△5・7%との報道もあり、リーマンショック以来の大幅なマイナスとなる見込みであります。
 また、我が国企業の景況判断を日銀短観で見てみますと、中小企業製造業の景況判断指数(DI=「良い」-「悪い」)は、2020年4〜6月期に△45ポイントと大幅に悪化し、リーマンショック以来の低水準となりました。その後も7〜9月期(△44)、10〜12月期(△27)と推移しており、新型コロナウイルスの感染拡大が止まりを見せていない現状において、依然として厳しい状況にあると思います。
 このような状況の中、自動車工業4団体(自工会、部工会、車工会、自機工)は、4月初旬、自動車業界として以下の内容を柱とした、新型コロナウイルス危機の克服と復興に貢献していく旨の決意を表明いたしました。
 「医療現場を始め、新型コロナウイルスの脅威と闘っている方のお役に立つ」
 「未来に向けて失ってはならない技術・人材を守る」
 「日本のモノづくり基盤を死守する」

 具体的には、@医療現場支援として、会員各位の「モノづくりの力」を最大限活用し、各医療現場において不足している医療物資の提供A会員各位の資金調達を支援する「助け合いプログラムの発足」B業界内の「困り事」の相互的な解決を図るため、「現場リーダー層の人材育成」、「生産性向上のための現場改善指導」等の実施―等の自動車工業4団体連携事業を行ってまいりました。
 当工業会会員各位においては、「医療現場支援」の一環として医療機関に対するフェイスシールドや消毒液等の提供を行いました。
 さらには、医療現場からの要望である「大人用フェイスシールドの調達は容易であるが、材質や大きさ等が様々である小児用・幼児用フェイスシールドの調達は困難」との意見を踏まえ、当工業会会員が中小企業の特性である機動性を活かし、医療現場の医師や看護師等の意見を直接伺い、改良を重ねながら製品開発を行い、医療現場支援を行いました。
 また、「現場リーダー層の人材育成」の一環として、自動車業界全般で使用する「ねじ締め」に関する「トルク講習会」をオンラインで開催いたしました。全国65社110拠点からオンライン参加を得るとともに、96%の参加者から今後の業務に「役に立つ」との評価を受けました。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、第3波の山が大きくなり緊急事態宣言の一歩手前と思われる状況となっております。
 当工業会は、今後とも、自動車工業4団体連携事業の推進に積極的に参加し、会員各位の人材、技術の維持・発展、生産性の向上に貢献できるよう各種事業を実施していきたいと考えております。
 一方、自動車業界においては、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)を中心とした次世代技術が急速に進展するとともに、異業種連携による技術開発や新たな業態の進出等大きく変化しています。これらの変化は、自動車部品分野だけではなく自動車機械器具及び整備技術分野においても大きな変化をもたらすものとなっております。
 さらに、自動車整備分野においては、上記次世代新技術に対応すべく、道路運送車両法が改正され、自動車の電子制御技術化に対応した「特定整備制度」がスタートしました。自動車整備業界においては、新たな制度に対応する人材育成や整備スペースの確保問題、更には人材の高齢化にも対応することが求められております。
 私共工業会各社においては、これら整備業界の課題に対応すべく、車の安心・安全と環境を支えるサービスツールメーカーとしてユーザーニーズを積極的に把握し、次世代の整備を見据えた新商品の開発や安全の質のレベルアップを図っていくことが必要であると考えております。
 特定整備に必要となるスキャンツールの開発については、自動車メーカーと連携を図り、汎用で使いやすい機器の開発に注力しているところであります。
 また、工具類については、女性や高齢者でも整備が可能となる軽量化や、多くのスペースを必要としない小型化を目指した機器の開発、整備の見落としを無くすための記録化の推進、トラック等の脱輪事故に対応すべく、タイヤボルトの締めすぎ防止装置の開発等、今後とも積極的な課題解決の取り組みに努力してまいります。
 今後、自動車産業をめぐる環境が大きく変化し、自動車の構造や所有形態の変化が想定されますが、移動手段としての車の必要性や重要性には変わりがないものと思います。そして、車そのものが存在するならば、その安心・安全を確保するために必要となる点検、整備機器の役割は今以上に増大するものと思います。
 工業会におきましても、会員各社のお役に立てるよう努力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 最後に、新型コロナウイルスと必死に闘っておられる医療従事者の皆様方に感謝申し上げますとともに、関係各位のご健勝を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
デジタル対応の強化で 
他社との差別化を推進
住友電気工業且キ行役員
ハードメタル事業部長 村山  敦

