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2018年(平成30年)1月
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2018年1月7日・14(日)・2657号・2658号 新年特集号 年 頭 所 感 平成30年 年頭所感 中部経済産業局長 富吉 賢一 平成30年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。 我が国経済は、雇用環境の改善による就業者数の増加、また4年連続での高い賃上げ及び5年連続となる最低賃金の大幅な引き上げにより消費が持ち直しているなど、緩やかな回復基調が続いています。また、地方経済においても、全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えるなど、長期にわたる景気回復が続いています。 しかしながら、民間の動きは、長期にわたる生産性の伸び悩みや、新たな需要創出の欠如といった先進国に共通する「長期停滞」によって、いまだ力強さを欠いており、これを打破し、中長期的な成長を実現することが必要です。 このため、経済産業省においては様々な業種、企業、人、データ、機械などのつながりによって新たな付加価値や製品・サービスを創出する「Connected Industries」の形成に向けた取組を推進し、政府が目指す「Society5・0」の実現につなげます。 また、昨年施行された「地域未来投資促進法」の下で成長ものづくり分野や観光・スポーツといった地域の特性を生かした成長性の高い分野に挑戦する取組に対し政策資源を集中投資し、当面3年間で2000程度の事業を創出し、企業の投資額1兆円、GDPを5兆円増大させることを目指します。 中部経済産業局としては、地域企業の生の声を反映して策定された地方版成長戦略である「TOKAT VISION」並びに「北陸産業競争力強化戦略」を着実に実行していくことで、地域経済を支える中小企業・小規模事業者等の「稼ぐ力」の強化に取り組み、地域の産業競争力強化を推進してまいります。 本年が皆様の飛躍の年となりますよう祈念いたしますとともに、経済産業行政へのご支援とご協力をお願いいたしまして、新年のご挨拶といたします。 年 頭 所 感 新春を迎えて 愛知県知事 大村 秀章 あけましておめでとうございます。 新たな年が、県民の皆様方にとりまして、素晴らしい1年となりますよう、心からお祈り申し上げます。 昨年は、愛知総合工科高等学校専攻科の公設民営化や、遠隔型自動運転システムの実証実験、「あいち航空ミュージアム」のオープンなど、全国初となる取組、愛知ならではの取組に果敢にチャレンジし、大きな成果を上げるとともに、アメリカのケンタッキー州やインディアナ州、ベルギーの3地域、インドネシアの経済調整担当大臣府とそれぞれ相互協力等の覚書を締結し、海外とのパイプを一層強固にした1年でした。 また、世界に誇る日本のオリジナルコンテンツであるスタジオジブリ作品をテーマとした「ジブリパーク構想」の具体化に向け、大きな一歩を踏み出した年でもありました。 今年も、様々な取組を積極的に進め、愛知の総合力に更なる厚みを加えていくとともに、未来へと続く取組を、愛知の発展の種として、しっかりと芽吹かせ、着実に育んでいく1年にしてまいります。 そのためには、2027年度のリニア開業に向けた鉄道・道路ネットワークの強化など、中京大都市圏づくりを着実に前進させるとともに、次世代自動車、航空宇宙、ロボット・AIなどの次世代産業の育成・振興、企業立地の促進、中小企業支援、農林水産業の国際競争力の強化、愛知の魅力の発信と観光振興、来年秋開業を目指す国際展示場の整備などに取り組み、愛知の産業競争力を一層強化してまいります。 また、ジブリパークについては、愛・地球博記念公園での2020年代初頭の開業を目指し、夢とファンタジーあふれるジブリの世界を再現したオンリーワンの施設を創り上げていけるよう、しっかりと取組を進めてまいります。 そして、こうした取組以外にも、認知症にやさしいまちづくりを目指す「オレンジタウン構想」や子どもの貧困対策の具体的な取組の推進、スポーツ・文化芸術の振興、教育・人づくり、地震津波対策や交通安全対策、「環境首都あいち」の取組、東三河地域の振興などに力を注ぎ、「日本一住みやすい愛知」づくりを進めてまいります。 今年も、「日本一元気な愛知」「すべての人が輝く愛知」の実現を目指し、県民の皆様に、笑顔で元気にお過ごしいただけるよう全力で取り組んでまいりますので、一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。 年頭あいさつ 岐阜県知事 古田 肇 あけましておめでとうございます。 皆様には、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。 昨年は、「人づくり」、「魅力づくり」、「安全・安心づくり」の3つを政策の柱にして取り組んでまいりました。 先ず、「人づくり」では、中小企業や農業者向けに「中小企業総合人材確保センター」、「ぎふアグリチャレンジ支援センター」など支援拠点を設け、人材確保・育成に努めてまいりました。 「魅力づくり」では、「清流長良川の鮎」など近年急増した世界遺産や関ケ原古戦場、中山道・山城跡などの歴史資源が豊富な「ひがしみの歴史街道」などを活用し、県内外からの観光誘客に取り組んでまいりました。 「安全・安心づくり」では、鳥インフルエンザなどの防疫体制の強化、「ぎふ清流福祉エリア」の拡充など福祉・教育の充実のほか、東海環状自動車道西回りなどの幹線ネットワークの整備も推進してまいりました。 こうした取組みを着実に進めるとともに、新たな課題にも対応していくため、本年は「清流の国ぎふ」づくりを一段と深化させてまいります。 特に、各産業では人手不足が深刻な課題となる中、建設業や建築業、林業分野でも人材確保・育成のための支援拠点を設けるほか、女性や外国人が活躍できる環境を整備するなど、あらゆる分野の「人づくり」を拡充してまいります。また、IoTの活用促進やそのための人材育成など第四次産業革命による生産性向上の取り組みも進めてまいります。 次に、東京オリンピック・パラリンピック開催をにらんだ「魅力づくりと海外戦略」も重視してまいります。昨年、東京オリ・パラ選手村に県産木材の提供が決まりましたが、さらには、6月に本県で開催する「アジアジュニア陸上競技選手権大会」を成功に導くとともに、東京オリ・パラへの県内農畜水産物の提供に向けたGAPの取得促進なども加速させてまいります。また、県産品の「岐阜ブランド」のPRや、3月に開館する「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」をはじめ、世界に誇る遺産、アニメ・映画・ドラマの舞台などを活用した国内外からの観光誘客に取り組むとともに、本県と深い関わりをもつスペイン、モロッコ、フランス、リトアニアなど各国との国際交流を一層深めてまいります。 一方、県民の皆様の安全・安心な暮らしを確保するため、医療と福祉の連携・充実をはじめ、子どもの貧困対策、障がいのある方の自立・社会参画を支援してまいります。また、新たな「防災情報通信システム」稼働による危機管理体制の強化を図るほか、東海環状自動車道西回り、リニア中央新幹線など広域交通の整備促進に努めてまいります。さらには、2020年に本県で開催する「全国健康福祉祭」を見据え、健康づくりにも一層力を入れてまいります。 今年一年の県民の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 年 頭 所 感 年頭所感 三重県知事 鈴木 英敬 新年あけましておめでとうございます。皆さんにおかれましては、清々しい新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。 昨年の本県経済は、緩やかに持ち直していると言われるものの、多くの企業において労働力不足が表面化した一年でした。このような労働力不足に対応するためには、生産性の向上や優秀な人材の確保、企業の競争力の強化にも資する働き方改革が重要であると考えています。 これまで、三重県では積極的に企業における働き方改革の取組を支援してきたところですが、支援を受けた企業が自発的に企業同士の情報交換会や経営者間の勉強会を開催するなど、民間主体の取組につながっており、全国からも注目を集めています。引き続き、働き方改革が県全体での取組となるよう広く展開していきます。 また、昨年は、日EU・EPAやTPPといった経済連携協定が大きく動き出した年でした。各企業にとっては、中長期の事業展開を考えるうえで大きな分岐点となる一年であったと思います。三重県では、「みえ国際展開に関する基本方針」に基づいて企業の海外展開を支援しており、昨年の9月にはカナダ、同年11月にはベトナム・タイを訪問し、販路開拓に関するトップセールスや県内企業の海外展開に向けたネットワーク強化を行いました。 三重県では、引き続き県内産業の維持・強化を図りつつ、県内企業の有する強みを後押しし、国内のみならずグローバルな経済活動を促進することで、地域経済の成長につなげていきたいと考えていますので、引き続きご支援・ご協力をお願い申し上げます。 最後になりましたが、本年が皆さんにとって幸多い年となりますことを心から祈念申し上げます。 新春を迎えて 長野県知事 阿部 守一 明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。また、日頃から県政にお寄せいただいております御支援、御協力に対し、心より感謝申し上げます。 今年は、信州にとって新たな時代に向けた節目の年となります。 2月には長野冬季オリンピック・パラリンピックから20周年を迎えることから、世界中に感動をもたらしたレガシーを継承するべく、開催市町村とともにさまざまな記念事業を実施します。さらに、今冬の平昌を皮切りに東京、北京と続くオリンピックムーブメントを東アジアから発信し、スポーツ交流やインバウンドの促進などを通じて本県の発展へとつなげてまいります。 4月からは、次期総合5か年計画がスタートします。急激な人口減少、第4次産業革命とも呼ばれる技術革新、人生100年時代の到来など私たちを取り巻く環境は加速度的に変化しています。こうした潮流を捉えつつ、多くの県民の皆様の夢を結集した計画とするために、幅広い県民の皆様との対話を重ねてきました。 基本目標は、「確かな暮らしが営まれる美しい信州〜学びと自治の力で拓く新時代〜」とし、「学びの県づくり」、「産業の生産性が高い県づくり」、「人をひきつける快適な県づくり」、「いのちを守り育む県づくり」、「誰にでも居場所と出番がある県づくり」、「自治の力みなぎる県づくり」の6つの政策推進の基本方針のもとに施策を展開していきたいと考えています。 平成26年9月に県民の負託を受けて2期目の県政に取り組み始めてから4年目の新年を迎えることとなりました。長野県知事として、207万県民の皆様と手を携え、人生100年時代における未来に向けた県づくりに挑戦できることに、大きな喜びと誇りを感じております。本年も「共感と対話」の県政を基本に据え、「しあわせ信州」の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。 結びに、皆様の御健康と御多幸をお祈り申し上げ新年の御挨拶といたします。 “世界に認められる 大都会 ナゴヤへ” 名古屋市長 河村 たかし あけましておめでとうございます。市民の皆様には、健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。 昨年、本市では日本初上陸となるレゴランド・ジャパンがオープンし、名古屋港エリアに大きな注目が集まりました。また、名古屋駅・ささしまエリアでは、高層ビルのJRゲートタワー、グローバルゲートが全面開業し、ささしまライブ24地区のまちびらき≠熏sわれるなど、リニア開業に向けた再開発も進みました。 昨年10月には、フランス・ランス市と姉妹都市提携を結び、6番目の姉妹友好都市が誕生しました。ランス市は、歴代国王の戴冠式が行われたノートルダム大聖堂など、幾つもの世界遺産を有する歴史と文化の街であります。今後、観光面での相互PRをはじめ、幅広い分野で交流を進めてまいります。 さて、日本を訪れる外国人旅行者が年々増加しており、昨年は2500万人を大幅に超えました。政府は「2030年に6000万人」との目標を掲げており、本市としてもより多くの旅行者に訪れていただけるよう、都市魅力の磨き上げが必要と考えます。 近世武家文化の象徴である名古屋城は、三英傑や配下武将にゆかりのあるナゴヤにとって観光の核となる存在です。昨年、天守閣が本物木造復元に向けて歩みはじめ、本年6月には本丸御殿の完成公開を予定しております。私としては、将来、名古屋城がノートルダム大聖堂と並ぶ世界遺産となれるよう、全体の整備を進めてまいりたいと考えております。 一方、本市を訪れる旅行者に「来てよかった」「また来たい」と思っていただくためには、「食」の満足度を高めることも重要です。本年3月には、名古屋城エリアに「金シャチ横丁」が開業予定であり、近年内外から注目を集め、ナゴヤのおもてなしには欠かせない「なごやめし」などもお楽しみいただけます。この魅力ある食文化を市内の至るところで体感していただけるよう、本市としてもさらなる盛り上げを図ってまいります。 今後は、東京オリンピック、アジア競技大会、リニア開業など、ビッグプロジェクトが目白押しです。これらをナゴヤの発展に確実につなげるためにも、産業競争力の強化や福祉の充実、子どもと親を日本一応援する施策など、様々な分野で積極的な投資を行うことが重要であります。そして、その魅力を全世界に強力に発信し続け、世界中から人や企業が集まる「世界に認められる大都会」に向けて取り組んでまいる所存です。ゆくゆくはロンドン、ニューヨーク、パリと並び称されるナゴヤとなれるよう、チャレンジしてまいります。 本年が皆様にとりまして、素晴らしい飛躍の年となりますことを、心からお祈り申し上げます。 年 頭 所 感 東海3県で初となる 連携中枢都市圏の形成を目指す 岐阜市長 細江 茂光 謹んで新年のご祝辞を申し上げます。 皆様方には、清々しい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。 昨年は、官民一体となり「岐阜市信長公450プロジェクト」を推進し、国内外に「信長公ゆかりのまち・岐阜市」の魅力を発信してまいりました。様々なイベントが好評を博し大変うれしく感じております。 また、ぎふ長良川鵜飼につきましても、同プロジェクトとの相乗効果とともに、公式ホームページの多言語化などにより外国人客が増加したこともあり、8年ぶりに観覧船乗船客数が11万人を突破しました。 今後とも地域固有の宝であるぎふ長良川鵜飼、信長公を存分に活用し、国内外から益々多くのお客様をお迎えできるよう魅力の発信に努めてまいりたいと存じます。 さて、我が国では急激な人口減少・高齢化を迎えており、国全体の活力低下や経済規模の縮小などから、基礎自治体を取り巻く環境は厳しくなるばかりです。 こうした中、本市は東海3県で初となる連携中枢都市圏の形成を、山県市・瑞穂市・本巣市・岐南町・笠松町・北方町の3市3町とともに目指しております。昨年6月の連携中枢都市宣言に続き、11月には各市町とそれぞれ連携協約を締結し、今後、岐阜連携都市圏ビジョンを策定していきます。各市町の個性を生かしながら、行政サービスの向上を図り、未来に向けて活力を生み出していくことのできる連携都市圏の形成に取り組んでまいります。 岐阜市では、平成30年度の重点政策の基本方針を「貫く底流〜前例なき時代への通奏低音〜」としました。これまで、弛まぬ行財政改革で培った財政基盤をもとに、人への投資をはじめとする各種施策に取り組んでまいりました。第4次産業革命や人生100年時代など前例なき時代を迎えようとしておりますが、不易流行≠フ言葉のとおり、時代の要請に応じながらも底流をなす政策や方針をぶれることなく貫き、本市の発展に努めてまいります。 本年も皆様方のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 中小企業に対する IT化の相談指導を強化 名古屋商工会議所会 頭 山本 亜土 明けましておめでとうございます。 会員の皆様には、平成30年の新春をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。 さて、我が国経済は昨年から緩やかな回復基調が続いており、中でも当地経済は、海外需要に支えられて設備投資にも前向きの動きが目立つなど他地域に比べても堅調です。ただ、各産業において引き続き人手不足が深刻で、中小・小規模企業では景気回復の実感が未だ浸透しているとは言えない状況です。 海外に目を向けますと、経済面では、中国や米国の今後の動向等に懸念はあるものの、総じて回復の傾向にあります。通商貿易については、米政権の保護主義的な動きがある中で、昨年11月には米国が抜けた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)につき、残る11カ国が改定案で大筋合意し、12月には日本とEUとの経済連携協定(EPA)交渉が妥結されるなど前向きの取り組みもあって、自由貿易堅持に向けた努力が今後更に進むことを期待します。他方、政治面では、北朝鮮問題、EU諸国の政治混乱、中東情勢、そして各地での度重なるテロ事件など、様々な波乱要因を抱えており、このようなリスクが顕在化することがないよう祈っております。 ○大きな潮流変化を見据えて、新たな発展へ このように、現況において当地経済は比較的堅調であると申せます。一方、中長期的にみれば、ATやIoT、ビッグデータ等によるデジタル革命(デジタルトランスフォーメーション)などの変動が、企業活動のあり方を大きく変えつつあります。当地主力の自動車産業も、今後EV化の動きに加えて、自動走行やコネクティッドカー等による大きな変化が予想されます。当地の産業全体としても、このような100年に一度と言われる大変化を念頭に、新たな成長に向けた挑戦を加速しなければなりません。 また、2027年にはリニア中央新幹線の先行開業を予定しており、堅調な経済の現況も相俟って、駅周辺で商業施設やホテルの建設・開業が相次ぎ、栄・伏見地区でも大規模な開発計画が進むなど、名古屋の街は大きく姿を変えつつあります。 この新規投資への大きな動きを捉えて、リニア開通後に関東圏との一体化の中で埋没・吸収されるリスクを乗り越え、飛躍へのチャンスとするため、今後10年の間に、我々の街ナゴヤにしかない個性・魅力を創り上げていかなければなりません。そのために、街づくりと、これと一体で、商業・サービス業や観光・誘客・MICEなどの発展を進める包括的な戦略づくりが必要ではないかと思います。 ○地域とともに 以上の認識に立って、名古屋商工会議所は「中小企業支援」「次世代産業の振興」「都市力の増進」を3本柱として、本年も全力を挙げて取り組んで参ります。 第一の「中小企業支援」については、70名の経営指導員が年間2万5000件の巡回指導や窓口相談の中で、資金調達、事業計画策定、販路開拓や人材育成など、中小・小規模事業者に寄り添ったきめ細やかな「伴走型支援」を行なっております。 今後は、特に、デジタル革命の急速な進行に資金、人材等の制約で遅れがちな中小企業に対してIT化の相談指導を強化していきます。IT導入によるメリットや可能性を伝え気付きを促すため、セミナー等を大幅に増やすとともに、人材育成支援も拡充します。 また、我が国の中小企業事業者数は、この5年間で40万者減少しており、経営者の高齢化が進む中で、今後10年の間に「大事業承継時代」を迎えます。これに対し、本所としても、円滑な事業承継への環境整備と個別支援のための諸施策を更に充実させて参ります。 ○躍動し、愛されるナゴヤへ 第二の「次世代産業の振興」では、航空宇宙や医療機器など、自動車産業に次ぐ新たな産業の振興のため、更なる取り組みを進めます。 航空宇宙関連製造業は、当地域で我が国全体の約半分を生産するなど、既に国内最大の集積地になっております。しかし、米国シアトル地域や仏トゥールーズ地域などとの差は未だ大きく、今後当地域が世界的な航空宇宙産業クラスターへと発展するために、大手メーカーの更なる発展とともに、サプライヤー製造業の厚みと拡がりを増す取り組みが重要です。本所としては、昨年の第2回エアロマート名古屋の大成功を踏まえ、来年に予定している第3回の開催準備を鋭意進めるとともに、部品加工トライアルなど、多彩な事業を進めます。 また、医療機器については、メディカルメッセの開催準備等の取り組みを行なうほか、ロボット産業の振興にも努力を続けます。 最後に、「都市力の増進」です。当地はモノづくりの世界的集積地であり、「稼ぐ力」を持った地域です。当地が今後も発展を続けるために、インフラ整備は必要不可欠です。 リニア中央新幹線の効果を最大化し、地域全体にあまねく行き渡らせるため、中部国際空港の二本目滑走路の早期整備、名古屋港整備の着実な推進、名古屋環状二号線や西知多道路等広域幹線道路の整備促進に、引き続き積極的に取り組んで参ります。 更に、リニア開通までの10年間に、ナゴヤが「躍動し、愛されるナゴヤ」として、全国や世界に注目されるような都市になっていくため、行政等と一体となった包括的な戦略づくりと実行策の推進が必要と考えます。昨年夏以来、「躍動し愛されるナゴヤ研究会」を設置して検討を続けており、本年半ばまでには取りまとめを行なって、これに基づいた具体策を進めていきたいと思います。 以上の3本柱の下で、本所としては、本年も全力を挙げて地域と産業の発展のために取り組んでまいる所存です。 会員の皆様におかれては、本年も何卒、本所の活動にご理解とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げて、新年の挨拶とさせていただきます。 連携深め積極的な活動を展開 (一社)日本工作機器工業会 会 長 寺町 彰博 あけましておめでとうございます。 年頭に際し、所見を述べさせていただきます。 昨年の世界経済は、欧米をはじめとする先進国は引続き好調に推移し、中国においては政府による経済対策の効果が見られ、総じて拡大基調で推移しました。一方で、ポピュリズムや保護主義の流れ、及びシリア情勢の悪化や北朝鮮の核開発問題などの地政学リスクの高まりにより、先行きに対する不透明感が高まりました。 日本に目を向けますと、海外経済の回復などを背景として輸出や生産が好調に推移する中、経済は緩やかに回復しました。さらに、世界的な好景気と好調な企業業績を背景に、日経平均株価がバブル経済崩壊後の戻り高値を更新し、約26年ぶりの高水準となるなど、今後の持続的な成長へと弾みがついた1年となりました。 世界経済の先行きに対する不透明感が高まる中、AT、IoTなどの高度情報技術による繋がりやロボットを活用した仕組みが進展し、私たちのビジネスチャンスは広がっています。一方で、それらのテクノロジーを武器に新市場を創り出すIT企業が世界の株式時価総額の上位を占め、その一角が既存の小売業を席巻し、業態自体に急激な変化を迫るなど、私たちを取り巻く環境は凄まじいスピードで変化しています。しかしながら、日本の製品やサービスは品質や信頼が高い分、それらを世に出すまでの時間がかかり過ぎるため、ややもすると、変化を起こすどころか、その波に乗り遅れる可能性すらあるかもしれません。 したがって日本の製造業に求められることは、変化に怯むことなく、私たちの「強み」である高付加価値な製品力に新しい技術や仕組みを積極的に取り入れることにより、ダイナミックなイノベーションを大胆なスピードをもって成し遂げることと考えます。 これらを実現できれば、必ずや私たちはグローバル競争の中で打ち勝ち、世界の製造業を引き続き牽引していくことができるものと考えております。 