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2010年(平成22年)1月
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2010年1月3日(日) 2369号
謹賀新年 平成22年 正月
年 頭 所 感
新春を迎えて
愛知県知事 神田 真秋

 あけましておめでとうございます。
 さて、最近の経済状況は、一部指標に明るい兆しが見られるものの、雇用情勢は依然として厳しく、景気は予断を許さない状況にあります。
 こうした厳しい状況の中で、新しい年を迎えますが、県民の皆様方とともに、この難局を乗り切り、愛知の未来に向け力強い1歩を踏み出してまいりたいと考えております。
 昨年、我が国では歴史的な政権交代が起こり、様々な分野に影響が及んでくると見込まれますが、こと県政運営にあたっては、県民の皆様方の目線で着実な舵取りを行ってまいります。
 このため、当面は、雇用対策や中小企業の経営支援など地域経済を下支えするとともに、地域医療の充実や子育て・子育ち環境の整備、交通安全対策など県民の皆様方の安心、安全の確保に力を注いでまいります。
 その上で、次世代産業の育成など中長期を展望した愛知の発展に向けた取組を進めます。
 新しい年も、本県財政は厳しい状況が続きますが、大きな時代転換の本質を見極め、現下の危機の克服と将来にわたる愛知の発展に全力で取り組み、力強く前進してまいる所存です。
 県民の皆様方の格別のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

年頭のごあいさつ
岐阜市長 細江 茂光

謹んで新年の御祝辞を申し上げます。
 皆様方には、清々しい新春をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
 昨年は、市制120周年を機に岐阜市が大きく、変貌した年でありました。
 岐阜シティ・タワー43に続きJR岐阜駅北口駅前広場が完成し、私たちが待ち望んできた「岐阜の顔」が新しく誕生しました。光り輝く黄金の信長公像が岐阜の新たなシンボルとなり、訪れた方々をお迎えしています。岐阜の歴史・伝統文化と緑あふれる自然とが融合した駅前広場は、賑わいの創出のみでなく、憩いの場としてもやすらぎを与えてくれることでしょう。
 本市は、これまで行財政改革により生み出した財源をJR岐阜駅北口駅前広場をはじめとする更なる発展の基礎となる事業に投資してまいりました。しかしながら、これからの時代は、物よりも人に重きを置く人間主義の時代になると考えています。
 そこで、本年は市政運営の基本的な考え方である重点政策の基本方針のキーワードを「人間主義都市を目指して」とし、「人」こそが都市活力の源であるとの原点に立ち、これまでに構築した「成長の礎」に「人」の活力を吹き込むことにより、まちに豊かな実りをもたらす年にしていきたいと考えています。
 そのためにも、これまで一貫して最重要政策として取り組んでまいりました「教育」を更に推し進め、未来を担う人材を育むために「人」への投資をしてまいります。
 最後に、市民の皆様と力を合わせ、まちに豊かな実りをもたらす年になりますよう一層の努力をしてまいりますので、皆様方の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げ、年頭のごあいさつとさせていただきます。

中小企業のイノベーションへの挑戦をサポート
岐阜商工会議所 会 頭 小島 伸夫

新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
 地域経済を支えている中小企業・小規模事業者においては、受注や需要の停滞、製品単価の引き下げ要求を受けるなど経営環境は厳しい状況が続いています。
 このような経済情勢の中、勝ち残っていくためには、変化する顧客のニーズを改めて把握し直すとともに、潜在的なニーズを見極め、社会が求めている製品やサービスを的確に提供していくことが肝要であると考えております。
 地域経済の屋台骨を支える中小企業が、こうしたニーズに積極的に対応し、新たな製品やサービスの開発によるイノベーションに果敢に挑戦し、市場の創造と開拓に取り組んでいくことが、現下の厳しい経営環境の中で活路を開き、将来にわたる発展を遂げていく途だと思います。
 今年度は、農商工連携の推進、新商品、新技術の開発等経営革新を促進・支援、ビジネスマッチング制度の推進等、中小企業のイノベーションへの挑戦をサポートしていきたいと考えます。
 また、地元企業や地元の大学・研究機関と連携して事業化された商品等の情報を発信する展示会・発表会を岐阜市と協力して実施、未来の産業・研究開発人材を育成するための体制づくりを、企業・大学・研究機関とともに目指す等、産官学連携と人材育成の推進を図ってまいります。
 最後となりましたが、皆様方のご健勝とご繁栄を祈念いたしますとともに、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。

歴史に残る街ナゴヤ
名古屋市長 河村 たかし

新年あけましておめでとうございます。
 市民の皆さまには、昨今の厳しい経済情勢の中、納税していただきまして、誠にありがとうございます。市民の皆さまには大変感謝をしております。本年もパブリックサーバントの精神を職員一同肝に銘じて職務に精励してまいります。
 さて、名古屋市ではいよいよ市民税10%減税と地域委員会制度を実施する予定です。減税によって人と企業が集まり、日本一早く景気回復を果たすとともに、地域委員会によって地域のことを地域住民が決める新たな住民自治の仕組みを作ってまいります。
 歴史を紐解きますと、名古屋は名古屋城築城と清須越に始まるまちづくりから400年、さらに熱田神宮は1900年の歴史を有しています。その意味では、名古屋は最も歴史のある大都市と言えるでしょう。
 その歴史ある名古屋の街で、戦災復興の計画に代わる新しいまちづくりの計画を策定していく予定です。歴史の息吹を感じる街、水と空気のおいしい冷暖房がいらない街、そして街角などに音楽の溢れる楽しい街にしていきたいと思っております。
 本年もどえりゃあご支援をお願いいたします。

皆さんとともに「"しあわせ"が実感できる三重県」をめざして
三重県知事 野呂 昭彦

皆さんには、心も新たに新年をお迎えのことと思います。
 昨年は、厳しい雇用経済情勢の下、新型インフルエンザの感染拡大のほか、社会保障や雇用にかかるセーフティーネットの機能不全など、社会全体にさまざまな不安感や閉塞感が広がりました。また、国においては政権交代が行われるという大きな変革の年となりました。
 一方、身近な地域社会では、少子・高齢化が進む中、これまで経済性や効率性を求めすぎた結果、地域の特色や独自性が失われ、本来持っていた「助け合い」や「思いやり」といった絆が薄れつつあります。
 このような「時代の峠」ともいえる今だからこそ、希望をもって生きられる社会をめざし、地域や経済の元気の回復を図るとともに、地域の絆を再生する着実な取り組みを続けていくことが必要です。
 本県では、みんなで一緒に「公」を担う「新しい時代の公」の考え方のもと、「文化力」に基づく県政展開として、自立・持続可能な地域づくりをめざす「美し国おこし・三重」や、文化と知的探求の拠点となる「新県立博物館の整備に向けた準備」などを進めてきたところです。
 引き続き、厳しい状況が続く雇用経済情勢への対策に取り組むとともに、「文化力」を生かした新たな知恵や仕組みの創造により、常にみずみずしく新鮮な「常若の三重」に向けて、「しあわせを実感できる地域主権社会」、「みえけん愛を育む"しあわせ創造県"」の実現に努めてまいりますので、県民の皆さんのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

年頭所感
中部経済産業局長 宮川 正

平成22年の新年を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。
 中部地域の足下の経済は、依然、中小企業の業況等は厳しい状況にあり、中長期的にはアジアの急速な発展、地球環境問題等、内外の環境は大きく変化しております。
 当局としては、昨年末に決定された緊急経済対策に基づく金融・雇用対策等とともに、地域の成長につながる取り組みを進めてまいります。
 第1に、自動車や航空機関連分野等における競争力ある産業の確立を目指し、グローバル展開支援、産学官の連携強化による技術開発、人材育成等を推進します。
 第2に、「地産地消型産業」の育成に向けて、農商工連携、地域資源活用の促進や国内外への販路開拓の支援とともに、ソーシャルビジネスや商店街の振興に取り組み、地域全体の活性化を図ります。
 さらに、安全・安心社会の実現に向けて、消費者取引の適正化や資源エネルギーの安定供給等に注力します。
 最後になりましたが、皆様の益々の御発展を祈念しまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

年頭の辞
愛知県中小企業団体中央会 会長 鶴田 欣也

新年あけましておめでとうございます。
 会員の皆様には、輝かしい新春をお迎えになられましたことと、心よりお慶び申し上げます。
 平素は、本会の事業推進につきまして、多大なご支援・ご協力をいただき深く感謝申し上げます。
 顧みますと、昨年の日本経済は、一昨年秋以降の世界的な金融危機における急激な落ち込みから脱し、緩やかに回復していると言われていますが、中小企業においては受注・売上の不振、雇用環境の悪化など依然として先行きの見通しが立たない状況が続いています。
 とりわけ輸出依存度の高い愛知県において深刻な影響を投げかけており、県下の中小企業の多くは受注量の変動をはじめ、原材料の高値定着と値下げ圧力の増大から企業収益が圧迫され、利益確保もままならない極めて厳しく不透明な経営環境を余儀なくされています。
 加えて、中長期的には、少子高齢化社会の到来による市場の縮小や就労形態の多様化など構造的な課題が依然として横たわっており、中小企業を取り巻く雇用環境は、各種助成金を頼みの綱とせざるを得ない状況に直面しています。
 このような状況のなか、今後も中小企業が競争力を維持し、急激な環境変化へも迅速に対応して経営基盤を強固なものとして新たな発展を遂げていくためには、持ち前の創造性や機動力を活かし、「新分野への挑戦」や「ものづくり技術の向上」などの課題に積極的に取り組み、経営力の強化に努めていくことが不可欠と言えます。
 また、個々では解決できない諸問題に対応するため、組合をはじめとする中小企業連携組織が多様な連携組織のネットワークを最大限に活用し、経営資源の相互補完を図り、未来に向けた新たな経済活力の源泉となることが求められています。
 本会としましても、中小企業の皆様の信頼とご期待に応えていけるよう、中小企業のニーズを踏まえた的確な事業をタイムリーに実施し、中小企業の安定的な発展と地域経済の活性化に向け支援していく所存であります。
 会員の皆様におかれましては、新年の決意を新たに、団結を更に強固にされ、中小企業の振興のために邁進されることをご期待申し上げますとともに、ご繁栄とご健勝を心よりご祈念申し上げまして新年のご挨拶といたします。

初春を迎えて
長野県知事 村井 仁

明けましておめでとうございます。
 皆様には、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 振り返りますと、昨年は厳しい経済・雇用情勢が続く中で、専ら経済対策に取り組む年となりました。県では切れ目ない予算編成と事業の早期実施により、県内経済の下支えと雇用の確保を図るとともに、環境や健康などの分野で、将来を見据えた需要喚起や新産業の創出に力を注いでまいりました。
 景気は必ず回復します。ピンチは飛躍のチャンスでもあります。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と申しますが、厳しい時代だからこそ、企業も地域も行政も知恵を出し、未来を切り拓いていく姿勢が必要ではないでしょうか。
 国政に目を転じますと、昨年は「政権交代」という大きな出来事がありました。新政権は、あらゆる分野で「変革」を目指し、「地域主権」を政策の柱に掲げています。県政においても、この視点に立ち、県民生活の一層の向上を図るため、市町村や関係団体等と連携を密にし、地域の課題を地域で解決できる体制の構築に努めてまいります。
 本年は「御柱祭」の年、秋にはJRグループと連携した「信州デスティネーションキャンペーン」が県下各地で展開されます。これらを契機に「さわやかに もてなそう」県民運動を実施し、おもてなし気運の醸成を図るとともに、自然・歴史・文化など信州の「未知なる魅力」を全国に発信してまいります。
 また、少子高齢化や経済不況など先が見えない状況の中、誰もが安全・安心を実感できる社会をしっかりと築いていくことが何より重要です。これを念頭に置き、県内産業の活性化を通じて雇用の確保を図るとともに、新型インフルエンザ対策・医師確保など医療や福祉の充実、地域公共交通の維持、北陸新幹線の延伸やリニア中央新幹線の建設、環境対策や教育支援、「減災」に向けた社会資本整備など、様々な課題に1つ1つ対応してまいります。
 県政運営に当たりましては、現下の厳しい財政状況を踏まえ、「選択と集中」の考え方を一層徹底してまいります。県民の皆様には、「事実と論理」に基づいて分かりやすい説明に努め、十分に納得をいただいた上で真に必要な事業を厳選し、職員一丸となって県政に取り組んでまいりますので、引き続き御理解と御協力をお願い申し上げます。
 結びにあたり、本年が皆様にとりまして、明るく、希望に満ちた1年となりますよう心からお祈り申し上げます。

新年のごあいさつ
三重県中小企業団体中央会 会長 佐久間 裕之

新年あけましておめでとうございます。
 新しい年の初めにあたり、名古屋機工新聞の読者の皆様に謹んで年頭のごあいさつを申しあげます。
 さて、未曾有の金融・経済危機により大きなダメージを受けたわが国経済は、一連の緊急経済対策の効果もあって最悪期は脱したといわれていますが、民間需要が牽引する自立的回復にはいまだ至っておりません。特に地域の雇用を支えている中小企業の経営は極限を超えた厳しい状況に追い込まれ、地方経済は疲弊の度を更に強くしております。
 このような状況の中、昨年、圧倒的な民意を得て発足した新内閣には、中小企業対策や地域活性化対策のさらなる強化・充実を図るとともに、一刻も早く経済を自立的な回復軌道に乗せるため、より実効ある施策を果断に展開していただくことを期待したいと思いますが、同時に、中小企業が厳しい現状を克服するには、経営者自らが試行錯誤を恐れず、新たな分野の開拓に挑戦し続ける決断と勇気、実行への自助努力が最も大切であります。
 私ども中央会は中小企業団体の専門支援機関として、昨年は、組合等を通じた中小企業振興はもとより、これまで培ってきた組織ネットワーク力を活かして、「中小企業連携組織対策事業」を中心として、「経営維持回復緊急事業」、「地域力連携拠点事業」、「農商工連携等人材育成事業」、また、「ものづくり中小企業製品開発等支援事業補助金」の窓口になるなど、従来より1歩踏み出した中小企業への支援活動を積極的に展開してまいりました。
 本年も、皆様方から、「頼られる中央会」、「期待される中央会」の実現と会員組合並びに中小企業の皆様の振興発展のため、役職員一丸となって総力を傾注し、引き続き、様々な事業に積極的に取り組んでまいりますので、当中央会を昨年にも増してご活用いただきますようお願いするとともに、皆様方にとってこの1年がよい年になりますよう祈念しまして、年頭のあいさつといたします。

競争と協調の中で共に発展を
(社)日本フルードパワー工業会 会長 小澤 忠彦
平成22年の年頭に当たり一言ご挨拶を申し上げます

 さて、昨年のわが国の経済環境はかって経験したことのない厳しい中での1年でした。一昨年9月のリーマン・ショックに端を発した「百年に一度」といわれるほどの世界的な景気の落ち込みを受け、多くの製造業界が年初より在庫の削減を進めるための生産調整を強化したため、生産は大きく落ち込み、生産ラインの停止に伴う雇用の縮減等が大きな社会問題になった事は記憶に新しいところです。このため一昨年来先進7カ国(G7)は、BRICsに代表される新興諸国を加えた新たな「G20サミット」を組織し、参加各国に緊急経済対策の実施を促してきました。ここにきて世界の経済をリードする米国の経済環境は、緩やかながら改善傾向を示しておりますが、個人消費支出は依然として低調であり、加えて最近は失業率も10%を超える等先行きの不透明感は払拭されておりません。また、欧州においてもイギリスやドイツをはじめとするEU諸国も底打ちはしたものの大きな期待は望めません。一方、アジアを見ますと、中国は4兆元に達する政府支出と金融の緩和による景気浮揚策が功を奏し、昨年4〜6月期の実質GDP7.9%が7〜9月期には8.9%までに伸びる等経済の回復基調は鮮明になっております。さらにインドやインドネシアでも景気の回復が鮮明になりつつあります。こうした傾向を受け、わが国の経済環境も中国を初めとする外需に加えエコポイントやエコカー減税等の経済対策に支えられ低水準ながら回復の兆しを見せてはおります。しかしながら、民間設備投資の低迷や円高基調の為替動向等幾多の課題も抱えており、今後の景気の推移には慎重に対応する必要があると考えております。
 ところで、私どもの業界動向ですが、需要業界の大幅な生産調整から昨年年初来大幅な減産に見舞われその対策に追われました。幸い昨年6月頃より前月比で増加傾向に転じ、一応底打ちしたと見ておりますが、本格的な回復基調にはほど遠く、また、年初の景気の2番底説も言われるなかで発足した鳩山民主党政権の更なる適切な経済政策の実施が望まれるところです。
 本年は、不透明感の中での始動となりますが、私どもフルードパワー業界は、「グローバル化への対応」に加え「省エネ化」や事業の「選択と集中」等を推進する必要があります。急速に拡大する海外市場に対応するためにも「グローバル化」は避けて通れません。また、新政権誕生に伴う高い地球温暖化対策目標の設定等から「省エネ技術」の提供は喫緊の課題です。さらに古くて新しい「水圧技術」の開発や変化するユーザーニーズに対応した新技術や新製品を積極的に提供して行く必要があると考えております。フルードパワー産業は、各種産業機械の制御や駆動を担う重要な機能製品であり、今後とも大きな成長が期待されております。こうした時期こそ競争と協調の中で共に発展してゆくことが望まれます。新政権の誕生と共に、行き過ぎと思える程の政策批判と新しい経済発展のビジネスモデルへの期待論がメディアを騒がせていますが、日本は金融とサービス産業のみでは生き残れません。やはり「物作り」を捨てる訳にはいきません。各需要業界の皆様方には更なるご支援、ご鞭撻をお願い申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。