 新年あけましておめでとうございます。
 平素は格別のご高配を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。
 昨年前半は新型コロナウイルス感染症の影響を受け世界的に工具需要が停滞し、非常に厳しいものとなりましたが、中国が先行して回復するに従い、米州、欧州、日本がそれに追従する形で、地域により速度の違いはあるものの、回復の兆しが見えて参りました。
 切削工具業界におきましては、昨年、国内・海外の展示会や見本市は中止・延期を余儀なくされましたが、一方でオンラインという新たな形式で日本国際工作機械見本市(JIMTOF2020 Online)が開催されることとなり、弊社も出展、さらに新製品のより詳細な情報を掲載した弊社Webサイトでの「Sumitool Web展示会」を同時開催いたしました。様々な用途でご活用いただける高生産性を追求した刃先交換式工具やさらに自動車、航空機、医療産業分野を中心とした難削材・高硬度材加工用途向けの各種工具、次世代を見据えた製品を多数出展し、例年とは異なった形式となりましたが、多くの反響をいただきました。Sumitool Web展示会は現在も新製品情報を随時更新しておりますので、引き続きご覧いただけますと幸いです。また新型コロナウイルス感染症による営業活動の制約を逆手にとり、通常の対面での講習会や切削提案を、インターネットを活用したオンラインに置き換えるなどデジタルコンテンツの充実化を図った年となりました。本年はこれまで培って参りました技術力、開発力を基盤に、航空機・医療などの伸長分野向けの製品開発および拡販を継続して強化を図ることに並行し、各種デジタル対応を強化することで他社との差別化を推進しますことで、今後も皆様のご期待に添えるよう大きな進化を遂げる1年とする所存です。
 また、超硬工具の主原料であるタングステンのリサイクル事業においては、使用済み工具の回収重量が年々増加しております。限りある資源の有効活用、製品の安定した供給に向けたお客様のご理解と積極的なご対応に感謝し、引き続きご協力をお願い申し上げます。
 本年も、より良い製品・サービスを提供し、お客様とともに日本のものづくりの変革と発展に向けて、邁進して参ります。引き続き、皆様方のご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

リアルとデジタル両面から
   生産性向上を提案
ダイジェット工業
代表取締役社長 生悦住 歩

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は大変な年でした。1年前の今頃は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行を誰も予想だにせず、我々の日常生活は様変わりし、コロナ下での新しい生活様式、経済活動の在り方を模索した年でした。
 そんな中当社におきましては、切削工具ではマシニングセンタ(MC)加工用工具、特に新たな中核商品と位置付けているドリルや主力の金型加工用工具において、お客様の加工改善につながる高能率・高生産性の新製品を市場に投入してまいりました。高精度深穴加工が可能な多機能座ぐり加工用ソリッドドリル「ソリッドタイラードリル3D/5Dタイプ」やインサートバリエーションを拡充し幅広い被削材に対応可能な高能率荒加工用カッタ「マックスマスター」、同一インサートで高送り加工と肩削り加工が可能な多機能カッタ「マルチエクストリーム」など、多数の新製品がご好評をいただいております。
 耐摩工具分野では、超硬金型の直彫り加工およびその加工技術を生かし次世代自動車(EV)の金型市場の開拓に取り組んでおり、様々な分野で高い評価をいただいておりますレアメタル不使用かつ軽量な硬質金型新素材「サーメタル・CT500シリーズ」の生産体制も強化し、用途開発をさらに押し進めております。
 また、コロナ下における新たな取り組みとして、従来の対面営業にとどまらない、デジタルコンテンツの拡充にも注力しております。昨年は製品検索サイト「DJ-Search(DJサーチ)」の英語版・ドイツ語版を公開し、EU圏を網羅する即時性の高い情報発信を可能にした他、初心者向け加工セミナー動画の制作およびオンライン展示会への出展を実施、本年も引き続き積極的に新しい施策に取り組み、リアルとデジタルの両面からお客様の生産性向上につながる商品をご提案してまいります。製造部門においては複数加工からプログラミングまで対応できる技術者育成を推進し、withコロナafterコロナを見据えた柔軟な生産体制の構築を目指してまいります。
 世界経済はいまだコロナ危機の只中にあります。回復には数年を要すると思われ、先行きは予断を許しません。当社におきましては海外輸出比率が高く、海外動向にもより一層目を配りつつも、これら景況の変化にとらわれず、引き続き安定した製品供給体制を維持し、品質・性能において幅広いお客様にご満足いただける製品を開発してまいる所存ですので、今後ともダイジェット製品に変わらぬご愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。この困難を共に乗り切ってまいりましょう。