従いまして、当工業会といたしましても、会員の皆様と強い信念を共有するとともに、これまで以上に連携を深め、日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。 最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。 年 頭 所 感 年頭の辞 愛知県中小企業団体中央会会長 長谷川 正己 新年あけましておめでとうございます。 会員の皆様には、輝かしい新春をお迎えになられましたことと、心よりお慶び申し上げます。 平素は、本会の事業推進につきまして、多大なご支援・ご協力をいただき深く感謝申し上げます。 顧みますと、昨年の我が国経済は、米国新政権の政策により景気の減速が懸念されましたが、政府による経済対策の効果もあって、個人消費や設備投資の持ち直し、雇用や所得環境での改善等が見られ、景気は緩やかな回復基調が続きました。 しかしながら幅広く景気回復を実感するには至っておらず、とりわけ中小企業におきましては、人手不足の深刻化や働き方改革への対応などによる労務コストの上昇に加え、海外経済の不確実性、東アジア情勢の緊迫化など、先行き不透明な状況が続きました。 こうした厳しい経済環境の中にあって、中小企業が時代の変化に的確に対応し、新たな発展を遂げていくためには、個々の事業者が自ら経営革新を図り、環境変化に即応できるような経営体質を作り上げていくことが何より肝要でありますが、同時に個々では解決できない諸問題に対しましては、中小企業組合をはじめとする連携組織の下に力を結集し、組合員相互の連携を今まで以上に強化して、積極果敢に対応していくことが必要であります。 本会といたしましては、経営力の向上、強化を図る意欲ある中小企業への支援や円滑な事業承継の促進をはじめとして中小企業と組合の皆様の一助となれるよう積極的な事業推進を図り、中小企業の支援機関としての役割が果たせるよう、決意を新たにしているところでございます。 会員の皆様におかれましても、新しい年を迎え決意を新たに、団結を更に強固にされ、中小企業の振興のために邁進されますことをご期待申し上げますとともに、ご繁栄とご健勝を心よりご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶と致します。 希望にあふれた飛躍の1年に 三重県中小企業団体中央会会長 佐久間 裕之 新年あけましておめでとうございます。 名古屋機工新聞読者の中小企業の皆様方におかれましては、お健やかに新年をお迎えになられたことと心よりお慶び申しあげます。 さて、政府による経済政策の効果により長期化しているデフレ経済からの脱却の兆しが見られ、わが国経済は、緩やかな景気回復基調にあると言われていますが、中小企業・小規模事業者については、改善の度合いが小さく、また、金融資本市場の変動など世界経済のリスクによる影響のほか、人手不足の深刻化とそれに伴う人件費等の高騰などの課題に直面し、収益状況の改善が進まず、加えて経営者の高齢化や技術革新、グローバル化への対応など先行き不透明感が依然として続いています。 このような環境の中にあって、地域経済を担い、雇用と暮らしを支える中小企業が、経済の好循環の実現に寄与するためには、自らの事業環境の変化に対応し、生産性を向上させ、収益力を強化することが重要であり、そのために、多様な経営資源を相互に補完する組合等中小企業連携組織を活用し、諸課題の解決に果敢に挑戦するなど従来にも増して自助努力を行うことが求められております。 中央会におきましては、中小企業連携組織の専門支援機関としての役割を最大限に発揮しながら、懸命の努力を続けている中小企業が経営力を強化し、組合等の連携組織が持っている企業同士の「つながる力」を大いに発揮できるよう、ものづくり、IT利活用、人材育成などをはじめとする積極的かつ多面的な支援により、中小企業、中小企業組合の持続的な成長に寄与すべく、新たな時代に即した事業を積極的かつ意欲的に展開するとともに、組合等を通じた中小企業・小規模事業者の振興を推進し三重県経済の活性化に全力で取り組んでまいりますので、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。 本年が皆様方にとって、明るく希望に満ちあふれた素晴らしい飛躍の1年となりますとともに、皆様方のご繁栄とご健勝を心より祈念申しあげまして、新年のあいさつといたします。 年頭所感 岐阜商工会議所会頭 村瀬 幸雄 皆様には、平成30年の新春を健やかにお迎えのことと心よりお祝い申し上げます。 昨年のわが国経済は、米国における保護主義の台頭や中国の海洋進出、北朝鮮の核開発問題など多くの不安要素を抱えながらも、政府による成長戦略や堅調な大手企業の業績を背景に景気拡大し、11月には日経平均株価が約26年ぶりの高値を更新するなど、景況は概ね良好でありました。 一方、物流業界を中心に人手不足が深刻化するなど、わが国の構造問題である少子高齢化にいよいよ正面から向き合わなければならなくなりました。 岐阜県経済については、国内外の活発な設備投資や輸送機械などの生産持ち直しの動きにより、製造業を中心に回復基調となり、有効求人倍率は全国の中でも高い水準となりました。また、雇用・所得環境の改善により、個人消費についても改善傾向にあり、総じて緩やかな回復傾向にあるものと言えます。 本年につきましては、米国との貿易問題や日本の品質主義を脅かす大手メーカーの不正問題など課題はあるものの、雇用や所得の改善による個人消費の増加や、AI・IoTなどによる世界的なイノベーションの発展に伴う市場拡大が見込まれ、全体では引き続き回復基調を維持するものと予測されます。 こうしたなか、昨年6月に「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」が閣議決定され、地方創生は新たな段階に移行しました。今後は、付加価値の高い地域産業の育成や東京一極集中の是正など、地方経済に好循環をもたらす取り組みが一層加速していくものと思われます。 岐阜商工会議所は、地域の経済団体として、地域経済の活性化を図るため、諸事業の推進に邁進していく所存であります。 とりわけ、人口減少が避けられない当地域にとっては、地方創生は第一に取り組むべき課題であります。地域の経済・社会機能を維持・向上させるには、生産性の向上や、地域間連携による補完・相乗効果の発揮が必要不可欠であり、そのどちらにとっても、道路網の整備は必須の課題であります。 道路網の整備効果は、時間短縮や定時制の確保による物流の効率化は言うまでもなく、ヒト・モノの交流を加速させ、地域間連携を促す効果があり、道路網整備は地方創生の要であります。 なかでも、岐阜県内道路網の骨格となる東海環状自動車道、岐阜南部横断ハイウェイ、また、一大経済圏である名古屋市との連携関係をさらに深める名岐道路については、地方創生にかかせないものとして、その整備促進に向けてより一層尽力してまいる所存です。 また、長年の課題でありました岐阜商工会議所会館の耐震化工事につきましては、議員の皆様をはじめ、多くの方からの物心両面にわたるご協力・ご支援により、昨年10月25日に、耐震リニューアル工事が完成し無事ご披露することができました。今後は、新しくなった岐阜商工会議所会館を拠点として、岐阜のまちづくりや創業者支援に役立つ取り組みをしていきたいと思います。 ガラス張りで開放的なつくりとした一階セミナールームでは、創業支援に関するセミナーを開催。また、岐阜あげての大きなイベントの大半は、長良橋通りで展開されることに鑑み、イベントに花を添えるような催しも企画してまいります。 そして、毎年恒例となってまいりました「鮎菓子たべよー博」については、本年はこの新しくなった会館で執り行います。 本年の「鮎菓子たべよー博」は、岐阜ブランドを盛り上げる「鮎菓子プロジェクト」の旗艦事業として、これまでにも増して、菓子事業者の意欲や創意工夫を引出し、その熱意を県内外へアピールする場としての意味を強くしていくため、事業者の皆様との連携を深め、「岐阜といえば鮎菓子。鮎菓子といえば岐阜」と全国から認識してもらえるよう、引き続き取り組んで参ります。 一方、団塊世代の経営者が大量引退期を迎える「大事業承継時代」の到来が危惧されておりますが、中小企業には後継者不足に悩む企業が多く、後継者不在により廃業に追い込まれる企業も少なくありません。地方経済の中核を担う中小企業の減少は地域の活力低下に直結しており、当所としては、事業引継支援センター等を通じ、平成30年度税制改正に盛り込まれた事業承継税制を追い風に、中小企業の事業承継を支援してまいります。 最後になりますが、皆様方の本年一年のご健勝とご繁栄を祈念いたしますとともに、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。 年 頭 所 感 モノづくりに歓びと誇りを再び (一財)機械振興協会会長 釡 和明 新年明けましておめでとうございます。 皆様におかれましては、健やかな年末年始となりましたことと心よりお慶び申し上げます。 さて、わが国のモノづくり産業は、本格的なIoT時代を迎え大きな転換期にあります。誰でもどこからでも様々な情報にアクセス可能な情報環境の進展はモノづくり産業の姿を変えようとしています。日に日に進化するAI(人工知能)の性能には目を見張るものがあります。また、東京オリンピック・パラリンピックを2年後にひかえ、人やモノの移動、いわゆる次世代モビリティという言葉も注目され始めています。 一方で、昨年後半から相次いだ名立たるモノづくり企業による「品質管理問題」はIoT、AI、次世代モビリティといった華々しいイノベーションとは裏腹にわが国のモノづくり産業にとって大きな危機感を抱かせる出来事となっています。 日本はモノづくり大国≠ニ言われ続けて来ましたが、では、モノづくりは誰が行うのでしょうか。それはAIでもロボットでもありません。それは我々人間の成せる技です。「品質管理問題」が深刻なのは、それが単に企業倫理の低下だけで済まされる問題ではなく、その根底にある“モノづくり大国日本”に潜む構造的危機を感じさせるからです。 “モノづくり大国”と言われながら日本の若者のモノづくり離れは続いています。政府は成長戦略と対になる政策として働き方改革を提唱していますが、モノづくりの現場では若い担い手の不足が慢性化しています。働き方改革は、当然のことながらモノづくり産業にとって大きな課題ですが、同時にそれは若者を製造現場に引き寄せる大きなチャンスでもあります。そうした中で発生している「品質管理問題」はモノづくり企業に対する信頼を損ねる深刻な問題です。今、日本のモノづくり企業が忘れているのは、モノは人がつくる、人は企業がつくるといった基本なのではないでしょうか。働き方改革の真の目的は何か?と問われれば、それは働くことの歓びと誇りを取り戻すことではないでしょうか。私たちはモノづくりに歓びと誇りを再び取り戻さなくてはなりません。歓びと誇りのあるところに優秀な若者は集います。疾風怒涛(Sturm und Drang)の世界情勢の直中にあって、日本企業はモノづくりに対する歓びと誇りをもう一度しっかりと抱き、そして噛締め、まさに「風に立つライオン」の如く毅然とした態度で本当に良い製品をこれからも世界に発信していかなくてはなりません。 機械振興協会は、今年もそうした皆様のお役に立てるように様々なサービスを技術研究所と経済研究所のノウハウを活かしながら提供・提案してまいりますので、引き続き、ご指導、ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。 グローバル時代における 「日本人のものづくり」を支援 日本工作機械輸入協会会長 中川 貴夫 2018年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は当協会の事業活動にご支援ご協力を賜りまして、誠にありがとうございました。 輸入工作機械は日本の近代化や工業化の基盤を成すものであり、当協会はその発展と推進において貢献してまいりました。今後も、グローバル時代における「日本人のものづくり」を支えるため、一層の努力をしていく所存です。 昨年2017年の工作機械の輸入通関実績は、約880億円(予想)となり、一昨年2016年の930億円から約5%減となりました。本邦通関ベースの数字であるため、三国間貿易の場合はカウントされません。業界各社の好業績からみて、三国間貿易分が増加したものかと推察しております。 昨年9月にドイツ・ハノーバーで開催されたEMO2017は、約13万人の来場者を数えましたが、当協会からも42名からなる視察団を組み、大変有意義なミッションとなりました。 さて、今年は11月1日から6日にかけて6日間、JIMTOFが開催されます。当協会会員企業様におきましては、世界の超一流の技術・製品を出展され、社業ひいては業界の益々の活性化に導かれることが期待されるところです。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、カウントダウンが始まりました。当協会でも、それに向け、ものづくりを通じて日本経済をしっかりと支えていく所存です。 最後に、皆様にとりまして、本年が最良の年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。 年頭挨拶 日本精密測定機器工業会会長 中川 徹 明けましておめでとうございます。 皆様には平素より日本精密測定機器工業会各社の製品をご愛顧賜り、また当工業会の活動に深いご理解、ご協力賜っておりますこと、この場をお借りして心より厚く御礼申し上げます。 さて、昨年の我々製造業を巡る景況は、中国政府の半導体産業育成の方針や、スマホ、車載、そしてサーバー等関連の需要増に伴い半導体業界が飛躍し、その関連で、工作機械はじめ多くの産業が活況を呈しました。地域的にも、中国は、成長率を少しずつ切り下げてはいますが、引き続き拡大基調であり、東南アジアも輸出の回復により一時の低迷期を脱しつつあります。欧州では、例えばドイツは2009年1月以降約9年に亘り景気回復局面が続いていますし、昨年は、スペイン、フランスなども底堅い成長を示しました。アメリカもトランプ大統領の諸々の過激な発言は兎も角、経済に関しては、原油価格の上昇も手伝って堅調に推移しています。翻って日本ですが、回復の実感が、十分感じられないとの声も聞かれますが、外需に加え、内需もある程度バランスの取れた形で、回復して来ています。要するに世界的にまずまず以上の状況であり、結果、例えば、日本工作機械工業会は年間受注予想を1兆5千5百億円に上方修正されています。 そうした環境下、お陰様で、日本精密測定機器工業会各社も、受注中心に景況の回復をみていますが、生産がまだ必ずしも追随していないこともあり、2017年の出荷額で申せば、前年比プラスは確保するものの、昨年年初に予想した、1020億円(一昨年比約7%増)からは、若干下振れる結果に終わるのではないかと予想しています。 一方、今年に関しては、中東、東アジア等における地政学的リスク他、所謂イベントリスクが起こる可能性は否定できないものの、足元の景況が、早期に一転して悪化することはあまりないものとみられ、私ども製造業には、悪くない環境と言えるのではないかと思っています。精密測定機器業界に関しては、新興国も含め、製造業の人手不足、熟練技能者の不足が顕在化しつつあり、生産性の向上、自働化が叫ばれる中、また、色々な意味で品質問題に注目が集まる中、我々の業界が、課題解決に貢献できる面も多いのではないかと自負しているところです。その意味で、私ども、日本精密測定機器工業会も今年は、昨年を相当上回る結果を残したいと年初にあたり期しているところです。 偶さか今年の干支は、戊戌(つちのえいぬ)で、戊も戌も変わり目を意味するようです。Industrie4・0、IoTの具体的な方向性も少しずつ見え始めて来ており、このパラダイムシフトの流れを捉え、自らを磨き、対応し、変わって行かなければと念じています。 皆様の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様の益々のご発展を祈念し、年頭の挨拶とさせて頂きます。 アットホームで会員相互の 親密度の高い工業会 日本精密機械工業会会長 稲葉 弘幸 平成30年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。 旧年中は当工業会の活動に格別のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。 さて、当工業会は昨年「創立60周年」を迎えました。 「超精密へのあくなき挑戦」を共通のテーマに掲げ、切削・非切削型加工機や周辺装置、工具メーカー、ソフトウエア・サービス会社など様々な企業にご参加頂き、現在では正会員42社、賛助会員62社、個人会員2名様と、106の企業、個人様にご参加頂いております。 1957年に小型工作機械協会設立の声明書を発表、「会員相互の親睦」を重んじ、情報交換はもちろん、仕事を協力し合うことも多々あり、会員同士の密な連携は屈指であると自負しております。 この密な関係は当工業会の伝統であり、最大の魅力であると思います。 これからは経営者同士だけでなく、社員同士にも広げていきたいと考えております。 技術委員会では提案力の向上を図りながら、お互いを知るためとして若手技術者を対象とした「プレゼン‥わが社の誇りと新商品紹介」と題した研修会を、販売委員会では新人社員を対象とした「マナー研修会」を実施しております。 また、日本国内で「モノづくり」をしている集団として、「日本製」を更にアピールする思いから「JAPAN MADE」認証制度を設立しております。 主要部品の70%以上を日本製とする機械を高品質製品と認定し、海外販売の促進を狙っております。 更に、今年の11月に開催されるJIMTOF2018でも、「日本人の匠技・モノづくりコンテスト」を企画しております。 是非、今回のコンテストにも奮ってご参加頂きたいと思います。 今後も「超精密へのあくなき挑戦」を旗印に、工業立国である日本の技術力を示し続けていく所存です。 「アットホームで会員相互の親密度の高い工業会」として、「日本のモノづくり」に貢献出来るよう努めてまいりますので、引き続きお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。 最後に、関係各位のご支援、ご協力をお願い申し上げますと共に、皆様にとって最良の年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。 年 頭 所 感 夢の実現に向けて 日本光学測定機工業会会長 浜田 智秀 明けましておめでとうございます。平素より関係者の皆様には日本光学測定機工業会の活動に、ご理解とご支援を賜り、心よりお礼申し上げます。 毎年大きな出来事が起こる中、私ども産業界におきましても昨年は多くの事件が生じました。 そのなかでも製品の品質データ改ざん、無資格での検査など、メイド・イン・ジャパンを根底から大きく揺るがすような不正が発覚しました。 一方、ガソリンエンジン車からEV車へシフトすることを自動車メーカが宣言するなど大きな変化も加速し、VRやAR、そしてAIを搭載したロボットや自動運転などは、まさに小さいころSF小説に登場していた夢物語がどんどんと実用化されてきています。 近年ではIoTも身近となり、新たな夢の実現に向け、それらを支える電子機器の需要は今後ますます増える方向へと進んできています。 日本光学測定機工業会におきましては、昨年9月に開催した測定計測機展での入場者は過去最高となる盛況であったことから判断すれば、景気回復が実感できることとなっただけでなく、この展示会が過去の夢物語を実現するための場になっている証だとも考えております。 また、たびたび引き起こされている品質問題により、検査工程及び出荷・受入れにおける品質保証の重要性が再認識された側面もあると感じています。 これまでの検査・測定での品質保証はどちらかというと歩留り向上やコストダウンといった狭義での視点が強かったのではないかと考えており、昨今の検査や品質の不祥事は、その製品評価を単に下げるだけでなく、企業価値そのものを大きく毀損させるリスクがあることを強く意識しておく必要があります。 当工業会では、見えないものを見えるようにし、定性的なものを定量化できるよう活動を続けており、光学測定機が得意とする可視光領域だけでなく、近赤外、更にはX線などの不可視光を使用することによって測定での見える化を具現し、高速かつ大量な計測データにより、これまで見逃していた現象・事象の把握、評価方法の確立を進めております。 これらの検査・測定・計測分野を益々進化させることによって、新たな技術開発に貢献し更なる夢を実現し、検査・測定・計測の自動化、省力化を一層推し進め、人間の恣意やバラツキ、不確かさが入る余地のない品質保証、信頼性、安心、安全を実現する世界へ向けて今後も新たな提案をすることで、過去には出来なかった夢物語を一つ一つ実現して行く礎になっていきたいと考えております。 今回は夢について話をさせていただきましたが、お正月だということでお許しいただけますと幸いです。これまで以上に関係各位の皆様との連携を深化させ、ものづくり、ことづくりへの発展へ寄与できるよう本年も取り組んでいくことをお約束して、年頭のあいさつとさせていただきます。 平穏な1年を願う (一社)日本フルードパワー工業会会長 永久 秀治 新年明けましておめでとうございます。 平成30年の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。 お正月はふと目にした風景に静寂と美しさを感じる瞬間があります。初詣に地元の小さな神社へ向かう小路や交通量が少ない都会の街路に静謐な空気が流れ、日本の平和を感じる瞬間です。本年も平穏な年であることを願って止みません。 さて、昨年を振り返りますと、フルードパワー業界を取り巻く景況はまだら模様ながら、概ね良好のうちに推移いたしました。企業部門では生産の増加基調が続き、輸出は底堅く推移、また、企業収益が改善する中、設備投資も持ち直しに向かいました。株価は世界的に堅調に推移し、東証株価もバブル崩壊後の高値を更新するなど明るさを増しています。企業業績も9月の中間決算では製造業を中心に増益基調が確認されました。こうした中、当工業会では下期に入り、昨年4月に発表した需要予測の見直しを行いました。油圧機器では中国の建設機械需要がまだしばらく底堅い動きをすると判断し、前年比、前期比ともに約15%プラス、空気圧機器も外需を中心に工場自動化が更に強く伸びるとの判断のもと、前年比、前期比とも25%プラスを見込み、全体では今年度は8500億円近くに達するとの上方修正をいたしました。 昨年の突然の衆議院解散の結果は引き続き与党多数の政権となり、政策の安定的な運営が期待されます。自民党の公約の中に、最先端のイノベーションによる「生産性改革」とあらゆる人にチャンスをつくる「人づくり改革」というのがあります。大胆な税制、予算、規制改革などを通じて、企業収益を設備投資や人材投資へ振り向けるというものです。大いに期待したいものです。一方で、少子高齢化による若手人材の不足が深刻です。当工業会では、昨年、高齢者活用指針を取りまとめました。シニアの方々、女性の方々にもより活躍していただける業界にしていくことが我々の更なる発展に資するものと考えております。 今年を展望すると、米国や中国を中心に海外経済の堅調が見込まれる中、輸出は増加基調が続くことが期待されます。また、国内需要も人手不足が続くもとでの雇用環境の改善、旺盛な建設需要などを背景に底堅く推移すると見込まれており、総体としては底堅い内外需を背景に緩やかな回復基調が続く見通しです。一方で、止まることのない経済のグローバル化により事業を取り巻く環境は複雑さを増し、各地での新たなナショナリズムの台頭や地政学的リスクの発生は不確実性をますます高めています。