変革の時代を克服し、大きく飛躍する都市・名古屋へ
名古屋商工会議所 会頭 岡田 邦彦

 明けましておめでとうございます。
 会員の皆様には、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
[変革の時代を迎えて]
 昨年は、前年秋に始まった世界同時不況の影響が、年間を通じて我が国経済を覆った1年でありました。各国が協調して行った大規模な経済対策の効果により、年の後半には、マクロ的には持ち直しの動きが見られたものの、売上は低迷し、失業率や企業倒産数は高止まりするなど、大多数の中小企業にとっては、回復の実感の伴わない、きわめて厳しい1年であったように思います。
 加えて、消費不振に伴う価格競争を背景とした物価の下落が進み、経済が収縮するデフレが進行する中で、時代の変化に対応して、従来のビジネスモデルをどのように変革することができるのか、あらゆる企業は困難な課題に直面しています。
 また昨年は、本格的な政権交代が行われ、政治の分野でも大きな変革の年でありました。この出来事は、我が国社会を覆う閉塞感を打ち破り、新たな政権に舵取りを託したいという国民の強い意思が表れた結果であったと思っております。
 こうした中で、会員企業の皆様におかれましては、新たな決意をもって、2010年を迎えられたことと思います。
 私たち経済人にとって、本年は、厳しい環境に耐えつつも、新たな道を切り開くべき1年になることでしょう。今まで以上に自助と創意工夫の精神を発揮して、この荒波を乗り切っていかねばなりません。
 そのためには、まず変化する環境を自分の目でじっくりと注意深く見極めることが大切です。変革の時代を迎えた今、消費者が本当に求めているものは何か、そこに自社の強みを生かす道はあるのか、今年の干支に掛けて言えば、正に「虎視眈々」とチャンスを求めることであります。
[強みを磨き、大きく飛躍を]
 さて、2010年は、名古屋開府400年という記念すべき年にあたります。名古屋城築城と清洲越から街づくりがスタートした名古屋は、恵まれた自然環境や立地条件を背景に、モノづくり文化が花咲き、交流の拠点として、着実に発展・成長を遂げてきました。本年は、先人の知恵と努力によって培われた地域独自の強みをさらに磨き上げ、内外に情報発信することで、「世界交流都市」に向けて大きく飛躍する年にしたいものだと思います。
 世界の人々から、「日本に行くなら中部に!」と言われるように、中部国際空港の2本目滑走路の実現や、スーパー中枢港湾としての名古屋港の整備拡充などにより、陸・海・空に亘るインフラ網を一段と強化し、中部圏を「日本のロータリー」として育てていきたいと思います。そして、その魅力を大いにPRすることで、人的・物的交流の一層の促進を図ってまいりたいと思います。
 また、長い歴史の中で培われてきた名古屋の伝統と文化の魅力を広く知っていただくことも重要です。名古屋城本丸御殿の復元が進み、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」が開催されるなど、愛知・名古屋が大いに注目を集める年になることでしょう。
 さらに、10月には、生物や環境の保全について討議する国際会議「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)が名古屋で開催されます。世界各国から政府代表をはじめ数1000名が集まる国際的な場でもあり、豊かな自然とともに産業を育み、環境先進圏づくりを進める当地域の取り組みを国の内外に発信していきたいと考えております。私たち商工会議所としても、この時期に、〈環境・エネルギー〉をテーマに、「メッセナゴヤ2010」を開催し、当地域の企業の環境関連技術を広くアピールしてまいります。
 名古屋の最大の強みである「モノづくり」については、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の飛行試験場の誘致や我が国初の国産ジェット旅客機MRJの開発が相次いで決定し、さらに、2012年には、「国際航空宇宙展」(JA2012)の名古屋開催も決定しており、航空宇宙産業が自動車産業に次ぐ当地域の基幹産業に成長することも、いよいよ現実のものとなってまいりました。
 名古屋商工会議所では、地域経済の発展に寄与するこのような各プロジェクトを実現するため、提言・要望活動や支援活動を積極的に行ってまいります。
[商工業の振興こそ商工会議所の原点]
 時代は大きな転換点を迎えております。こうした変革の時代においてこそ、私どもは商工業者の自治組織として誕生した商工会議所の原点に改めて立ち返り、地域の中小企業の皆様に頼られる商工会議所をめざして、努力してまいります。
 中小企業の皆様の前向きな取り組みを全力でバックアップするため、日々の経営相談の充実はもちろんのこと、「アライアンス・パートナー発掘市」など、皆様の新たなイノベーションを支援する事業を積極的に展開してまいります。また、会員の皆様を訪問する「会員訪問プログラム」や、商工会議所活動を支援していただける仲間を増やす「会員増強運動」にも、組織を挙げて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 引き続きご支援とご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶とします。

実り多き1年に
超硬工具協会
理事長 倉阪 克秀

平成22年(2010年)の新春を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げます。
 さて、当業界は、平成20年秋以降の世界同時不況の影響を受け、超硬工具出荷額の対前年同期比は、平成20年10〜12月期75%、ついで21年1〜3月期、4〜6月期は43%まで減少し、かつてない大幅マイナスとなりました。これは過去最大の落ち込みを記録した第1次オイルショック後の昭和50年4〜6月期61%を19ポイントも下回るものとなりました。その後国内また世界の自動車の生産調整が終了したことや、海外特に中国を含めたアジアでの伸びもあり7〜9月期には55%とやや回復基調となってまいりました。今後、10〜12月期までは、暫時に回復していくと見込まれておりますが、平成22年1月以降の見通しは不透明であり、かつ4月以降は2番底が懸念されており国内工具市場の回復にはなお、1年から1年半を要するものと思われます。
 当協会としましては平成21年度通期の見通しを年度初めには立てられない状況にありましたが、やや回復の兆しもあり、かつ期待の意味も含めて2005億円/年としております。これは前年度比70%に相当し、一方ではかなり高いハードルを意味しています。
 昨年より、世界的なキーワードとなっている低炭素社会、自動車のエコ化・小型化は勿論、省資源はじめ環境志向など大きな変化が確実となってきました。当協会メンバーの依存度が高い自動車産業は近年、グローバル化の中で、市場ごとにマーケットニーズが異なり動力はもとより使用形態など、作る側また使う側からも車のコンセプトの多様化が明確となってきています。つまり、これまでのビジネスモデルや需要構成とは異なるパラダイムシフトが既に進行しています。
 当協会メンバーが主として扱う切削工具、耐摩工具、金型にしても自動車のHV化、EV化へのシフトによって現在の被削対象部品の減少、あるいは非鉄化、非金属化といった需要の変化が予知されます。今後はこの様な需要変化を補完し、成長していくためにはスマートグリッド、太陽電池などの新しいエネルギー分野への参入、航空機分野をはじめとした非自動車分野にも従来以上にシフトしていく必要があると考えます。この点、切削工具や耐摩工具に新しい加工方法としての市場開拓が望まれます。
 また、環境社会、循環ビジネスといった観点からリサイクル、省資源が大きな活動の柱となってまいります。
 一方、市場のグローバル化に伴い日本市場が相対的に弱まるトレンドにあっては、当協会メンバー各社が、独自のコア技術を磨き育成することでグローバル化の中で勝ち残れる新製品を開発し続けることが、ますます重要になるものと考えております。
 当協会としては、本年も昨年に引き続き「健全なる協調と競争」「相互研鑽と切磋琢磨」の中で?事業・協会活動の充実と国際化?環境対応の重点化?省資源への取り組みなど様々な活動を通じて、業界の発展と繁栄が遂げられるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 今後とも、一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、本年が皆様にとって実り多き1年となりますことを祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

工具事業は
リサイクルと共に発展
日本工具工業会
理事長 石川 則男

2010年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 2008年後半に世界経済を激震させた世界同時不況は、切削工具業界におきましても世界的な需要減少をもたらし、2009年はかつて無いほどの厳しい経営状況に追い込まれましたが、各国政府の景気対策、特に自動車産業に対する支援策の効果もあり、景気は緩やかに回復してまいりました。産業別では自動車産業に加えまして、ネットブック、次世代携帯電話などの好調を受けたデジタル家電業界、IT産業も回復してきました。地域的には自動車の製造販売台数で世界一となった中国を筆頭にインド、韓国などアジアが同時不況前の状況に戻りつつあります。一方、日本国内に目を向けますと、確かに自動車産業の回復は見られますものの、大手企業にその仕事量は偏在し、中小企業を含めた景況感では非常に厳しい状況が続いています。
 そのような情勢の中、日本工具工業会の製品である工具の歴史は長く、その外観においては大きな変化は見られないものの、単純なものほど奥が深いと言われますように、その品質、性能は大きな進歩を遂げました。進歩、進化の源はユーザーニーズの多様化、特に高速化、高精度化、環境対応、そして難削材の増加といったものであり、それにきめ細かく対応してきた証が現在の日本工具工業会の姿であります。当工業会の製品のほとんどが世界でも最高レベルの品質及び性能を誇り、日本製工具が世界の工業生産に幅広く使われている理由はまさに品質にあります。また会員の製品の中には世界一のシェアを誇るものもあり、業界の規模は小さいものの世界のもの作りに多大なる貢献をしてきたことは間違いありません。その日本工具工業会の永続的な発展を考えますと、時代の変化と共に、工具事業も変貌を遂げており、工具の素材からアフターサービスまで幅広く工具事業にかかわっておられる企業の皆様と当工業会として何らかの関係を持つべきではなかろうかと考えている次第です。日本工具工業会は、工具素材にこだわるのではなく、ソリッド工具にこだわり、そして環境問題を重視し、再研削、再コーティングといったリサイクル事業にこだわりたいと思います。
 最後に2010年が転換の年となり、皆様にとって明るい未来につながる年になりますことを祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
素形材産業はものづくりの原点
(財)素形材センター 会長 緒方 謙二郎

 2010年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 いま日本経済は、持ち直してきているが、自立性に乏しく失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にあります。また、今後の先行きについても、雇用情勢や海外景気の悪化などのリスクが存在するなど、経済成長の基盤は依然として脆弱であり、予断を許さない状況にあるとされています。
 このような経済環境の下、素形材産業も生産が大きく落ち込むなど極めて厳しい状況にあります。
 素形材は、鋳造、鍛造、金属プレス、粉末冶金などの主として金属を成形する技術によって作られた部品等の総称で、日頃直接一般の方々の目に触れる機会の少ないものでありますが、自動車、電機、産業機械など、機械工業には欠かせないものであり、素形材産業は、ものづくりの原点であり、我が国経済の発展、豊かな社会の構築を支える重要な産業です。
 政府におかれましても、素形材の重要性に鑑み、素形材産業の健全な発展を促進するため、素形材産業ビジョンを核として、取引慣行ガイドラインに関する取り組みを強化するとともに、素形材技術戦略の策定による継続的な技術開発の奨励など多様な施策を講じてこられております。
 素形材業界においても、政府の素形材産業ビジョンを踏まえ、各素形材産業界自身がそれぞれ作成した業界別ビジョンに基づき具体的な行動を展開しており、それぞれ地道に事業活動を続けて、合理化、技術開発等の努力を積み重ねております。日本の素形材産業には、長年積み重ねてきた技術と経験の強みと底力があります。これらを生かしてこのきびしい経済環境の中、ピンチをチャンスに変え成長の道を切り開くことが期待されます。
 このような状況の中素形材センターとしても、伝統ある技術の継承と新たな挑戦のための新技術等に関する技術研修やセミナー事業、重要技術等の普及・顕彰のための表彰事業など長年実施してきた事業、素形材技術戦略に基づく新技術開発支援等に重点を置いた事業の展開を始めているところです。加えて、本年2月には(財)次世代金属・複合材料研究開発協会との合併により技術開発体制の強化も予定しております。
 素形材センターとしては、本年も従来と同様、素形材産業関連団体と緊密に連携をとり、素形材産業の発展に尽力したいと考えております。素形材産業の各企業にとっては新たな展開を図られることを祈念し、新年のごあいさつとします。

日本人の感性を活かしたモノづくりに立ち返る
日本小型工作機械工業会 会長 長瀬 幸泰

 年頭にあたり、謹んで初春のご挨拶を申し上げます。
 急激な景気変動から1年以上が過ぎました。私たちはこの間に何を学び、どのような行動をしてきたのでしょうか?
 現在おかれている状況は決して人のせいではなく、1年後の自社の姿は自らの行動の結果であることを認識し、常にあらゆる「現場」に足を運ぶことが非常に大切な事ではないかと思います。
 ただ景気の回復を待ちわびるのではなく、変化をチャンスに変える為に自ら考え、行動することこそ重要であると痛切に感じた1年ではなかったのではないでしょうか。
 グローバルな視点で物事を捉え行動すべき時に、「日本のモノづくり」という論点は不適切かもしれませんが、日本国内での生産拠点及び活動を無くさないようにすることの重要性を最低限の共通認識とするならば、今こそ日本人の感性を活かしたモノづくりに立ち返るべきだと思います。幸いにして既に日本の各所で環境に配慮した世界的なトレンドに向かって、愚直な技術開発力を礎として様々なすぐれた製品の開発製造に対する取り組みが進んでいます。その中でも特に表面化していない取り組みをいち早くキャッチアップして速やかな対応をすることこそがチャンスであると考えます。これらの技術革新とともに生産システムの再構築とか経営改善はもとより、今こそ根本的な概念・価値観を変化させることによって、実態のない拝金的なビジネスモデルに左右されない日本発のビジネススタンダードをモノづくりを通して世界に発信すべき時ではないでしょうか。
 決して量や規模の拡大のみを追わず、目先の損得に惑わされず、真に必要とされる高品質な技術を適正価格で提供することこそ世界から尊敬され、国際社会での真の地位向上にも役立つ事と思います。更には日本の各産業の就業構造のあるべき姿、変化にも対応が出来ると信じています。
 本年も会員並びに関係各位には、当工業会の活動、運営に皆様の一層のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

住宅版エコポイント制度に期待
(社)全国木工機械工業会 会長 橋本 恭典

新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は、私ども工業会の事業活動に対し、格別のご支援、ご協力を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。
 さて、米国発の金融危機等により、深刻な影響を与えた世界経済は、各国の危機克服に向けた協調路線が功を奏し、一部で回復の兆しが見られたものの、米国の超低金利政策の長期化の観測によるドル売りの加速と、昨年11月にアラブ首長国連邦のドバイ政府が政府系持ち株会社の債務支払い猶予を求めた、いわゆる「ドバイショック」により、世界の金融市場に衝撃が広がり、経済の回復の遅れが懸念されるところでございます。
 我が国におきましても、持ち直し傾向が続いた景気は、世界の金融市場への衝撃の広がりを背景に、14年ぶりの急激な円高等、先行き不透明感が漂い、11月の月例経済報告においても雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレや金融資本市場の変動の影響など大変厳しい報告がされております。
 このような環境下において、木工機械の主たる需要先であります住宅産業の新設住宅着工戸数は、21年度、75万戸程度と見込まれ、対前年度比30%以上の大幅な落ち込みが予想されます。このため、木材加工関連業界の設備投資意欲も急激に冷え込んでおり、木材加工機械メーカーにとりましても極めて厳しいものがあります。
 政府は、中小企業の厳しい経営環境を踏まえ、昨年末、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」を制定し、中小企業の債務の返済を猶予するための措置を講じるほか、大規模な金融支援を行っているところであります。また、木材関連産業については、森林整備の推進、木材自給率向上、木材利用の推進等の対策を22年度においても拡充し総合的な実施を予定しており、その効果を期待しているところであります。
 一方、我が国はCO2削減について高い目標値を設定しましたが、木材産業はCO2削減のために大きな役割を果たしており、地球環境の保全の観点からも極めて重要な産業であります。また、住宅版エコポイント制度についても大きな効果が期待され、木材関連業界の業況回復に資するものと考えております。木工機械業界としても、この一翼を担うべく新たな技術や機械開発のため今後とも最大限の努力を行って参る所存であります。
 なお、昨年は10月28日から31日までの間、「ポートメッセなごや」において「第39回 名古屋国際木工機械展/ウッドエコテック2009」を中部木工機械工業会と共催し、最新の開発機械を発表いたしました。
 規模的には前回展より小さかったものの、500小間以上の出展を得て関連業界をはじめ多くの皆様方に多大なるご支援を賜りまして、大盛況のうちに終了することができました。
 厚く御礼申し上げる次第でございます。
 最後になりましたが、皆様方のご発展とご健勝を祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成22年 年頭にあたって
(社)日本ねじ工業協会 会長 竹中 弘忠

新年明けましておめでとうございます。
 昨年日本の景気は後半より回復の兆しは見られましたが、その足取りは鈍く、個人消費の低迷・失業率の高止まりなど本格的な回復軌道にはいたらず、景気回復の明るい材料がないまま新しい年を迎えました。
 ご高承のとおり、先の衆議院総選挙により自公連立政権が崩壊し、民主党を中心とした新政権が発足し、従来とは違った政策等が推進されつつありますが、既成概念を超えた国民の目線で新生日本の創造を目指して欲しいものです。
 ところで我々ねじ業界の状況は、一部の業種では在庫調整が終了し、昨年秋頃を底として徐々に需要が増えつつあるようです。しかし、いまだ通常期の6割から8割のレベルであり、業種によっては先の予想もつかない程の状況が続いています。一刻も早い日本経済の復興を願ってやみません。
 さて、昨年当協会で重点事業である「ねじ産業未来開発プロジェクト」事業の一環として、ねじ産業を広く一般にPRするため、東京および大阪において開催された「機械要素技術展」に出展しました。ねじ産業のPRを目的とした展示会への出展は、協会としては初めての試みで、具体的な出展の目的は、我々のねじは機械産業の塩として無くては成らない重要締結部品で在りながら社会的認知度が低く、その貢献に相応しい業界の地位向上を目指すことであり、製販ねじ業界が一体と成り推進しています。
 このプロジェクトの取り組みは、日本ねじ商工連盟を核として全国各地区の製販協同組合及び各企業と共に、これからも重点事業としてねじ業界活性化の為に続けて行かなければ成りません。
 又、今年当協会は創立50周年を迎えます。これを記念して11月に協会創立50周年記念式典を東京で開催する予定であり、併せて記念誌を発行致します。
 この記念誌は、15周年記念の際に発行した「日本ねじ工業史」を電子媒体として復刻し、その後の30年を品目別に生産技術史として編纂統合致します。
 半世紀という長い年月が経過致しましたが、これからもわが国ねじ工業の技術水準の向上およびその健全な発展をはかり、協会が会員にとって魅力ある存在となること、又我々の業界が機械工業により一層貢献出来ることを目指して、皆様と一緒に引き続き努力してまいりたいと存じます。
 末筆ながら会員企業の益々のご繁栄と会員各位のご健勝を祈念致しまして新年のご挨拶と致します。

アジアメーカーとの本格的な競争の時代へ
(社)日本工作機器工業会 会長 寺町 彰博

 あけましておめでとうございます。
 年頭に際し、所見を述べさせていただきます。
 ご承知の通り、2008年秋の金融危機は、世界的な消費不振、そして設備投資の急激な減少へとつながり、産業界に大きな打撃を与えました。最悪期は脱したものの、需要は本格的な回復までには至らず、各企業はいまだ生き残りをかけた「サバイバルステージ」に立たされていると言えます。
 しかしこのような中でも、中国は経済成長を続けており、2009年の名目GDPでは日本を抜いて世界第2位の経済大国、言い換えれば消費国となった可能性があります。
 産業界の歴史を見ても、消費地、すなわち需要があるところに生産が育つのは明らかです。したがって、今後、中国をはじめ新興国が消費国のみならず生産国へと変貌を遂げる中、日本の製造業は、アジアメーカーとの本格的な競争の時代へと突入していきます。需要の低迷に加え、生産国の変化というものづくりのパラダイムシフトが急速に進む中、日本の製造業は非常に重要な局面を迎えております。しかし、このような時こそ、もう一度原点に立ち返って"ものづくり"を考え直すべきではないでしょうか。世界で最も品質が高く、最もコストパフォーマンスに優れた製品を供給することによって、世の中に貢献する、という信念を貫けば、必ずやこの苦境をチャンスへと転換し、再生、復興となる「リバイバルステージ」において、大きな成長を果たすことができると信じて疑っておりません。
 当工業会といたしましても、会員の皆様とともに熱い気持ちを共有し、当工業会、ひいては日本の製造業の発展に寄与できますよう、積極的な活動を展開してまいる所存です。
 会員の皆様、関係者の皆様におかれましては、大変厳しい環境下でありますが、お互いに協力し合ってこの難局を乗り越えていきましょう。
 最後になりましたが、会員企業様の益々のご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念し、年頭の挨拶とさせていただきます。