0から1を創生する発想力
オーエスジー
代表取締役社長兼CEO 石川 則男

 2021年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨年、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に世界経済が翻弄された記録、記憶に残る1年となりました。中国湖北省の武漢から拡大したとされる新型コロナウイルスに対して各国政府はロックダウンといった厳格な策で対処しましたが、経済に与える影響が甚大すぎて耐えられないことが明確になると、感染対策と経済政策の両立を目指しました。両立政策では感染拡大を抑え込むことは難しく日本でも第3波とされる感染拡大が11月から顕著となり私たちの生活様式はNEW NORMALの定着を余儀なくされています。それでも今年はワクチンの接種も始まることから、NEW NORMALからAFTERコロナの時代へと変わっていくと思われます。そしてバイデン米国新大統領が環境重視を打ち出していることから、生活様式そのものに収まらず世界各国で温暖化ガス排出抑制が加速化すると思われます。当社の主要顧客である自動車産業は今まで以上に環境車へと舵を切ることから、当社の製品とサービスも今後大きな変化にさらされることになります。「0から1を創生する発想力」とは当社の新工場であるNEO新城工場のキャッチフレーズです。今までの成功体験をいったんゼロにして、ゼロから新たな生産方式を創り上げようというのが目指す姿です。製品そのものも、働き方もゼロから新しいイチを創り上げたいと思います。日本流のモノづくりである匠の部分を活かしつつ、デジタル技術との融合をはかり未来を切り開く所存です。
 最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

デジタル技術を活用した
お客様サービスを強化
三菱マテリアル渇チ工事業カンパニー
カンパニープレジデント 田中 徹也

 新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、新春を健やかに迎えられたことと、お慶び申し上げます。
 さて、足許の事業環境はと言いますと、昨年の新型コロナウィルスの感染拡大による世界経済の急減速からは反転し回復局面にあるものの未だ予断を許さぬ状況と言えるでしょう。
 このような中で多くの企業においては従業員の健康を最優先に考え、在宅勤務への切り替えやオンラインでのコミュニケーションを通じた働き方改革が急速に進みました。また世界中の人やモノがグローバルに移動することを制限されている状況では従来の対面を前提とした商談などは変革していかざるを得ないでしょうし、製造業におけるサプライチェーンも大きく変化していく事が考えられます。
 このような状況の中、デジタル技術の活用ニーズが間違いなく高まっていくでしょう。人々の購買行動はEC(electronic commerce)へのシフトが加速しており、提供するサービスもリアルからデジタルに変化してきています。
 当社も高性能・高品質な工具の提供にとどまらず、デジタル技術を活用したお客様サービスを強化することによってお客様から真のパートナーとして信頼を得る、活力溢れたワクワクする事業体となることを目指してまいります。また当社は『人と社会と地球のために』を企業理念としており、企業として経済的価値と社会的価値の両立を目指しています。工具事業におきましてはタングステン原料のリサイクル率を向上し循環型社会の構築に貢献する事や、再生可能エネルギーを利用したクリーンなモノづくりを加速し脱炭素社会の構築にも貢献してまいります。
 本年も多くの皆様にワクワク≠お届けできるよう、三菱の総合力を発揮して、お客様の声をしっかりとお聞きしスピーディーにお応えしていく所存です。
 皆様のご多幸とご発展を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