また、ビジネスにおいては、IoT、AI、自動運転などの技術のさらなる発展が、産業構造を大きく変化させる起爆剤になる可能性があり、そこには新たな事業機会、収益機会が生まれてくると言われています。経営者にとってリスクに対応するための俯瞰的な視点と、変化を恐れないチャレンジ精神が一層、求められていると考えています。 最後になりましたが、フルードパワー工業会と皆様方の会社の益々の清栄と発展を祈念し、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。 謹んで新春のご祝詞を申し上げます 年 頭 所 感 営業マンのレベルアップ教育を強化 日本工作機械販売協会会長 冨田 薫 皆様 新年明けましておめでとう御座います。 健やかに新春を迎えられた事と、謹んでお慶び申し上げます。 旧年中は当協会に対し一方ならぬご厚情と温かいご支援を賜り有難う御座いました。あらためて御礼申し上げますと共に本年も引き続き宜しくお願い申し上げます。 昨年を振り返ってみますと10月に衆議院選挙があり、自民党が圧勝し安倍政権が再任されました。それを株式市場は好感をもって受け入れ、日経株価はうなぎ昇りに上昇しました。 工作機械受注も日工会の上方修正された受注予測1兆5500億円を、内需も6000億円を上回ったと思われます。 今年の工作機械受注は昨年同等が期待されます。 ここでメカトロテック2017展(名古屋)と東京モーターショウ2017を見学して感じた事を述べます。 メカトロテック展では、やはりIoT関連の展示が多く見受けられました。これからは、インターネット経由で機械等の稼働データーを取り、解析し稼働率向上、状況診断、機械故障の予防等に生かす方向です。 東京モーターショウでは自動運転コンセプトカーが展示されており(レベル4を目指している)、システムが運転してくれる訳ですが、センサー、カメラ等で周りの状況を確認しながら、更にインターネット経由で継続的に道路状況情報を入手し目的地に到着する。 両展示会のキーワードはコネクティビティ(インターネット)であり、今後インターネットとの付き合いがより重要になります。 自動車業界の将来について、新聞等及び業界情報(日工販主催自動車勉強会)により次のキーワードに注力して、自分なりの戦略を立てる事が大切であるらしい。 ●ガソリン車エンジンの省燃費化、CO 2 削減 ●EV、プラグインHEV、FCV(燃料電池車) ●自動運転 ●カーシェアリング 最後に日工販の役割についてですが、まず第1に営業マンレベルアップ教育の強化です。ユーザーの技術的要望を解決出来るプロの営業マンが必要であり、日工販としては、各種教育セミナーを提供して、営業マンのレベルアップに協力して行きたいと思います。営業マンとユーザー技術部、購買部との心の通った対応が重要になります。 第2に各種情報の提供です。補助金、税制改正、PL保険等の情報を会員各社には迅速且つ的確に提供し更に工作機械の重要市場である自動車、航空機、他産業の将来について専門家に依頼して勉強会を開催します。 第3にメーカー各社との情報交換及び人脈作りです。メーカーのご協力を得て新製品勉強会、工場見学会、またメーカー営業マンと会員各社との交流を積極的に実施し、より一層連携を深めて行くことを目的として取り進めたいと思います。 上記の内容をひとつ、ひとつ実行してゆく所存ですので、本年も引き続きご支援を宜しくお願い申し上げます。 最後となりますが、皆様の益々のご多幸とご健勝を祈念申し上げて、私の年頭のご挨拶とさせて戴きます。 環境対応車両、自動運転等 金型技術は大きな役割 (一社)日本金型工業会会長 牧野 俊清 平成30年の新春を迎えるにあたり、謹んで会員の皆様、関連官公庁、関連業界の皆様にお慶び申し上げます。 日本の金型業界はリーマンショックによる世界同時不況の影響により大打撃を受けましたが、2010年の底から自動車用を中心に少しずつですが回復を続けています。しかしながら、ショック前のピーク2007年と比較して64%から87%に戻したところで、さらなる回復を期待します。 一昨年、米国の大統領にトランプ氏が選任され、保護主義等で世界経済に悪影響がないか懸念されました。また、昨年は、中国では習近平第2期指導部が発足し体制が強化され、韓国は文在寅大統領、フランスはマクロン大統領が就任しました。一方、北朝鮮は核実験・ミサイル発射を続け、世界・日本に脅威を与え続けています。 その中で株式市場を見ると、昨年年初と12月初旬で比較して、ダウ平均は初めて2万4000ドルの大台を突破し1万9763↓2万4232ドル(123%)、日経平均1万9114↓2万2819円(119%)、上海総合3104↓3318元(107%)、韓国総合2026↓2475ウォン(123%)といずれも活況を呈しています。 昨年は、国内車両生産台数が回復したこともあり、我々の需要業界である素形材産業の景況が、前年比102%〜110%といずれも好調でした。また、中国の日本からの工作機械輸入は2015年3月301億円でしたが、中国経済の悪化で2016年3月136億円となりました。2017年3月は367億円となっています。中国経済が好転していると思われます。株価は景気の先行指標とも言われており、本年は日本経済が良くなる期待が大であります。 平成30年の干支は「戊戌(つちのえいぬ)」で、60年に一度巡ってきます。昨年の「酉」は、果実が極限まで熟した状態とのことで、「戌」は収穫するという意味もあるそうです。 良いこと、悪いことがあるが、草木が再生するために地に還るように、不要なものは切り捨てることで新たなチャンスが得られ、何を取って何を捨てるかを明確に定めるのが大事だと干支の解説にはありました。 昨年は、金型工業会にとって記念すべき年でした。11月に創立60周年記念式典を行い、「金型マスター認定制度」をスタートさせました。また、一時的に脱会していたISTMA(国際金型協会)に復帰いたしました。6代目会長に南アフリカ、副会長にポルトガル、ブラジルが選出されるように新市場BRICSへの関心が深くなっています。海外展開、周辺分野への事業展開にご活用いただけたら幸いです。 グローバルでは、製造業に関する技術戦略の競合があり、日本では、人、モノ、技術、組織等が様々につながることにより新たな価値創出を図る「Connected Industries」が提唱されていますが、ドイツの「インダストリー4・0」、中国の「メイド・イン・チャイナ2025」、米国の「先進製造業戦略(AMT)」等も出ています。いずれも、「IoT(Internet of Things)」、「AI(人工知能)」をキーワードとしています。環境対応車両、自動運転、次世代材料等技術的課題は大きいですが、金型技術は大きな役割を果たします。 2014年に「新金型産業ビジョン」を作成いたしましたが、営業力(提案力)、海外展開、周辺分野への事業展開、人材確保・人材育成、技術研究開発、連携・提携(Connected)のキーワードの重要性はさらに高まっています。また、新興国の成長を見ると設備力も重要なファクターで、補助金の有効活用等の検討が必要です。 日本金型工業会は、現在、会報・ホームページのリニューアル等、サービスの拡充を進めており、全国からのご入会が増え、金型業界がより活性化することを期待しております。 経済産業省では中小企業のため取引条件改善に注力していただいておりますが、会員、賛助会員、顧客、経済産業省素形材産業室を始めとした監督官庁、学会の大きな応援により、この難局を、「元気な業界」として乗り越えていきたく思う所存でございます。皆様のご理解ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。 変化し続ける環境に対応し、更なる工業会発展に向けて (一社)日本鍛圧機械工業会代表理事会長 宗田 世一 新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。 平素は当工業会の運営に格別のご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 当工業会は本年11月に創立70周年を迎えます。この長きにわたって活動が継続できましたのも、ひとえに皆様のご協力の賜物と感謝申し上げます。さて、2018年の年頭に当たり、昨年を振り返りますと共に本年の展望を述べさせていただきます。 まず、受注状況ですが、工業会の受注予想を期中に暦年、年度予想共3500億円(前年比約12%増)、3400億円(前年度比約3%増)に上方修正しましたが、受注実績は現在のところ堅調に推移しており、いづれも達成が見込まれます。 2018年暦年の受注予想は、引き続き堅調な経済動向より、2・5%増の3620億円と想定しています。このためには、今後も市場ニーズに迅速に対応できる高い技術力と技術革新力を持った世界のオンリーワン企業への変革が求められると考えています。 当工業会の最大のイベントでありますMF-Tokyoが昨年7月12日から4日間、猛暑の中の開催ではありましたが天候にも恵まれ、過去最大の小間数及び出展社数で、過去最高の3万1715人の入場者を迎え盛大に開催できました。 長年の懸案でありました産学連携につきましても、日本塑性加工学会との共同研究を昨年5月に開始、「成形プロセスの見える化」を目的とし、研究題目を決め、研究チームを立ち上げて推進しており、研究結果を公開してゆく予定です。 世界の技術潮流でありますIndustry4・0やIoTをどう活用してゆくかは各社で検討され、順次実機への採用が始まっており、製造業も大きな転換期を迎えていると感じられます。当工業会も、業界の発展に向けて日本が先行する技術分野でイニシアチブをとるため、ISO国際規格の制定会議に積極的に参画し、日本のものづくり標準を世界標準に取り込んでゆく活動を2018年も進めます。 また、当工業会主催のMF技術大賞は、2年に一回優れた鍛圧・板金機械の製造者とそれを使用されているユーザーに授与されますが、「MF技術大賞2018〓2019」の募集が本年4月1日より開始となります。今後も産学連携や他の工業会との連携を深め、会員企業のニーズを反映した工業会活動を積極的に展開し、会員企業のみならず業界の技術力向上に寄与できるよう活動してゆきたいと思います。 皆様におかれましては本年も良い年でありますようご祈念申し上げますと共に、益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げます。 年 頭 所 感 新年のご挨拶 日本機械工具工業会会長 牛島 望 新年明けましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 昨年は、政治や安全保障については多事で慌ただしい1年でしたが、世界経済は比較的に順調であったことから、ビジネスは工作機械をはじめ、全般的に拡大基調の良い年であったと思います。先の読めない時代ですが、本年も世界経済が堅調であることを願うばかりです。 私ども、日本機械工具工業会は、ハイス工具の日本工具工業会と、超硬工具協会が2015年6月に統合し発足しました。両工業会とも、1948年に設立され、歴史も伝統もあり、それぞれの流儀で運営してきました。そのため、両工業会の会員の融和について、当初は若干の不安もありましたが、統合から2年半が経過し、コンプライアンスを徹底しつつ、融和が進んでいるのではないかと思います。 本年は、ハイスの原型とされるマシェット鋼が1868年に英国で発明されてから丁度150年に当たります。従来は水による急冷で焼きを入れていた工具鋼製のバイトを、大気中で融点に近い温度から焼きを入れ始めることで、バイトの硬度が上がり、切削性能が格段に向上することを偶然発見したことがきっかけだったようです。その後、1900年にタングステンやクロムを大量に添加した鋼の熱処理方法を発見、高速度で加工しても刃先が軟化せず、切れ味を保つ切削用鋼ということで、高速度工具鋼(ハイス)と名付けられたようです。モリブデン、コバルト等のレアメタルを添加物として加えることや粉末化、コーティング処理することで性能が向上し、金属加工に不可欠の材料として現在に至っています。 更に、超硬が95年前の1923年に開発されました。ドイツの電球メーカーのエンジニアが、特殊鋼製のダイスでタングステンのフィラメントを伸線していたところ、ダイスの表面に炭化タングステンが析出してダイスが硬くなり、耐摩耗性が向上したことでダイス寿命が伸びることを偶然発見したことがきっかけだったようです。トライボロジーの一例と言えるかもしれません。超硬も耐摩工具のダイスだけでなく、バイトやフライス、ドリル等の切削工具が主用途となり、今日に至っています。 両材料の使い分けですが、当初、超硬は主にバイト等ロー付け工具と刃先交換チップに使われていました。エンドミルやドリル等はハイスより超硬のシェアが圧倒的に高くなってきましたが、ホブ、ブローチ等の歯切り工具と高精度ネジ切り加工のタップについては今後も超硬よりも靭性が優れ、欠損し難いハイスが使われると考えられます。また、超硬の延長線上に、タングステンの代わりにチタンを主原料とするサーメットや、更に硬度を高めた多結晶焼結ダイヤモンド(PCD)や窒化ホウ素といった材料も使われています。チタン化合物等で表面処理を行うコーティングもハイス、超硬ともに一般に施されるようになっています。 切削工具の主用途は、金属加工です。自動車や航空機、建機の関連部品、電子部品、筐体等の製造現場で使われていますが、自動車関連部品が最大の需要先になり、特にエンジンのシリンダーブロックやヘッド、トランスミッション部品等の鋳鍛造素材の切削加工にたくさんの工具が使用されています。最近は、車両の軽量化ニーズが大きくなっており、アルミ等軽量部材の使用量が増えていることもあり、PCD工具の使用が増える傾向にあります。 また、電気自動車(EV)化の影響は避けられません。エンジンとトランスミッションが無くなると、自動車関連の切削加工が50%以上減ります。しかし、給電のインフラや時間の問題に加え、二次電池の重量やレアメタル確保等の制約から一挙にバッテリーだけのEVに切り替わることは考えにくい状況であることも確かです。当工業会としては、切削工具の主原料のタングステンに加え、切削工具と二次電池の両方に使用されるコバルト等のレアメタルの動向を注視する必要があると考えています。 最後になりますが、昨年は、秋口から品質検査の問題で社会に動揺が走りました。納期に追われ、出来高増と能率向上を求められる現場が検査成績を捏造して客先に提出等を行っていたという事実は、驚きでした。しかし、現場が納期と出来高増に追われながらも高い品質を求められるのはいずこも然りであり、この問題は、どこの企業でも起こりえる事として予断・油断無く、経営者が陣頭に立って社内の状況や体制を再検証していく必要があると痛感しました。 本年も宜しくお願い申し上げます。 働き方改革で業界全体のイメージアップへ 全日本機械工具商連合会会長 坂井 俊司 明けましておめでとうございます。 皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。 昨年は、政治的には海外においても国内においても大きな体制の変化もなく、また経済においては世界的に景気が堅調に推移しており、国内景気もかなり上向いてきた1年ではなかったでしょうか。全業種、全企業がリーマンショック以前の状況に戻ったとは言えませんが、これから東京オリンピックに向けてさらに好景気が続いてくれるものと期待しています。 さて、昨年11月18日に東京において『全機工連若手交流会 in Tokyo』が開催されました。その中では「働き方改革について」をテーマに掲げ、これからの会社経営のあるべき姿、経営者の意識向上等が議論されました。日本の製造業の生産性は先進諸国と比較して1人当たりでも時間当たりでも低いというデータがあります。我々機械工具商の業界でも恐らく同様な結果だと想定できます。また就労者人口も就業時間も減少する中、益々1人当たりの労働負荷が増加しています。そうした中、我々はこれまで以上に知恵を絞り、努力していかなければなりません。お客様、メーカー様がグローバル化し、また作業の自動化を推進し、業務のAI化を進めている中、機械工具商の業界も様々な仕事のシステム化はもちろんのこと、これまで蓄積してきた業務や営業方法までもデーターベース化を進めていかなければなりません。そうした基本的なベースを底上げしたうえで、各会社においてこれまで培った営業のノウハウや経験・コツが活かされ、そして技術的な専門性の向上が業界で生き残れる手段と他社との差別化を図るポイントだと感じます。またそういった取り組みが、我が国の就労者人口が減少する中で有望な人材の確保とその貴重な人材の効率的な育成につながっていくものと確信しています。 私も50歳代半ばであり、もう若手ではありませんので、「最近の若い人は…」なんていう言葉がたまに出たりしますが、私も若い時には上司から同じことを言われていたんだなと思います。当時の私と比較すると、今の若手の方の方がずっと1人当たりの仕事量も、また生産性も向上していると思います。当然そこには作業のOA化と業務の標準化があるのでしょうが、各個人の能力もUPしているように思います。若手交流会と言いながらも、御出席されていた私と同世代の方々も、きっと同じ感覚ではないでしょうか。今回の若手交流会をきっかけに逆に若手経営者の方からも教えてもらえる事がたくさんあると感じていただけたことはたいへんよかったのではないでしょうか。 働き方改革の取り組みは皆さんも手探りの状態かもしれません。まだまだ取り組めていない方もいらっしゃるかもしれません。業界全体で情報を共有しながら諸施策を行い、業務効率の向上と各会社の発展、業界全体のイメージアップにつながればと感じております。 皆様のご協力をお願い申し上げます。 時代の変化に立ち向かい、新しい挑戦に取り組む (一社)日本バルブ工業会会長 中村 善典 平成30年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。 工業会会員並びに関係各位には、平素から多大なるご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 さて昨年は、予想し得なかった米国大統領選挙から誕生した新大統領による、北朝鮮との対立姿勢に危機を感じ、中東に新たな紛争要因をもたらしたエルサレム問題に世界平和への不安を感じましたが、経済面では、米国の力強さとEU経済の復活と世界的景気回復を感じさせる1年でした。 一方日本経済は、米国の影響と安倍政権の経済対策により経済環境が改善され、高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超えた戦後2番目に長い景気回復期にあります。企業収益は最高益の記録を塗り替え、日経平均株価が26年ぶりの高値を付け好転し、消費者心理も改善してきていることが各統計からもうかがえます。しかしながら、実感としては感じられていないと言ったところが大方の意見ではないでしょうか。景気が回復しても、実感出来ないのは何故でしょうか。 また昨年は、相次ぐデータ改ざん問題が発覚。日本の製造業に綻びが生じ、多年に渡り築いてきた、日本技術の信頼性を揺るがす事態となりました。多くの人達が、カイゼンを出し合い、コストダウンを考え、より良いモノ作りに取り組み努力してきました。何故このような不祥事が起こるのか?と疑問を持ちながらも、日本の労働生産性に目を向ければ、先進7カ国の中で最下位にある日本の製造業。 景気成長期にあり、国民生活満足度調査では満足と回答した数値が73%にも達しながら、それを実感出来ない!一説に言われる「ぬるま湯心理」。日本の製造業は、コツコツとカイゼンに取り組んできましたが、それが限界に直面した現実。 成長か衰退かを問われる新たな課題が生まれた昨今、これら実態を飛躍のきっかけとすべく、大胆な発想の転換が必要不可欠となり、経営の力が問われる時代となりました。 製造業が主体である当工業会も、他人事であるとは考えずに向き合っていく必要があります。製造業こそ変革が必要であり、それは日本の製造業の巧みな技術、現場の力を、時代の変化に合わせて復活させられる経営の力が鍵となるのではないでしょうか。 確かに時代の変化は感じていても、どこから取り組めばいいのかと言ったところが、各企業の実感だと思います。このような時代の到来には、一社単独ではなく、企業間のネットワークとコラボレーションが重要になると考えます。バルブ工業会として、新たな役割を果たせるよう取り組んでまいります。 当工業会は、一般社団法人日本バルブ工業会として組織の再編を図り、運営会議を中心として最初の一歩を踏み出してから、1年弱が経過しました。これからも私たちは、時代の変化に立ち向かい、新しい挑戦に取り組まねばなりません。日本バルブ工業会業界一丸となって邁進すべく、本年も取り組んで参ります。今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。 最後に、皆様の益々のご繁栄とご健勝を祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。 年 頭 所 感 流通のグローバル化 愛知県機械工具商業協同組合理事長 伊藤 高潤 あけましておめでとうございます。昨年はMECT2017に多くの方々においで頂き誠に有り難うございました。おかげさまで9万を超すご来場者を数えることが出来ました。本当に有り難うございました。次回は2019年でございますのでよろしくお願いいたします。 さて組合活動も昨年全機工連の会長が交代いたしました。坂井新会長の下で今までとは違った新しい体制で活動を始めておりますのでよろしくお願いいたします。 最近ひしひしと感じていることがあります。何かが大きく変わろうとしているという予感です。今のところそれがなにかはよく分かっていないのですが、何がどうなるのかとか詳しいことは分かりません。しかし何かが大きく変わろうとしている予感がするのです。 私どもの仕事でも最近のITとかIoTとかによって仕事の中身が変わろうとしています。今までの仕事のやり方は主にフェイス toフェイスといわれる訪問して販売するのが主でしたが最近はインターネットによる取引が台頭してきてだんだんと変わりつつあります。このままみんなそんなやり方に変わっていってしまうのでしょうか?それともまた他のやり方が現れてくるのでしょうか。国内だけの競争だけでなく海外からの新規参入もあるのでは?とも思っています。すでにB to Cのインターネット販売は国境を超えてやってきています。B to Bの取引が海外からやってくる日もちかいのではないでしょうか。経済のグローバリゼーションはすでに色んな現象を起こしています。世界銀行のエコノミストであったミラノビックの示したエレファントカーブは、社会主義国が崩壊し世界のグローバリゼーションが始まった1988年からの20年間で世界の人々の個人所得がどう変わったかを表したグラフだそうです。それによると先進国の中間層以下の人の所得が横ばいかむしろ減少しているそうです。先進国の労働者の仕事が新興国に移って新興国の多くの人の所得が増えている事がはっきりと見てとれるのです。すでに大企業の多くは海外に進出し国内の工場は減少しています。生産工場ですらグローバルに展開しています、流通がグローバルに展開するのはむしろ遅すぎるのではないのでしょうか。国境の壁があるから大丈夫と思ってはいますが、その壁も近い将来無くなるかもしれません。物流のグローバル化の事もありますので簡単ではないでしょうがいずれその壁も無くなるかもしれません。 新年早々こんな話で申しわけありませんが、昨年末にトヨタ自動車は『生きるか死ぬか』という瀬戸際の戦いが始まっているといって役員体制を大幅に変更されました。トヨタ自動車でさえそんな危機感を感じているのです。私どものような中小企業はもっと敏感に感じてゆかねばと思いあえて書かせて頂きました。 平成最後の年の今年から始まる世の中の変化を乗り切るために皆さんと一緒に見つめてゆきたいと思いながら、寝苦しい初夢を感じてもがいてみました。 