質の良い効率化を
日本精密測定機器工業会 会長 前田 哲也

皆様、新年あけましておめでとうございます。謹んでお慶び申し上げます。旧年中は工業会活動に深い御理解と御支援、御指導を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も何卒、よろしくお願い申し上げます。
 景況は依然として厳しい状態が続いておりますが、昨年の年頭時のように底の見えない恐怖感を伴う状況と異なり、底はなんとか脱しつつあり、厳しい中にも一筋の光明が見えつつある状況ではないでしょうか。
 昨年のご挨拶の中で「今は将来展望よりまずは当面の危機をいかに乗り切るかが大事で、足元をしっかり固める時」と申し上げました。皆様方におかれましても、昨年は骨身を削り体質改善、強化に全力で取り組まれた事と存じます。
 今年の課題は、何と申しましても削りすぎた骨身に正真正銘の筋肉をいかにつけていくかでありましょう。本当の筋肉とは「質の良い効率化」ではないかと思います。効率を高めてもそれが質の悪いものでは意味がありません。報道されている来年度予算の事業仕分けの議論を聞いておりましても、正に求めている効率化の質の内容によって賛否両論が巻き起こっている事が実感されます。日本の伝統である品質の高い丁寧な仕事を、いかに質を保ったまま効率化していくか、そこに私ども工業会の出番があると考えております。
 人口減少による国力の衰退が懸念される日本の将来を考える時、今こそ日本の産業界の力の源泉をどこに求め、どのように強化していくか真剣に考える時ではないでしょうか。残念ながら日本の人口は減少していきますが、全世界レベルでは増加していきます。限りある資源の地球で、増加する人口を養っていくには、あらゆる無駄を省く効率化は必須であります。日本の出番はまだまだあります。皆様がんばりましょう。
 最後になりましたが、皆様の益々のご発展と共に、今年こそ不況を吹き飛ばし力強い回復の年となります事を祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

「新生光ナノテクフェア」にご期待を
日本光学測定機工業会 会長 横倉 隆

新年あけましておめでとうございます。2010年の年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 皆様におかれましては常日頃から当工業会の運営に多大なご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 おかげさまで当工業会は本年設立51年目を迎えることとなり、原点である「光学測定機器の提供をもって広く産業界に貢献すること」を改めて心に刻みました。皆様及びエンドユーザ様にご満足頂けるパフォーマンスを提供することこそ当工業会の存在意義であると考えております。
 さて、市況に目を転じますと金融危機が世界に波及した一昨年秋以降、世界経済はかつてない急速かつ大幅な落ち込みを経験することになりました。各国の金融安定化策・景気刺激策が功を奏し実態経済面においては総じて最悪期を脱した感がありますが未だ混乱状況が続いております。当工業会におきましても2009年度の出荷統計で上半期(4〜9月)は前年同期比39%と非常に厳しい状況が続いております。
 このように極めて厳しい状況ではありますが、当工業会は設立50周年を記念し、本年4月に盛大な記念式典を計画いたしております。関係各位様の多大なるご支援に感謝し、業界活力復活の一助になれば幸いであります。また、これに合わせ最新の光計測に関するノウハウを集約した「光計測ポケットブック」の出版を計画し皆様のお役に立てればと考えております。本書は既に出版販売中の「実用光キーワード事典」を更に分かり易く、最新情報を満載し現場ニーズに合わせた内容となっており広くご活用頂けるものと確信いたしております。
 また、当工業会は従前より「ものづくりの基本は測定技術にあり」を掲げており、新製品の発表の場といたしまして「光ナノテクフェア」を開催してまいりました。昨年は諸般の事情により中止を余儀なくされましたが、展示会の本来の在り方を見直し、来年の復活に向けて準備を進めているところでございますので「新生光ナノテクフェア」に期待していただきたいと思います。
 終わりにあたり、本年もさらなる成長、発展をめざしてまいります当工業会に温かいご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様におかれましては希望に満ちた年になりますよう心から祈念いたしまして年頭のご挨拶といたします。

製販一体となって厳しい環境を乗り切っていきたい
日本工作機械販売協会 会長 柴田 實

 皆様、明けましておめでとうございます。良いお年を迎えられたこととお慶び申し上げます。日頃は日工販の活動にご理解とご協力を賜り改めて御礼を申し上げます。
 リーマンショックから2回目の新年を迎えたわけですが、一部の新興諸国では回復の兆しが見え始めているところも見受けられますが、わが国日本はまだまだ、トンネルの出口が見えてこないのが実情ではないかと思います。一部には今年、2番底が来るといった意見も出ており、引き続き不透明な経済状態が続いている状況と思います。
 そもそも今回の世界同時不況は、景気循環による落ち込みが始まったのと同じタイミングで金融危機によるショックが重なり、直下型地震のような不況に見舞われたわけで、この2つの要因が解決されないと本当の意味で経済の先が見えてこないと思っております。金融危機はある程度は回復したことから今年は経済が回復するであろうという意見と、2番底説は、景気循環による不況は未だ底を通過していないということではないかと思います。
 只、いずれにしてもこの状態がそう長く続くとは思えず、株もだんだん持ち直してきており、為替も極端な円高からは回避されつつあり、又もともと今回の不況は心理的な要素もかなり含んでいたと思いますので、今年は何とか経済が回復基調に向かって欲しいと思っております。
 このような引き続ききわめて不透明な経済環境下で、我々の工作機械業界はどのように対応すべきかを申し上げたいと思います。
 1.変化にいち早く対応することが極めて重要であると考えます。
 仮に今回の不況が終結しても、以前のような状況に戻るとは思えず、特に自動車産業は大きな転換をせざるを得ない状況で、設備を担当する我々もこれらにいち早く順応していかないとあっという間に取り残されてしまうと思います。昨年6月会長を拝命したときの挨拶でダーウィンの進化論の話をしましたが、変化を先取りして新しいことにチャレンジしていくことが大切であると思います。
 2.現在のような不確実性のきわめて高いときほど、我々商社の存在意義は高いと信じております。
 商社の情報収集力、小回りの利く営業力、提案力はユーザー、メーカーを問わず大いに力を発揮出来る時であり、このピンチをチャンス変えることも可能であると考えています。そのためには日工会とも連携を更に密にして、製販一体となって活動していくことが必要であり何とかこの厳しい環境を乗り切っていきたいと考えております。
 3.中国その他新興国のものづくりに対する実力が日に日に向上しておりますが、日本の工作機械はまだまだ一日の長があり、期間工でも対応できるものではないことからこの技術は守りきることが出来ると思っております。
 逆に多くの日本の技術が中国を中心とする新興国に流失してしまっている現状、工作機械の最後の砦は何としても死守して将来につなげていかなければならないと考えます。
 まだまだ予断を許さない経済環境が続きますが、工作機械業界の皆さまにとってより有意義な活動を行うべく努力をして参りたいと思っておりますので引き続きご関係各位にはご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。
 最後になりましたが本年の皆様方のご多幸とご健勝をご祈念申し上げて年頭のご挨拶とさせて頂きます。

年頭所感
全日本機械工具商連合会 会長 田中 康造

新年明けましておめでとうございます
 成田前会長が10月に辞任され急遽ピンチヒッターを仰せ付かりました。今までは副会長とは言え全て会長にお願いしていたのが現状です。今後皆さんと密なるコミュニケーションを取って進めて行きたいと考えています。どうか多くの皆さんのご支援をお願い申し上げます。
 百年に一度の経済変動でもあり、業界も予想以上の大きな痛手を受けています。今までの経済的な変動により業界が寡占化し衰退した業界もあり、メーカー、卸、小売と言った業態も変化してしまった業種もありますが、幸いにも我々の業界は昔ながらの体制が続いています。我々の業界は昔から体質が旧いと言われながら、業態も変わらず連携した形態で今まで進んで来たのは何だったのでしょうか。世間から取り残された特殊な業界だとは思えませんし、地殻変動が起き急激に衰退して行くとも考えられません。しかし今回の大きな変動は個々の企業での対応だけでは業界の機能が失われるのではとも感じています。
 世界的に市場を持つ大手のメーカー、それらをサポートする中小零細の下請企業、特殊な技術や商品に特化している中小企業、それらの生産現場の多様なニーズを支援しているのが我々の業界です。大商社の総合的なサポートシステムのような働きから、町の何でも屋さんのような働きまでしています。どれが良いどれが悪いのではなく、業界全ての企業が連携し、自らの持ち場や役割を持って、日本の産業界が支えられ生産機能がスムーズに動いていると言えるのではないでしょうか。
 我々業界のメーカーさん、卸商さん、各市場やユーザーに特化した直需店さん、各業態での得意とする分野や得意とするビジネスモデル、各社が特異性を生かし自信があるドメイン(事業領域)を持っていれば、業界として互いに連携して行けると考えています。
 個々の企業が独自のドメインを持ち、それらの企業が集団化し連携し、効率化を達成できれば、生産財マーケットにとっては必要となり、大いに期待される業界に発展して行けると考えています。個々の企業の独自性と、集団としての連携は相反するようにも思われますが、生産財マーケットが求めているのは両面ではと感じています。各地のこれらの企業が各地での連携を発揮するよう組織をつくり、それらの組合の意向が全国的に共有化され、全国的な連携活動が出来ればと考えています。今年は10月22日に大阪で全国大会が開かれます。皆さんと我が業界を議論することが出来ればと期待をしています。

"朝の来ない夜はない"
全日本木工機械商業組合 理事長 福本 豊彦

新年明けましておめでとうございます。
 昨年はサブプライムローンに端を発したリーマンショックの後遺症から世界経済が低迷し、日本の金融機関は比較的傷が浅いと云われていたにも拘らず、日本経済は未だに回復基調に入っておりません。中国やアメリカが昨年後半には経済の回復傾向が鮮明になってきている中で、株価も含め日本経済に底打ち感が出てこないのは残念で歯がゆい思いをしております。
 昨年夏の総選挙では地滑り的な民主党の圧勝となり、今までの自民党政権下での閉塞感を打破してもらいたいという国民の審判であったと思います。国民の期待を背負った今後実行される諸施策が経済の活性化、国民生活の向上に大いに寄与するものであることを切に望みます。
 さて、木工機械業界と関係の深い住宅産業の動向を見ますと、住宅着工件数の大幅な減少により関連業界の設備投資意欲も長期低迷のままで、当業界を取り巻く環境は想像以上に厳しいものがあります。ここ暫くは各企業が生き残りをかけ自助努力をする以外にはないと思います。
 視点を変えて、人間が生活をしていく為の必須条件は"衣・食・住"であることに異論はないと思います。幸いに"衣""食"については質量ともに国民の間に充足感がありますが、"住"についてはどうでしょうか。確かに数的には充足しているものの、質的には不満の方々が多数おられ、広くて質の良い優良住宅取得の願望は今後も根強く続くものと思われます。又、政策面でも内需の柱としての住宅政策は国民の期待に応える事は当然ですが、関連産業の裾野の広さから経済波及効果も顕著なものがあり、我が国の経済活性化という観点からも大変重要と考えます。
 民主党政権内にもそのような認識からか、税制面でも住宅取得の環境を整えるような動きも出て参りましたのは朗報であり、一刻も早い諸施策の実現を望んで止みません。
 最後になりましたが、朝の来ない夜はないと申します。各企業は今こそ雌伏期間と考え、足元を固め、知恵を絞るなどの経営努力を行い、待ち望んでいる朝を迎えて頂きたく存じます。
 今年の後半には力強い景気回復の足音が必ず聞こえてくる事を信じて新年のご挨拶と致します。

年頭所感
全国管工機材商業連合会 会長 斎藤 成八郎

平成22年の年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては気持ちも新たに新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
 また旧年中は連合会の事業に対し格別の御支援、御厚情を賜り衷心より厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年を顧みますと、一昨年の米国での住宅バブルの崩壊により世界各国の経済が急速に悪化し、百年に一度といわれる危機的状況に陥りました。しかし、世界各国の政策協調によって危機を脱し、回復に向かいはじめております。日本経済でも、危機的状況は脱しましたが、内需が落ち込み雇用環境の改善が図れず、更に経済状況の悪化が懸念されております。
 当業界は、このような不況の影響を敏感に反映する業種である建設、住宅関連業界に大きく依存しているため、受ける影響は極めて深刻であり、私ども連合会といたしましても本年も、昨年に引き続き一層真剣な対応が求められるものと覚悟いたしております。
 当連合会におきましては、昨年6月の通常総会におきまして、30年の永きに亘り会長職を務められ、卓越した指導力を発揮され業界の地位向上と管機連の発展に貢献されました橋本政雄前会長の後任として会長職を仰せつかりましたが、改めて重責なる任務を引き受け身の引き締まる思いをいたしております。
 今後の当連合会の活動につきましては、5大スローガンである「工・製・販の協調」「適正利潤の確保」「取引改善の徹底」「連合会意識の高揚」「環境保全の推進」の更なる達成に向けて傘下会員並びに業界のご意見、ご要望をお聞きいたしましてスローガンに合致した業界体質の改善に取り組み、我が業界の一層の繁栄のため重責ではありますが、尽力して参りたいと決意を新たにいたしております。
 年頭にあたり関係各位の尚一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げますとともに、皆様のご繁栄をご祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

"適応力"が試される年に
日本ねじ商業協同組合連合会 会長 小泉 勝彦

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 昨年の流行語大賞に「政権交代」が銓衡され、漢字1文字には「新」が選ばれました。民主新政権、野球での新記録…他の理由から、"受賞は嬉しいが、ずっと流行になっては困る"と鳩山氏。
 今、日本の景気は、急激な円高や株安で、物価が持続的に下落するデフレに陥り「2番底」となる懸念が強まってきました。そして世界の日本を見る眼が違ってきました。国内総生産(GDP)の2倍近くに膨れ上がった政府債務、少子化問題もあり、政権の不透明な経済政策など、経済成長への展望が全く描けない中、欧米メディアの多くは、日本経済は「新たな失われた10年」が始まったのではと結論づけているようです。
 ここにきて内閣府も、経済全体については、物価が持続的に下落のデフレに入り、新興国向け輸出がけん引して景気は持ち直してはいるものの、経済活動水準は低いと強調しています。
 世界経済の改善を背景に、この先輸出は堅調に伸びていくと分析しているが、円高傾向から増加のテンポは鈍化していくものと思われます。
 一般世帯の収入が減少し、雇用環境は更に悪化していくと見る消費者が多く、現に冬のボーナスは大幅な減少で、購買意欲を冷え込ませています。平成22年度概算要求の事業仕分けで、技術開発関連予算の廃止など、相次ぎ技術立国の日本が危うくなり、先行き不透明感から「民主不況」という言葉すら新聞紙上で見る昨今でございます。
 避けては通れない10年不況の中で我が産業も又厳しい企業経営を強いられます。今年は官も民も世界の新しい経済秩序への"適応力"が試される年になりそうに思います。この産業に関係する全ての機関・団体が結集し、スキルを集め創意工夫しなければならない時を迎えています。
 絆をしっかりと産業を守ることが個々の企業を守ることに繋がります。協働の精神を基盤に、共に前進したいと願っています。
 皆様にとって素晴らしい年となるよう祈念申し上げ、年頭にあたってのご挨拶といたします。

平成22年 年頭所感
愛知県金物商工協同組合 理事長 岡本 忠史

新年、あけましておめでとうございます。
 平素は私どもの組合に対し、格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 2007年の米国発サブプライムローン問題から端を発し、2008年の米国大手証券会社の破綻から、世界的な景気減速は百年に一度の危機と言われています。
 昨年8月の総選挙では長らく続いていた自民・公明連立政権から、予想以上の大勝で民主党を中心とする政権に交代となりました。
 日本の経済は、これまで減税や補助金で企業部門を活性化し雇用や賃金を拡大して、家計への「間接支援」を行う政策でしたが、新政権では、家計への「直接支援」を行うことにより、個人消費を刺激する政策となっています。
 国民は、政権が交代しても、しばらくは多少の混乱も大目に見ようとしていましたが、急激な円高・株安そしてデフレ状態となっている今、国民は、政府・日銀に対して経済を支援する具体的な雇用対策・環境対策・景気対策・円高対策・そして金融市場安定の為の強いメッセージを求めています。
 日本は、これまでに「オイルショック」や「バブル崩壊」などの厳しい状況にも、その都度見事に乗り越えてきました。
 日本は、少子高齢化・年金・医療・温室効果ガス25%削減など、さまざまな問題を抱えておりますが、いつの時代どのような状況下にあっても、時代の先を読む力を身につけておく努力が必要だと思います。
 私どもの業界も、日本の経済と同様に厳しい1年でした。今年も住宅着工件数の減少が予想され、1日も速い国内の景気回復が望まれます。
 商売は環境適応業と言われていますが、適応の道を手探りで進んできたように思います。ここ数年の組合員の減少と賛助会員の減少という組合活動の根源を揺るがす問題をかかえて、いかに組合活動の活性化を図るか組合員のお知恵をお借りして今年も邁進する覚悟でございます。
 また、日常の運営につきましても、皆様のお力添えのもと各種事業を進めて行きたいと考えております。どうか、皆様方のご健勝とご事業のご発展を祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