年 頭 所 感
創業70周年、成長を続け
  100年企業を目指す
潟Lッツ
代表取締役社長 堀田 康之

 謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大が全世界に大きな影響を及ぼしました。国内・海外市場ともに経済活動が停滞し、当社グループの業績も厳しい状況で推移しました。パンデミック発生から約1年が経過しようとしていますが、その感染威力は想像以上であり、今年もその影響が続くものと思います。全体的な事業環境は昨年とあまり変わらず、世界経済に少し動きが出てくるのは今年の半ば以降になるのではないかと思っています。
 新型コロナウイルスによって生活や働き方に様々な変化がもたらされていますが、この機会を成長のためのチャンスとして捉えていきたいと思います。昨年、在宅勤務やテレワークを導入しましたが、これが仕事のやり方を変える大きな転機となったことに間違いありません。今年は、デジタル化への取り組みにさらに拍車をかけたいと思っています。業務効率を向上させるとともに、価値のある業務に集中できる環境を整え、よりやりがいと達成感のある仕事ができるようにしていきたいと考えています。
 デジタル化と並んで今年の重要テーマとなってくるのは「持続可能な社会」に向けた取り組みです。我々に何ができるのか、我々は何をすべきか、という検討をすでに始めています。ESG、SGDsといったサステナビリティの視点を具体的に取り入れ、数値目標も定めて社内外に発信したいと思います。
 今年、当社は創業70周年を迎えました。100年企業を目指し、さらに成長を続け、新たな歴史を作ってまいる所存です。
 新しい年も、皆様のご多幸と益々のご活躍を心から祈念申しあげます。

増大するものづくり現場の
 生産性向上の取組みに対応
潟^ンガロイ
代表取締役社長 木下 聡 

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
 昨年は、新型コロナウイルス感染症の一言に尽きる一年でありました。世界経済がリーマンショック以降緩やかな拡大基調で推移してきた中で、突然の後退局面となりました。設備投資や消費の減少は、ものづくりの産業にも大きな影を落としました。そのような中でも、弊社は積極的な開発投資を継続して、歴代最高の60アイテムに及ぶ生産性を向上させる新たな切削工具を発売することができました。
 本年も先行き不安から、設備投資や消費の完全な回復は難しいものと予想されます。他方で、景況が冷え込み、操業度が低下した状態だからこそ、ものづくりの現場では生産性を向上させる取組みが更に増大するとともに、コロナ禍で急伸したデジタル化が更に進むことと思われます。つまり、ものづくりの基盤を支える切削工具に対する重要度は増していくものと考えております。弊社は、本年もより多くの高い生産性を実現する切削工具を開発するとともに卓越した技術サポートで、お客様でのコスト低減を実現して参りたいと思います。また、リニューアルするWEBページやSNSなどで役立つ情報を発信して参ります。

「つなぐ複合専門商社グループ」
 として機能を高める
ユアサ商事
代表取締役社長 田村 博之

 年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 新型コロナウイルス感染拡大により世界中で非常事態宣言が発せられるなど、2020年はこれまで経験したことのない事態のなか推移いたしました。一方で、ウィズコロナ・アフターコロナ社会におけるニューノーマル(新常態)のあり方を模索した一年でもございました。
 2021年は、前半期こそ新型コロナウイルス禍による社会・経済活動への影響が残るものの、後半期は世界レベルでの感染症対策とニューノーマルの定着により、経済再生への動きが強まっていくものと考えております。
 不確実性の高い時代では、組織としての機能は維持しつつ、状況に応じた迅速な意思決定が重要となります。現場への権限委譲を進めつつ、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によりスピード感を持ったお取引先様への情報提供やデータに基づいた提案営業に邁進してまいります。
 昨年の11月に関東で開催いたしました「YUASA Growing フェア」では、多数のお取引先様にご来場いただき、「リアルとバーチャルを融合したセールスプロモーション」について貴重なご意見をいただくことができました。今後も当社は対面での提案営業を重視する方針に変わりありませんが、新しい技術も活用し、ニューノーマル時代に相応しいセールスプロモーションをご提案してまいりたいと考えております。
 コロナ禍により、自動化やAI、IoTの技術はこれまで以上に重要となり、導入スピードは加速していくものと思われます。同時に、単なるモノの提案ではなく、お取引先様や商品・技術をつなぐことにより生まれる価値がこれまで以上に高まっていくものと考えております。「つなぐ複合専門商社グループ」として、当社グループの機能を高め、お取引先様とともに新たな価値創造に挑戦してまいります。
 最後になりましたが、お取引先様にとって希望と幸福に満ちた素晴らしい一年となりますよう心からお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