本年も皆さまと一緒に頑張ってゆきますのでよろしくお願いいたします。 『改革に挑戦する岐阜機工会』へ 岐阜機工会会長 嶋ア 晴久 新年あけましておめでとうございます。健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。 旧年中は当会に対し一方ならぬご厚情と温かいご支援を賜りありがとうございました。あらためて御礼申し上げますと共に本年も引き続き宜しくお願い申し上げます。 昨年の岐阜県内の我々の業界を取り巻く環境は、やさしくは無いですがなんとか穏やかに推移してくれたのではと思われます。しかしながら潜在成長率が低い今の状況では、多少景気が良くなってもそれが長続きするとは思えません。 《機械工具商の将来を考えると、改革をしないと本当に危ういと思います》 日本にとってひとつ救いなのは、本年は東京オリンピックに向けたいろいろな施設の建設需要がピークになるタイミングで、それもあって、補正予算の効果が少し残ることを考えたら、それほど悪くないかも知れません。ついでに来年になるともう世の中が盛り上がっていて、何とかなってしまうだろうと考えられます。おそらく、これから2年くらいはそこそこの状況が続くだろうと予想しています。ですからこれからの数年が将来にとって、大きな分かれ道になると考えています。これから数年は、自分たちの生産性を高めることがどれだけできるかが問われます。結論はシンプルで、私たち商社はニューコンビネーションをしっかりと創り出すということではないでしょうか。 昨年11月に開催した『全機工連若手交流会 in Tokyo』に於いても、いろいろな改革、生産性の向上について活発な意見・情報交換が行われました。大変有意義で互いに切磋琢磨し、個々が成長する集まりが出来たと思っています。業界を取り巻く環境がまだましなうちに、将来を見据えた改革をすることが2018年以降の課題と考えております。 本年は、『改革に挑戦する岐阜機工会』になるべく、さまざまな新しい取り組みを行いたいと考えております。皆様にはお手数をお掛けしますが、その際はご協力をお願い申し上げます。 最後となりますが、この一年が皆様にとって明るく素晴らしい年になりますことを祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。 年 頭 所 感 平成の時代末 (一社)全国管工機材商業連合会会長 小泉 久則 新年明けましておめでとうございます。 平成は今年の30年が区切りとなり、来年4月に今上天皇陛下が譲位され、新しい時代が始まります。堺屋太一さんの「時代末」という小説がありましたが、つい18年前の世紀末も混沌としていたが、平成の時代末は混迷の時の度合いを深くしているようです。 平成の30年間は、失われた30年と言われるように、成長どころか停滞の時代でGDPは中国にぬかれ、世界3位の位置にはいるものの中国との差は2倍以上となってしまいました。 第2次安倍内閣になってGDP600兆円を目標とする施策が講じられ、新たな有望市場の創出の一つとして、既存住宅の流通、リフォーム市場の活性化があげられています。 また、一方で省エネ、ゼロエネ住宅の研究も進み、建設業界はこれからも日本経済の成長を担い続けてゆく。地震、台風、豪雨と自然災害の多い日本では、防災、減災のための、インフラ整備や復旧のための労働力もなくてはならない存在です。「働き方改革」や「けんせつ小町」と呼ばれる女性の進出も進んできているので、魅力ある業界に変わりつつあります。 私たち管機連の会員が取り扱う商品は、インフラを支え、快適な生活を提供する管工機材、住宅設備機器です。建設業界の一翼を担う業界として、大いに力を発揮してゆきたいところです。 管機連の五大スローガン「工・販・製の協調」「適正利潤の確保」「取引改善の徹底」「連合会認識の向上」「環境保全の推進」を着実に実施し、時代を担う若い人たちが、GDP600兆円を早く実感し、さらに上をめざしていく力を蓄えて行けるような状況をつくりださねばなりません。 各地区の管工事組合、各自治体との災害協定を結ぶ過程で相互の交流が進み、協調体制もできつつあります。このような協調体制を軸にして、会員一同一致団結し強固な結束を図り、管機連並びに業界の繁栄に寄与してまいりたいと存じますので、今年も管機連をよろしくお願い申し上げます。 犬も歩けば棒にあたる 遠州機工会会長 前嶋 孝行 新年あけましておめでとうございます。 健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。 平成28年春に遠州機工会の会長に就任してあっという間に2年が過ぎようとしております。この間、関係各団体様には当会に多くのご厚情とご支援を賜り大変感謝しております。 昨年はとり年、過去のとり年は政治、経済、社会とさまざまな大きな出来事があったと聞いております。いかがでしたでしょうか。確かに振り返ってみれば「ふむふむ」と思うことがありました。 さて、今年は戌年。戌にまつわることわざの中で、代表的なものと言えば「犬も歩けば棒にあたる」でしょうか。このことわざには良い意味と、悪い意味の2通りの話があるようですが、新年ですので良い方を。良い方は「いろいろと行動していれば、思いがけない幸運に出会うこともある」。 この言葉は非常にシンプルでわかりやすい表現と思います。ただ毎日実践するというのは難しいですね。 やはりいろんな場面で躊躇して踏み出せないことが多いと思います。逆に行動をしないことの方が良い場合もある。皆さんはいかがでしょうか。 私の好きな言葉に「TRY&ERROR」という言葉があります。なかなかエラーばかりができる立場ではなくなりましたが、トライをしないと前に進まないことも確かです。ラグビーもトライをしないと得点が増えないし、勝利を手繰り寄せることができません。今年は意識して戌年の犬のように走りまわり(積極的に動きたい)良いものをつかみたいと思います。 最後になりましたが、平成30年、皆様方のご健勝と我々の業界が初日の出の様に脚光を浴びることを祈念申し上げ御挨拶とさせていただきます。 攻撃と守備 岐阜県管工機材商組合理事長 廣瀬 功 新年明けましておめでとうございます。 旧年中は、格別なるご支援・ご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。 理事長という大役を仰せつかってはや4年目を迎え、その間大過なく務めさせて頂けたのも、ひとえに組合員及び賛助会員様、また関連機関の皆様方のおかげとこの場をお借り致しまして改めて御礼申し上げます。 さて昨年を振り返りますと、10月に行われた第48回衆議院選挙のニュースが挙げられます。野党が二転三転した中で、現行与党であった自民党(自公連立)が3分の2の議席を維持する圧勝の結果となりました。アベノミクスの政策が、細かな点では変化をもたらしたものの、地方や中小企業に好成果を残していない現況の中でこの結果が意味するものは、野党への諦めか・与党への期待の表れなのか、今後の政局や景気動向を注視していく必要があると思われます。 また、大手企業による商品データ改ざんや粉飾決算等のごまかしが、相次いで発覚した1年でもありました。こうした事は、社会の混乱を招くばかりでなく景気の低迷へと繋がります。今一度、我々企業人は初心に立ち返り、誰に対しても正直に、また人として正しい道を模索し続けていく事が不可欠です。 岐阜県内はと云いますと、人手不足の傾向が顕著に表れています。全国ベースで正社員が不足と考える企業が49・1%(建設業に於いては6割台)にのぼり、県内でも同様な状況がみられます。これは、人件費高騰によるコスト増や働き手の奪い合いを招き、今後の景気回復に向けて非常に大きな懸念材料となっています。また、県内の住宅着工件数は微増の傾向にはありますが、これは分譲住宅の増加が寄与しています。我々地場業者にはあまり縁のないフィールドであります。 但しこういった悪条件は、旧態依然のやり方を変えていく良いきっかけ(チャンス)になるのではないでしょうか。こうした厳しい市況であるからこそ、今まで以上にメーカー各位・関連団体様及び同業間の密接な関係を構築し、岐阜の市場の安定へと繋げていかねばならないと考えております。エンドユーザー様にとっても我々企業にとっても明るい1年である為に、従来の良き慣習は徹底的に継承し、変えるべき点は勇気をもって変革していく「攻撃と守備」が必要であると肝に銘じ鋭意努力して参ります。 皆様方の御指導・御鞭撻を切にお願い申し上げます。 不易と流行 愛知県管工機材商業協同組合理事長 大藪 淳一 新年あけましておめでとうございます。 昨年は、当組合にとって激動の幕開けとなりました。かねてより病気療養中の倉地久雄氏が、平成29年新年賀詞交歓会の開催直前に現役理事長のまま帰らぬ人となりました。大きな驚きと深い悲しみのなか、組合運営の空白をできるだけ作らぬようにという行政からの指導もあり、1月理事会でわたくし大藪が急遽理事長に選任されました。慌ただしく収支決算・新年度予算・事業計画などを立案し、続く5月の通常総会であらためて理事長職を仰せつかり、現在に至っております。 今年は、「第32回管工機材・設備総合展」の開催年となります。株式会社大成工機商会の成田幸隆氏に実行委員長に就任いただき、既に昨年秋より出品募集も開始しております。「いのちの水、流す技、未来につなげ」のテーマのもと、10月4日から6日まで「名古屋市吹上ホール」にて開催いたします。当組合にとって2年に一度の大事業であり、中部地区の管工機材業界を盛り上げる重要な催しであります。多くの皆様にお越しいただき、出展メーカー様の実利に結びつくよう、組合員一同全力で企画を進めてまいります。 また当組合では本年も、流通部会・事業部会・広報部会・福利厚生部会・経営研究部会・組合加入促進部会の6部会と幹事会を中心に、工場見学会、各種講演会、巡回健康診断、ボウリング大会、名管会(ゴルフ会)、賀詞交歓会、通常総会等々、多岐にわたる活動を推進してまいります。 特に青年部会「愛青会」では、新入会員も増え、他地区との交流会や見学会等活発な活動を展開しており、次代を担う若手人材が着々と育ってきており、大変頼もしく感じております。 AIをはじめとした技術革新により、業界を取り巻く外部環境は激変していくことが避けられない状況です。業界の新しい時代に向けて整備していくべき事項も数多く控えております。「不易と流行」の言葉を胸に、変えてはならぬものは頑なに守り、時代の変化に即して変えるべきものは断固として変える。そういう気構えで臨んでまいります。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 「勤勉で努力家」の体制で 三重県機械工具商組合理事長 門脇 匡伸 新年あけましておめでとうございます。皆様は、新しい年を迎えいかがお過ごしでしょうか? 2017年を振り返ってみますと、トランプ大統領就任、相撲力士の問題、森友学園問題、豊洲問題、加計学園問題、ミサイル(北)問題、100M9秒台、将棋藤井四段、眞子さま婚約、様々な出来事が紙面を賑わせておりました。 2018年は、戌年です。犬は、社会性があり、忠実な動物です。人との付き合いも古く、親しみやすい動物。戌の干支の特徴として「勤勉で努力家」とあります。昨年の酉年は「商売繁盛・収穫」と言われていましたが、戌年は「守りの年」と言われています。商売ですから守りばかりでは商売になりませんが、アフターフォローやリスクヘッジをすることで既存のお客様を守り、そしてそれがまた信頼と商売に繋がっていく。まさに「商売人」におけるしたたかさが戌年の「勤勉で努力家」の象徴のように思えます。 我々の機械工具商の2018年は、どのような年になるのでしょうか?2020年東京オリンピックに向けての新たな需要、しかしその前にある消費税のアップ前に起きる駆け込み需要、どの様な市場も期待に胸が膨らみます。でも一番期待をしたいのは、安心して過ごせる「豊かな心を持てる暮らし」ではないのでしょうか?日々の生活の中で「物」が溢れ「情報に流され」、贅沢が当たり前の毎日…。知らず知らずのうちに失っているものが多く感じられます。少しでも失われた大切なものを時間をかけて取り戻す年になることに期待したい。 今年も我々の業界で良い風が吹きますように組合活動の仲間と共に祈念したいものです。三重で中部で日本で〜どこのエリアでも良い案件が一つでも多く我々に舞い降りるように、そして2018年は、明るい話題が溢れる日本国でありますように…。「勤勉で努力家」の体制で心待ちしたいものです。 本年も関係者の皆様、宜しくお願いします。 年 頭 所 感 会員の積極的な参加協力により事業を推進 (一社)日本ねじ工業協会会長 椿 省一郎 新年を迎え、心よりお慶び申し上げます。 平素より当協会の諸活動に対して、多大のご支援ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 2017年のIMFの世界経済見通しでは、世界の主要国は低成長であっても成長率は全てプラスであり、また成長センターとも言えるアジア主要国の実質GDPも鈍化したとは言え引続き高い伸び率を維持しており、出来過ぎの経済と認識した方が良さそうです。一方政治的には、北朝鮮のカントリーリスクに加えて保護主義やポピュリズムが横行し不安感が増しています。今の世界経済回復の起点の一つは中国と思われますが、その一帯一路政策などに今後期待とリスクが半々の先行き不透明な状況が続くと思われます。 国内では、昨年は日本が誇る大企業で信頼を揺るがす出来事が次々と発覚し、少なからず負の連鎖による経営環境の悪化が心配されました。一方日本経済は、GDPの約6割を占める個人消費が未だ消費税増税前の実績を大きく下回ったままですが、世界景気の回復が後押しし円安効果もあって上場企業の収益は大幅に改善し、設備投資も増加に転じ、日経平均株価が25年ぶりにバブル崩壊後高値を更新するなど総じて上向きになってきていますが、世界経済に依拠する日本経済にとっては、出来過ぎの世界経済が持続できるかが今後の課題と思われます。 このような情勢下にあって、世界的潮流に変化の予兆が顕著となってきました。とくに産業界では、第4次産業革命とも言えるAT、IoT、BD、ロボット、自動車のEV化などの技術革新の波、そして日本を先頭に中国あるいは欧米でも顕著になってきた少子高齢化とものづくり人材不足や技能継承の難しさの波が押し寄せてきています。 そうした中、当協会では平成29年も様々な事業を展開してきました。 東京ビッグサイトで7月に開催された「プレス・板金・フォーミング展(MF-Tokyo2017)に出展し、「いつだって、どこだって解決する“ねじ”」をテーマに、さまざまな分野で活躍する“ねじ”の世界を紹介し、1400名を超えるブースへのご来場を頂きました。 ねじ製造技能検定事業では、東京、名古屋、大阪の3ヶ所で各3回の講習会を開催し132名が受講され、平成30年2月に7回目の協会認定の検定試験を行う予定です。 10月には5地域ねじ協会交流大会を札幌で開催し、日本を含め121名が参加しました。今回の主催者である当協会から「協会について相互理解を深める」ことと「参加者個人の交流を図る」の2点を提案し、前者では当協会の委員会活動の一部を紹介、後者では5地域のメンバーが混じって同席し、自己紹介や会社紹介など言語の障害を乗り越えて交流する初めての機会を提供しました。 さらに10月下旬にはドイツねじ協会の訪日団を迎え相互の情報交換や企業訪問を行い、また今後の交流と協力関係の継続を確認し友好な関係を築くスタートとなりました。 今年も会員の皆様の積極的なご参加ご協力の下、様々な事業を継続して進めて参りたいと考えております。 最後になりましたが、皆様の更なるご活躍とご健勝を祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。 「自社ファースト」 三重県管工機材商業組合理事長 尾藤 彰 昨年は、あっと驚くようなことが頻発しました。トランプ大統領誕生ののち、各国で「自国ファースト」の傾向が強まりつつあります。自国の国益追求は外交の基本ですが、少し度が過ぎるように思います。過去に経験したこともないような自然災害が多数発生し、各国に甚大な被害をもたらしました。地域紛争も続いています。この地球は、これから一体どうなってしまうのでしょう。 地球規模の話は別にして、我々の業界についても大いに先行きを心配する必要があります。社員は高齢化するのに新規採用難、若手を採用できても定着せず、人口減少により住宅着工件数は減少、職人の確保難からお客さまは材料費を抑制、大手同業者や商社が多店舗化やM&Aを推進。どう考えても、地方の管材商にとって明るい話題がありません。このままだと会社が潰れるのではないかなどと、一瞬の不安が胸をよぎります。 何かで読んだことを紹介します。『まず、どんな手段を取ればあなた自身の会社を潰せるかを想像する。次に、その手段への対抗策を考えすぐに実施する。そうすれば、会社は良くなり潰れることはない。』良くなるとは、安売りしてでも闇雲に売上額を上げることではありません。会社の存在意義を社内に十分浸透させ、良い商品やサービスを提供して社会に貢献し、結果としてこの仕事に社員が誇りを持つようなることです。業界全体の地位向上ということをよく耳にしますが、本当にこのことを望むのであれば、まず「自分の会社だけを良くする」方法を各社が必死になって考え実行することです。つまり、「自社ファースト」です。そうすれば、業界の地位は自ずと高まるでしょう。 より良い製品をユーザーに 日本ねじ商業協同組合連合会会長 筒井 三男 明けましておめでとう御座います。輝かしい2018年の幕開けです。 皆様方には、ご家族でごゆるりとお正月をお迎えの事とお慶び申し上げます。 又、昨年は「日本ねじ商連」に対しまして各地区を通じて多大なご理解とご協力を頂きまして有り難う御座いました。連合会も40年を過ぎ人間で言えば「不惑」の域に達した事になります。各地区共今は若い世代が活動の中心となり新しい組合を目指して頑張っております。今後とも宜しくご支援をおねがいいたします。 今年の干支は「戌」です。正確に言うと戊戌(つちのえいぬ、ぼじゅつ)と言うそうです。明と暗がはっきり分かれる年だそうで、今まで頑張って来た人は、2018年に見事に花開き、頑張ってこなかった人は現状維持…よりも悪い状態になる?という年だそうです。過去を見てみると文化的にも政治的にも大きな事件が多い年で時代の転換期になりやすく、また、戌年に発売されたファンタ、ほんだし、ウイダーゼリーなど商品はほとんどがロングセラーになっているそうです。ネジ業界でも今年発売される新商品は大いに期待してよいかもしれません。 日本経済は緩やかな回復基調にあり昨年11月には株価が25年ぶりにバブル期の半値戻しで2万3000円まで上昇しました。衆議院選挙では大方の予想では自民党不利と言われていましたが思いがけない野党の乱れで自民党圧勝の結果でした。安倍政権が今後も続くのが良いか悪いか分かりませんが、ひとまず今の経済環境は継続するものと思われます。一方昨年は、安倍政権が打ち出している「誰もがその能力を発揮できる一億総活躍社会を作り上げ、日本経済の新たな成長軌道を描く」とうたっている基礎となる「ものづくり日本」の信頼を揺るがす不祥事が続発しました。シャープ、東芝の経営破綻、特に日本の基幹産業であり我々ネジ業界も大いに関係のある自動車業界の、日産、スバル、三菱自動車の無資格検査や燃費データ不正,欠陥エアバックのタカタ、神戸製鋼それに東レのデータ改ざんなど、今まで信頼に足る高品質な製造業で経済的評価を築いてきた日本でしたが、世界の「メイド・イン・ジャパン」ブランドを見る目にも影響を与えかねません。 我々が携わっているネジは製品の安全を左右する重要な部品であり、いまやネジなしの産業は考えられない時代となっております。より良い製品をユーザーに提供出来るように今年 皆さんと共に頑張っていきたいと思います。 堅実な1年を願う 静岡県管工機材商組合理事長 一色 哲巳 明けましておめでとうございます。 私も自宅では犬を飼っているのですが、今年は戌年です。戊戌(つちのえいぬ)、紛らわしい文字ですね。十二支のうちで唯一人名に使ってはいけないそうです。また戌年の人は義理人情に篤い、警戒心が強い、まじめな努力家、堅実かつ慎重、愛情深いなどの性格があるそうです。 トランプ大統領が就任1年になろうとしています。北朝鮮はどうなるのでしょうね? 先の総選挙では自民党が勝利を収めましたが、自民党が勝ったというより、野党が勝手にこけたという感じでしょうか?安倍首相のおかげといえるのでしょうね、好景気が続いております(あまり実感はわかないのですが…)。ただやはり大企業に、大都会にその恩恵が偏っているような感じを受けます。我々のような地方の中小企業にはなかなか好景気が届かないのですかね?地方創生もあまりピンときません。 おかげさまで静岡組合では昨年は賀詞交歓会、総会とも前回の来客数を上回るお客様が参加していただきました。本当にありがとうございます。今年もガラス張りの組合運営、明るくまとまりがある楽しい組合を続けて行きたいと思っております。 昨今、いろいろなメーカーでの不正が目立つようになってきました。我々の業界とも関係のある神戸製鋼、三菱マテリアルや日産自動車、スバルなど目を覆うばかりです。とうとう東レでも不正がありました。 日本のモノづくりに対する世界の信用が落ちることにならなければよいのですが…。一度失った信用を取り戻すのは大変ですから。我々の組合もお客様である設備業者様や建設業者様、お役所様、また物を納入していただけるメーカー、商社様の信用を絶対に失わないようしっかりスクラムを組んで行動していくつもりです。戌年にちなんで堅実な1年を過ごし、また本年も静岡県管工機材商組合をかわいがっていただけるようよろしくお願い申し上げます。 年 頭 所 感 新しい加工技術で木質材料の 使用を増やし社会に貢献 全日本木工機械商業組合理事長 桑原 柾人 平成30年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。 平素は、当組合の事業につきまして、格別のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。新しい年を迎えるにあたり、関係業界並びに組合員各位に謹んでご挨拶申し上げます。 昨年は、ドイツハノーバーで、2年に1回の世界最大の木工機械展が開催されました。川上の林業機械、ボード製造、製材機械から、川下の木工機械まで幅広い範囲の機械が一同に出品されていました。そのなかでも一般的な木工機械の中身を見ますと、私の単なる推定ですが、その中の約25%から1/3位は木製サッシ製造に関する機械であったと思います。日本人一人あたりの木工機械の消費が欧米先進国に比べ少ないのも、日本ではこの木製サッシの製造がまだまだ微々たることであるのが原因の一つと考えています。 生活の基本的な要件に、衣食住があります。日本国内では、着ることと、食べる事に関しては、世界トップ水準に達しているとおもいます。しかしながら住宅に関しては疑問符がつきます。その一つが一般的に日本の住宅は暑くて、寒い。つまり断熱が悪いことです。その断熱性能の悪い住宅が、ヒートショックによる死亡事故や健康被害、結露によるカビの発生による健康被害と住宅の短命化、そしてエネルギーの無駄使いと多くの大問題を引き起こしています。そして日本建材・住宅設備産業協会の調べによれば暑さの原因の7割、寒さの原因の6割が窓とみなせるとなっています。それにも関わらず日本の窓の性能基準は先進国では最低レベルであるのが現実です。その主な理由として木材に比べ、熱伝導率(熱の漏れやすさ)が約1000倍もあるアルミ部材がいまだに窓に多く使用されているのが日本の住宅の断熱性能の悪さの大きな原因です。 木製サッシの普及の他にも、新しい木材加工技術で木質材料の使用をあらゆるところで増やす事は、健康面への貢献、エネルギーの消費の低減につながり、いろんな面で社会貢献となります。そういった面で、日本が持つ最大資源の一つ木材を利用するために必要な木材加工機械産業は重要な産業ですし、それだからこそ着実な技術革新も常に必要です。 