『業界の節度』とは
静岡県管工機材商組合 理事長 伊藤 捷三

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 皆様におかれましては気持も新たに新年を迎えられたことと思います。
 さて我々管材業界は、サブプライムローン等々の影響でいまだ地下の中です。その上、政治が自民党から民主党に変わり、この先どのような経済になるのか、不気味さが感じられるのが本音です。
 日本経済は物価が下落し続けるデフレ状態に入ってしまった。
 今回のデフレは、需要不足型である。
 『物』を作っても、価格を下げなければ売れない状態にある。
 『物』が売れない状態で、企業の新設備への意欲も停滞している。
 そのような中で、個人所得が上がらないので節約志向にならざるを得ない。そうなれば益々デフレと不況に入ってしまう。
 これを解決するには政治となる訳ですが、借金大国の日本政府に、これ以上の国債を発行して景気浮揚を図ることが出来るでしょうか。しかし今は色々問題があるが、何としてでもデフレと不況を解消しなければならない。その為には、国債の増加発行もやむを得ない。果たして、新政府はデフレとこの不況脱出の為に、『何兆円の国債を増加発行する』と説明出来るのであれば、国民も仕方がないと納得するだろう。
 このようなデフレと不況の中で、管工機材商組合員も月を追うごとに仕事が減り、又過当競争で3月決算時は半分以上が赤字決算になるのでないでしょうか。
 全国管工機材商業連合会も、会員同志の価格の競争だけではなく、地方には地方の価格がある訳ですから、節度ある商売をやって欲しい。
 東京の大手問屋が地方に来て、地方の2次店に卸す価格より20〜30%も安い価格で設備工事店に見積りを提出している。不況で売上が減ったとしても、ここまで安くしなければ売れないのかと言いたくなる。
『業界の節度』とは何ぞや。
 他社の迷惑なんて関係ない、自分の所だけよければいい。このような問屋は業界で名前をあげて皆で対抗して行こうではありませんか。『皆と一緒にやれば怖くない』とはこのことでしょう。
 2010年度は会員各位におかれましては、よい年でありますように。そして、本年も宜しくお願い申し上げます。

デフレからのターンオーバー
愛知県管工機材商業協同組合 理事長 伊藤 辰之

 平成22年の年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年8月の終わりに、国民は政権交代と言う政治的熱狂を久々に味わいました。その後100日間と言われるハニームーン(蜜月)を経て、昨年の暮ぐらいから国民も冷静さを取り戻し、景気対策や雇用対策、税金の使い道や日米同盟など、鳩山政権の決断力の無さに少しづつ気付き始めました。
 金融モラトリアム法案、郵政社長問題、09年度の2次補正予算での菅副総理との対立など、国民新党K大臣のやりたい放題、間違い放題(ただし決断力だけは素晴らしい)。そして普天間基地の県外・国外移設ではかつての下駄の雪政党がここぞとばかりの自己主張。小沢幹事長の後ろ盾(今だけなのに)を良い事に、誰からも愛されたい宰相をますます悩ませる。まさにこの複雑な連立方程式は東大理系出身の宰相にも簡単には解けそうにありません。
 財界に目を向けると、昨年の最優秀社長に2年連続で「ユニクロ」の柳井社長が選ばれました。未曾有の不況にあえぐ日本の中で、ユニクロが数少ない勝ち組企業である事は間違いありません。しかし、生産拠点を全面的に海外に移して産業の空洞化を招き、1人勝ち戦略に基づく低価格路線で、アパレルのみならず小売業界全体をデフレに巻き込みました。消費者の懐に優しいと言う点では国民から多くの支持を得ていると思いますが、一方で国内の産業を弱らせ、雇用を奪い、さらにデフレの火付け役と言う意味では、企業のCSRに照らしても、国益と言う観点からもあまり誉められたものではないと思います。
 そして私共の業界もじわじわとデフレの締め付けに遭っています。鉄鋼や他の金属類、原油や塩ビ樹脂関連など、原料の世界では下げ止まりの観が有ります。円高は多少のプラス要因では有りますが、更なる下げには向かわないでしょう。しかし市場はますます収縮し、実需も体感的には半減状態になっています。ユーザーからはさらなる値下げ圧力が掛かるので、デフレは更に進みそうです。
 私共愛知組合の足元でも自動車産業や工作機械、住宅建設などの大幅な落ち込みの中、自社の数字に縛られるあまり、不当廉売に走る業者がいると言う話が聞こえてきます。自分の会社を守る事に必死な状況はどこも同じと思います、自由競争の世界なので自分の信じるままに行動する事も止むを得ないと思います。しかし節度のない競争はまさに弱肉強食の世界となり、いたずらに傷つく人を増やすだけです。共存共栄は長い間に育まれた産業界の知恵であり、組合としても最も大切にしたい理念で有ります。
 デフレをこれ以上酷くしない為にも、価格以外のサービスを磨き上げ、そのサービス(付加価値)で競い合い、さらに地道に価格に転化する努力を続ければ、少しはデフレが止むのではないでしょうか。
 今の2番底状態を機に自助努力によるデフレからのターンオーバーを図って行きたいと思います。

『お客様にとっての価値』の最大化
潟Lトー
代表取締役社長 鬼頭 芳雄

新年明けましておめでとうございます。
 皆様には、健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 世界的な金融危機の影響は、各国の景気対策や金融安定化策により最悪期を脱したとされ、中国・韓国などのアジア近隣国においては回復基調が見られる反面、米国・欧州特に日本においては景気の先行き不透明感は引続き実態経済への重しとなり、本格的な景気回復には未だ至っておりません。
 当社グループにおいても、従来中核であった国内と米国が苦戦を強いられ、中国に押上げられている現況です。
 昨年春先におけるWBCでのサムライジャパンの優勝の感激も遥か遠いものとなり、強い閉塞感に包まれています。
 この様な環境の下、当社では、特に電気チェーンブロックER2の拡販や、今後成長が見込まれる環境・エネルギー分野の需要開拓そして海外市場開拓の一環として韓国への進出などにグループ全体で取組んでまいりました。
 厳しい環境が続きますが、当社グループの真の存在意義である「お客様にとっての価値の最大化」を再認識し、お客様視線に立った永続的な信頼関係の構築・強化に引続き取組んでまいります。
 本年も倍旧のご愛顧をお願いいたすとともに、皆様の一層のご発展とご健勝を祈念いたしまして私の年頭の挨拶とさせていただきます。

輝かしい年に
三菱マテリアルツールズ
代表取締役 高田 修

あけましておめでとうございます。皆様におかれましては2010年の新春を健やかに迎えられましたこと、謹んでお喜び申し上げます。
 振り返りますと米国金融ショックに端を発した世界経済の失速に伴い、昨年は私ども超硬工具業界にとりましても未曾有の厳しい幕開けとなりました。弊社におきましても一昨年末から急激に売上げが落ち込み、様々な緊急対策を実施しながらコストダウンを図り体質強化に努めて参りました。平素よりお引き立てを賜っております最終需要家各社ならびに流通各社におかれましては、この間、ご理解、ご協力をいただきましたこと、この場をお借りしまして改めて感謝申し上げる次第でございます。誠に有難うございました。
 経営環境の激変をうけまして事業の存続をかけた運営体制の見直しが求められたわけでございますが、切削工具を使用いただいておりますお客様各社におかれましても製造工程の抜本的な見直しに取り組まれることとなりました。このような最終需要家の要請に専門的にお応えすべく、三菱マテリアル社といたしましても昨年4月、『加工技術グループ』『歯切技術グループ』を新設、お役立ちできる体制を整えました。
 長く深刻な景気低迷に翻弄された1年でございましたが、昨年後半には輸出型企業を中心として立ち直りの兆しが見え始め、弊社の売上げもようやく回復基調となって参りました。今後は回復する需要に対して如何に迅速に対応し安定供給を確保することができるかがメーカにとりまして重要な責務となるものと考えております。
 さて本年11月にはJIMTOF2010が開催されますが既に弊社も出展することを決定いたしました。このJIMTOFにおきましてもお客様のニーズに沿ったオリジナリティーの高い新製品をご紹介させて頂きますので、ご期待いただきたいと存じます。引き続きまして市場のニーズを的確に把握し、お客様にご満足頂ける製品をご提案するように努めまして、この1年、弊社にとりましての創業8年目を輝かしい年にいたしたいと考えております。
 末筆となりましたが本年も引き続きまして格別のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。皆様方にとりまして実り多き年になりますようご祈念申し上げまして新春のご挨拶とさせて頂きます。

成長分野への重点シフトを加速
住友電工ハードメタル 代表取締役社長 湊 嘉洋

新年 明けましておめでとうございます。
 超硬工具業界は、一昨年秋以降の百年に一度と言われる未曾有の世界同時不況の影響を受け、2年連続の大幅出荷額減の厳しい見通しであり、平成21年度は、下期国内外の景気刺激策の効果もあり経済は回復傾向を示すものの、年間出荷額は前年を30%近く割り込む2005億円との厳しい予想であります。
 このような状況の中、当社は、インターナショナル・メタルワーキング・カンパニーズB.V.(以下IMC)グループの一員として「日本市場でのトップ」、「IMCグループの世界NO.1への貢献」を将来の目標に掲げ、経営体質の強化は勿論のこと、市場や顧客のニーズをいち早く捉えた新製品の投入や、従来にはない斬新な新製品の開発を推進してきました。昨年後半から諸施策による成果は見え始めていますが、これからも目標を達成すべく、さらなる施策に積極的に取り組んでいく所存です。
 本年は創業以来の大きな変化として、4月に本社を現在の神奈川県川崎市から福島県いわき市に移転をする予定にしております。移転後は、従来以上に商品企画から製販技が一体となった企画立案やスピーディーな施策の実行を目指していきます。
 また、本年10月には、当社主力のいわき工場内に最新鋭設備を投入したTACチップ量産棟を竣工する予定で、IMCグループの中核会社の1つとして中長期的な視点で近代的新工場棟の建設を実現し、単なる製造能力の強化だけでなく、革新的な生産方式と最新設備の相乗効果により納期の短縮や品質の安定を計り、当社の発展のみならずIMCグループ全体の成長に資する考えです。
 今後も厳しい経営環境が続くことが予想されますが、目先の対策ではなく将来を見据えた計画を立てそれを迅速・確実に実行していくことが、この厳しい局面を打破し、目標を達成することに繋がるものと信じております。
 本年も「明るく元気で誠実なチームタンガロイ」をモットーに、今まで以上に当社グループの総合力を発揮していくことで、実りの多い明るい年にしたいと思っております。

本社をいわき市に移転 迅速な施策の実行へ
潟^ンガロイ 取締役社長 上原 好人

新年明けましておめでとうございます。
 昨年の超硬工具業界を取り巻く事業環境は、一昨年の下期に勃発した「百年に一度」とも言われる金融危機の影響を大きく受け、年初から過去に経験したことがない需要の激減に直面するなど、極めて厳しい事業環境でのスタートとなりました。しかし4月以降新年度に入り、中国など新興国を中心に景気回復を見せ、また秋口からは各国の景気刺激策による景気の下支え、自動車業界の回復などから、厳しいながらも世界的な景気には底打ち感が感じられる状況となりました。
 昨年の当社の活動を振り返りますと、まず4月には新しい組織となるハードメタル事業部を住友電気工業鰍フ中に新設し、営業、コーポレート部門、海外、物流管理部門の集約による、顧客志向の組織体構築を実現、一方で住友電工ハードメタル鰍ヘ開発・製造に特化した機動力のある事業構造への変革を図りました。そして5月には、市販ルート営業の更なる強化を狙って企画・販売部を立ち上げ、同じく鉄鋼、エネルギー、建機、航空機等活況分野、新規分野への重点シフトのため新市場開拓室を同時に新設致しました。また新製品では、主力製品である鋼旋削用コーティング材種「AC820P」、新汎用超硬ソリッドドリル「スーパーマルチドリルHGS型」、アルミ加工用「マルチドリルNHGS型」などを発売、また焼入鋼高能率加工用「コーティドスミボロン新BNC200」、刃先交換ドリル「WDX型」等のシリーズを拡充致しました。
 本年は、最悪期は脱したものの厳しい事業環境のなかではありますが、総合力とチャレンジ精神を発揮し、昨年の方針の具現化を目指し、次の3点を基本方針として推進していく所存です。
 @新市場開拓室を中心に、エネルギーや航空機を始めとした成長分野への重点シフトを更に加速すると共に、環境、医療といった新規ドメインでの需要発掘にも注力する。
 Aアジア、中東欧、南米等の新興市場、また今後も継続した高成長が見込まれる中国市場におけるグローバル戦略、拡販体制をより一層強化する。
 B今年開催のJIMTOFを見据えた大型新製品の開発、そして環境保全への取り組みとしての、省エネ、CO2発生量低減を実現する製品の開発も加速します。
 世界経済の厳しさ、不透明感はまだまだ払拭出来ない状況であり、先行きは予断を許さない状況ではありますが、現状に甘んじることなく、身の丈に応じた事業体質の強化、技術力の向上、またコンプライアンスを遵守する姿勢を貫く事により、お客様から今まで以上の信用を頂けるよう、今後も事業に邁進することを誓いまして、新年の抱負に代えさせていただきます。

次の成長期に向けて、質の高いサービスで付加価値をあげる
愛知県機械工具商業協同組合 理事長 野田 道典

新年にいつも思うのは、昨年はどんな年であったかと、また今年はどんな年になるだろうかということです。1年を反省しながら新年の抱負を語る、そんな正月でありたいですが、昨年はあまりにもうんざりする1年でした。リーマンショックにトヨタショックさらには年末には強烈な円高とドバイショックとやらでまったく明るい展望が見えてきません。
 愚痴ばかりではいけませんので少し冷静になって業界の将来を考えてみましても、国内製造業がどんどん拡大するという構図はなかなかイメージできません。日本のもの作りが質的に世界をリードすることは間違いないと思いますが、製造業の海外移転は国内空洞化を加速させ物量的に国内生産の拡大を予測することが難しいということです。この物量に依存しているところが大きい私たち機械工具の流通業界はその将来が懸念されるわけです。
 機械工具商の生き残りを考えるとき、3つの方法が考えられます。1つは「拡大地域へ進出する海外グローバル展開」、2つは「周辺事業への多角化経営」、3つは「売上規模に見合う経営の縮小」、と簡単に述べましたがいずれも容易な道ではなく、「時を待つ」のもひとつの選択肢かもしれません。いずれの方法にしても重要なことは、私たちの仕事がお客様に真に喜んでいただけることです。安易な価格競争を避けて適正な利益を得られることが必要で、そのためにはお客様にそれだけの付加価値を提供できることが求められます。物量を求めるよりは質の高いサービスで付加価値をあげることがこれからの機械工具商の生き残り戦略になるのではないかと考えています。
 地球温暖化対策が叫ばれて久しくなります。明治の文明開化までは日本人の化石エネルギーの消費量がゼロであったそうです。人々の生活は自然の産物で成り立ちそれらはすべて太陽エネルギーの恵みだけを享受していたのです。衣食住のすべてが動植物から作られそれらは消費されてもまた天地に戻り太陽の光で再生される、この自然な循環システムで人類は200万年も前からずーっと生活してきたのに、最近のたった200年にも満たない間にエネルギー消費は膨大に膨れ上がり、いまや地球の生命さえも心配しなければならなくなっています。江戸時代の生活に戻ることは不可能ですが、私たちの今の消費社会を改めることが必要かもしれません。すでに人々の生活観に変化も見られます。自然食や自転車や古着店ショッピングなどが話題になり太陽光発電やエコカーがステイタスに感じられる時代になって、若い人たちを中心に生活様式に対する感性や価値観が多様化してきたように感じています。
 機械工具の業界はある意味では消費社会に支えられてきたともいえますが、これからは物量に頼るのではなく質にこだわることを大切にすべきで、質は商品の品質だけでなく仕事振りの質であり企業や社員の質でもあります。消費者の多様化した価値観に応えるために新しい技術や新製品開発が必ずや次の成長期をもたらすはずですから、その機会を捉えるために質の高い仕事を通して信頼される機械工具商であらねばならないと思っています。
 ご関係各位のご繁栄とご健勝を祈念申し上げますとともに、引き続きご支援ご指導くださいますようお願い申し上げます。

新年を迎えて
三重県機械工具商協同組合 理事長 伊藤 紀昌

 新年明けましておめでとうございます。本年も三重県機械工具商協同組合をよろしくお願いいたします。
 昨年の世界経済は我々が過去に経験の無い大変な時代にあけくれた、1年間でありました。
 リーマンショックに端を発した経済問題が我々の経営する機械工具商業界にも大変大きな影響を与え多くのユーザー様である各企業が生産調整を余儀なくさせられました。特にこの東海地方の自動車生産関連企業をはじめ多くのその下請企業様が大打撃を受け、一時帰休や廃業に追い込まれた中小企業も少なくありませんでした。
 我々の機械工具商も、日々の営業努力の甲斐なく売り上げ額が減少しているところが少なくないのが、いまの現状ではないでしょうか。
 昨年は景気対策として、麻生内閣より定額給付金として、各個人に1万2000円が振り込まれたのですが、その後景気は良くなるどころか何か悪くなった様な気がしたのは私だけだったでしょうか。
 政治も自民党政権から民主党政権に代わり、我々国民も景気回復を期待し生活も切り詰め辛抱し日々苦労しながら商売しているのが昨年の現状であったと思います。
 設備投資計画については大幅な減少となっているものの昨年の春先に比べれば多少今年は上向いて来るのではないでしょうか。それも少し低いレベルの話であってまだまだ元に戻るには多少時間がかかると思われます。
 昨年はそんな景気の中、当組合の委員会事業として7月にヤマザキマザック美濃加茂製作所の工場見学を実施させて頂き、又年末には賛助会員の従業員の皆様、そして正会員の若い社員様とクリスマスパーティーとして多数参加して頂き、日頃の営業や業務の事も忘れ楽しいひとときを過ごす事が出来ました。
 今年も景気回復はまだまだ見通しがつかないようですが、三重県機械工具商協同組合員一同、残された事業に向け全力投球にて展開していきたいと思います。
 又今年の2月19日(金)名古屋逓信会館で実施致します中部ブロック会議の進行を当三重組合が担当致しますので、多数のご参加をお願い致します。
 三重県機械工具商協同組合一同わずかな会員数でありますが、皆様のご協力、ご支援のもと頑張って行きたいと考えております。
 最後に本年が各会社の皆様にとって良い年でありますよう願って新年の挨拶とさせていただきます。

広い視野、鋭い感覚、早い反応
且R善 代表取締役社長 吉居 亨
 
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 昨年のわが国経済は、世界同時不況のまっただ中にあって、自動車をはじめ私たちがかかわるモノづくり産業にとっては本当に散々な1年となりました。
 年も改まりましたので、景気の早い回復を期待したいところですが、今なお日本経済は円高、株安、デフレスパイラルの進行など、依然として先行きに不透明感が漂っており、予断を許さない状況にあります。
 しかし、いつまでも今のような状況が続くはずはありません。景況が"下降から上昇へ"と転ずる時期は遠からずやってきます。環境関連、エネルギー関連、さらには航空機産業など、今後も伸長が期待される分野はたくさんあります。今こそ、過去や既成概念にとらわれず、変化や潮流をしっかり見極め、新しい市場を掘り起こし、経済が上昇局面を迎える時に備えておかなければならない時期だと思います。
 ただ、こうした状況で、私たちに求められるのはモノや機会だけではありません。かつて経験したことのない厳しい試練を、「どんなことがあろうと乗り切る」という強い意思力と、運命を共にする人々や企業同士がお互いを思いやり、力を合わせ、生き抜くこころが必要だと思います。
 新しい年、2010年を迎え、気分を一新して、お互い切磋琢磨し、より『広い視野・鋭い感覚・早い反応』で前向きに行動し、明るく、元気な、力強い日本経済を取り戻すべく、共に私たちの大切なモノづくりを大いに盛り上げましょう。
 本年も、皆様方の期待と信頼にお応えするため、なお一層の努力を続ける所存ですので、何とぞ、倍旧のご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
 皆様方の益々のご健勝とご活躍を、心より祈念申し上げます。