「常識一変 原則不変」 
トラスコ中山
代表取締役社長 中山 哲也

 新型コロナウイルス感染拡大により、人類は大きな打撃を受けましたが、大きな教訓をも与えてくれました。
 握手さえもままならぬ世の中となり、共に食事を楽しむことさえタブーとなり、この先コミュニケーションはどの様なスタイルに変化するのでしょうか。同じ盃で酒を酌み交わすことで、心の壁を取り払っていたのはそれほど昔ばなしではありません。
 「常識一変」昨日までの常識が、ある日を境に非常識となることを学びました。ビジネスの世界においても、かつて商売の基本と考えられていたフェイス・トゥ・フェイスも、突然敬遠される代名詞となってしまいました。人と人とのつながりを否定するものではありませんが、つながりだけに頼ったビジネスから早急に脱出しなければ、コロナの餌食となってしまうことでしょう。
 業界最後発の問屋である当社は、歴史、人脈、人材等、乗り越えれない壁が山ほどありましたが、「お客様が必要とする商品を、どこよりも早く確実にお届けする」ということを商売の原理原則だと考え、お客様の利便性向上に心血を注いできました。ライバルとの競争に主眼を置く企業もありますが、ライバルに勝つことが企業の目標ではないと思います。コロナ騒ぎがあってもなくても、商売の原理原則は不変だと思います。となれば、100年後も通用する不変の原理原則を考えてみるべきだと思います。
 「原則不変」それは、「高い利便性」「迅速確実な納品」「豊富な品揃えと在庫」「納得できる価格」「親切・丁寧・安心」「デジタル力」ではないでしょうか。時代が変われど、変わることのないマーケットの要求だと思います。
 ならば、現在取り組んでいることを、これからも徹底的にとことんやらねばならないと思います。新型コロナウイルスにアッパーカットも食らいましたが、同時に成長のためのヒントも与えてくれました。
 ユーザー直送の急激な拡大は、自動梱包出荷ラインの重要性をまざまざと見せつけてくれました。在庫を基本とするビジネススタイルは不変ですが、自動梱包出荷ラインにより「在庫ユーザー直送」に加えて、「取り寄せユーザー直送」という新しいビジネスモデルの可能性も見えてきました。
 またネット購買の拡大は取扱商品の拡大要求を突きつけています。「PRO TOOL特化」も、そろそろ「PRO TOOL限定解除」に動きたいと思います。
 コロナ×デジタル×メカ、これは一種の産業革命だと思います。やりたいこと、やらねばならないことが続々と現れ、未来からの挑戦状を叩きつけられている様です。
 「常識は時として一変するが、原理原則は不変である」ことを肝に銘じ、今年も無事の航海を祈りたいと思います。
 (令和3年社内向け年頭所感より)

SDGsの取組みを
 真剣に進めていきたい
潟Wーネット
取締役社長 古里 龍平

 謹んで新年のお喜びを申し上げます。
 昨年は新型コロナウィルス一色に塗りつぶされたような一年でした。企業や個人においても対策に追われ、本来やるべきことに手が回らなかったという方も多かったと推察されます。
 SDGsもそのひとつかもしれません。当社においても本格的に取組みを開始すべく検討チームを立ち上げ、17のゴール169のターゲットと事業活動とを紐づけるべく議論を重ねてきましたが、なかなか苦戦を強いられています。その原因としてはコロナ禍の影響もありますが、紐づけ作業そのものに因るところが大きいようです。
 本気で取り組むつもりがないのに、既存の事業とSDGsのゴールとを無理やり紐づけることをSDGsウォッシュ≠ニいいます。このSDGsウォッシュ¥態になっていないかどうかで担当者が悩むのです。「これまでやってきたことをそのまま何も変えずにSDGsを名乗っていいのか」と。
 この悩みから抜け出すためのヒントをSDG Compass(SDGsの企業行動指針)に記載されている「アウトサイド・イン」のアプローチに求めることができます。これは、世界的な視点から、何が必要かについて外部から検討し、それに基づいて目標を設定することにより、企業は現状の達成度と求められる達成度のギャップを埋めていくとされています。社会のニーズに応える、社会課題の解決を起点にしたビジネスの創出が求められていくことになるでしょう。ウォッシュと言われないよう真剣に取組みを進めていきたいと思います。
 皆様方の益々のご発展とご健勝を心より祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