本年も、業界関係、並びに組合員各位、協力できるところは協力し合い、また競争も大切ですので、切磋琢磨することにより、木工機械販売のパイをさらに大きくできればと思いますし、組合活動がすこしでもその手助けになればと考えています。本年も皆様のご協力よろしくお願い申し上げます。 皆様にとりまして素晴らしい一年でありますように祈念してご挨拶といたします。 「笑う門には福来る」 愛知鋲螺商協同組合理事長 藤田 守彦 新年明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましては、御健やかに新しい年を迎えられた事と御慶び申し上げます。 昨年はアメリカのトランプ大統領就任で始まり、衆議院総選挙、中東問題で終わり、慌しく凄く早い1年となりました。景気は若干の回復基調を示しているとは思いますが、今一つ実感がわいてこないと思うのは私だけでしょうか。というより今後日本経済の大きな成長は望めないというのが本音ではないかと。むしろ大きな落ち込みがない事を期待した方が良いのではないかと思います。 私は常々大切にしている言葉があります。「分相応」です。人はある時に勘違いをして分に相応しない事をして失敗し、恥ずかしい思いをする事があります。私もその一人です。これは企業も同じではないかと思います。前述の様に日本経済の回復を望めない今、企業は何をすべきかを考えなければなりません。背伸びせず。卑屈にならず。分相応に活動して行けば、必ずや道は真っ直ぐに続くものと確信をしております。 さらには「笑顔」を絶やさない事も大切と思っています。難しい顔をしていると良い事は一つも有りませんし、周りも暗くなります。笑顔があれば周りも明るくなります。たとえ辛くても笑顔を絶やさない事が繁栄への一つの糸口ではと思います。 まさに「笑う門には福来る」です。今年一年「笑顔で明るく」過ごして参りましょう。 益々の御会社の御繁栄と会員皆様の御健勝を御祈念申し上げます。 若手組合員の人材育成に注力 中日本木工機械商工協同組合理事長 福本 豊彦 平成30年の新春を迎え謹んでお慶び申し上げます。 平素は私ども当組合に格別のご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 さて、昨年の政治情勢を振り返りますと、海外ではトランプ米大統領の誕生により外交方針の大幅な変更を行いました。TPPや地球温暖化対策のパリ協定からの離脱表明等、各国に戸惑いと困惑が拡がっており、アメリカのリーダーシップにも懐疑的な意見が出て参りました。北朝鮮問題では米朝間双方の強硬発言の応酬により、我が国にとっても安全保障上危機感を抱きながら重大な関心を持って推移を見守っている状況です。一方、国内情勢では10月の総選挙で自民党が圧勝した事もあり、政治の安定が計られた事は外交にも経済にも好影響が出るものと思われます。デフレ脱却と経済成長を標榜したアベノミクスの継続により、企業収益の増加と株式市場の活況、失業率の大幅な低下等力強い歩みとなっております。外交交渉でも自信を持って国際協調と国益追求が出来るものと期待しております。 当業界ではここ数年の住宅着工件数の堅調な推移により、顧客の設備意欲も旺盛で木工機械メーカーの受注も大変好調なようです。昨年10月末に名古屋で開催されました「日本木工機械展」では出展者数や入場者数も従来になく増加し活況裡に終わりました。人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)の活用といった未来志向の出展も散見され業界の進む方向も暗示しているように思われます。2020年の東京オリンピックまでは建築需要は見込めますが、その後の反動と消費税8%から10%へのアップの際の消費の落込みが懸念材料となります。また、少子高齢化は近未来的には現実のものとなり、住宅着工件数の減少は明らかであります。私どもはその事態に備え早急にそれに対処できるような経営体質を作る必要があります。 当組合は創立55周年を迎え、次代を荷負う若手組合員の人材育成に力を入れ研修会事業を積極的に行い、顧客や仕入先から信頼される企業、組合となるよう努力して参る所存です。 最後となりましたが、業界各位に於かれましては本年も引き続きご指導ご鞭撻を賜りますと共に、関係各位のますますのご繁栄とご健勝を祈念申し上げ年頭のご挨拶といたします。 キーワードは健全 愛知県金物商工協同組合理事長 印藤 武司 新年、明けましておめでとうございます。 平素は、私ども組合に対しまして、格別のご支援とご協力を賜りまして、心より厚く御礼申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 さて、昨年一年を振り返りますと、アメリカのトランプ大統領の就任で世界情勢も一層大変な混乱の時代へ入ったようです。隣国北朝鮮との関係もオバマ前大統領の積極的忍耐路線から強圧、攻撃、戦争という言葉まで飛び交う方向へ向かっています。本当に心配です。 我が国の経済情勢は、円安株高という好循環で大企業においては史上最高益をだしているとの、新聞記事が見受けられます。しかしながら、利益のほとんどが内部留保にまわされているということで、社員従業員の人たちには還元されていないのが実態です。これでは末端の景気が良くなるはずはないと思います。また、大企業の一部特に名門企業と言われている企業において、不正経理、データの改ざん、残業代の不払いなど、いろいろなひずみが噴出してきています。物づくり日本の根幹がゆらいできています。 少子高齢化が世界で類をみないスピードで進行している我が国で、取り組むべき問題は大きすぎ、又、多すぎるのが今の日本の実情だと思います。MRJいまだ飛ばずです。 本年は、明治から150年という、節目の年です。大政奉還から150年で我々の先人は、日本を世界トップクラスの国に成長させてくれました。来年には元号も変わります。本年を日本再生元年として各人、各企業、各業界それぞれ出来るところから実行していこうではありませんか。キーワードは健全です。 最後に昨年10月に全卸利商35回大会が大阪・堺大会として3年ぶりに堺において開催されました。関係者の皆様には心より感謝申し上げます。大会において今後も全国大会は極力簡素化して継続して行こうとの採択がなされました。2019年の三木・小野大会が簡素化のスタート、モデル大会となります。三木・小野の関係者の皆様どうか宜しくお願いします。 結びに、今年一年間の皆様のご健勝とご事業のご発展を心よりお祈り申し上げます。 年 頭 所 感 より良い製品・サービスを提供 住友電気工業潟nードメタル事業部長 村山 敦 新年明けましておめでとうございます。 平素は格別のご高配を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。 昨今の市場環境は、米国のトランプ政権発足以降の政策転換や日本を含む東アジアの諸問題により、景気の先行き不透明感は強まっていますが、足下の経済活動は世界的に上昇しております。日本経済も、個人消費や設備投資において持ち直しの動きがみられ、景気は回復傾向にあります。切削工具市場におきましても、工作機械の受注が内需、外需ともに堅調に推移し、主力自動車業界でも輸出向けの伸びが継続する見通しです。 昨年は、国内では第16回メカトロテックジャパン2017(MECT2017)、海外では4年ぶりにドイツでEMO2017が開催され、いずれも景況回復と機械加工業界への関心の高さにしっかりとした手応えを感じることができました。弊社では、難削材旋削用コーティング材種AC5015S/AC5025S、SEC‐溝入れバイトGND型のシリーズ拡大、SEC‐スミデュアルミルTSX型、さらに自動車、航空機を中心とした難削材部品加工用途向けの各種工具や新加工方法、次世代を見据えた参考出展製品を多数出展し、多くの反響をいただきました。 本年は、これらの製品の拡販、浸透と更なる新製品の開発を進めてまいります。また、昨年11月に本格稼働を開始した東北住電精密においては、最新の設備と生産システムを導入した最新鋭の工場として、拡大基調の穴あけ工具とホルダ、カッタ類のコスト、リードタイムの低減を推進します。 サービス面では国内6拠点目となる東北ツールエンジニアリングセンターとオンラインTECを活用しての技術提案を強化し、営業面では今まで以上に充実した各種新製品と特型品および試作品のスピード対応を図ります。 また、超硬工具の主原料であるタングステンのリサイクル事業においては、使用済み工具の回収重量が年々増加しています。限りある資源の有効活用、製品の安定した供給に向けたお客様のご理解と積極的なご対応に感謝し、引き続きご協力をお願い申し上げます。 本年も、より良い製品・サービスを提供し、お客様とともに日本の製造業の競争力維持と発展に向けて、邁進していきます。引き続き、皆様方のご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。 世界基準をいわきから 潟^ンガロイ代表取締役社長 木下 聡 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 昨年の世界経済は、日米欧をはじめ全体として緩やかな回復基調の下、2008年のリーマンショック以降で、最も良好な年であったことは言を俟たないと思われます。国内経済におきましても、製造業を中心とした輸出の増加や堅調な企業収益に伴う設備投資意欲の改善により緩やかに回復傾向が続いた一年でした。 こうした市場環境の中、当社は2016年よりスタートした高生産性切削工具であるTUNGFORCE製品のキャンペーンが大きな原動力となり、国内ならびに海外販売ともに高い成長を実現することができました。特に構造的問題である生産年齢人口の不足や世界と戦えるコスト競争力強化などの問題に対する解決策として、切削工具による生産性向上実現において確かな手応えを得たことは、お客様のニーズに確実に貢献できた大きな成果のひとつと考えています。 本年におきましても、お客様への量的・質的サービスレベルの一層の向上を図るべく、切れ目なく生産能力を増強し、更により多くの高生産性切削工具を開発することで、最新の工具による加工効率向上を提案し、お客様でのコスト低減を確実に実現していくことをお約束します。“世界基準をいわきから”をスローガンに、タンガロイは本年も皆様と共に邁進して参ります。 未来に向かって大きく飛躍する年に 潟Lッツ代表取締役社長 堀田 康之 昨年の4月から始まった「第3期中期経営計画」2年目の営業利益については、3年目の計画を前倒しして達成すべく取り組んでおります。 昨年は、業務機能の拡充のため、中国の販売法人の分公司が運用を開始いたしました。また、一昨年のベトナムに続き、アセアンの地域統括会社の駐在員事務所をフィリピンに開設した他、現地対応の強化のため、タイの製造法人に技術部を新設いたしました。半導体向けではシステム製品専用の新工場を建設、また、小型パッケージユニットを用いた水素ステーションを、自家用として山梨県の長坂工場に建設することを決定するなど、重点エリアや市場分野ごとの成長への布石は、確実に打つことができたと思っております。 今年の国内のバルブ市場については、首都圏再開発案件への納入が本格化する他、2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた施設の建設も進み、今年の後半にはバルブの納入が始まるでしょう。一方、海外市場については、現在のところ、大きな景気回復は望めませんが、今年は底から脱し、当社グループを取り巻く環境にも少し明るさが見えてくることを期待しております。 しかしながら、今年も、政治や経済の先行きは引き続き不透明であり、事業環境も複雑さを増してくると思っております。また、IoTやAIなどの情報技術は、想像を超えて進化しており、ビジネスの在り方そのものにインパクトを与え始めています。 このような状況の中、部門の枠を超えて生産効率を上げ、お客様が欲しいものを、欲しい時に、欲しい価格で提供できる体制を構築してまいりたいと思います。「お客様が本当に欲しているものは何か?」という真のニーズを、「お客様目線」で捉え、スピードをもって対応してまいる所存です。 今年4月からは「第3期中期経営計画」の最終年度が始まります。経営計画達成に向けて強い意志と信念を持ち、未来に向かって大きく飛躍する年にしたいと考えております。 創業80周年、多くのお客様と お取引先様の支援に感謝 ダイジェット工業椛纒\取締役社長 生悦住 歩 新年あけましておめでとうございます。 昨年の出来事を振り返ってみますと、海外では国政選挙が相次ぎ、アメリカ・フランス・韓国における新大統領の就任やEUとのEPA大枠合意など、わが国を取り巻く環境の変化を感じる1年となりました。一方国内においては、メーカーにおける品質データ改ざん、検査不正などが次々と明るみになり、日本製品への信頼が大きく揺らいだ年でもありました。 市況としては、ASEANやインドなどの新興国及び中国、ユーロ圏の好調により総じて堅調に推移していたものの、北朝鮮のミサイル問題などの国際政治情勢の不安定化や地政学的リスクの懸念から、景気動向には注視が必要な状況でした。 そんな中、当社におきましては、「高速・高能率・高精度」をキーワードとした工具の開発に注力致しました。主力の金型加工用工具では高硬度材・難削材対応、また、高精度モジュラー工具などの製品開発を進め、高送りカッタ「SKS‐GU」やソリッドタイプのモジュラー工具「防振Sヘッド」を開発、加えて穴あけ工具においても、多機能座ぐり加工用ドリル「タイラードリルシリーズ」に刃先交換タイプを追加ラインアップするなど、ユニークな新製品を市場投入致しました。今年は、さらに多様化するドリル市場に積極的に参入し、供給力の改善を図るとともに顧客満足の向上を目指して参りたいと存じます。 また、耐摩耗工具では、レアメタルレスの複合新材料「サーメタル」の新規業界での採用やさらなる用途開発を進めており、昨年は様々な分野で高い評価をいただきました。 世界経済は先行き不透明とも言われますが、昨年後半より製造業における輸出増加や内需の改善など、景気の緩やかな回復もみられます。本年もこの状況が続くことを期待しつつも、当社におきましては景況の変化にとらわれず引続き製品の供給体制を万全にし、品質・性能において幅広いお客様にご満足いただけるような製品を開発して参る所存です。 最後に、本年、当社は創業80周年を迎えます。これまで多くのお客様・お取引先様に支えていただきましたことに深く感謝申し上げるとともに、今後ともより一層のご支援ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。 年 頭 所 感 日々新たな意欲を持って、 自らの進化に挑戦 且R善代表取締役社長 長尾 雄次 年頭にあたり謹んで新年のごあいさつを申し上げます。 昨年は、米国大統領選挙に端を発する保護主義政策の先鋭化、テロ事件の多発や朝鮮半島の緊迫化など、国際情勢は不確実な状況が続きました。国内では第4次安倍政権が発足し、景気回復期間が長期にわたるなど、比較的安定した状況となりました。そうした状況下、当社を取り巻く経済環境は、堅調な海外景気を背景に、自動車や半導体関連の用途拡大や、自動化・省人化対応への設備投資の活発化に伴い、製造業を中心に好調を維持・継続し、個人消費も、雇用や所得環境の改善により、底堅く推移しました。一方で、少子高齢化社会での「人手不足」、そして「働き方改革」への対応に加え、「IoT」や「AI」による生産性の向上、自動車のEV(電気自動車)シフトなど、変化の波が急速に押し寄せ、産業構造の地殻変動が本格的に動き始めた年であったと言えます。 新しい年を迎え、「変革」の流れは一段と加速すると予想されます。 こうした中、当社は本年の経営スローガンを、「私たちは日々新たな意欲を持って自らの進化に挑戦し明るい未来を切拓こう」としました。 私は常々、「山善は、世の中の変化に対応する『変化対応業』である」と申し上げています。変化が常態化した経営環境にあって、この時代を勝ち抜いていくためには、世の中の構造的な変化の胎動を見逃さず、常に新しいテーマに挑戦し、自ら変革を生み出していくことが大切であると思います。 本年は、当社において中期経営計画「ONEXT YAMAZEN(ワンネクスト山善)2018〜ひとつになって、この先へ」の最終年度を迎えます。 新たなステージに向けて、いかなる市場の変化にも機敏に対応できるように、まずは足元(基本)をしっかりと揺るぎないものとして、現場力を更に鍛え、攻めの姿勢を貫いてまいります。 本年も皆様と一緒になって、明るい未来を切拓いて参る所存ですので、何とぞ倍旧のお引立てを賜わりますよう宜しくお願い申し上げます。 皆様の益々のご健勝、ご発展を心よりお祈り申し上げます。 「断層時代」 トラスコ中山椛纒\取締役社長 中山 哲也 毎日、何の変化もなく一日は過ぎ去るように思うが、現代は「断層時代」の真っ只中だと思う。未来は現在の延長線上にあり、どのように世の中が変わってゆくかは、ある程度は予測可能であったが、ガソリン自動車から電気自動車への動力源の主役交代は、産業構造に大波乱を巻き起こすことは間違いない。 金属加工の減少は、世の中に想像以上の痛みを伴う変化を要求するだろう。過去の延長線上に現在があり、現在の延長線上に未来があるという、時代の掟に断層が走ったのである。「断層時代」においては、過去の知識や経験は全く役に立たないかも知れない。「自分の困ることはきっと起こらないだろう」と考える人間の本能のような希望的観測には、早く見切りをつけた方がいいようだ。これから先は過去の経験則だけで生きていると、お困りごとに遭遇する確率が高まるような気がする。 今やるべきことは「未来予想図」を作ることである。自動車のEV化により、どんな産業が発展し、どんな産業が衰退するのか。どんな企業が成長し、どんな企業が消えていくのか。どんな商品が売れるようになり、どんな商品が死筋になるのか。「未来予想図」にマッピングしていくと、何かしら「答」を見出せるのではないだろうか。ある大手商社では保有するプラチナ鉱山の処分を既に検討しているという。排気ガスを浄化するための触媒に大量のプラチナが使用されているが、EV化によりプラチナが全く不要になるとのこと。そのために金より高価なプラチナが、金より安く取引されている現実が将来を占っているようだ。触媒不要はずいぶん先の話だとは思うが、大手商社ではもう明日の問題として捉えている。 EV化により事業構造の変革を迫られているのは、私たち機械工具流通業界も同じである。食品業界もファッション業界もEV化の影響は全くないと言える。「未来予想図」づくりが急がれる業界、企業の当事者として未来に目を凝らしたい。「ある日突然」はなくても「ある年突然」は起こり得る。 何はともあれ、電気自動車が走り回る時代に、有望な産業や企業を見つけ出す作業にとりかからねばならない。取扱商品の顔ぶれもずいぶん変わることだろう。業界の構造変化は、間違いなく成長のチャンスでもある。「変化」に学び、「未来」を創造し、「断層時代」に独創力を磨く一年としたい。とことん考えれば、必ずや「答」は出るものである。 (平成30年社内向け年頭所感より) スマートファクトリーで需要増加に対応 オーエスジー椛纒\取締役社長兼CEO 石川 則男 2018年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。 昨年は北朝鮮ミサイル問題に振り回され、地政学リスクが大きくクローズアップされた一年でしたが、世界経済は中国経済の回復、好調な米国経済に引っ張られる形で日本及び他の地域の経済も好調に推移しました。10月にはIMFが世界経済の見通しを上方修正し、日本政府も日本経済はいざなぎ景気を超えたといった発表もされました。しかしながらそろそろ景気もピークに近づいており、何か一つのきっかけで一気に冷え込む懸念も捨てきれないと思います。 そのような状況下、当社は創立80周年の年を迎えました。ここ数年間、販路拡大に努めたこともあり、新たなニーズを中心に受注は大きく伸びました。当社のビジネスモデルである多品種小ロット生産はユーザーニーズの広がりとともに増える一方であり、その反面、それに伴うコストアップに対する取り組みも大きな課題となっています。需要に応じ小口ラインと量産ラインを組み替えるフレキシブルな体制確立のためIoTを駆使したスマートファクトリーで対応したいと考えています。80周年の年を「成長元年」と位置付け、全社、全グループにスマートファクトリーを目指したスマートラインを拡大する一年にしたいと思います。 最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。 「スピード感」 潟Wーネット取締役社長 古里 龍平 新年を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。 ドッグイヤーという言葉があります。成長の速いイヌにとっての1年は、人間の7〜8年に相当するということから、技術革新など変化の激しいことのたとえとして用いられます。 現在、AIやロボット、ビッグデータ解析、再生医療などの分野は、ドッグイヤーをはるかに上回るスピードで変化しており、今日常識であったことが明日には時代遅れになっていても不思議ではないくらいです。 一方、ジーネットにおいてはスピード感に全く欠けていると警鐘を鳴らしています。時間当たりの生産性をあまり考えない風土があるように思います。取扱商品が劇的に変わるようなことがないからなのか、うかうかしていたら取り残されるようなビジネス環境の進化がないからなのか、どうも危機感が感じられません。 しかしながら、このような流れは今後も同じということはなく、AIやロボットがどんな分野の仕事にとっても当たり前になるのは、そんなに遠い未来の話ではないと言われています。それほど、科学そして技術の進化は加速しているのです。 ドッグイヤーをはるかに上回るスピード感を身に付けて、AIやロボットに取って代わられるのではなく、それらを使いこなせるような変革を起こすことが必要となります。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 平成30年 年頭所感 カツヤマキカイ椛纒\取締役社長 木村 吾郎 新年明けましておめでとうございます。 昨年は世界経済の回復も後押しとなり、我が国においても雇用と所得の改善が見受けられました。それらを背景に引き続き企業業績の成長は続くものとみられ、生産活動では研究開発や合理化への投資も増加傾向にありますので、2018年が我が国にとって更なる飛躍の年と成る事でしょう。韓国平昌オリンピック、ロシアでのサッカーW杯開催年ということもあり、経済回復基調の上に話題の多い年になりそうです。 一方で不安な要素も無いわけではなく、特に事業継続計画の面では過去の教訓も踏まえ、新たな外的・内的要因による脅威に対してしっかりと備えておきたいものです。事業継続においては「合理性と安全性」両面の舵取りが大変重要だと認識しており、今後のビジネスにおいて更に重要なタスクになるのではないでしょうか。 第4次産業革命における革新的な変化を実感する話題も多い中で、我々には既存の概念を見直す事は勿論ながら、グローバルな課題に対する素早いアプローチが求められます。多角的な課題に対応出来る資質が必要で、理屈や知識以上に感性豊かな人、共感と調和を図れるクリエイティブなチームが欠かせません。 動力が何であれ最も合理的かつ安全に成長トルクが高回転し、スピードとパワーに溢れ、明るくユニークに飛躍する平和の吉年となる事を期待しています。 年 頭 所 感 飛躍へ。ともに挑む。 ユアサ商事椛纒\取締役社長 田村 博之 年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。 昨年当社は新たな歴史に向かう第一歩として、創業360周年となる2026年を見据えた「ユアサビジョン360」を策定し、その実現を目指した第1ステージの3カ年中期経営計画「Growing Together2020」をスタートさせました。