三人寄れば文殊の知恵
カツヤマグループCEO カツヤマキカイ
代表取締役会長 木村 雄一

皆様、新年明けましておめでとうございます。
 2009年はリーマンショックの後遺症から世界同時不況となり、一部の優良企業を除いたほとんどの日本企業は、この2年間の平均売上が半分となりました。誰もが売上が半分に落ち込むなど予想していなかったため、大変大きなショックの1年でありました。
 現在は最貧民国でない限り、世の中が平和で欲しいものが何でも手に入る時代。この満たされた時代の中、新技術・新設備・優秀な人材によって、製品開発・商品導入・その人材と設備投資をやっていくには限界があります。
 研究開発投資は1社では賄えないため融合または合体する企業が多くなり、大企業の統合による業界再編成を抜きに日本経済の安定成長はありえないと考えております。
 日本人はすぐに「こんなの無理」と思ってしまいます。それでは現在の不況の波が覆い被さってきます。昔の諺で「三人寄れば文殊の知恵」という言葉があります。我々の組合の大半は中小企業なので、1人、1社で無理ならば「諺」の様に数人、数社が互いの得意な資本財(人・モノ・カネ・情報)とソフト(智恵・技術・ノウハウ)を出し合い「できるはず、やらなあかん!」と考え取り組めば、かなりの難題が解決すると私は考えております。
 現に不況の中、収益構造を抜本的に変えるべき余計な業務や作業、費用を削減し、収益向上に成功されています。
 弊社各社員には「2010年は世界が変わる。その変化で日本が動くという『節目の年』であるので、よく市場と環境の変化を読んで活動をしよう。我々の製品商品が本当に消費者に歓迎されているのか、この点を絶えず考える。それに基づいて画期的な新製品を生み出し、市場に提供し、消費者の興味を持って頂くことに成功すれば、企業はドンドン成長し発展する…」と、説いています。全社員一丸となり、合従連衡精神で頑張って参ります。
 本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

一歩ずつ着実に
潟Wーネット
取締役社長 古里 龍平

 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
 昨年の日本経済は、リーマンショックに端を発した世界同時不況に見舞われ、非常に厳しい年となりました。製造業での輸出の急減を主因にした販売額の減少による設備の過剰感、在庫調整に伴う稼働率の低下から機械工具業界にとっては前例のない大不況となりました。
 特にわれわれ機械工具の卸業界にとっての最大の顧客層である自動車産業が最も大きな打撃を受け、工作機械の受注は対前年約70%のマイナス、切削工具の生産に関しても対前年比50%超マイナスの見通しです。
 昨年度より、中国、インドなどのアジア新興国経済の回復による輸出の増加が期待されてきましたが、年末における円高の急速な進行で、自動車、電機など大手企業の収益への大幅なマイナスインパクトが予想され、現地生産への再移行による国内空洞化が危惧されるなど、景気は混迷の度合いをますます深めています。
 一方では風力発電や太陽光発電などの新エネルギー、次世代自動車やLEDなどのエコ製品といった環境ビジネスが本格的に拡大してきています。われわれ機械工具業界においても、製造業のユーザー様へ省エネルギーや合理化などの提案が今後ますます受け入れられ、ビジネスチャンスになっていくと考えております。
 このような厳しい環境の中ではありますが、我々は目先の景況にとらわれず、顧客満足を追求するために生産システムの合理化や自動化システムの取りまとめ支援、生産システム改善活動支援をおこなうエンジニアリング機能の充実、新規メーカーや商品の開発によるコア分野の充実、電子商取引システムの拡大によるお得意様の業務効率改善の支援、内部統制制度の安定運用のために業務手順の見直しや効率化を進めていきます。また、様々な社員研修を通じて、知識の充実や営業力の強化はもちろんのこと、コンプライアンスの遵守や社会に貢献できる優秀な人材を育成していきたいと考えております。
 本年も厳しい年になると思われますが、我々は、中長期的な視点で自分たちがやるべき事を粛々とおこなっていき、一歩ずつ着実に成長していきたいと考えております。

「先手必笑」
トラスコ中山
代表取締役社長 中山 哲也

「先手必勝」改め「先手必笑」の年としたい。誰よりもよく考え、早く手を打ち、そして素早く行動を起こす。そうすれば、必ずニッコリ笑える時が来ると思う。
 論評や批評の多い世の中だが、評論家の言う通りに時代は動いたためしが無い。先の読めない時代と嘆くよりも、行く先に目を凝らして、一歩先行く手を打ち続ければ、きっと幸運の女神に出逢えるのだと思う。その為にも、よく考え、早く腰を上げ、即行動に移し、厳しくも笑顔で過ごせる1年としたい。
 静観よりも動観、やった者にしか見えない景色がある。考えているだけでは、視界はずいぶん狭いようだ。早く見えれば、早く手が打てる。失敗してもまたやり直せる。好循環のスパイラルは、他力本願では手に入らない。独創力を鍛錬し、自力本願で臨むしかないようだ。
 人も企業も、その歴史を積み重ねていく中で、発想も行動も鈍くなってしまう。人は誰しも歩んできた道を肯定的に見たいものだが、自問自答を繰り返しながら、時には過去を否定してみないと進歩につながらないように思う。ましてや、創業の原点に戻っていては、行き先間違いを起こすかも知れない。私が業界に身を置いてからおよそ30年。プレーヤーの顔ぶれには多少の入れ替わりはあるものの、大きな構造変化的なものは皆無に等しい。
 しかし、これからの30年はどうだろうか。どこかの会社が大きくなった、小さくなったレベルの話はともかく、ネット系機械工具ディーラーが続々と誕生したり、卸商社の直需化に拍車がかかったり、メーカーの提携・合併による合従連衡が進んだりと、今までの30年間にはない発想とスピードで急展開しそうな気配がする。
 IT環境の進展からも目が離せない。当社でも僅か10年前には、夢にさえ出てこなかった自動受注システムも、稼動率はすでに50%を超え60%も目前となった。業界挙げて電子商取引の準備を始めなければならない時期だと思う。ただ、どんなに通信手段が進化しようとも、当業界に卸商社は未来永劫に必要であり、当社は問屋として、その役割を担い続けたいと思う。そのためにも、お客様にとっての利便性の向上を、金科玉条として日々オリジナリティの向上を心掛けて企業運営にあたらねばならない。
 命令通り、規則通りに動くことほど楽なことはない。1人ひとりが考えて知恵を絞り、オリジナルな仕事を目指してもらいたい。
 「先手必笑」社内においても、早く腰を上げたものから笑顔が待っている。どうせやるなら、頼りにされアテにされ楽しく仕事をやりたいと思う。(社内向けの年頭所感より)

ダイジェット工業新製品
スウィングボールに
「Gシリーズ」登場

 ダイジェット工業(社長=生悦住歩氏、本社=大阪市平野区加美東2―1―18)は、金型の荒加工用・刃先交換式ボールエンドミル「スウィングボールSWB形」に強靭性「Gボディ」を組み合わせ、本体剛性のアップとチップ寿命の改善を実現した「スウィングボール・Gシリーズ」の販売を開始した。
 スウィングボールは、切削音が静かで切削抵抗が低く、高速高送り加工が可能(ポジ刃形・ブレーカの採用。φ40、φ50はニック付チップ採用)。先端部の対欠損性が高いため突っ込み加工ができ、高いクランプ剛性とチップ剛性を有する。チップ材種は炭素鋼・鋳鋼・工具鋼用JC5040、鋳鉄用JC5015のほか、高硬度材や肉盛り部加工に最適のJC8015(ブレーカ無し)をラインナップ。幅広いワークに対応する。
 Gボディは、耐熱性に優れた強靭性鋼と表面のGN処理により、表面硬さ65HRC以上と高硬度かつ熱変形に強く高剛性で、本体耐久性および工具寿命を従来品比30%以上アップすることが可能。さらに切りくずの溶着、錆の発生を抑制する効果もある。
 スウィングボール・Gシリーズは、この両者の組み合わせにより、チップ寿命が30%アップした。
 主な用途は、炭素鋼、合金鋼、工具鋼、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、焼入れ鋼、肉盛り部の曲面加工、コーナR肩削り加工、溝削り加工など。
 サイズは、標準SWBS形、ミドルSWBM形、ストレートシャンクSWB―S形、モジュラーヘッドMSW形の工具径φ20〜φ50、計35形番。
 販売価格は3万5000円(φ20・標準・外周刃なし、φ20・モジュラーヘッド)から。

「TA S―Cutドリル」
をGボディ化

ダイジェット工業は、本体に強靭性「Gボディ」を採用した「TA S―Cut(ティーエーエスカット)ドリル橋梁用」を発売した。
 同製品は、強度に優れ本体の損傷を防ぎ、ホルダの寿命を従来品と比べ2倍に大幅アップ。さらにチップ寿命も従来品比30%向上させることができる。
 また、橋梁用に独自開発した刃先形状を採用。従来品は、刃先とボディがろう付けされた一体形のため、ドリル本体ごと捨てていたが、同ドリルは、刃先を交換するだけで新品同様に使えるので、経済的でかつ環境にもやさしい。
 重ね板、スプライスプレート等の穴加工に最適で、サイズは外径φ24・5、φ24・7、φ26・5、φ26・7の4サイズ(加工可能深さは3D)を用意。
 販売価格は、本体3万4100円から、チップが1万1000円から。

モジュラーヘッドシリーズに
面取り加工用ヘッド追加

ダイジェット工業は,「面取りカッタモジュラーヘッドMCM形」の販売を開始した。
 これは、モジュラーシリーズ採用ユーザーより、超硬シャンクを活かし、突出しの長い面取り加工が可能なモジュラーヘッドを追加して欲しいとの要望を受け、同社が開発したもの。
 主な特長は次の通り。
 @オール超硬シャンク「頑固一徹」との組み合わせにより、ビビリの発生が抑えられ、突出し長さの長い面取り加工においても安定した切削が可能。
 A裏面取り加工が可能な形状を採用。
 B最大C5まで加工可能。
 C標準M級チップ仕様のため経済的。
 D本体は高剛性Gボディを採用。工具寿命もアップ。
 主用途は炭素鋼、合金鋼、工具鋼、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄の面取り加工、穴面取り加工。
 加工可能径の異なる4形番をラインナップしている。
・MCM―0919―M10=表面取りφ8・5〜φ19・6
・MCM―1929―M12=表面取りφ18・5〜φ29・6、裏面取りφ21〜φ29・6
・MCM―2535―M12=表面取りφ24・5〜φ35・6、裏面取りφ26〜φ35・6
・MCM―3343―M16=表面取りφ32・5〜φ43、裏面取りφ33〜φ43
 販売価格はMCM―0919―M101万9000円〜MCM―3343―M162万5100円。

省エネ法対応の「節湯」に配慮
混合栓3機種を発売
KVK 初のコラボ MYMとの商品

KVK(岐阜市黒野308・TEL058―239―3111・社長=末松正幸氏)では、一昨年のMYM(喜多村合金製作所)の事業譲渡に伴い、双方の得意分野を活かした初のコラボ商品として、キッチン用シングルレバー式混合栓3機種を相次いで発売し好評を得ている。
 いずれの商品も、使い勝手の向上や水まわり空間の有効活用を図るとともに、節湯B(最適流量が1分間5g以下/従来の1分間6gに対して17%以上削減)対応とするなど省資源・省エネにも十分配慮している。
■シングルレバー式混合栓(KM5011)
 @単機能の新シリーズは、デザインのスリム化を図るとともに、持ちやすさ・つまみやすさを考慮したオーバル(卵)形状のリングレバーハンドルを採用した。
 Aレバーの取り付け方法をワンタッチ方式にし、ハンドルレバー上面のキャップをなくしたことにより、レバーとキャップの隙間に汚れがたまらなくなり、メンテナンス性も向上した。
■シングルレバー式シャワー付混合栓(KM5021T)
 @シャワー引き出しタイプの新シリーズは、直線と曲線を融合させたデザインを採用し、さまざまなキッチンとのマッチングが図れる。
 Aシャワーは、従来のソフトフィールシャワーよりも勢いを持たせながら、快適に使用できる。
 @シャワーの切替は、滑りにくい凹形状のプッシュ切り替え。
■シングルレバー式シャワー付混合栓(KM5031T)
 @回転切替式の新シリーズは、持ちやすいリング形状のレバーハンドルを採用するとともに、女性や子供にも使いやすい丸みを帯びたコンパクトシャワーヘッドを採用し、使い勝手をアップさせた。
 Aシャワーとストレートの切替は、吐水口下部に設置することで、操作性の向上を図っている。
 3機種ともメッキ仕様レバーハンドルは、ダイカスト製で質感と高級感を向上させている。
※平成21年4月改正のエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)対応の「節湯(せつゆ)型機器」の設定について
 住宅における1次エネルギー消費量のうち、その多くを給湯設備が占めている。そのため、給湯設備の負荷を低減することは、住宅の省エネに大きく寄与する。キッチン水栓や浴室のシャワーなどを使う際、湯水を出しっぱなしにしたり、必要以上の流量で使用したりすると、水の消費量が増えるだけでなく、給湯のためのエネルギー消費量も増大する。節湯型機器を設置すれば、ムダな湯水が省け、不要な給湯エネルギー消費量が削減できる。
 今回発売の3機種はいずれも節湯B対応で、快適な洗い心地を維持しながら、湯水消費量の大幅な削減を実現している。

1月20日付で規格を改正
高圧配管用 鋼製ねじ込み式 管継手
日本金属継手協会 16年振りの改正

日本金属継手協会では、日本金属継手協会規格JPF FAS 102「高圧配管用鋼製ねじ込み式管継手」を改正し、1月20日付けで発行する予定としている。
 油圧配管等の高圧配管に使用する鋼製のねじ込み式管継手は、長年、JIS規格が制定されておらず、ユーザーの社内規格及びメーカーの製品規格は形状・寸法について夫々差異があり、統一されていなかった。そのため、一部のユーザーからは、製品規格の統一を図るべきと強く要請されてきた。
 そのような背景から、日本高圧継手協会のもとで規格制定審議を行い、1975年5月に日本高圧継手協会規格FAS 102(特殊配管用鋼製ねじ込み式管継手)として制定されたが、適用範囲、管継手に対応する鋼管の種類及び管継手の材料などが配管用鋼製差込み溶接式管継手との共通点が多いことから、一部の寸法変更、形状について見直され、1992年及び1994年に改正された。その後、日本高圧継手協会は2000年に日本金属継手協会に加入し、日本金属継手協会 高圧継手部会として再発足した。それに伴い、規格番号もFAS 102からJPF FAS 102へと変更を行い今日まで推移してきたが、規格改正以来16年が経過したことから、日本金属継手協会で次の規格改正を実施することとした。
【今回の主な改正点】
@規格の名称
 規格の名称を従来の特殊配管用鋼製ねじ込み式管継手から「高圧配管用鋼製ねじ込み式管継手」に変更した。
A適用範囲
 適用範囲に、高温配管(JIS G3456による高温配管用炭素鋼を用いた配管)を追加した。
B形状による種類
 JIS B2316(配管用鋼製差込み溶接式管継手)にも規定された「ボス」を追加した。
C管継手の材料
 JIS G3108(みがき棒鋼用一般鋼材)の供給が近年、限られて来ているため、今回の改正で削除した。また、JIS G3456(高温配管用炭素鋼)のSTPT410に相当する材料を追加した。
D最高使用圧力
 最高使用圧力の規定を明確化するために、従来の解説へ記載から規格本文に移行した。
E管継手の外径
 管継手の外径Mの寸法値を外径B1の値に整合させた。
Fねじ
 ねじの軸線の狂いの規定をJIS B2301(ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手)に合わせて、数値とその表現方法を整合させた。
G耐圧検査
 耐圧検査の方法を明確化するために、「管継手に鋼管を接続し」を追加した。
 なお、日本金属継手協会 高圧継手部会では、次の6社が会員となっている。
 イハラサイエンス梶A東和高圧梶A藤井高圧工業梶A潟tジトク、中国鍛工梶A株崎鐵工

三菱マテリアル新製品
インパクトミラクル
高能率加工用
制振ラジアスエンドミル「VF―HVRB」

 三菱マテリアルツールズ(社長=高田修氏、本社=東京都墨田区横網1―6―1)は、三菱マテリアルが開発、製造する"インパクトミラクル制振エンドミルシリーズ"にインパクトミラクル高能率加工用制振ラジアスエンドミル「VF‐HVRB」を追加し、販売を開始した。
 ラジアスエンドミルによる高能率加工は高送りによる効率向上がトレンドとなっているが、切削負荷の大きいコーナ部では、実際の送りが設定値ほど上がらず、トータルでは期待通りの効果が得られない場合がある。こうした問題を解決するため、高能率加工の考え方を見直し、直線部が多い加工では高送り切削を、コーナ部が多い加工では高切込み切削を行う「高送り+高切込み加工」を実現する新発想の工具が開発された。この工具により、加工形状に応じた最適な加工法を選択でき、加工時間を大幅に短縮することが可能となる。
 「VF‐HVRB」の主な特長は次の通り。
 @「高送り+高切込み加工」の実現により、真の高能率加工が行える。
 A底刃の切れ刃形状および底刃のチップポケットを最適化し、低抵抗と優れた耐欠損性を両立した。
 B制振効果に優れた不等リード形状を適用し、安定した高能率加工を実現する。
 C高精度なR形状と低い切削抵抗により、高精度・高品位加工を実現する。
 今回発売されたのは「VF‐HVRB」38型番。標準価格は代表型番VFHVRBD1000R0200N030が2万1000円(税込み2万2050円)。

スーパーダイヤコート
「UE6105」に
ポジインサートを追加

三菱マテリアルツールズは、三菱マテリアルが開発、製造する鋼高速施削用CVDコーティング材種「スーパーダイヤコートUE6105」のシリーズ展開として、ポジインサートを中心に計26アイテムを新規追加し販売を開始した。
 「UE6105」は「2 in 1テクノロジー」を採用した高速施削用CVDコーティング材種として高い評価を得ており、さらなる用途の拡大を目的としてアイテムを追加した。
 今回追加される「UE6105」インサートの主な特長は次の通り。
 @これまでのインサートに加え、7度ポジインサート、小形ネガインサートを新たに標準化した。内径加工や小物部品加工における高能率化に最適である。
 A微細かつ均一化されたTiCN層と、結晶成長を制御した厚膜Al203層から構成される「ナノテクスチャーコーティング」が優れた耐摩耗性を発揮し、高速加工における大幅な寿命延長が可能となる。
 B逃げ面の極めて平滑な「ブラック・スーパーイーブンコーティング」が溶着チッピングなどの異常損傷を大幅に低減し、長時間にわたる安定した加工と、高い加工寸法精度を実現する。
 標準価格は代表型番のCCMT09T304 UE6105が1000円(税込み1050円)、DNMX110408―SW UE6105が970円(税込み1019円)。