CG制作会社がお仏壇!?
異業種コラボ隆盛の時代に
銅器製造元、ねじ関連工具商社も

 CG(コンピュータ・グラフィックス)制作会社が『お仏壇』を企画・製作中と聞いた。異業種の参入話は最近耳にすることが多いが、CG制作会社がなぜ? ということで取材をオファー。東京でCGをメインに映像制作を手掛けているナイス・デーの代表取締役でプロデューサーの西村敬喜氏に話を聞いた。
 開発中(2020年12月現在)だという商品を見せてもらった。観音開きの扉でコンパクトに収納可能な『お仏壇(写真)』がそれだ。「このコロナ禍を経験し、ますますコンパクトなお仏壇といいますか、宗教を問わない祈りの壇が家庭に入り込んでくるのではとの考えがふと浮かびました。ストレス社会の現代だからこそ、手を合わせる、十字を切る、そういうことで癒しを求める方もいらっしゃると思います」と西村氏は言う。
 それにしても、木工製作は素人のはずの彼がなぜこの『お仏壇』の商品化にチャレンジできたのか? 「映像業界は異業種との関係が強く、お仏壇本体はいろいろな業界の知り合いのお力添えで企画から製作まで持って行けました。映像制作会社ほど人脈が広い業界はないと思います。例えばTVCMの制作に関して言えば、CMを利用しているさまざまな業界の会社さんがわれわれの顧客であり、制作にあたってその会社さんの業界を勉強します。映画に関しても地方ロケも多く、地元の方たちの協力をいただきつつ制作が進行します。映像業界人は実は物知りであり、広範囲な人脈を持っています」。異業種間コラボを成立させることのできた西村氏だからこその商品化というわけだ。
 では、物知り≠ェ企画した『お仏壇』とは? 商品としての魅力を聞いてみた。「このお仏壇(祈りの壇)は、本体に本を開いたまま倹鈍(けんどん)式にはめ込んで収納できる仕組みになっています」。つまり、メッセージ性のある本(メインは絵本)を収納して飾ることのできる壇となっているようだ。その本というのも、「映像業界人は一般の方たちには縁遠いであろう人脈があります。それは、アーティストやタレントです」。こうした人脈があるからこそ名の知れたアーティストやタレントらとコラボした、メッセージ性の強い本を絡めた壇にしたという。まだ企画中だと前置きしつつ、サブスクリプション形式を導入し、定期的に本が自宅に届くサービスなども考えられているようだ。
 「これからの時代、お仏壇は終活中の親が本、すなわちメッセージを添えて子供たちに残すのではないか?」と考える西村氏。若い世帯の住宅事情も考え、閉じて収納可能な機能も持たせたという(写真)。第三者の「モノ・コト」を売るTVCMを制作し続けて40年余りの彼が企画したこの『お仏壇』は、はたして思い通りに売れる≠フか? 今後に注目したいと思う。
 2021年は、異業種間でのコラボがさらに加速し、隆盛かつ必須となっていくと予測する。新年から紙面に取り上げる商品として、さてどうかと思いつつも新種の『お仏壇』を今回記事にして紹介してみた。

【商品概要】
●商品名▽本のお仏壇(商標登録/登録第6266109号)
●商品説明▽礼拝のために使用する、本を飾れる祈りの壇(意匠登録申請中)
●企画・製作▽株式会社ナイス・デー(東京都渋谷区)
●製作協力▽株式会社パンケイクス(東京都渋谷区)
●設計▽有限会社スペースラボ(東京都世田谷区)
●お仏壇の製作▽有限会社四津川製作所(富山県高岡市)
※依頼先としての工芸社、工芸士を全国規模で開拓中。
●発売開始予定▽2021年4月頃
●中部地区販売・問合先▽東邦精器株式会社(名古屋市瑞穂区)=電話052(859)2151