「コア事業の機能強化」「成長事業の再強化」「経営基盤の強化」の取組みを突き進めるとともに、ロボ&IoTや農業、介護・医療といった新市場・新分野への挑戦を開始するなど、計画達成に向け着実に布石を打つことができました。 我々を取り巻く環境に目を向けますと、国内では人口減少社会、労働力不足という構造的な諸課題に直面しております。一方、世界は今、飛躍的な技術革新の大きなうねりの中にあります。「ものづくり」や「くらし」の分野において、ロボットの活用を含めた自動化・省人化の流れ、人工知能(AI)・IoTなどの情報技術の進化、EC(電子商取引)ビジネスのさらなる拡大、EV(電気自動車)・自動運転の急速な開発・進展などの変化が想像を超えるスピードで押し寄せています。 2018年、当社はこれらの急激な変化を絶好のチャンスと捉え、ニーズに迅速に応える戦略をさらに推し進めてまいります。海外事業においては、日系企業や現地企業への販売拡大戦略を進めるとともに、1月に米国4カ所目となる新たな拠点を開設するなど、アジアと北米での事業拡大を加速させてまいります。ITを活用した新流通事業では、5月にはWeb商品検索サイト「Growing Navi」を稼働させ、工業分野、住環境分野、建材・建機分野の「産業とくらし」に不可欠な商品の幅広いラインナップを実現し、情報発信機能の強化を図ります。また、今後大きな成長が見込まれるロボ&IoT事業では、システム・インテグレーション機能の強化を進め、産業用ロボットをはじめとした各種ロボットの拡販に注力するなど、社会・産業構造の変革に対応してまいります。 ユアサ商事は、2018年も「産業とくらし」に貢献し、「Growing Together」をスローガンに、さらなる飛躍に向けともに挑んでまいります。 最後になりましたが、皆さまにとって希望に満ちた素晴らしい一年となりますよう心からお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。 松田謙三氏(児玉興業会長) 「緑綬褒章」を受章平成29年秋の褒章で 松田謙三氏(児玉興業会長、愛知県名古屋市西区在住)が、平成29年秋の褒章で、環境美化奉仕者として緑綬褒章を受章した。 同氏は、戦後、名古屋市西区児玉町で起業して以来、70数年に渡り地域の美化活動に一人で取り組まれた。戦後間もない日本は焦土化した中、生活もままならない状況であったが、そのような中、部品加工工場を経営しながら、清掃は人間生活の基本と考え、工場内はもとより、工場の周囲はタバコの吸い殻ひとつないようにとゴミの清掃に毎日黙々と取り組んで来られた、長年の社会奉仕活動の功績が称えられた。満97歳を迎えた現在も、ほぼ毎日、周辺の清掃活動に取り組まれている。 また、同氏は社業を御子息に任せた後も、社長時代から続けている異業種交流会「月曜会」の代表世話人として現在も年6回の例会を開催し、講師はじめ会場の手配、出欠確認、当日の司会進行等々を奥様と二人三脚で務められている。 今回、受章の喜びのメッセージをご寄稿いただいたので掲載する。 昭和20年より毎日吸い殻ゴミ拾いして何の取り柄も無い私に最高のプレゼントを賜り若い日の想い出をエッセーいたします 松田謙三 昭和20年8月15日敗戦時、東北地方総軍司令官・藤江大将の乙副官(陸軍中尉)職にあり(甲副官前少将)、占領軍司令官ロバート・アイケルバーガー中将を仙台駅頭に迎え、東北地方の引渡しと六ヶ師団の武装解除の業務を終え、全市焼野原の名古屋に復員いたしました。葉巻をくゆらせながら、平然たる態度で厚木飛行場に降り立った占領軍総軍司令官マッカーサー元帥は占領方針として、躾の良い日本人が再び戦争を仕掛けて来ないよう、躾の為の修身(掃除など)を軍司令官が許可するまで日本のあらゆる教育機関で教育する事を禁止。解除する事無く逝去。その方針に反発して70数年に渡り毎日吸い殻ゴミ拾いを趣味として実践して参りました私に、近年ほとんど受章者のない緑綬褒章を天皇より賜り、人生此れに過ぎる幸せはありません。アジアで戦争に負けた国は日本唯一国、世界が認める躾の良い日本人の躾教育修身を禁止したマッカーサー元帥、敵ながらあっぱれと言う他言葉がありません。 私は大正10年生まれ、7才で義務教育の小学校へ入学。当時の足跡を振り返りますと、服装は羽織・袴・下駄(3年頃洋服が輸入)で通学いたしました。始業前、全校生徒が校庭に整列、天皇陛下の御肖像を遥拝(ようはい)、続いて袱紗(ふくさ)に包まれた教育勅語を校長先生がうやうやしく拝読されるのを拝聴、それぞれ教室に入ります。必ず授業始めに姿勢を正しての修身教育に続いてその日の教科に入ります。一番恐ろしい事は、先生より指名を受け、勉強不足で答えられないと先生よりの鉄拳又は教壇から飛んでくる白墨(チョーク)でした。次に恐ろしい事は、授業が終わり教室の掃除が終わりましたら、教員室に報告に参りますと先生の点検。手抜きがありますと先生よりの鉄拳又は水を入れたバケツを両手に教室の前に数十分刑罰として立たされる事です。通学の朝、家の前の掃除と水の散布は子供の務めでした。満21才を迎えますと義務として軍隊に入りますが、一番怖い事は先輩の靴の手入れ、兵器の手入れ、寝具の整理整頓に手抜きがありますと木刀で蹴散らして鉄拳制裁でしたが、戦後はアメリカの占領政策として掃除行為は禁止された為、個人から大企業に至るまで掃除は無駄、生産第一と定着。私は何十年来、国道、バス停の吸い殻ゴミ拾いに参りますが1日100本、2日200本誰一人捨てる事を止めません。誰一人掃除をする人もありませんが、損得でなく掃除一つについても進んで行えばその行為は必ず日常生活、仕事に役立つ事を私は身を持って体験して居ります。ゴルフは趣味でありますので6時間かかろうが、数万円のプレー代がかかろうが、それはそれで良いと思いますが、ゴルフを健康の為と考える方は毎日1時間、掃除で汗を流していただく事をおすすめいたします。今回の受章を賜った私の行為で末端社員から社長に至る掃除は人間生活の大切な基本と実践いただく方があれば幸いに存じます。 * 〜つもりちがい十カ条〜 ・高いつもりで低いのが教養 ・低いつもりで高いのが気位 ・深いつもりで浅いのが知識 ・浅いつもりで深いのが欲望 ・厚いつもりで薄いのが人情 ・薄いつもりで厚いのが面皮 ・強いつもりで弱いのが根性 ・弱いつもりで強いのが自我 ・多いつもりで少ないのが分別 ・少ないつもりで多いのが無駄 * 〜私の人生二人旅〜 私が結婚いたしましたのは昭和24年ですが、私の日常生活は仕事と雑用以外全く興味がありませんでした。その私に職場や日常生活で味わう事のない次元の異なった感情や発想、旅の楽しさや映画、演劇、音楽会等選択しては連れ出してくれました、夫を愛する、助ける、語り合うの三原則を兼ね備えた家内に今回の受章で恩返しが出来た事心より感謝する次第です。 第1回『全機工連若手交流会』 18団体・110名が一堂に集う 働き方改革シンポジウムを開催 全日本機械工具商連合会(全機工連、会長=坂井俊司氏・NaITO社長)は11月18日、第1回『全機工連若手交流会』をロイヤルパークホテル(東京都中央区日本橋)で開催した。全国18団体から約110名の若手経営者らが参加して、「働き方改革」をテーマに意見を交わし、その後の懇親会で交流を深めた。 全機工連が主催する若手交流会の開催は今回が初めて。開会にあたり、設営を担当した東京都機械工具商業協同組合青年部会の原忠夫部会長(原機工商会社長)が挨拶で経緯を説明した。 これまでは、東京・愛知・大阪の3都市の青年部が主導して2年に一度、持ち回りで交流会を行ってきた。第1回は平成元年10月3日に愛知県で開催された(当初、数年間は毎年の開催)。6年前に東日本大震災があり、当時担当だった東京で開催されたが、見舞いを兼ねた特別な会を被災地である仙台で開こうとの合意があり、翌年6月に実現。その会以降、各地の青年部から地元での開催が望まれ、通常の会とは別に、浜松、岐阜で開催され意義深い交流が行われた。また、2年ほど前より全機工連から資金面でのバックアップもあり、参加しやすくなった。全機工連若手交流会と名称を改め、各地の若手経営者が交流できるように組織された。 第1回目となる今回は、岩手イーハトーヴ機工会、郡山機工会、茨城機工会、埼玉県機械機器商協同組合、川口機械工具商業協同組合、千葉機工会、東京都機械工具商業協同組合、東京西部機械工具商業協同組合、神奈川県機械器具機材商業協同組合、長野機工会、遠州機工会、岐阜機工会、愛知県機械工具商業協同組合、三重県機械工具商組合、石川県金属商業組合、広島県機械工具商組合、大阪西機工会青年部、大阪上町機工会青年部より参加があった。 原部会長は「我々の業界を取り巻く環境は、大企業が業績を伸ばし、株価もやっとバブルの水準あたりまで戻してきました。皆様の事業も数年前とは違う手応えを感じられていることと思います。一方で、大企業の不祥事が連日のように報道され、社会における企業の倫理観が強く求められていることも事実だと思います。我々の卸売業は、製造業全体に比べると小さなものですが、同様に倫理観の改善を強く求められ、また法律などの変更により非常に働きにくくなったような感じがしています。かと言って、蔑ろにできないことも肌で感じているのではないでしょうか。本日はシンポジウムの中で、講師の方に働き方改革についての講義をしていただくと共に、参加者全体で考えていきたいと思っています。短い時間ですが、皆様に世の中の動向を少しでも感じていただき、出席された方で熱く語っていただければ大変嬉しく思います」と歓迎の挨拶をした。 昨年6月の総会で全機工連会長に就任した坂井俊司会長は「盛大に開催できますことを大変喜ばしく思っています。働き方改革をテーマに掲げ、これからの会社経営のあるべき姿、経営者の進むべき方向、意識を変える、そのような会になることを期待しています。今日のこの会は若手交流会という名称となっていますが、若手同士、若手とベテランとの交流、そして私も含めベテランの方々が若い方に教えを請うという会であっても良いのではとも考えています。働き方改革は、皆さん手探りの状態だと思います。今日この会で学んでもらう、議論し合うということをきっかけに、取り組みが深まっていけば良いと感じています」と挨拶した。 全機工連人材開発委員会の水谷隆彦委員長(ミズタニ機販社長)は「人材開発委員会では、機工流通業界の将来を担う若手の皆様がこの全機工連若手交流会を、今後の業界を考え交流を図る場として末永く続けていただけること、そして集まる人数ではなく日本全国のより多くの地区から参加者を得て行われるよう工夫して運営していただけることを願っています。この交流会が将来の業界リーダーの発掘と育成に役立てばこんなに嬉しいことはありません」と期待を込めて挨拶した。 続いて、当日所用のため参加できなかった東京都機械工具商業協同組合の小池達夫理事長(平和テクニカ社長)のメッセージが宮川栄一副理事長(青年部担当)・全機工連広報委員長(富士馬鋼業社長)の代読で「交流会が業界の今後に明るい道を開いていただけることに期待するところです。課題を議論する場としての若手交流会は大変重要な集まりと言えます。若い方々の集まりは次の若い方々に必ず引き継がれます。全機工連のレガシーとしての役割を大いに発揮していただきたいと思います」と紹介された。 「働き方改革シンポジウム〜会社も社員もWIN WINとなるために〜」では、「中小企業の『働き方改革』について」と題して商工中金の町田崇男調査部長による基調講演が行われた。同氏は、生産人口の減少、長時間労働の慣行改善、生産性向上などを背景に、中小企業にとっても働き方改革は喫緊の課題であると指摘。その取り組みとして、シニアの活用、子育て支援、同一労働同一賃金、時間外労働の上限規制、モバイルワーク(テレワーク)などの状況を紹介し、「仕事のやり方を変える」という発想の転換が必要と話した。 引き続いて、松下幸輝氏(松下工機社長)がコーディネーターを務める中、シンポジストの落合茂樹氏(落合専務)、幡野裕幸氏(朝日社長)、田中健一氏(Joyful喜一ホールディングスCEO)が働き方改革に関する各社の取り組みなどを紹介した。 この後、経済産業省製造産業局産業機械課の潮崎雄治課長補佐が「我が国ものづくり産業の課題とConnected Industriesについて」と題して講演。国の取り組みを説明した。 午後5時前から懇親会が催され、大阪上町機工会青年部の菊川遵部長(宇野社長)の開会挨拶、愛知県機械工具商業協同組合青年部の滝澤有一副部長(松本商店社長)による乾杯で親睦・情報交換の場となった。 次回は2年後(2019年)に中部ブロックでの開催が予定されており、横断幕が東京組合から愛知組合に引き継がれた。 新年賀詞交歓会、ボウリング大会etc 今後の事業について意見交換 岐阜機工会 幹事会開催 岐阜機工会(会長=嶋ア晴久氏・シマザキ商会社長)は昨年11月29日に第2回幹事会を開催。幹事7名が出席し、今後の事業などについて意見を交わした。話し合われた議題は以下の通りだ。 1.中間会計報告の件▽市橋定之会計幹事(市橋商店社長)から、平成29年度会計についての中間報告(平成29年11月28日現在)が行われた。 2.全日本機械工具商連合会(全機工連)「第1回全国若手交流会」に関する報告ならびに補助金の件▽昨年11月18日、東京都機械工具商業協同組合が幹事を務め、「第1回全機工連全国若手交流会」が東京のロイヤルパークホテルで開催された。全国から約100名が参加し、岐阜機工会からも嶋ア会長以下4名が参加した。この時の4名分の交通費として7万2000円が全機工連から振り込まれると嶋ア会長から報告があった。 3.新年賀詞交歓会の件▽1月19日(金)に開催される新年賀詞交歓会について、幹事会当日現在の出席申込状況が徳永和也総務幹事(徳光社長)から報告されたほか、当日の役割分担について話し合われた。受付は市橋会計幹事に任され、司会進行は徳永総務幹事が担当することに決定。乾杯ならびに中締め挨拶の人選については嶋ア会長に一任された。 4.中部ブロック会議の件▽2月19日(月)、三重県機械工具商組合が幹事を務め開催。幹事会当日現在、詳細は未定。次回幹事は岐阜機工会が担当する。 5.ボウリング大会の件▽平成30年ボウリング大会は5月11日(金)、A.C.グランド(岐阜市茜部)での開催が決定。参加人数は、昨年並みの50名前後を想定。輿宗太郎幹事(KSコシ商会社長)が担当。 すべての議題についての意見交換が終わり、忘年会を兼ねた食事会を経て、この日の全日程が終了した。 浦安物流センターを開設 オータケ 東日本のサービス強化 管工機材の総合商社オータケ(社長=村井善幸氏、本社=名古屋市中村区名駅3-9-11)は、同社国内2つ目となる物流センター「浦安物流センター」を千葉県浦安市に12月18日開設した。 これにより在庫商品の充実と物流のスピードアップを図り、東日本の得意先を中心に一層充実したサービスを提供する。 【オータケ 浦安物流センター】 ▽住所=〒279-0025 千葉県浦安市鉄鋼通り3-4-7 ▽電話=047-350-7381 ▽ファックス=047-350-7382 SiC単結晶工具の開発に成功した 青木渉氏(BTT)の講演会開催 名機工同友会 11月例会で 名機工同友会(会長=吉野栄一氏・吉野機械工具社長)は昨年11月28日、名古屋市中区の東京第一ホテル錦で11月例会を開催した。冒頭で同会の今年度残りの予定が確認された後、同会会員でもある青木渉ビーティーティー会長が講師を務め、「この業界でトップになるために必要なこと」と題した講演会が開催された。 昨年12月4日付の日刊工業新聞に掲載され話題になったが、青木会長は江龍修名古屋工業大学教授と共に10数年にわたる研究を重ねた結果、遂に刃先に炭化ケイ素(SiC)単結晶を採用した切削工具の開発に成功した。詳細は省くが、このSiC単結晶工具は一般的なダイヤモンド工具よりも微細なナノメートルレベルの加工が可能で、レンズ用のアクリル加工や銅線の加工に向いているという。 講演会で青木会長は、刃物の原理から切削加工における問題点、それを克服するために開発を始めたというSiC単結晶工具の特長などを語り、最後に、あくまで自身の考えと前置きしたうえで「市販されている切削工具は、その性能は、ユーザーの求めるそれの60%しか満たしていません。それは、ユーザー個々によって、エンドミルひとつ取ってみても加工品の違いで求める性能がまったく変わってくるからです。それをできる限り100%に近づけることができれば、その企業は間違いなく切削工具業界でトップになれるでしょう。かといって、いちいち切削工具を開発していては莫大な資金も時間も掛かってしまいます。だったら、ユーザー個々が欲するニーズに合わせて、市販されている切削工具をチューンアップすればいいんです。そのための技術、知識が必要なら、どうぞ私に声を掛けてください」との言葉で講演会を結んだ。 講演会の後は、参加者からの質疑応答や記念撮影ならびに懇親会の時間が設けられ、この日の全日程が終了した。 青木会長は現在、ビーティーティー・テクニカルセンターなどで「切削工具の再研削・設計製作技術」などをテーマとした技術セミナー(有料)を開催している。こうしたセミナーはもちろんのこと、SiC単結晶工具に興味のある方は、ビーティーティー(052-736-8441)の青木会長まで問い合わせてみてはいかがだろう。 メーカー・商社など104名が参加 1つの輪になり皆様に貢献 服部商会 恒例の忘年会盛況 機械・工具の総合商社服部商会(社長=服部嘉高氏、本社=愛知県津島市)は、11月17日午後6時30分より名古屋駅前の北京料理「百楽」で、同社の仕入先と社員合わせて104名が参加し恒例の忘年会を開催した。 はじめに服部社長が「本日はお忙しい中、多数の方にご出席賜り誠にありがとうございます。服部商会もお陰様で、昨年同様か、それ以上に順調に推移しており、このまま年末セール、初荷につなげて良い決算を迎えたいと思っています。(2017年は)私の中では一致団結して乗り切る年だという思いでやらせていただきました。半年以上かけて中間管理職の育成に主眼を置いて取り組んできました。私たちのやるべき仕事、その意義、そしてどのようにしていくべきか勉強していただいて、それを更に若い社員に指導していき、1つの輪になって、ユーザー様はじめ、仕入れ先・メーカーの皆様の売上に貢献していけたら素晴らしいことだと思っています。本日は皆様にとって1つでもプラスとなるコミュニケーションをとっていただければ幸いです」と挨拶。 続いてメーカーを代表して、久野将稔オーエスジー中部営業部長(当時、現大宝産業)が「2018年は戌年。犬は鼻が利く、嗅覚が優れていることが特徴の1つかと思います。干支の本を見ると、戌年は仕事の面での嗅覚、鼻の違いで仕事に差が出る1年と書かれています。先日、服部会長と昼食をご一緒させていただく機会があり、会長から、営業マン(商売人)たるもの、まずは外に出なさい。机の前に座っていてはダメだ、机の上に注文はないというお話が1つ。2つ目に、新しいお客様にどんどん飛び込みなさい。無鉄砲にではなく、よく見て鼻を利かせて探ってから飛び込みなさいというお話がありました。これはなかなか真似ができない。それを50年以上も実践されてきたのが服部会長であり、その証が今の服部商会様だと思います。我々メーカーは同じことをコツコツやる真面目さはありますが、新規の所に飛び込む嗅覚が少し足りません。どちらかと言うと、苦手です。服部商会の営業の皆さんは新規にドンドン行っておられます。好況も長く続いており、そろそろ不安を感じなければならない年になろうかと思いますが、是非とも服部軍団の鼻の利くところで、我々メーカー、商社をグイグイ引っ張っていただくことをお願いします」と挨拶した。 商社を代表して挨拶に立った吉村泰典山善執行役員名古屋営業本部長は、「1年を振り返ると、服部商会様はますます勢いよく、組織改革をされましたし、社屋もリニューアルされました。まだまだ大きくなるのではないかと感じています。服部商会様の特長は、まず勢いがあること、そして現場力が素晴らしいという所で、現在、世の中の景況は大変いいですし、工作機械も1兆5500億円の目論見でしたが、10月が終わった時点で1兆3200億円と前年と同じ数字を達成しました。12月末で、もしかしたら新記録に近い1兆5900億円ぐらい行くのではないかという景況です。また、車のEV化が進み大変革を迎える中で、服部商会様の得意とする現場力を発揮していただいて、色々改革もしていただければと感じています」と述べ、力強く乾杯の音頭をとった。 歓談が進む中、ゲームなどで盛り上がり、最後に服部峰久専務が「2018年も社員一同、頑張ってまいりますのでご支援を宜しくお願いします」と挨拶、服部利一郎会長からも御礼の言葉があり、一本締めで終了した。 「ワンマイルモビリティ」 プロトタイプ初号機完成 岡谷鋼機 2019年事業化を目指す 岡谷鋼機(社長=岡谷篤一氏、本社=名古屋市中区栄2-4-18)は、自動運転技術の中でも先行して将来の新たな市場形成が見込まれる、一般道におけるワンマイルモビリティに着目し、2017年8月に高精度三次元地図データベース作成の「アイサンテクノロジー」および、自動運転システム開発の「ティアフォー」と、その事業化に向けた業務提携を実施。12月11日、プロトタイプ初号機(通称=Milee/マイリー)が完成したことを発表した。 マイリーは、ハンドルやアクセル、ブレーキを一切必要としないラストワンマイル向けの完全自動運転EV。ティアフォーが、岡谷鋼機とアイサンテクノロジーと共同で進めているワンマイルモビリティ事業を通じて開発した。 マイリーは、ティアフォーが開発中の自動運転ソフトウェア「Autoware」を使用し、アイサンテクノロジーの「高精度三次元地図」やレーザースキャナを搭載している。これにより周囲の物体検出、自車位置の推定、走行経路の策定、運転判断といった完全自動運転に必要となる主要な機能を実現している。 【参考スペック】 ・車両=電動ゴルフカート(ヤマハ発動機) ・車体=3Dプリンタ樹脂材(カブク) ・ECU=DRIVE PXプラットフォーム(NVIDIA) ・サイズ=全長3209o、全幅1488o、全高1944o ・重量=約700s 今後は、同プロトタイプ初号機を用いて、2018年春以降より実証実験を実施する。マイリーは、主に市街地や中山間地域における近隣への移動手段としての利用を想定しており、今後、ドライバー不足が深刻化している旅客・物流サービスなどへの展開を目指す。岡谷鋼機は、アイサンテクノロジーおよびティアフォーと連携し、実証実験を着実に進めながら、2019年にかけてワンマイルモビリティの事業化を目指すとしている。 ※「ワンマイルモビリティ」とは、小型モビリティによる限定地域での低速自動走行技術を活用した、社会課題解決型の「次世代端末交通システム」をいう。また低速自動走行とは、概ね時速30q以下を前提とし、米当局や内閣府の定めるレベル4(完全自動運転)の走行を指す。 最新のゴム・プラスチック製品集結 川島ベストパートナー展示会 大盛況裡に幕を閉じる 新社屋も完成し勢いに乗る、工業用ゴム・プラスチック・樹脂製品販売の川島商事(社長=川島健一氏、本社=名古屋市熱田区)と、その主要仕入先メーカーで構成される「川島ベストパートナー会」主催の展示会『川島ベストパートナー展示会』が昨年11月29日、名古屋市中村区にあるウインクあいち(愛知県産業労働センター)で開催された。当日はあいにくの天気にもかかわらず目標を上回る来場者が訪れ、会場は大いに賑わいを見せていた。 2年に1度開催されている本展示会。今回は、前回(2015年)から3社増えて(川島商事含め)20社が出展した。本展示会の特長は、来場者が展示品を直接見て、触れて、体感できる点にある。昨今、市場ニーズの高まりを見せている「省エネ節電」「環境」「新製品」をテーマに、各メーカーとも最新の技術やイチオシ製品を熱心にPRしていた。 「皆さまが出品される展示品は、工場の方々の血と汗と涙で作られた製品ばかりです。ぜひとも来ていただいた方を引き留め、見て、触れて、体感していただき、製品の良さをしっかとりアピールしてください。そして拡販につなげていただければと思います」と、開会前に各出展メーカーに檄を飛ばしていた川島社長。