旬の素材を生かした
イタリア料理で忘年会
ジュニアー会家族会を兼ねて開催

若手経営者が集うジュニアー会(幹事長=三井重信氏・三井機工社長)は昨年12月5日午後7時より、名古屋市中区栄のイタリア料理「カーザ・デッラマンテ」で忘年会を開催した。当日は、会員の家族も含め30名が参加して親交を深めた。
 三井幹事長が「本日はご家族の方にもたくさんご参加いただきありがとうございます。昨年に引き続いて、楽しい景品の当たるビンゴゲームも用意いたしました。楽しいひと時を過ごせたらと思っております」と挨拶。続いて、会員の印藤氏(印藤商店社長)の力強い発声で乾杯した。
 同店は、無農薬有機野菜と新鮮な魚介類で、おいしさと共に安心も提供するイタリア料理店。参加者は、おいしい料理を楽しみながら、ワインエキスパートの資格を持つ会員の倉地氏(倉地社長)が同店の成瀬シニアソムリエと選んだワインを片手に和気あいあいと語り合い、野田氏(ノダキ社長)の中締めで1年の締めくくりとした。


2010年1月10日(日) 2370号
中部経産局
最近の管内総合経済動向

 中部経済産業局は、昨年12月9日公表の「最近の管内総合経済動向」で、管内(愛知、岐阜、三重、富山、石川の5県)の経済活動についての総括判断を前月に引き続いて「持ち直しつつあるものの、依然厳しい状況にある」とした。個別の項目でも、生産の「増加している」をはじめ、個人消費、設備投資、公共投資、住宅投資、輸出、雇用の判断を据え置いた。先行きについては、世界的な金融危機の実体経済への影響、地域の雇用情勢や中小企業の資金繰りなどについて一層の注視が必要であるとしている。(比較は断りのあるものを除き、平成21年10月の実績値による。)
鉱工業生産・出荷・在庫
 生産は、増加している。
 鉱工業生産の動向を指数(10月速報)でみると、一般機械工業、金属製品工業、化学工業などが上昇したことから、前月比0.3%増と7カ月連続の上昇となった。また、前年同月比は15.2%減と15カ月連続の低下となった。
 出荷は、情報通信機械工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業などが低下したことから、前月比1.0%減と8カ月ぶりの低下となった。また、前年同月比は16.1%減と15カ月連続の低下となった。
 在庫は、電子部品・デバイス工業、石油・石炭製品工業などが低下したことから、前月比0.4%減と9カ月連続の低下となった。また、前年同月比は16.6%減と9カ月連続の低下となった。
 なお、大口電力需要は、中部電力管内では15カ月連続で前年を下回り、北陸電力管内でも15カ月連続で前年を下回った。
主要業種の動向
◆輸送機械
 輸送機械の生産は、増加している。
 乗用車は、米国向け、及びEU向けが堅調、新興国向けが順調であることや、国内向け低燃費車が好調であることから、増加している。
 自動車部品は、国内完成車向け、国内メーカーの海外現地工場向けが堅調なほか、アジア向けが増加しており、全体でも増加している。
 航空機体部品は、航空機体メーカーの一部に減産の動きがあることなどから、弱含んでいる。
◆一般機械
 一般機械の生産は、持ち直しつつある。
 金属工作機械は、国内向け、海外向けともに低水準で推移している。
 繊維機械は、織機、紡績・準備機械とも主力の中国向けを中心に緩やかに増加している。
 土木建設機械は、世界的な受注の落ち込みから、低水準で推移している。
◆電子部品・デバイス
 電子部品・デバイスの生産は、一時的に減少したものの、増加傾向となっている。
 半導体素子・集積回路は、記憶素子(メモリ等)で一部情報通信機器向けが順調なことから、増加している。
 液晶素子は、一時的な減少が見られるものの、テレビ向けが順調であることから、増加傾向となっている。
◆電気機械
 電気機械の生産は、増加している。
 開閉制御装置・機器は、工場ライン向けが引き続き低調であるものの、自動車向け、一般家電向けが好調であることから、増加している。
 内燃機関電装品は、自動車向けを中心に増加している。
 電動機は、自動車向けや海外向けが順調であることから、増加している。
◆情報通信機械
 情報通信機械の生産は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。
 民生用電子機械は、エコポイント効果により液晶テレビの国内需要が旺盛であるものの、一部情報家電が不振となっていることから、全体としては持ち直しの動きに足踏みがみられる。
◆金属製品
 金属製品の生産は、持ち直しの動きがみられる。
 アルミニウム建材は、建築着工の動きが鈍いことなどから、低水準で推移している。
 ばねは、自動車向けを中心に増加している。
 ガス機器は、国内の住宅着工減少による需要の低迷などから、低水準で推移している。
◆鉄鋼
 鉄鋼の生産は、増加している。
 鋼板は、自動車向けや海外向けを中心に増加している。
 棒鋼は、民間建築向けを中心に低水準で推移している。
 特殊鋼鋼材は、自動車関連で国内向け、海外向けともに順調であることから、増加している。
◆ファインセラミックス
 ファインセラミックスの生産は、増加している。
 触媒担体・セラミックフィルタは、国内向け、国内メーカーの海外現地工場向けを中心に増加している。
◆繊維・陶磁器
 繊維・陶磁器の生産は、緩やかな減少傾向となっている。
 繊維は、自動車向けなどの化学繊維需要が旺盛であるものの、中国等からの輸入品との競合や衣料品向け需要の低迷などから、低水準で推移している。
 陶磁器は、タイルなどの建築需要が減少していることや、飲食器が安価な輸入品に押されていることなどから、緩やかに減少している。
消費・投資などの需要動向
◆個人消費
 個人消費は、弱まっているものの、一部に持ち直しの動きがみられる。
 大型小売店販売(既存店ベース)は、19カ月連続で前年を下回った。百貨店は、高額品が引き続き不振であることに加え、平年よりも気温の高い日が続いたことで秋冬物衣料が不調だったことや台風の影響で入店客数が減少したことなどから、23カ月連続で前年を下回り、スーパーは、機能性肌着や低価格の衣料品、新型インフルエンザ関連商品は好調であったものの、衣料品全体としては低調が続いていることや、客単価が下落傾向にあることに加え、台風の影響で入店客数が減少したことなどから、15カ月連続で前年を下回った。
 コンビニエンスストア販売は、客単価が下落傾向にあることなどから、5カ月連続で前年を下回った。
 乗用車販売は、軽自動車が12カ月連続で前年を下回ったものの、エコカー補助金などの効果により低燃費車の販売が好調だったことから、普通車が4カ月連続で、小型車が2カ月連続で前年を上回り、全体でも3カ月連続で前年を上回った。
 家電販売は、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話などの情報家電が低調に推移しているものの、エコポイントの効果で、薄型テレビの販売が好調だったほか、冷蔵庫の買い換え需要が喚起されたことに加え、新型インフルエンザの影響で空気清浄機の販売が好調なことなどから、3カ月連続で前年を上回った。
◆設備投資
 設備投資は、大幅に減少している。
 製造業では、自動車関連をはじめとするほとんどの業種で設備投資計画額が大幅な減少となっている。
 非製造業では、電力などで小幅の増加見込みとなっている。
 なお、管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)をみると、一般機械工業向けが14カ月連続で、自動車工業向けが15カ月連続で前年を下回り、全体でも16カ月連続で前年を下回った。
◆公共投資
 公共投資は、おおむね横ばいとなっている。
 公共工事請負金額を前年比でみると、「独立行政法人」「市町村」で前年を上回ったものの、「国」「県」「地方公社」「その他」で前年を下回り、全体でも2カ月ぶりに前年を下回った。
◆住宅投資
 住宅投資は、減少傾向となっている。
 新設住宅着工戸数をみると、持家が13カ月連続で、貸家が12カ月連続で、分譲が10カ月連続で前年を下回り、全体でも12カ月連続で前年を下回った。
◆輸出
 輸出は、増加している。
 名古屋税関管内の輸出通関額(円ベース)は、15カ月連続で前年を下回った。品目別でみると、「自動車」「金属加工機械」などが前年を下回った。主要地域(国)別でみると、米国向けが26カ月連続で、EU向けが21カ月連続で、アジア向けが15カ月連続で前年を下回った。ただし、「自動車」「自動車の部分品」を中心に前年比の減少幅は縮小傾向となっている。
◆雇用
 雇用は、厳しい状況が続いている。
 新規求人数は、人材派遣を含むサービス業、製造業などの業種を中心に27カ月連続で前年を下回った。ただし、このところ前年同期比の減少幅は縮小している。
 有効求人倍率は、3カ月連続で上昇した。
 完全失業率は、わずかながら改善している。
◆企業倒産
 企業倒産(件数)は、5カ月連続で前年を上回った。
 企業倒産(件数)は、建設業、製造業、卸売業、小売業などで前年を上回った。

年 頭 所 感
年頭あいさつ
岐阜県知事
古田  肇

 新年おめでとうございます。
 皆様には、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年、県では、本格的な人口減少時代を迎える中で、今後10年間の政策の方向性を明らかにする『岐阜県長期構想』をまとめ、希望と誇りの持てる岐阜県づくりに向けた一歩を踏み出しました。
 また、官民で連携して「岐阜ブランド」をアピールした香港、タイ、シンガポールでは、飛騨牛などの農産物や豊かな自然が非常に高く評価され、販路開拓や観光誘客に大きな手応えを得ました。今年は、中国で開催される上海国際博覧会に本県も出展参加するほか、10月には、アジア太平洋地域の21か国・地域が集う、本県にとり、かつてない規模の「APEC中小企業大臣会合」が岐阜市で開催されるなど、ますますアジア・世界とのつながりが深まります。
 人口減少時代を迎えて国内市場が縮小する中にあって、広く海外、特に成長著しいアジア地域に目を向けて、本県に新たな活力を引き込んでまいります。
 一方、森・川・海が一体となった環境保全の大切さをアピールしていくため、6月には、「第30回全国豊かな海づくり大会」を開催します。上・下流の県とも連携を図り、次代を担う子どもたちと一緒に、水と共生し育んできた自然環境や文化を守り、未来へと伝えてまいります。
 目下、新型インフルエンザの流行期であり、医療機関、市町村など関係者の昼夜を分かたぬご協力を得て、感染拡大防止に取り組んでいます。「恐れず、しかし、侮らず」。こまめな手洗いや咳エチケットを守るなど感染予防に努めていただくとともに、ご不明な点は、かかりつけ医や県・市町村窓口にご相談ください。
 今年1月3日で、ぎふ清流国体の開会式まで、あと千日となります。ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の合言葉、「輝け はばたけ 誰もが主役」のとおり、県民総参加で準備を加速してまいります。
 今年1年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

「己に如からざる者を
友とする無かれ」
児玉興業
会 長 松田 謙三

 百年目の大不況。先行き全く見えず、倒産を待つのか自主廃業を選ぶのか選択の年です。(創業は易く、守成は難し)
 「打たれて尚強く生きる」の著者は前向きに、積極的に有意義な人生を送る為に3つの事項が大切と言って居られます。
 第一、はっきり自分の将来どう生きて行くべきか目標を建てることです。
 私共高齢者は若い方々と異なり、激しい戦争のため、志と全く違った道を歩いてこられた方が多いと思います。私も軍人として一生を全うする心積もりが敗戦により全く異なった鉄工業の道に入り、百年目の大不況に遭遇し、大変な苦労を致して居ります。先頃96歳で死去されました森繁さんは常に「運は向こうからやってくる。目をふさいでいては見損なう、しっかり目を見開いての90余年であった」と書き残して居られます。
 第二、肉親を愛し、良き友人、親しい人々との交流に務める。
 私もその点をしっかり大切にし、長生きする程恥多き人生の中で1つでも恥を少なくする努力のため心に悔いない奉仕活動を続けて参りました。元来日本経済発展の原動力は物作り、創造性重視であります。今迄は少々躾が悪くとも、規律を守らなくとも、企業は業績を上げることが出来ましたが、これからは規律を守る人、環境を常に美しく保ち、整理整頓・掃除・清潔の励行に務め創造性豊かな人材の育成に務める事。又私事ですが、数10年来毎朝近隣の掃除に務め、結果は工場内外名実とも名古屋有数の美しい町となりました。
 第三、自分一人だけで楽しめる趣味を持つ事。
 私も文学・芸術等を通じ一人で楽しめる多くの品を集めて参りました。又余暇を利用しては、色々な異業種の会などを奉仕で主催したり、一人でも楽しめる領域を増やして参りました。お陰で自分より優れた方々との交流が多くなり有意義な日常を送って居ります。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

3月21日を"バルブの日"に
(社)日本バルブ工業会
会 長 大山 忠一

 明けましておめでとうございます。
 関係各位の皆様には大変厳しい経済情勢の中で新しい年を迎えられたのではないかと拝察致します。
 昨年の経済は前年に引き続き世界全体の停滞の中で推移致しました。中国経済が比較的積極的に動いた為に、多少の動きは維持され、又日本の基幹を支える自動車産業も、子供店長加藤清史郎君のとなえるエコカーの減税・補助等による増産で一息ついた感がございます。しかし全体的に見れば、まだまだ元の水準には程遠いというのが実感でございましょう。
 常に2番底が喧伝される中、年末近くにはドバイの不動産バブルの破綻による債務返済の繰り延べが伝えられる等、次に何時、何が起こるのかと疑心暗鬼にかられて経過する日々でございました。
 一方、政治の世界では米国がオバマに変わり、日本では民主党の鳩山政権が誕生しました。米国の方は前年から決まっていた事ではありますが、イエス・ウィ・キャンと前向きな考え方に共感した人が起した政権交代でありました。
 日本の方は、それまでの自民党政権のたまりにたまった旧弊に対して国民がノーを突きつけた、まさに無血クーデターか革命のような交代でありました。しかしながら、その後の政権運営を見ている感じでは、国の根幹にかかわる強い意志と高い見識がカケラも見られない、極めておそまつな姿を毎日毎日見せつけられております。
 本来事業仕分けの様な仕事は心ある役人のするべき事ではありますが、残念ながらそれは望めないという事で国会議員が行ったわけであります。しかしながらその中味たるや、本当にナタをふるうべき大きな問題には目もくれず、重箱のスミを突っつく事態となり、あまりの見識の低さにノーベル賞級の学者の方々から非難轟々という結果になりました。
 産業界が大きな期待を持った試作開発等支援事業は何と5倍もの応募がありました。いかに中小企業の経営者が将来を見すえて真剣に取り組んでいるかを示す、重要な指標ともいえますが、これすらも予算カットの対象に上るという情けない状況が起きております。このままでは必ずや国家百年の計を誤る様に思えてなりません。
 私共の工業会では、中長期的視野に立ってバルブ産業ビジョンの実践に向けて着実に活動を重ねてまいりました。バルブを広く知ってもらう為に3月21日を"バルブの日"と定める事になりました。これに合わせて久々に新しい「バルブ便覧」も発行に向け着々と作業を進めております。
 公益法人の制度改革も期日が段々近づいてまいりました。公の利益に貢献する目的で新しい研究にも取り組んでまいりました。
 こうした多くの活動には、沢山の方々の精力的な努力が傾注されており、心から敬意を表するところでございます。
 この様に前向きな活躍によって、当工業会は将来に向って必ずや会員の皆様のお役に立つ組織として発展的に運営されるものと存じます。
 経済全体は当分難しい状況が続くかとは存じますが、当工業会は会員の皆様と共に未来に向って大きく羽ばたく年とする事が出来ます様に、今後共皆様の一層のご協力をよろしくお願い申し上げます。
 今年1年が皆様方全体にとって更に実りある年になります様に祈念致しまして念頭のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
健全な車社会の発展に貢献
(社)日本自動車機械器具工業会
理事長 北川 不二男

平成22年の新年に当たり一言ご挨拶申し上げます。
 昨年来、米国発の金融危機に端を発した深刻な世界的な不況に伴い、我が国の実体経済も悪化し、大変厳しい状況が続いてまいりました。これに対応して、政府の一連の大幅な財政出動などもあって、なんとか景気は持ち直してきているものの、依然として不安定な状況が続いています。
 先行きについては、種々懸念される要因も少なからずありますが、内外経済の改善が進み、1日も早く景気が回復基調になることを念願しています。
 近年、我が国の自動車を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。
 国内市場は、すでに成熟段階に入って販売も伸び悩んでいますが、世界的な地球温暖化問題への関心の高まりと相まって、今後ハイブリット車、電気自動車などの環境にやさしい車の比率が急速に高まっていくことが予想されます。
 国内では既に7500万台を超える車が日々利用されており、それらの安全、環境性能を維持、確保していくためには、整備を的確に支える機器の供給が不可欠であります。
 こうした活動を通じて地球にやさしく、健全な車社会の発展に貢献していくことは当業界の大きな使命であろうと考えおります。
 このため、今後、増加が見込まれる先進的な環境対応車を始め、高度電子化された車の整備に対応しうる機器類の開発、供給への一層の取り組みが望まれるところであります。
 当工業会は、今後とも業界の共通課題への取り組みを前進させるよう種々の事業展開を図るとともに、会員相互の情報交流の「場」として活用していただけるよう努めてまいりたいと存じます。
 最後になりましたが、会員各位がこの困難な時代を乗り切っていただけますよう祈念いたしますとともに、関係各位のご指導並びにご支援を切にお願い申し上げまして、年頭のご挨拶といたします。

品質を守り、
安全と安心の提供を
愛知鋲螺商協同組合
理事長 鈴木 建吾
 
新年明けましておめでとうございます。
 昨年は厳しいという一言から始まりましたが、少し明るさも見えた年ではなかったかと思います。先のことが読めない時代です。日本だけでやっていけた時代が終わり、世界に目を向けての対応をしなければなりません。繊維においては、ユニクロを始めとする低価格路線が主流になってきました。繊維の次はねじであろうという発想の下に、輸入品の取り扱いが増えてきました。しかし、コスト追求が過度になり、品質に問題があるねじが輸入されました。日本では、戦後、ねじの品質が悪い時代がありました。その時のメイドインジャパンは安物のイメージでした。しかし、先人の努力のおかげで、日本製の品質が上がり過剰品質といわれるようにもなりました。過剰品質は不要ですが、コスト追求の結果、何ら管理されていないねじが輸入されてはいけません。その結果、ねじは不良品が混じるのが当たり前ということになれば、ねじ業界は信用を失います。社会的地位も低下します。また繊維は多少問題があったとしても大きな問題にはなりませんが、ねじの品質は完成品の品質に影響を与え、結果として、完成品を不良にしてしまうことも多々有ります。
 我々ねじの流通に携わるものとして、品質を守り、サポーティングインダストリーとして安全と安心を提供していきたいものです。
 経済は国際的に激変しております。不変を求めることは不可能です。ねじ産業も国際化が進んできております。世界はISO(国際標準)を中心に動いています。その流れに沿って日本のJISは移行期間も終了しています。然るに実際に流通しているのは旧規格のねじです。このままで行けば、日本は産業の世界でガラパゴスになってしまいます。国際標準が有る限り、ねじ業界だけでなく、工具業界、またお客様とも一体化して国際標準にしなければ孤立します。
 ねじの組合活動に関しては、未来開発プロジェクトというプロジェクトが始まりました。これはねじ業界の地位の向上を目指すもので、商品の品質向上、社員の品位と知識の向上を目指すものです。そのためにはマイスター制度のようなものも検討されています。このような形でねじ業界で働く社員の教育が進み、社員がレベルアップし、社員の意識が向上すれば、魅力ある業界になり明るい未来を作ることになるでしょう。
 新しい年が皆様にとり、よい年になりますことをお祈り申し上げます。

新技術の開発で、
2010年をしのぎ切ろう
一般社団法人日本鍛圧機械工業会 
代表理事
会長春山 紀泰

新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。昨年は工業会の運営に格別のご協力とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。今年も鍛圧機械産業と会員の発展に寄与できるよう会員各位の知恵を寄せ合う活発な工業会活動を通じて成果を出していきたいと存じますので、引き続き積極的なご参加とご支援ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
 昨年の鍛圧機械受注はリーマン破綻以降、極端なショック状況が続きフリーズしたまま2009年の1年間が過ぎ去ったとの感があります。現在の受注統計が始まって25年経ちますが、2000億円を切ったのがわずか2回のみです。ところが昨年の実績見込は1100億円と過去最低の受注額であり2008年受注額の△7割減、3分の1へと激減いたしました。
 昨年12月に調査統計委員会が検討し委員長が決定した2010年の受注予想額は、1600億円で前年比+45%増であります。もうこれ以上の2番底はない、アジアを中心に輸出を伸ばして何とか「2010年をしのぎ切りたい」との結論だと伺っております。この数字に届くように会員各位が新しい市場や次世代製品を見据えながら開発を促進し、国内外への営業努力をしていこうではありませんか。
 当工業会は昨年4月に日本で最初の「一般社団法人」に移行しました。1年を経過して国所管3600社団法人のなかでまだ4法人しか一般社団法人に移行しておりませんが、「民」による主体的な共益・公益活動を推進していきたいと存じております。
 また同じ4月に日本の機械業界で初めて「MFエコマシン認証制度」を開始しました。認証を受けた115機種の平均省エネ率は2000年の生産機に対し41・6%の削減となっております。この10年間の鍛圧機械の技術革新の大きさを物語っており、地球に優しい「鍛圧塑性加工へ」の流れに更に貢献していけると思っております。
 さらに10月には日本で初めてとなる鍛圧機械の専門展「MF―Tokyo2009プレス・板金・フォーミング展」を日本塑性加工学会やその他工業会のご協力もいただき開催いたしました。112社701小間のご出展をいただき、来場された2万7000人に対し十分に説明できた活気のある展示会となり、まったく新規のお客様から早くも成約したとの話も伺っております。次回2011年にむけ更に技術発信の出来るよう力を合わせて行きましょう。
 そして2010年は「MF技術大賞」の表彰制度を開始いたします。すばらしい素形材は鍛圧機械のみならず素材、金型、搬送、加工ユーザ、最終製品ユーザまでの各位の知恵の集積です。これらの関係者をまとめて表彰する「MF技術大賞」を創設し5月から募集を開始いたします。審査委員長は名古屋大学の石川先生にお願いしております。また鍛造専門部会とプレスブレーキ専門部会の新設を予定しています。木目細かく会員のニーズを反映して行きたいと考えていますので積極的な参加をお願いいたします。
 最後になりましたが、会員各位におかれましてはよい年でありますよう祈念申し上げますと共に益々のご繁栄とご健勝をお祈り申し上げます。

年 頭 所 感
経営基盤・体質強化のための
 環境整備に努める
(社)日本工作機械工業会
会 長 中村 健一

 平成22年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年の工作機械業界を振り返ると、受注は1月を底に少しずつ上向いてきましたが、その水準は依然厳しく、好況時の半分にも満たず、内需では自動車業界を始め多くの製造業が設備投資を控えていたことなどから、全体的に堅忍不抜の1年であったと言えます。
 一方、世界中の産業を取巻く環境を見ると、回復時期やその力強さには、多少の差異が見られます。北米は緩やかな回復基調となり、欧州はまだまだ力強さに欠ける状況となっています。そして、中国を中心とするアジアの新興国は概ね堅調な伸びを示し、着実な回復を見せつつあると考えます。
 本年の工作機械受注の状況については、新興国市場を中心とした外需主導の回復が見込まれますが、先行きは全般的な不透明感にあって推移するものと考えます。そして前半は回復の足がかりを模索する中で推移し、年後半には回復色がより鮮明になることを期待しております。
 このように現下の受注環境は依然として回復材料に乏しいものがありますが、当会では、世界の製造業にマザーマシンを供給すると言った使命を糧にするとともに、各企業の自助努力はもとより、工作機械産業の成長基盤を一層強固なものとすべく、あらゆる事業を展開して参りたいと思います。
 第一に、現下の深刻な経済情勢下において、会員企業ではコスト削減や生産体制の効率化など、経営体質の改善に全力を挙げる一方、新興国市場を中心とした外需の開拓を進めております。このような中、当会では、業界の外需比率の拡大に対応するべく、知的財産権、国際租税、為替変動リスクの軽減等あらゆる面で経営基盤・体質をより一層強化するために必要な環境の整備に努めていきます。
 第二に、次代を担う人材の確保と育成に取り組んでいきます。具体的には、毎年の業界イベントとして定着してきた工作機械セミナーの拡充・強化に加え、工作機械の教育用映像の制作など、有為な人材の確保に必要な業界活動を強力に展開していきます。また、人材育成については、中小企業向けにインターンシップマニュアルを作成するほか、産学で優秀な指導者を相互に派遣し合い、両者の間に存在する知識やスキルのギャップを補完させるなど、有意義な人材交流の推進に傾注します。
 このほか、長期的成長戦略の一環として、BRICsなどの新興発展地域を含めた新たな市場戦略の確立や、次世代に向けた技術開発の切れ目ない前進にも積極的に取り組んでいきます。
 本年も関係各位には、ご指導、ご鞭撻とさらなるご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、平成22年が皆様にとってさらなる飛躍の年になることを祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

不透明な時こそ価値ある
 情報とサービスの提供を
(社)日本鋳造協会
会 長 中谷 兼武

 2010年、明けましておめでとうございます。
 当協会が、昨年7月日本非鉄金属鋳物協会と統合し、新春を迎えることができました。改めて当協会活動に対して、多面にわたりご理解とご支援を賜りました関係官庁、諸団体並びに会員各位の皆様に心から御礼申し上げます。
 昨年は、2008年10月に発生した世界的な金融不安により、自動車、工作機械、建設機械、産業機械業界等の急激な在庫並びに生産調整の結果、鋳造業界にとって未曾有な需要減となりました。その影響で事業継続さえ困難な状況で2009年は始まったと言えます。当協会は需要減対応を最重要課題として、関係官庁並びに諸団体に働きかけ活動してきました。
 今後の世界経済状況は大変不透明な状況にあるといえましょう。世界をリードしてきた日米欧の経済不況、米国自動車メーカー破綻等に裏付けられる米国流経営への疑問、BRICsの市場力と経済力、円高ドル安等、わが国のものつくり環境が大きく変化しており、今後の鋳造業界の不透明感は免れ得ない状況にあります。
 昨年の新年挨拶で"鋳造産業ビジョンが鋳造業界のバイブル"と申しました。今も其の考えは変わらず、この不透明感の状況下に対応した鋳造産業ビジョンの改定を、初春の最重要プロジェクトとして取組んでいます。"鋳造業を魅力ある強い産業にする"の実現の為に、変化する市場とグローバル化への対応、また従来の鋳鉄鋳物に非鉄金属鋳物を加えた新しい鋳造産業ビジョンは、会員並びに関係各位への重要な情報発信と考えています。
 鋳造業とその顧客にとって"鋳造企業の継続と健全な経営"が重要であり、本年も需要減対応を関係官庁と諸団体に働きかけ、会員の経営に役立つ諸施策並びに需要動向等の情報の提供を進めます。
 最後になりましたが経済産業省を始め関係官庁、関係諸団体並びに会員各位の一層のご発展と関係各位のますますのご健勝をご祈念申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。

実りある1年に
中日本木工機械商工協同組合
理事長 木村 秀夫

 平成22年の初春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。平素は当組合の事業に格別のご支援、ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年は、欧米発の世界的な金融危機の余波の影響を受け、物価下落の続く日本経済から未曾有の不景気の様相を呈する恐慌の寒風が吹き、企業収益の悪化と資金、雇用の悪化が連鎖するデフレスパイラル現象にとりつかれ、大幅な人員削減、売上低下に伴う減産と、大変厳しい1年でありました。
 また、政治の面では、バラク・オバマ氏がアフリカ系でアメリカ初の大統領に就任。日本でも、長らく続いた自民党政権から民主党に移り、政権交代で鳩山内閣が誕生、大きな変革の年でありました。
 政府も経済対策として、輸出重視から内需拡大へと、消費意欲を刺激しようと、エコポイントやエコカーの減税もあり少しは回復する兆しが見られましたが、抜本的な解決策が見出されるまでにはいたってはおりません。
 さて、今年の干支は「庚寅」。10干の「庚」という文字の意味として、3つの内容が含まれています。1つ目が「継承と継続」です。2つ目が「償う」で、3つ目が「更新」という意味があるそうです。従って、社会や国家や私生活においても、庚年は前年を深く反省して、あらゆる停滞・怠慢を一掃し、颯爽として前を向いて前進していく年で、「庚庚(こうこう)」という言葉には、物事が実っていくという意味がありますので、今年は実りのある1年となると言われております。12支の「寅」は、人が謹んで助け合う事を意味しています。また、寅に「さんずい」を付けると「演」という文字になり、演説・演技などの言葉にあるように、進展を意味していることからも、社会全体が協力し合い物事が進展していくとも言われております。
 我々の木工機械業界は、ここ数年来、住宅着工件数の減少から他業界より長い不況に見舞われておりますが、組合員がそれぞれの力を発揮し、互いに協力して知恵を出し合いながら研鑽を積んでいけば、必ずや道は開けるものと信じ地道な努力を続けて行くことが肝要であると考えます。当組合としましても、会員増強と活性化に繋がるような各種事業活動を実施して、努めていく所存であります。
 業界各位の皆様にはご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げますと共に、皆様の益々のご繁栄とご健勝を心より祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。

年 頭 所 感
2010年 年頭所感
(社)日本機械工業連合会
会 長 伊藤 源嗣

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては、お気持ちも新たに新年を迎えられたことと存じます。
 年頭にあたり、平素より日本機械工業連合会にお寄せ頂いております皆様の温かいご指導とご支援に対し、心より御礼申し上げます。
 世界的な経済危機は最悪の状態から脱出しつつありますが、米国発の金融危機が実体経済にも波及して陥った世界同時不況からの回復にはなお相当の時間を要する見通しです。世界需要に大きく依存してきた我が国経済もかつて経験したことのない試練に直面しております。2009年7―9期のGDPが2四半期連続のプラス成長し、機械受注も底入れの兆しが見えるなど、幾分回復傾向が出てきたと言われるものの、株価は低迷し、経済活動の水準も依然低いままであり、昨年11月に政府が3年5カ月ぶりに「デフレ」と認定するなど、我が国経済は自律回復にはほど遠い状態と言えます。機械工業の活動も停滞しており、当会の機械工業生産額見通し調査によると、21年度の生産額は2年連続の2桁減の見通しで、その水準は25年前の昭和59年当時まで落ち込む見込みです。加えて、円ドル相場も一時14年振りの84円台を記録するなど急激な円高が継続しており、景気底割れで2番底への懸念もあります。
 世界需要の収縮が日本経済に未曾有の経済危機をもたらしたわけで、現在の外需頼みの経済構造を改めていく必要があります。そのためには企業が国内での研究開発や設備投資など産業活動を活発化させることが不可欠ですが、政府はそれを促進させる環境整備を早急に行うことが重要です。セーフティーネットの強化で雇用を支えるとともに、新たな産業基盤として期待されている医療・福祉、教育、環境・エネルギー分野への民間投資や消費など、国民の活力を引き出すような成長戦略を組み立て、実行に移すことが期待されます。また、経済活力の面から少子高齢化による将来の労働力不足が懸念されており、その解消のためには女性の更なる社会進出が不可欠であり、そのためには、子供を安心して任せられるような保育施設の拡充や医療面でのバックアップが必要です。一方、製造業派遣の禁止や最低賃金引き上げは特に中小企業への影響が大きく、インフラ整備、セーフティーネットの拡充とあわせ時間をかけて検討すべき問題と思われます。
 以上のとおり、内需の拡大は非常に重要ですが、人口減少が進む中、内需には限界があり、内外需を両輪としてバランスよく機能させることが必要です。天然資源に乏しい日本が成長するには外需で利益を稼ぎ、活用していくことが不可欠であり、中でも急成長するアジアなどの新興市場の需要を如何に取り込むかがポイントとなります。特に日本はアジア諸国との経済連携を更に深め、アジア経済圏を発展させることによりこの危機を乗り切るという視点からの取り組みが重要であります。
 今後はグローバルな競争が更に激化するため、日本企業が競争に勝ち抜くために国際競争力を向上させる方策も重要です。これまで我が国は世界に先がけて独創的な先端技術や新製品の開発、実用化に成功を収め、国際競争力の高い工業製品を世界に送り出すことにより、経済の成長を確保してきました。研究開発こそ資源小国の我が国にとって生命線であり、それが生み出す科学技術は日本の将来を支える力の源泉と言えます。現在、業績が悪化する中にも拘わらず、企業は生き残りのために環境・エネルギー分野を中心に積極的な研究開発投資を進めていますが、海外諸国は政府支援の下に活発な研究開発を行って競争力を高めており、我が国企業が生き残るためには政府の研究開発支援策の充実が不可欠です。また、世界的に突出している我が国の法人実効税率を引き下げることも必要です。これにより我が国企業の国際競争力の確保のみならず、海外への資本流出の抑制や外国企業の国内投資の促進に繋がると思います。
 温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減するという意欲的な中期目標を日本は掲げておりますが、これをいわゆる真水で実行するのでは負担が大きくなり過ぎ、産業の国際競争力にも響きます。地球規模の問題である温暖化への対処は、本来世界全体で当たるべきであり、それを基本にして枠組を構築していくことが重要と考えます。温暖化に対する取り組みは技術革新を生み、経済の成長を促す面もあり、積極的に臨むことが産業界にとっても、重要と思います。

 また、円の独歩高は我が国企業の競争力を大幅に低下させており、急激な為替変動に対して政府が的確にメッセージを発し対応策を講じることが必要と考えます。
 世界経済が低迷する中で我が国企業が生き残るためには、新興諸国市場のいわゆるボリュームゾーンへの対応も重要です。しかし、一方でそれは新興諸国への投資を増やし、技術のキャッチアップを通じて国際競争上の強力なライバルを創出することに繋がることも予想されます。従って、企業は絶えず新技術や新製品の研究開発を続け、核となる事業を創出するとともに、得られた成果を保持・活用するために知的財産の取得・管理を行い、また、国際標準化への的確な対応を図ることにより、コア・コンピタンスを充実させていくことが重要です。すなわち、「研究開発戦略」、「知的財産戦略」および「標準化戦略」を「事業戦略」と総合的に一体化し、経営戦略として取り込んでいく必要があります。
 現在、非常に困難な時ですが、過去を振り返ると、我が国企業はその困難をばねに国際競争力を高めてまいりました。難局に直面した時にこそ、新しい知恵が出てイノベーションが沸き起こり、飛躍に繋がってまいりました。我が国産業の大黒柱である機械業界は、率先して日本経済の先を切り開いて行くことが求められております。その期待と責務に応えるため、頑張ってまいる所存です。
 最後になりましたが、皆様には、大変厳しい事業環境が続く中、ご苦労が多いことと存じますが、日本機械工業連合会は、皆様を支え、我が国産業界がこの危機を乗り越え、次の成長に向けた新たな一歩が踏み出せるよう、誠心誠意努力を続けて参る所存です。
 皆様の一層のご活躍とご健康を心から祈念申し上げます。

「環境」をテーマに
「価値」の共創に邁進
ユアサ商事椛纒\取締役社長
佐藤 悦郎

 
年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 今回の景気後退は、グローバル化された市場・経済下で起こっており、昨春以降の経済動向の中にも今後大きく変化していくであろう経済環境の特徴が見えてきております。例えば「世界経済の成長牽引役が先進国市場から新興国市場(BRICs)へ本格的にシフトする」「国内では地域的な人口偏在と高齢化に伴い国内消費構造そのものが変化する」「資源・エネルギー活用の制約や中期的な資源価格の上昇が起こり環境問題への取組みが強化される」などです。これまでの景気後退局面では各企業ともコスト削減に集中することで難局を乗りきっていました。しかし経済のグローバル化が及ぼす環境変化により競争のルール自体が変わっている今回の状況を乗り切るためには、コスト削減と共に新たな競争ルールのもとでの「価値」をお取引先様と共に創造できるかが課題となります。このような変化に対応するためにも各事業部門の一層の機能強化をはかりつつ成長分野の開拓に果敢にチャレンジしてまいります。
 特に、昨年12月に開催されたCOP15(国連気候変動枠組み条約締約国会議)が大きな注目を集めましたが、今年はより環境問題の解決が大きな「価値」としてマーケットに受け入れられることになるでしょう。このことは我々の業界にとって大きなビジネスチャンスであり、当社もグループをあげて「環境」をテーマとした「価値」の創造に邁進したいと考えております。
 具体的には、昨年より展開中の環境提案企画「クールアースチャレンジ」をより一段とすすめ、お取引先様が環境分野のビジネスチャンスを確実に商談に結び付けていただくための「省エネパッケージ」の開発を進めてまいります。当社は「品揃力」「省エネノウハウ」「施工ネットワーク」を統合し工場やビル・オフィス、住宅などあらゆる空間の省エネ化に挑戦しております。これらをパッケージとしてまとめ、お取引先様にご提案、ご活用いただき「環境」の時代にマーケットから求められる新しい「価値」を共に創りあげていきたいと考えています。
 最後になりましたが、皆様にとって希望と幸福に満ちた素晴らしい1年となりますよう心からお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