次回開催は2019年の予定だが、今から期待は膨らむばかりだ。 2018年1月21(日)・2659号 山崎康彦氏(デンソー常務役員)の講演会併催 変革のスピードは予想以上 日工販 中部地区忘年懇親会開く 日本工作機械販売協会(日工販)の中部地区忘年懇親会(中部地区委員長=高田研至氏・井高社長)が昨年11月30日、名古屋市東区のメルパルク名古屋で開催され、会員ら約150名が出席して情報交換などを行った。高田中部地区委員長は挨拶で「自動車業界は大きな変革期にあり、今後をしっかり見定めていかなければならない」と話した。また、冨田薫日工販会長(トミタ社長)は協会の活動として営業マンのレベルアップ教育の強化に注力していることを報告した。懇親会の前には講演会が開かれ、山崎康彦デンソー常務役員が『情報化時代のモノづくりと人づくり』と題して同社の取り組みを紹介した。 懇親会の冒頭、高田中部地区委員長が「本日は多数の方にお出でいただきまして誠にありがとうございます。また、山崎デンソー常務役員様には非常にためになるお話をしていただき、ありがとうございました。我々はIoTについて、展示会などで色々見てこんなものかとは思っていましたが、ユーザー様が本当にどのようなことを求めているのかを垣間見ることができたのではないかと思います。また、自動車業界の将来について私は先日、日工販の行事で講演を聞いた時に少し安心できる数字を見ていまして、EV(電気自動車)は2025年に1億台になり、30年頃EV化されるのが13%ほどで、我々の業界はまだまだ大丈夫と思っていましたが、本日のお話によると、思った以上に進んでいる。電池の関係がどうなるか、また蓄電の力などが変わってくることによって、我々の商売にも大変な影響が出てくる可能性があるとも感じたので、我々としてこれからどうしていくかを考えなければならないと思います。日工販としては、各地区でさまざまな行事をという冨田会長からの指示のもと、色々と行事を開催しています。今後の予定としては、12月の初めに工場見学として三菱マテリアル岐阜製作所と村田機械犬山工場の見学をさせていただきます。また、来年(2018年)には勉強会と情報交換会の開催を計画したいと思っています。日工販として、しっかりと皆様とともに歩んでまいりたいと存じますので、今後ともご支援ご協力のほど宜しくお願いいたします」と挨拶。 続いて、冨田日工販会長が挨拶し「インターネット社会、IoT社会と言われるような社会になりつつある中で、我々機械工具商の一番の強敵はAI付きのネット通販ではないか。それに打ち勝つには、やはり我々日工販のメンバーはじめ、機械工具商の営業マンをレベルアップしていくことが非常に大切になると感じています。そのために日工販では、SE(セールスエンジニア)教育をはじめ、各種教育を行っています。地区においては勉強会、工場見学会、メーカーの新製品説明会等々を行っていますので、ぜひ皆様方の若手営業マンをはじめ、中堅、ベテランの社員の方を参加させてレベルアップを図っていただきたいと思っています。皆様のご協力をお願いします」と協会の取り組みについて話した。 乾杯に際し、メーカーを代表して井上真一牧野フライス製作所社長が「工作機械の受注は、2016年の11月から連続して12か月、1000億円を超えています(2017年11月30日時点)。これは皆様のご支援の賜と厚く御礼申し上げます。今後とも宜しくお願いいたします」と述べ、力強く乾杯の音頭をとった。 歓談が進む中、中部地区理事の小島徹サンコー商事社長が「2018年は戌年です。戊戌(つちのえ・いぬ)と言って、戊とは植物で例えると、その植物の成長の絶頂期ということで、この干支にあやかって我々の業界も絶頂期を迎えるべく、皆さんで頑張って盛り上げてまいりたいと存じます」と挨拶し、三本締めで終了した。 懇親会に先立って午後4時より行われた講演会で、講師を務めた山崎康彦デンソー常務役員は、デンソーグループ2030長期方針と自動車産業の動向について説明した後、情報化時代を迎えた同社のモノづくりを紹介。「デンソー流Factory IoT」(生産準備IoT、工場管理IoT)として、コンセプトや設備信頼性向上の事例、品質向上の事例、同社オリジナルのIoT要素技術開発などについて解説した。また、今後に向けた取り組みとして、人材育成についても述べた。 同氏は「情報がつながれば、技術がつながる。技術がつながれば、人がつながる。人がつながれば、心がつながる。これを生かした上手な情報化をして、それに合ったモノづくりで進化をしていきたい。当面の10年、15年はそれで対応して、その先には、ツールそのものが仕事のやり方を変えるポテンシャルを持っているので、違うコンセプトで、違う仕事のやり方が出てくると思われる。特に情報化でつながると、仕事のテリトリーが大きく変わる可能性がある。生産技術と設備設計が1人でできるようになる。仕事の区分、組織のあり方が大きく変わってくる。今は最適なツールを作り出して次の進化を目指していきたい」と話した。 年 頭 所 感 情報提供活動などに 引き続き取り組む (一社)日本自動車機械器具工業会 理事長 山口 伸一郎 平成30年の新年にあたり一言ご挨拶申し上げます。 我が国の景気は、雇用・所得環境の改善が続く中で緩やかな回復基調が続いているところであります。 最近の乗用車の生産・販売でみても、いずれも昨年実績を上回って推移しているところであります。また、自動車保有台数も8170万台を超え微増傾向にあり、その使用期間も長期化する傾向にあり、こうした動きが自動車整備需要を喚起していくことにつながっていくよう期待しております。 自動車につきましては、自動運転技術の普及拡大に伴い自動車技術の電子化・高度化が急速に進展してきており、自動車部品分野だけではなく自動車機械器具及び整備技術分野においても変化をもたらしてきております。整備サービス分野では自動車整備技術の高度化に向け、先進安全装置についても適切な点検整備が効果的に行える汎用スキャンツールの活用促進や整備要員の質的向上等が求められてきております。 スキャンツールメーカーが会員となっている当工業会においても、国の自動車整備技術の高度化検討会の場に委員として参加し、他の関係団体とともに走行安全システムのうち、市場からの要望の強いシステム及び今後装着率が高まるシステムについて、汎用スキャンツールの新たな標準化仕様を策定し、故障診断や修理調整に係る課題検証(自動ブレーキに搭載前方センシングディバイスのエーミング作業体験会)を展開するなどしてきたところです。 このような進展を背景に国においては、自動運転技術等に対応した自動車検査制度の導入に向けた検討を開始するため、「車載式故障診断装置を活用した自動車検査制度のあり方検討会」が新たに開始されており、こうした検討会にも当工業会からも委員を派遣するなどして積極的にかかわっております。 また、当工業会会員各社は、クルマの安全と環境を支えるサービスツールメーカとして、ユーザーニーズに応え、新製品開発、安全の質のレベルアップに努力し、将来の整備を意識した整備機器製造に取り組み、そうした成果をオートサービスショー並びに東京モーターショーの場を活用するなどして自動車機械器具の展示・提案に努力してきたところです。 最近では、政策手段を活用して整備事業者が投資する生産性向上設備並びに経営力向上設備等として特にリフト、門型洗車機等の大型機器を中心に出荷の増加が見られているところですが、引き続き工業会内に設けられている分科会の場並びに当工業会のホームページにて公開しているニュース便覧等を活用して、整備機器分野でのビジネスチャンスの拡大や新商品開発につながっていくような情報提供活動をはじめとする工業会活動に引き続き取り組んでいきたいと考えております。 最後になりますが、関係各位のご健勝を祈念いたしますとともに、当工業会が飛躍できますよう関係者の皆様のご指導並びにご支援を申し上げ、年頭の挨拶といたします。 わが国の成長力の底上げと 生産性向上に向けて (一社)日本産業機械工業会 会 長 佃 和夫 2018年を迎えるに当たり、新年のご挨拶を申し上げます。 皆様には、気持も新たに新年を迎えられたことと思います。 昨年を振り返りますと、経済面ではわが国の実質国内総生産(GDP)が7〜9月期に7四半期連続のプラス成長となるなど、海外経済の拡大を背景に輸出や生産が伸び、緩やかな景気回復が続きました。しかし、企業収益が改善した一方で個人消費の伸びは力強さが見られるまでには至りませんでした。 通商面では、新たな環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意や、日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉が合意するなど、貿易と投資の自由化に向けた質の高い通商ルールの整備が進展いたしました。 一方、海外を見ますと、朝鮮半島の緊張感の高まりや中東の政治情勢の不透明感、英国のEU離脱交渉の行方、米国のTPPや地球温暖化対策パリ協定からの離脱の表明など、世界情勢が刻々と激しく変化した一年だったのではないかと思います。 我々産業機械業界の2017年度上半期の受注は、内需・外需とも増加し、上半期としては3年ぶりにプラスへ転じました。内需は民需・官公需とも増加し、外需は中国やアフリカ、オセアニアで増加するなど、機種により差はありますが、総じて見れば受注環境の明るさが増してきたと思います。 こうした中、2018年は、わが国の成長力を底上げし、多くの人たちがその成長を享受できるという成長と分配の好循環を確立していく必要があると思われます。 そのためには、多くの産業が第4次産業革命に対応した設備への転換を図り、人工知能・ロボット・IoTなどを活用したイノベーションの実現に取り組み、生産性や競争力を一段と高めていくとともに、少子高齢化や人口減少で縮小が懸念される国内市場の消費や投資の機会を広げ、新たな需要の創出・拡大に繋げていく事が重要であると考えます。 我々産業機械業界としても、時代の変化に対応した新たな「ものづくり」の創出に取り組み、優れた製品とサービスを提供し、わが国産業の生産性向上と国際競争力強化に引き続き貢献していきます。 併せて、日本の強みであるエネルギーや環境分野の技術をさらに進化させながら、温暖化を始めとする地球規模での環境対策にも積極的に取り組んでいきます。 政府におかれましては、わが国産業が世界に誇る「ものづくりの強さ」を活かし、国内外の様々なニーズに応える新たな製品やサービスを創造していくために、企業の研究開発、設備投資、人材育成等を促進させる各種施策のさらなる充実を図っていただきたいと思います。 また、日本企業が安心して海外への事業展開ができるよう、自由貿易の促進や国際通商ルール作りに粘り強く取り組まれることを期待しております。 年頭にあたり考えるところを述べさせていただきましたが、関係各位におかれましては一層のご指導、ご協力をお願いしますとともに、皆様のご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。 年 頭 所 感 ビジョンは業界の羅針盤 (一社)日本鋳造協会 会 長 伊藤 光男 2018年の新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。 皆様方には、2018年の新春をお健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。協会運営にあたり、格別なご理解とご協力を頂いておりますことに対しまして御礼を申し上げます。 昨年は、念願の新鋳造産業ビジョンを、経済産業省素形材産業室の皆様方のご指導をいただき、新鋳造産業ビジョン策定委員会の佐藤孝造委員長の下、次代を担う若手経営者を中心に「鋳造産業ビジョン2017」として作成することができました。委員各位のご尽力に心より感謝致しますとともに敬意を表する次第でございます。 鋳造産業を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。国内においては、少子高齢化と人口減少による国内マーケットの縮小と労働力不足。一方では、増大する世界人口とマーケット。ITの発展とIndustry4・0やIoTに代表されるITの製造業への急速な展開等々今後の10年は、日本の製造業にとってかつて経験したことの無い激変が予想されます。この中でキーワードはグローバル化≠ニIT化≠ニ思われます。「鋳造産業ビジョン2017」では、これらを踏まえつつマーケットの変化に対応できる企業、そしてそれを可能にする人材の育成、そしてそれぞれの企業のニーズの実現に向けた会員企業の取組みへの提言と協会の支援活動をアクションプランとしてまとめています。「鋳造産業ビジョン2017」は、正に今後10年間の鋳造業界の羅針盤になるべく策定致しています。 また、鋳造カレッジも10周年を迎え、北海道・東海・北陸・関西・中国四国地区で(公社)日本鋳造工学会との共催により記念式典を開催し、長年に亘り鋳造カレッジの運営に貢献いただいた講師、施設提供企業・機関等の皆様に感謝状を贈呈致しました。鋳造カレッジ修了生を対象とした協会認定の鋳造技士の認定者も平成28年度までに累計827名を数え、そのほか鋳造カレッジ上級コース、鋳造入門講座など着実に実施されました。これら人材の育成事業に関しましては、それぞれの地域の現地責任者の方々、そして何よりも講師をお勤めいただいた日本鋳造工学会の皆様方に感謝と敬意を表する次第でございます。今後とも日本鋳造工学会のご協力をお願い申し上げます。 私ども協会は鋳造産業発展のためにお手伝いをさせていただきますので、今後とも関係諸団体並びに会員の皆様方のご指導ご鞭撻をよろしく申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。 自由貿易体制を堅持し、 我が国機械産業の持続的成長を目指す 日本機械輸出組合 理事長 槍田 松瑩 新年明けましておめでとうございます。 年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。 昨年の世界経済を振り返りますと、米国新政権の通商・環境政策の見直しや欧州での首脳・議会選挙における右派の台頭、英国のEU離脱交渉などが及ぼす影響が懸念されましたが、先進国経済は堅調な個人消費等に支えられ、全体として緩やかな成長が維持されました。 米国においては、労働市場の堅調さをうけ、FRB(連邦準備制度理事会)の保有資産圧縮が行われ、3月、6月に引き続き、12月にも利上げが行われました。他方、欧州においては、英国のEU離脱交渉が年末のEU首脳会議で第二段階へ移行することが決定し、交渉が一歩前進しました。新興国では、中国の成長が伸び悩んだものの、インドやフィリピン、ベトナムの成長が6―7%台の高成長を維持しており、ブラジル、ロシアにおいて長期低迷からの回復傾向が見られるなど、世界経済は、全体として堅調な成長を示しました。 我が国経済におきましては、消費が伸び悩んだものの、輸出に支えられて景気は拡大を維持し、我が国輸出の約65%を占める機械輸出は、昨年初からの円安傾向の影響もあって、自動車をはじめ、ほとんどの業種でプラスとなり、新興国向け輸出でも、ベトナム、フィリピン、インド向けが好調を維持し、2017年1―11月の輸出額は対前年同期比約10・3%増と大きく伸びました。 本年を展望してみますと、欧米経済は、個人消費を中心に引続き堅調に推移するとみられますが、NAFTA再交渉等米国第一主義による米国通商政策の行方が注目されるところであり、また、FRBによる利上げが内外に及ぼす影響も懸念されます。欧州では反移民を掲げる極右やポピュリズム政党の台頭、更には英国の本格的なEU離脱交渉等、経済に大きな影響を与える政治リスクが存在しております。 他方、新興国は、中国経済の停滞や米国によるエルサレム首都認定による中東情勢の流動化、朝鮮半島の緊張状態からも目を離すことができません。国際テロの広がりも、引き続き世界経済にとっては大きなリスク要因となっております。 こうした中、我が国の輸出については、米国の経済が堅調な拡大を続けるとすれば、新興国におけるブラジルやロシアの経済回復の本格化から、全体として緩やかな成長が続くものと思われます。 通商・投資環境面では、米国のTPPからの離脱やNAFTAの再交渉等保護主義的な動きの広がりが懸念されますが、昨年11月のTPP11大筋合意や12月の日EU・EPAの合意を梃子にして、我が国が自由貿易のイニシアチブをとり、環境物品等の自由化交渉やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)交渉の加速化などを進めていく必要があります。 こうした状況下、我が国機械輸出業界は、本年においても、以下のような対策を強力に実施し、機械輸出や海外販売の拡大を図り、我が国経済・産業の持続的発展に貢献して参りたいと存じます。 第一は、国際競争力の更なる強化と我が国機械産業の持続的成長の実現です。 我が国業界は、更なる選択と集中を推進し、競争力を有する分野をさらに強化するとともに、IoTやAI(人工知能)等を活用した新たな分野におけるイノベーションを実現し、グローバル市場における競争優位な製品・サービスの投入によって我が国機械産業の持続的成長の実現を目指します。 他方、政府に対しては、法人税改革や規制改革を推し進め、産業競争力の強化や国際物流の効率化を実現するとともに、政府首脳によるトップ外交の積極的な展開や、JICA、JBIC、NEXIの連携等による巨大リスク案件への積極的な支援等、我が国の質の高いインフラ輸出推進策を拡大することを強く働きかけて参ります。 第二は、貿易・投資環境をさらに改善し、自由貿易体制を堅持することです。 我が国業界は、日EU・EPA及びTPP11の早期発効、RCEP等の早期交渉妥結、環境物品自由化交渉等の早期交渉再開を積極的に支援するとともに、既に締結されたEPAを積極的に活用して輸出の拡大を図って参ります。更に各国の通商・投資や国際課税、知的財産、情報保護、貿易手続等に関する制度・運用動向を注視し、保護主義的措置や円滑な貿易・投資を阻害する制度の導入・運用があれば、政府と連携してこれらの排除・ルール策定に努め、特に英国のEU離脱交渉に関しては、欧州事業の持続性確保を図ってまいります。 政府に対しては、日EU・EPA及びTPP11の早期発効やRCEP、環境物品自由化交渉の早期妥結を推進し、EUの個人情報保護に関する十分性認定への働きかけや、データ越境移転の確保について保護主義的措置を行っている当事国・WTOへの対応を行っていただき、自由で開放された貿易制度の維持のため、積極的に他国に働きかけていくことを強く要請して参ります。 当輸出組合は、2018年も、皆様と一体となって、これら対策を積極的に推進し、我が国機械輸出業界の更なる発展と我が国経済の本格的回復に向けて邁進してゆく所存です。 組合員の皆様方のご健勝とご発展を祈念して、新年のご挨拶と致します。 年頭のご挨拶 (一社)日本防錆技術協会 会 長 羽田 隆司 新年あけましておめでとうございます。 皆様におかれましては健やかな新年をお迎えになったこととお慶び申し上げます。 本協会は、「防錆に関する調査研究を行う事業」、「防錆に関する技術者の養成を行う事業」など10項目の事業分野を定めて活動を展開しております。これらの中から注目すべき2、3の活動を振り返って今後の課題を考えて見ます。 「防錆に関する調査研究を行う事業」では、我が国における防錆防食に要する費用が如何ほどになるかを調査する「腐食コスト調査研究」を昨年から取り上げてきました。過去、昭和52年及び平成13年に公益社団法人腐食防食学会と共同で調査研究を行ってきた延長です。前回調査から15年経過したことから平成28年度からの取組を計画してきました。今年1月には、中間報告のまとめを行い、明年3月には、報告書の完成を目途にしております。 「技術者の養成を行う事業」の主体となる通信教育「防錆技術学校」は、昨年も5科371名の受講者で開講し、本年3月9日に修業式を迎えます。関係各位のご協力を得て継続して多数の受講者を迎え感謝にたえません。是非、今後とも受講者のご紹介をいただきますようお願い申し上げます。また、防錆技術学校で所定の成績を修め、「防錆管理士」に認定された方々で組織する防錆管理士会では、今年3月より九州支部において防錆管理士のスキルアップ講座を行うことになっております。 「防錆に関する情報を収集整理する事業」では、昨年の第37回防錆防食技術発表大会があげられます。「東京ガーデンパレス」において開催され、若手技術者優秀発表賞を継続し、若手技術者の育成に努め、参加者283名と盛況裏に終わることができました。第38回防錆防食技術発表大会の委員長には、九州大学大学院 濱田秀則氏(元港湾技術研究所)に継続してご就任頂きました。内容の一層の充実を図りさらなる発展を目指します。 最後になりましたが、本年も皆様並びにご家族のご健康と更なるご健栄を心よりお祈り申し上げます。 年 頭 所 感 年頭のご挨拶 (一社)日本機械工業連合会 会 長 大宮 英明 皆様、新年明けましておめでとうございます。 年頭に当たり、平素より日本機械工業連合会にお寄せ頂いております皆様方の温かいご支援とご協力に対し、改めて深く御礼申し上げます。 我が国機械産業全般の動向を見ますと、日機連の「機械生産見通し」においても、今年度の国内機械生産は、前年度比5・5%増と、この7年間で最大の伸び率が予想されるなど、国内外の景気動向を反映して総じて堅調な状況が続いております。昨年度のマイナス成長に対して今年度はほとんど全ての業種において増加基調にあり、こうした状況が新年度の4月以降も継続することを強く期待するところですが、労働需給のタイト化も気になるところです。 いざなぎ景気を超えるアベノミクスの5年間にわたる景気回復のなかで、280万人の就業者の増加に伴い、失業率はバブル崩壊以降最低の水準となりました。人手不足の影響が大企業/中小企業、また地域を問わず日増しに高まっていることを、多くの皆様が実感しておられることと思います。 こうした労働需給のトレンドは、今後のわが国経済の状況並びに我々機械産業の行方を左右する最も重要なポイントになるのではないかと感じております。少子高齢化のなかで、今後のわが国の「労働力人口」は、10年後には約8%の500万人の減少、そして20年後には約16%の1000万人以上の減少が見込まれるとも言われております。こうした予測値は、ワークライフバランスの改善等の取組みによってある程度変化するものではありますが、人手不足がわが国経済にとって最早構造的な課題であり、労働需給が構造的にタイト化してきていることは抗うことのできない潮流ではないかと考えます。 こうしたなかで、政府におかれても昨年12月に、『新しい経済政策パッケージ』を取り纏められ、「少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、2020年までの3年間を集中投資期間と位置づけ、取組む」との方針が打ち出されました。また、このための対策の一環として、一定の賃上げや人材育成、設備投資を前提条件とした法人税率の引下げ措置の導入が決定されたところであります。構造的な労働需給のタイト化を前にして、人手不足を成長の隘路としないためのこれまでにない創意工夫が求められていることは論を俟たないところです。 労働需給のタイト化は、機械産業にとって二重の意味を持っています。取引企業や自社の生産現場での人手不足に如何に対応するかという自らの課題の一方で、顧客への機械及びシステムの提供を通じて、ユーザーの省人化、生産性の向上に貢献するという立場です。人件費の上昇圧力の下で、企業がコスト競争力を維持する為には、相当程度の省力化投資を進め、生産性改革の実現に本気で取組む必要があります。日機連におきましても、こうした動きを促進すべく、所要の税制の実現につき、関係方面への要請を行ってまいりましたが、そうしたなかで償却資産向け固定資産税課税の改善、IoT関連税制の創設、省エネルギー税制の創設等、投資を円滑化するための一連の税制が実現することとなりました。人手不足のなかで製造業、サービス業を問わず所要の投資を進める上で、今回の決定は、時宜に適ったものと考えており、機械ユーザーサイドでの制度の積極的な活用を強く期待しております。 加えて、イノベーションを活用した生産性革命への取組みは、わが国のみならず、世界各国において喫緊の課題として認識されております。私が併せて会長を務めておりますRRI、ロボット革命イニシアティブ協議会が経済産業省とともに昨年11月末に開催致しました国際シンポジウムにおきましても、ドイツ、アメリカ、中国、スウェーデン、チェコなど各国からの代表者が参加し、非常に強い問題認識のもとで、IoT革命を巡って極めて活発な議論が行われました。また、米国のIIC、インダストリアル・インターネット・コンソーシアムからの要請もあり、RRI-IIC間での連携協定の締結を発表致しました。今年前半からも具体的な連携活動が開始される予定であります。このシンポジウムに参加して、私は、取組むべき課題が山積しており、かつグローバルに共通していること、そうしたなかで課題解決に向けた各国間のコラボレーションが強く期待されていることを改めて痛感致しました。 スマート・マニュファクチャリングに関する国際標準化に向けた取組みも今年はIEC中心に加速していくものと思われます。国内の取組み体制も充実が期待されるところであり、関連する工業会のご協力をいただきながら、わが国がこの面でも積極的に貢献できる立場に立てるよう取組んで参りたいと思います。 皆様の一層のご健勝とご活躍を祈念申し上げ、新春のご挨拶とさせていただきます。 年頭の辞 岡谷鋼機 取締役社長 岡谷 篤一 (1月4日の同社年賀式で岡谷社長が述べた「年頭の辞」の要旨) 昨年の日本国内は、少子化による人手不足を補うための設備投資が加速しました。世界では、米国経済の好調および中国の安定政権発足を背景にアセアン経済も拡大しました。またIT、IoTとAI等の第4次産業革命もEU他の経済を支えて個人消費や設備投資を生み、世界経済は拡大しました。 本年は、中東情勢や北朝鮮問題等の課題はありますが、米国の減税などもあり、昨年を上回る世界同時好況に期待します。そして当社グループも、新年の追い風を捕捉し、中期計画Gih-2020の達成に向け邁進する年とします。 グローバル 世界22ヶ国の当社ネットワーク全てにおいて目標を達成できるよう、グループ力を結集してグループ全体の活性化に努める。また、日本国内での人手不足による現場力・技能力低下に対してはロボット・IoT等の推進に努めるが、当社進出国でのものつくり加速の可能性にも注目し、貢献する。 イノベーション 世界での次世代自動車の議論本格化は当社グループにとってチャンスと捉え、情報を収集・分析し、有効な戦略を実行する。また、昨年新設した米国岡谷鋼機シリコンバレー事務所より先端情報をグループに発信し、新産業にも精力的に取り組む。 一方、国内では日本固有の自然災害対策とともに、東京オリンピックやリニア鉄道等の新しい国土作りに積極的に参画する。 ヒューマンリソース グループ一丸となった教育制度改革や人材確保が新たな課題。また、IT・AI時代を迎え人の役割が変化する中、戦略的計画力・想像力・対話力と判断力のレベルアップを期待する。 そして引き続き競争力のあるIT活用を推進、スピード感のある組織体制、管理部門の牽制機能も点検・強化する。また、国内外各地域において従来以上に地域貢献活動にも注力し、地域の発展にも貢献する。 新年は、大きな変革の年となりますが、世界経済の拡大が期待できる年です。グループ一丸となり密接な情報交換と議論を続け、新たな飛躍に向けて邁進しましょう。 ※中期計画Gih-2020の3つの柱…Global(海外取引の拡大)▽Innovation(技術革新)▽Human resource(人材育成) 年頭挨拶 DMG森精機 取締役社長 森 雅彦 新年明けましておめでとうございます。 昨年は、世界中でのテロ事件勃発、北朝鮮のミサイル発射といった地政学的リスクの高まりや、米政権交代による国際政治の不安定化、国内大手企業の品質改ざん問題で、動揺・不安の多い一年となりました。一方で、日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を更新し、当社も好調な受注環境および為替差益により、統合後最高の売上高を見込んでおります。9月のドイツ・ハノーバーで開催されたEMO2017では、過去最高額の引き合い・受注を達成する事が出来ました。同9月、ドイツでカールツァイス社やデュル社などと提携して、ジョイントベンチャーADAMOS(ADAptive Manufacturing Open Solutions)社を設立いたしました。同社はオープンな産業用IoTプラットフォームサービスを提供する企業として、どのベンダーからも中立の立場で最新のIT技術と業界知識の融合を推進します。 2016年8月にドミネーション・アグリーメントが発効され、完全一体経営の深化が始まりました。部品共通化、機種統合、CRM、サービス・パーツシステム、グローバル生産を最適化しました。伊賀工場で生産している自社内製主軸「マスターシリーズ」を今春より全対象機種に標準採用してまいります。さらに、グループ会社であるマグネスケール製「スマートスケール」の全機種標準搭載を、制御システム強化による加工時間短縮・省エネを実現する「グリーンモード」の標準装備を推進してまいります。 EV化、AI化、高齢化といった市場変化に伴い、当社では製品の5軸化、複合化、自動化をさらに拡充してまいります。さらに、テクノロジーサイクル、周辺機器メーカーとの連携、IoTを駆使し、お客様のお悩みを一手に引き受けるトータルソリューションプロバイダを目指します。 また、「よく学び、よく働き、よく遊ぶ」をモットーに、コアタイム制や在宅勤務のさらなる活用で、全従業員の有給休暇20日取得を徹底いたします。また、4月には社内託児所を開園、定年年齢も従来の60歳から65歳へと延長し、社員のワークライフバランスの充実を図ります。 本年も、世界中のお客様に、優れた品質の製品を最善の納期とサービスでお届けすべく、尽力して参ります。引き続き変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。 中部テクニカルセンターの紹介や 優秀販売員の表彰を行う 三菱マテリアル 豊削まつり2017開催 三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏、住所=東京都千代田区大手町1-3-2経団連会館11階)は、11月8日午後6時より名古屋市中区のヒルトン名古屋において「豊削まつり2017」を開催した。豊削まつりは今回で24回目。第一線で活躍するMSM特約店と代理店の営業マンを対象とし、中部テクニカルセンターの概要説明や優秀販売員の表彰、キャンペーンの紹介、さらに同社製品を「見て・触れて・学ぶ」ことをテーマに新製品の展示紹介が行われた。 冒頭、中村伸一三菱マテリアル執行役員加工事業カンパニーバイスプレジデント兼営業本部長が挨拶で「平素は、三菱マテリアルDIAEDGE(ダイヤエッジ)製品の拡販に格別なるご尽力を賜りまして、厚く御礼申し上げます。4月に新しく予算を掲げてスタートして、もう半年以上が経過しています。お陰様で、予算に対して約2%増の受注販売状況となっています。これも偏に、ご参席の販売店様ならびに代理店様の日頃のご活躍のお陰と思っています。また、このあと紹介がある、各賞を受賞される非常に優秀な営業の方々の多大なるご活躍、ご業績によって、我々のこの数字も出来上がっていると感じています。この豊削まつりも24回目となります。昔を振り返ると、私も岐阜製作所に勤務している時期があり、その頃、黒田(現・富士営業所長)と共に三感体験なるものをこの名古屋の地でスタートした記憶があります。三感体験というのは、人間の持つ『見て、触って、聞く』という感覚を使って直にこの場で商品の知識を身に付けてもらうというのが、当初の目的だったと思います。その三感体験から豊削まつりに移るまでに何年間かの時間があったと思っていますが、さらに20数年間の間にこんなに立派な企画になったということに対して、皆様のご尽力があってのことだと個人的には嬉しく思っています。先日、弊社のOBの方と話をする機会があり、ちょうど今の景気の話になりました。皆様も既に肌で感じているかとは思いますが、今はすべての業種において非常に好調だということで、その好況の波にいかに乗るかが大事なことだという話から、そもそも波に乗れる船があるのか、ないのか、それによって強い波に乗れる、あるいは上手く乗れないといったところで社業に影響するのだという話だったと記憶しています。その船というのは、すなわち私どもの製品・サービスの質であったり、あるいは人であったり、企業の体質であったりというものが、恐らく影響していると思います。勿論、弊社単独ではできませんので、今日ご参席の販売店様ならびに代理店様あっての総合力での船という思いが大変重要になると思っています。今年度3月まで残り5か月を切りました。好景気の波にしっかり乗って、取りこぼしのないように、我々これから数字につなげていきたいとの思いがあります。皆様方のより一層のご理解とご協力をお願いいたします」と述べた。 昨年6月のオープンから既に1900名以上が来場し好評の「中部テクニカルセンター」について、馴田建一三菱マテリアル加工事業カンパニー開発本部加工技術センターセンター長補佐が概要を説明。同センターの技術サービス(テストカット▽ライン診断・工程改善提案▽解析・加工シミュレーション▽ツーリング提案▽電話技術相談等)、教育サービス(ユーザー研修・講習会▽eラーニング)の紹介などを行った。 2017年優秀販売員表彰式では、各部門で優秀な成績を収めた特約店の営業マンが発表され、「インサート販売成長率賞」5名、「WSX445セールス賞」1名、「MS6015セールス賞」1名、「WSTARドリルセールス賞」1名、「エンドミルセールス賞」1名、「キャラバン賞」2名、「躍進賞」1名、「敢闘賞」1名、「最優秀賞」1名に中村営業本部長より賞状が授与された。 受賞者を代表して最優秀賞を受賞した宮田憲人氏(新栄商會)が謝辞を述べ、その中で「中部テクニカルセンターは最強の武器になると確信しました。このセンターを活用させていただき、三菱ダイヤエッジの拡販に努めてまいりたい」と決意を語った。 続いて、2018年度豊削まつり表彰内容の説明と2017年度ウィンターキャンペーン表彰内容の説明、ならびに新製品の高能率加工用多機能カッタ『VPXシリーズ』の紹介が百合洋三菱マテリアル加工事業カンパニー名古屋支店浜松営業所主任より行われた。VPXシリーズは、高負荷加工において耐欠損性に優れる縦刃インサートを採用し、ランピング加工やヘリカル加工など様々な加工形態に対応でき、経済性にも優れる両面インサート式多機能カッタであり、製品の特長とセールスポイントが紹介された。また、同社の各製作所(筑波製作所、岐阜製作所、明石製作所)の関係者の紹介も行われた。 最後に、坂元秀幸三菱マテリアル加工事業カンパニー名古屋支店長が「豊削まつりでは私どもから色々なメッセージを皆様方にご提供したと感じていますが、まだまだ伝えきれていないことや、もっと皆様にお聞きしたいことがあります。この後の懇親会でも皆様方の貴重な時間をいただければありがたいと思います」と述べて第1部を終了した。 第2部懇親会では、堀江武夫三菱マテリアル加工事業カンパニー流通営業部長が「私が潮田から引き継いで流通営業部を担当して初めての豊削まつりということで、非常に懐かしい顔も見受けられますし、今回初めてお会いする方も大勢お見えになる中で、第1部の表彰を、表彰された方、また会場の皆様も三菱ダイヤエッジ製品の拡販に努力していただいているのだろうと感じながら拝見させていただきました。この懇親会を盛り上げて、明日からさらに頑張っていただけるような楽しい場とさせていただきたいと思っています」と挨拶し乾杯の音頭をとった。 出席者は互いに情報交換して親睦を深め、杉山達彦三菱マテリアル加工事業カンパニー名古屋支店流通営業課長による御礼の挨拶と三本締めでお開きとした。 広島の地で平和の大切さ再認識 第40回三親会総会を開催 サンコー商事 近況報告など行う サンコー商事(社長=小島徹氏、本社=名古屋市名東区高社2―245)の販売店と仕入先メーカーで組織する「三親会」(会長=野崎憲昭氏・常磐精機社長)の第40回定時総会が11月23日、広島市内のTKPガーデンシティ広島で開催され、会員ら33名が出席した。翌日は観光とゴルフが行われ、会員相互の親睦が図られた。 総会当日は、午前11時50分にJR名古屋駅に集合し、東海道・山陽新幹線で広島へ。平和記念公園・原爆ドームを見学した後、午後5時からの総会に臨んだ。 総会の進行を吉田寿行サンコー商事機工部GMが務め、冒頭、野崎会長が「先回の総会で新会長となりました。宜しくお願いします。今回は2年に一度の旅行を兼ねた総会です。遠過ぎず近過ぎず、また原爆ドームを含めてなかなか行けそうで行けない広島で開催することになりました。弊社は2018年に60周年を迎えますが、売上、利益以前に全社員統一の新スローガンを掲げています。それは、60周年にふさわしい質の向上です。挨拶、規律、ルールを守ること、そして人に気を使うことや助け合い、支え合い、美化の精神であることなど、再度徹底して教育をしています。営業マンは技術や能力も必要なことですが、最後の最後は質、人間性だと思っています。これから私たちが若い世代にそれを伝え、そして育てて、三親会の皆様の会社の業績がアップすることを私は願っています」と挨拶。 続いて小島サンコー商事社長が挨拶に立ち、景況について「先月(2017年10月)の日銀短観、株価の動向を見ましても、企業の景況感はリーマンショック以前より良いということです。我々の業界に近い工作機械については、日工会の2017年1〜10月の受注額が1兆3211億円で前年対比128・2%、内需が116・4%と非常に好調に推移しており、この分で行くと、2017年は日工会が上方修正した1兆5500億円を超えるのではないかという見込みです。また、先月行われたメカトロテックジャパンをはじめ展示会に参加していますが、皆さん非常に忙しいということで、我々を取り巻く環境は非常に良いと感じています」と述べた。 同社の近況については「7月に中国の上海に新しい現地法人として、参宏貿易(上海)有限公司を設立しました。上海には今までも事務所があり、子会社の三工機器の製品を販売していましたが、今回それを現地法人化し陣容も拡大して、今までのビジネスに加え、自動車関係の引き合い・受注をいただいているので、そのサポートをすることになりました。自動車業界では100年に一度の大変革と言われていますが、EV化、自動運転、コネクテッドなどが今まで思っていた以上にスピード感を持って進んでいくと感じています。先週末の新聞報道でもトヨタとスズキが共同で2020年にはインドに電気自動車を投入するとありました。この様な状況なのでユーザーさんも色々なことを考えておられ、我々が導入している設備関係もこれからどんどん変わっていくという状況で、営業環境もかなり変わってくると思います。大きなチャンスもあると思いますが、今までと同じことをしていてはジリ貧になる気がしており、これからが勝負だと思っています。基本的にはユーザーさん、メーカーさん、販売店さん、それぞれがきちんとしたリレーションをとって、皆様方の生の声を聞いてニーズを具現化していくことが重要かと思っています。そういった意味でも、この会の発展に努力していきたいと思います」と述べ、会員に対して引き続き協力を求めた。 山口朗三親会副会長(黒田精工名古屋支店長)を議長に選出して議事に入り、第1号議案=第39期事業報告・会計報告及び監査報告、第2号議案=第40期事業計画案・予算計画案を原案通り承認した。 総会終了後、会場を移して行われた懇親会は、野崎会長の乾杯で開宴。会員同士で情報交換しながら親睦を深め、藤本一三親会役員(北川鉄工所名古屋支店長)の中締めでお開きとなった。 翌24日は観光組とゴルフ組とに分かれ、観光組は大和ミュージアム・てつのくじら館の見学や世界文化遺産「厳島神社」の参拝などを行い初冬の広島を満喫。ゴルフ組は広島ゴルフ倶楽部(鈴ヶ峰コース)でのラウンドを楽しんだ。 会員の家族や社員を対象に 昼食会と観劇会を楽しむ 名古屋水栓販売協会 家族会形式で例会開催 名古屋水栓販売協会(理事長=伊藤辰之氏・イトウ社長)は昨年12月2日(土)、会員とその家族を対象とした家族会形式で12月例会(昼食会および観劇会)を開催。30名が参加した。 参加者は当日午前11時30分に昼食会会場である活魚料理『まるはラシック店』に集合。大野直樹例会担当理事(大野管材社長)が世話人を務め、伊藤理事長が「今日1日おもいっきり楽しんでください」と乾杯の音頭をとり昼食会がスタート。参加者は思い思いに料理を楽しんでいた。 昼食を済ませた一行は今年3月に閉場が決まっている中日劇場へと移動し、記念撮影を終え劇場内へ。同劇場ではお馴染みの『前進座』による笑いあり涙ありの名古屋特別公演『中日劇場さよなら公演』を約4時間に渡って堪能し、この日の例会はお開きとなった。 吉野新体制の1年を振り返る 名機工同友会 12月忘年例会 名機工同友会(会長=吉野栄一氏・吉野機械工具社長)は昨年12月14日に12月例会(忘年例会)を開催。三木喜昌氏(三起工機専務)が司会進行を務め、会員ら18名が参加した。 冒頭、同会の2018年1月〜3月の活動予定が確認された。●1月16日(火)新年宴会開催。(本紙掲載時、開催済み)●2月22日(木)=八幡ねじ社長を講師に招き講演会開催。●3月17日(土)〜18日(日)=浜松方面への旅行会開催。 続いて、小島憲二副会長(小島商店社長)が挨拶に立ち「4月から吉野新会長へと体制が変わり、同友会会員による講演会を開くなど、充実した1年だったと思います。2018年も3月までは予定が決まっておりますのでよろしくお願いいたします。今年1年、同友会会員の皆さまの会社は順調に推移してきたと思いますが、2018年に向けてお互いさらに頑張っていきましょう」と語り、乾杯の音頭をとった。 会員らは新しい年に向けての抱負を語り合いながら思い思いに時間を過ごし、宴もたけなわとなったところで吉野会長が「2018年も皆さまのお力を借りて、なんとかやっていきたいと思います」と中締めの挨拶をし、最後は1本締めでお開きとなった。 加藤製作所の創業者(前会長) 加藤富三氏お別れの会 銅合金鋳物製造の加藤製作所(社長=加藤紘平氏、本社=愛知県清須市清洲1668)の創業者で、昨年8月31日に享年97歳で逝去した加藤富三前会長のお別れの会が11月17日、名古屋マリオットアソシアホテル16階のタワーズボールルームで午前11時より執り行われた。取引先を中心とした業界関係者ら約300名が参列し、在りし日の故人を偲んだ。 お別れの会では、故人の足跡をたどるビデオ上映の後、黙祷、弔電の披露があり、続いて遺族を代表して長男の加藤丈人氏(加藤製作所会長)が「本日はお忙しいところ、弊社の創業者・加藤富三のお別れの会にご出席賜り、誠にありがとうございます。今年(2017年)は弊社の創業70周年にあたりますので、6月に私の次男の隼を東芝より会社に入れ、8月7日には社長を長男の紘平に引き継いだのを見届けて、安心して旅立ってくれたことと思います。97年という長い人生でしたが、悔いのない全力投球の人生が送れましたのも皆様方のご厚情のおかげと深く御礼申し上げます」と挨拶した。 加藤富三氏は、戦後間もない昭和22年(1947年)1月、銅合金鋳物の製造を開始。これが加藤製作所の創業となる。 最初に作ったのは、炭アイロンの底板。2年間作り続け、会社を軌道に乗せた。 その後、家庭用電化製品の関連部品を作り、昭和29年には機械工場を新設しメタルの機械加工も開始した。昭和30年代に入るとガス機器が普及し始め、ガス湯沸かし器の鋳造を開始、パロマに1日2回納品するなど多忙な日々が続いた。 電化製品、ガス機器に続いて注目したのが、水道器具。日本の力強い復興に伴う住宅着工の拡大、水道設備の拡大にあわせて会社も順調に成長し、昭和35年に機械工場、翌36年に鋳造工場の新設、さらに昭和41年には組立工場の建設と、業容を拡大していった。 昭和55年にJISマーク表示許可を得て、水道用減圧弁、温水機器用逃し弁の製造を拡大。日本水道協会検査工場に指定され、企業としての信頼も増していった。 創業40周年を迎えた昭和62年、長男加藤丈人氏が社長に就任。 平成3年に100%出資会社として中国大連経済技術開発区に工場を建設。平成5年、バルブ工場では初めて中国でのJISマーク表示承認工場となった。 平成19年から経済産業省の支援を受けて、世界で初めて、環境・省エネ・鉛フリーに応える「減圧凍結鋳造システム」という環境配慮に優れた性能の鋳造技術の研究・開発に取り組み、平成25年に実用化に成功した。 同氏の愛知一中(現、愛知県立旭丘高校)の同級生にはソニー創業者の1人、盛田昭夫氏がいる。 鍛圧機械受注3か月ぶりに減少 国内16・9%増、輸出38・4%減 日鍛工 2017年11月度会員受注統計 一般社団法人日本鍛圧機械工業会(日鍛工、代表理事会長=宗田世一氏)が12月8日発表した月次会員受注統計によると、2017年11月度の鍛圧機械受注額は、前年同月比3・1%減の271億3000万円となり、3か月ぶりに前年を下回った。板金系機械、サービス等は好調を維持するものの、プレス系機械が輸出向けの超大型の低調などにより2か月連続で前年を下回った。全体としては、2017暦年受注予想3500億円の達成が見えてきた。 機種別に見ると、プレス系機械は、前年同月比23・3%減の119億5800万円。大型が28・1%増、中型が45・5%増、小型が18・3%増となったが、超大型が78・6%減と大きく前年を下回った。フォーミングは89・3%増となったが、油圧プレスは31・4%減、自動化・安全装置も29・3%減となった。 板金系機械は、前年同月比25・9%増の84億9600万円となり、4か月連続で前年を上回った。プレスブレーキが62・2%増、レーザ・プラズマが1・8%増、パンチングも22・9%増となった。 その他、サービス・部品金型は、前年同月比17・9%増の66億7600万円となり、3か月連続で前年を上回った。 内外別(機種計)では、国内が前年同月比16・9%増の141億3600万円。金属製品製造業は95・3%増、一般機械は86・4%増と好調で、自動車が15・9%減、電機12・0%減、鉄鋼・非鉄金属も36・0%減となったが、全体的には好調だった。 一方の輸出は、前年同月比38・4%減の63億1800万円となった。インド向けが21倍増となったものの、北米向け46・9%減、中国向け24・7%減、欧州向け1・3%減、韓国・台湾向け54・4%減、東南アジア向け84・2%減と全般に低調な結果となった。これにより輸出比率も30・9%と低下した。同会では今後の特に北米市場の回復が待たれるとしている。 ウエダ合資会社 管工機材流通業を廃業 ウエダ合資会社(代表社員=植田慎一郎氏、本社=名古屋市熱田区)は、創業以来85年間続けてきた管工機材流通業を、諸事情により1月31日をもって廃業する。同社は先代の植田昇一氏が愛知県管工機材商業協同組合の第9代理事長、現代表が同副理事長を務めた老舗。会社は存続の方向。 新メンバーとなり初の部会 愛知県管工機材商協組 広報部会開催 愛知県管工機材商業協同組合(理事長=大藪淳一氏・大清社長)は昨年11月30日、組合事務局(所在地=名古屋市中区伊勢山)で広報部会(部会長=倉地克明氏・倉地社長)を開催。当時編集中だった『組合員名簿2018年度版』(発刊済み)を、集まった部会員ら9名で手分けして校正した後、懇親会を行った。 新しいメンバーとなって初めての部会。同組合事務局に集まった部会員らを前に大藪理事長が挨拶した後、倉地部会長が手順や注意点などを説明し全員で約1時間かけて校正を終了させた。その後は会場を移し、村井善幸副理事長(広報部会担当、オータケ社長)の乾杯の挨拶で懇親会がスタート。改めて、部会員らは懇親を深め合った。 |