年 頭 所 感
国際市場での
生き残りをかけた年に
日本機械輸出組合
理事長 宮原 賢次

 皆様、新年明けましておめでとうございます。
 平成22年は、戦後最大の世界経済危機から脱却できるかどうかの正念場の年になると思います。
 我が国輸出の65%を占める機械輸出は、年度上期の伸び率が前年同期比約40%減と戦後最大の落ち込みとなりましたが、その後、中国、NIEs/ASEAN向けを中心に改善し、昨年11月には前年比約10%減にまで縮まっています。
 しかしながら、先進国経済の先行きは依然不透明であり、また、ロシア、中東諸国なども経済回復が遅れています。さらに、欧米の金利低下などから円高が続き、機械輸出業界は予断を許さない状況にあります。
 一方、海外直接投資は、企業の業績悪化から低迷しており、半導体、液晶パネル、薄型TV、携帯電話等のアジアヘの生産移転が目立っています。
 貿易・投資環境では、経済連携協定(EPA)の締結が11カ国・地域に達しましたが、昨年4月以降、目だった進展は無く、逆に韓国がEU、インドとFTAの締結合意に至るなど、我が国が国際競争上、不利となる状況が生じています。また、WTOドーハラウンドでも大きな進展は見られていません。他方、米国、中国等の景気対策や政府調達における自国製品の優遇措置や中国の強制認証制度の運用強化など保護主義的な動きが表面化しています。
 本年の世界経済を展望してみますと、先進国は本格的な回復と雇用の拡大を目指して全力を挙げていますが、財政・金融面の支援のみでは限界に近づいており、回復のテンポは緩やかなものになると予想されます。他方、力強い回復を続ける中国、インド、それに続くブラジルでは、個人消費や設備投資が拡大しており、当面、高い成長が続くものと期待されます。
 我が国機械輸出業界は、このように先行不透明な世界経済と円高、保護主義の動きなど不安定な状況下にありますが、新興国経済の回復というプラス要因が牽引力を増しており、少しづつ明るさが見え始めています。
 しかしながら、中国、インド等新興国市場では、国内外企業との市場競争が熾烈を極めており、我が国機械関係企業の国際競争力と海外経営基盤を抜本的に強化することが喫緊の課題となっています。
 我が国機械輸出業界がこの戦後最大の難局を乗り切るためには、次のような対策を産業界と政府が1体となって実施する必要があると思います。
 第一は、国際競争力の強化です。世界市場、とりわけ、今後の世界機械需要を牽引すると思われる新興国において、勝てる製品・サービスを提供すること。そして、研究開発能力、知財、販売戦略を駆使して、他が追随できないような収益の上がる事業モデルを構築すること。また、我が国が得意とする環境・省エネ製品や再生可能エネルギーの販売戦略を強化して、世界市場を拡大する必要があります。
 第二は、貿易・投資環境の改善です。我が国企業が国際競争力を発揮するためには、韓国等が先行しているインド、EU等との経済連携協定を締結するよう政府に働きかけ、同等の競争条件を作り出す必要があります。また、為替の安定化は不可欠です。そして、通関手続きの簡素化、迅速化や港湾体制の整備等によって国際物流の効率化を進めていかなくてはなりません。他方、中国、米国等における国産品優遇措置や欧州におけるIT製品の関税引き上げなども政府と一体となって阻止していく必要があります。
 第三は、地球環境問題や製品安全問題への適切な対応です。世界的に強化されている地球温暖化対策や製品リサイクル、有害物質使用、化学物質管理等の環境関連規制に自主的かつ積極的に対応し、地球環境保全に努めるとともに、企業の持続的な成長に繋げていく必要があります。
 日本機械輸出組合は、今年も組合員企業の皆様がこれらの対策を積極的かつ円滑に実施できるよう、あらゆる対策を全力で進めてまいる所存です。
 我が国機械輸出業界にとって平成22年は、世界経済危機からの脱却と国際競争の激化、世界需要・供給構造の変化の中で、国際市場での生き残りをかけた年になるのではないかと思います。こういう時こそ、産業界と政府が一体となって、この戦後最大の難局を克服して、21世紀を勝ち抜く成長基盤を作って行きたいと存じます。
 最後に、皆様方のご健勝とご発展をお祈り致しまして、新年のご挨拶と致します。

新年のあいさつ
(財)機械振興協会
会 長 庄山 悦彦

 あけましておめでとうございます。皆様にはすこやかに新年を迎えられたことと、まずもってお慶び申し上げたいと存じます。
 一昨年秋の金融危機から深刻な同時不況に陥った世界経済は、各国が協調した大胆な景気対策の効果もあり、何とか最悪期は脱したと思われます。また、その影響をまともに受け、先進国の中で最も大きく後退した日本経済も、思い切った在庫調整などにより、急減した輸出及び生産が底を打ち、景気はようやく持ち直しつつあります。
 しかしながら、世界においては政策効果の息切れやドバイにおける信用不安の表面化、国内においては依然厳しい雇用情勢、急激な円高やデフレスパイラルヘの懸念など、景気の先行きは不透明で予断を許さない状況が続いています。
 そうした中、わが国機械産業も依然厳しい局面に立たされていますが、今回の未曾有の危機によって顕在化してきた世界経済の構造変化をうまく捉えれば、この危機を好機に変えることができると信じています。周知の通り、今回の世界同時不況の中でその落ち込みを下支えしたのは、中国を始めとする新興国でした。今後の有効需要創出の場は、これまでの米国の過剰消費から新興国に多極化していくと思われます。それらの国々こそが21世紀の世界経済の成長エンジンになることでしょう。わが国の機械産業は、こうした変化の中で生まれる新たな事業機会をうまく掴み、本格回復の軌道に乗っていかねばなりません。
 一方、地球環境問題の克服がいよいよ喫緊の課題となり、経済成長との両立を迫っています。気候変動の枠組みを巡る国際交渉は難航しておりますが、国際的な公平性が担保され、実行が可能であり、責任を持って各国が参加する体制の構築を強く期待しています。また、鳩山首相が表明した温室効果ガス削減の中期目標の実現性については議論の分かれるところではありますが、機械産業界はその行方に関わらず地道かつ真剣に取り組んでいかねばなりません。
 振り返れば、わが国はこれまで公害問題や2度に亘る石油危機の難局を技術イノベーションによって乗り越えてまいりました。さらに近年では、機械産業に関わる企業にとって、環境マネジメントの徹底は当然の企業行動であるといった意識も高まってまいりました。中小企業においてもISO14000あるいはエコアクション21(EA21)を認証取得することなしに取引の拡大はあり得ないといった認識が広がっております。わが国機械産業のイノベーションには、環境・資源・エネルギー問題の解決に向け、国内のみならず世界に貢献する力があると信じています。
 資源小国であるわが国は、引き続き世界の中で科学技術立国としての地位を堅持していかねばなりません。機械産業と密接な関係のある分野では、まず「低炭素な移動手段」の開発があります。自動車の分野では、電気自動車、水素燃料自動車を始めとする次世代自動車の開発とその周辺の新たなパワーエレクトロニクス開発があります。大量輸送手段の分野では、新幹線技術に代表される高速鉄道システムの海外展開、地域性の高い低燃費ジェット旅客機開発があります。これらの分野はいずれもわが国が先行している領域であり、大きな将来性が望めるところです。
 また、同様に、低炭素社会の実現のため、クリーンエネルギーの開発にも継続的な注力が欠かせません。太陽光エネルギー利用、風力発電、燃料電池など先行きに期待の持てる分野の開発・事業化が進んでいます。合わせて、こうした分野を支える中小企業の固有技術の発展にも期待が掛けられます。
 更に、世界的に先端を走っているロボット技術の更なる進歩とその普及は、人類全体への大きな貢献になるでしょう。その行く先には、健康で安全・安心な社会を形成するための機械技術の発展があると信じております。
 そして、これら技術の共通の基盤として、材料開発技術や極めて高度で均一な材料の安定供給技術があります。この分野はわが国の優位性が極めて高いところであり、明るい将来が期待できるものと思います。その先行性を維持するために、先を見越した研究投資が必要であることは論を待ちません。
 苦しい時代であればあるほど先行開発投資の重要性が高まるものと考えます。本年は、日本経済にとって困難な年と予測されますが、機械産業がこの難局を乗り切る牽引役として有意義な一歩を記す年となることを祈念し、新年のご挨拶に代えさせていただきます。

年 頭 所 感
三重県管工機材商業組合
理事長 大戸 純夫

 明けましておめでとうございます。
 新春を迎えるにあたり一言ごあいさつ申し上げます。
 昨年は師走に入りましてもなにかと暖かい日が続いておりましたが、これも地球温暖化の影響が出ているように思います。我々の地球をあらゆる面で再生可能な状態にするためにも、いま人類が自国のエゴのために規制することを放棄してしまえば時期を逸してしまい、取り返しのつかない事態となってしまいます。
 一つしかない掛け替えのない地球を、我々子孫の繁栄のためにも守って行こうではありませんか。
 昨年ほど政治も経済も目まぐるしく変わった年はなかったと思います。一昨年のリーマンショック以後、実体世界の経済活動が完全に停滞し、信用の失墜、株の暴落等を受けました。特に日本におきましては、輸出の大幅な落ち込みによって日本を代表するような企業も大きく転落していくことになり、産業界は大きな痛手を受けました。
 本年におきましても、その流れは続き、デフレ経済が進行していくように思いますが、政治の大きな決断によって、国内消費意欲の増大と、それによる企業の設備投資意欲の拡大を心より望むものであります。
 三重県管工機材商業組合におきましても、各メーカー様が環境に負荷のかからない商品の開発を進めていただき、その商品を販売することによって、省資源・省エネルギーに取り組み、大変なこの経済状況の中でも雇用を維持しこのエコ商品の拡販を行うことによって、企業は勿論のこと、社員の一人一人が自覚してCO2の削減に取り組んで行かなければならないと思います。
 このような現状の中ではございますが、一生懸命頑張っていく所存でございますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

明るい展望が拓ける年に
(社)日本ベアリング工業会
会 長 横山 元彦

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 我が国の経済情勢は、一昨年秋以降、大変厳しい状況が続いておりましたが、ようやく持ち直しの動きが見られるようになり、最悪期は脱しつつあるように思われます。しかしながら、自律性には乏しく、失業率も高水準にあるなど依然として厳しい状況にあることに変わりはありません。
 先行きについても、海外景気の下振れ懸念、昨今のデフレや金融資本市場の変動の影響などを勘案すると、未だ不透明と言わざるを得ず、まったく予断を許さない状況であります。
 しかしながら、今年こそは、日本経済が着実に回復軌道に乗り、明るい展望が拓ける年にしたいものです。
 こうした中で、ベアリング産業について申しますと、昨年の生産額は過去に例のない大幅な落ち込みとなりましたが、2月を底にして少しずつ改善の兆しが表れつつあり、前半には前年の5割以下であった生産額は、後半にはようやく7割程度まで回復してまいりました。今年は、回復に向けた動きが確実なものとなることを切に願っております。
 ベアリング産業は、産業を取り巻く急激な環境変化の中にあって、「ものづくり」の根幹をなす重要な機械要素産業として、需要業界のニーズに適切かつ迅速に応えられるよう、不断の努力をしております。また、ベアリングという製品は、機械のエネルギー効率を高める基幹部品であることから、環境・省エネルギーの観点からも更に社会貢献していけるよう努めております。
 当工業会としては、ベアリング各社の企業努力を踏まえながら、本年もベアリング産業発展のため、諸課題に前向きに取り組んでまいります。
 まず、世界ベアリング協会(WBA)における日・米・欧による取り組みの推進です。偽造品対策や環境保護の分野でのグローバルな視点からの協力に引き続き努力してまいります。
 偽造品対策については、従来から当工業会独自で活発な活動を行ってきており、中国へのミッションを派遣し、中国政府機関に対し、偽造品の取締り強化をお願いするとともに、政府の現場職員に対して研修会などを実施してまいりました。その結果、これまでに大量の偽造品が押収されるとともに、偽造品の製造工場や販売・輸出業者の摘発も行われております。
 こうした活動に加え、昨年からは、政府機関や他団体との連携事業にも力を入れ、例えば、上海ジェトロのIPG(知的財産権研究グループ)に参加し、早速ベアリングのワーキンググループを立ち上げるなど、活発な活動を行ってきております。こうしたことで、これまで以上に大きな成果が挙がることを期待しております。
 他方、地球環境対策については、ベアリング産業としても、喫緊の課題として、産業界の一翼として責任を果たすべく積極的に取り組んでおります。当工業会では、日本経団連の環境自主行動計画に参画しておりますが、環境自主行動計画のフォローアップを引き続き実施し、京都議定書の目標達成に向けて努力するとともに、来たるポスト京都に備えるためにも、取り組みを強めてまいります。
 また、中小会員企業に対しては、「中小企業若手経営者の会」を開催し、中小企業経営に関わる情報などの提供や意見交換の機会を設けてまいりましたが、今年もさまざまなテーマについて会合を開催するなどして、皆様のご努力を支援してまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを実施する中で、昨年は、ベアリング産業にとって長い間の努力が実を結ぶような、喜ばしい出来事が2点ございました。
 1点目は、かねてから懸案事項であった、米国に対するゼロイングのWTO提訴について、昨年8月に日本が最終的に勝訴したことです。米国がこの決定にしたがい、速やかにゼロイングを完全に廃止することを期待しておりますが、我が国としてのしかるべき対応について、経済産業省に引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 2点目は、ISO/TC4総会が、昨年6月に日本(沖縄)で14年ぶりに開催され、開催国としてイニシアティブをとって貢献するとともに、我が国の存在感を大いに示すことができました。
 各種の議論・提案がありましたが、ある作業委員会の幹事国を日本へ移管するとの提案があったことは、我が国のベアリング産業にとって誠に画期的なことと受け止めております。今後、この提案は関係国間で検討されていきますが、準備を怠りなく進めていきたいと考えております。
 これらは、経済産業省のご支援によるものであり、また当工業会が真摯に粘り強く取り組んできた成果であると思っております。経済産業省のご支援に深く感謝申し上げます。
 さて、日本経済の再生が待望され久しくなりますが、そのためには、我が国の最も得意とする「ものづくり」の分野において競争力を高め、活力を維持・発展させていくことが、何よりも重要と考えます。その意味からも、「ものづくり」の基礎ともいえるベアリング産業の担う役割は大変大きいものがあると考えております。
 日本のベアリング産業は、新たな経済発展に貢献できるよう、今年も前向きに挑戦を続けるとともに、重要な機械要素産業としての誇りを持ちつつ、日本の「ものづくり産業」の拡大に向け、一層の努力を続けていかなければならないと考えております。日本ベアリング工業会は、このための取り組みを充実させていくとともに、山積する諸課題に対し前向きに挑戦を続けてまいります。
 最後になりましたが、ベアリング産業に対して、関係各位の引き続いてのご支援とご協力を心からお願い申し上げますとともに、皆様の新年のご多幸を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。

価値ある企業を目指して
潟Lッツ
代表取締役社長
堀田 康之

 
新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申しあげます。
 皆様には、格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
 さて、昨年は、一昨年の後半から急速に悪化しました実体経済にも、ハイブリッドカーや環境関連商品の販売が伸び、半導体市場にも明るい兆しがありましたが、失業率の上昇や所得の減少で個人消費は依然として厳しい状況が続いております。また、円高やデフレの進行も国内経済に暗い影を落とす結果となりました。
 新年を迎えた2010年は、国内外の厳しい経済環境はまだまだ続くと思われ、キッツグループの事業環境も厳しい中でのスタートとなりました。
 デフレ経済の日本市場では、お客様の低価格への要求が強まり円高による海外商品の輸入の増加も予想される中で、今年は、お客様のニーズやグローバル化した市場への的確な対応がますます重要になる年と考えております。
 さて、私は、本年、「キッツグローバルビジョン2020」という長期計画(2020年度の目標)と2010年度を初年度とする3カ年計画を発表いたします。
 この厳しい環境の中で、キッツグループは何を目指していくのか。何をしないといけないのか。そして、バルブ事業が「真のグローバル企業に進化」するための経営目標や経営戦略を、お客様をはじめ多くステークフォルダーに発表し、お客様に満足していただける商品・サービスを創造し、その価値を認めていただける企業になることを目指してまいります。
 最後に、今年の干支は、庚寅(かのえ・とら)の年です。この年は、人心が一新し、物事が改革され新しい形を求めて大きく前進し、次世代につなげてゆく意味があるといわれています。
 皆様が、新たな取り組みや改革を通し、次の世代につながる実り多い年となることを祈念いたします

新社長に落合修司氏
落合 栄次郎氏は会長に

 伝動要品・油空圧機器・モーター周辺機器の卸商社、落合(本社=東京都台東区下谷1―4―12)では、昨年11月24日開催の同社定時株主総会ならびに取締役会において、落合栄次郎代表取締役社長が代表取締役会長に就き、後任の社長に落合修司専務取締役(写真)が就任した。
 落合新社長は「決意を新たに社員とともに一層の業績の向上に専念し、皆様方のご期待に添えるよう努力する所存」と所信を表明している。
【落合修司氏 略歴】
 1954年7月3日生まれ、東京都出身。
 77年3月立教大学法学部卒、同4月落合入社。81年4月取締役京浜支店長、85年4月同営業部長、90年11月専務取締役、92年4月同管理部管掌、01年11月同営業部管掌、09年11月代表取締役社長。
落合の受発注サイト「蔵」について
 落合は昨年、販売店との間で受発注を行うWebサイト「蔵(くら)」を開設。販売店での使いやすさに重点をおいて開発されたもので、検索、発注がスムーズにできるよう工夫されている。掲載アイテム数は約25万点あり、今後さらに増やしていく予定。拠点別での在庫の一覧表示や見積もり物件の内容確認、過去の取引照会などの機能も備えている。

 総受注高前年比6.6%マイナス
外需は12機種中6機種で増加
日本産業機械工業会 10月の産業機械受注状況

日本産業機械工業会がまとめた平成21年10月の産業機械受注状況によると、10月の総受注高は前年同月比6.6%減の3千59億6千300万円で、このうち内需は同19.0%減の千920億千500万円、外需は同26.1%増の千139億4千800万円となった。
 内需のうち、製造業向けは前年同月比7.5%増、非製造業向けは同33.9%減、官公需向けは同36.3%減、代理店向けは同16.8%減であった。
 内需で増加した機種は化学機械(前年同月比10.1%増)の1機種。減少した機種は、ボイラ・原動機(同44.6%減)、鉱山機械(同43.9%減)、タンク(同59.7%減)、プラスチック加工機械(同11.9%減)、ポンプ(同19.7%減)、圧縮機(同50.8%減)、送風機(同50.7%減)、運搬機械(同7.8%減)、変速機(同27.2%減)、金属加工機械(同57.1%減)、その他機械(同17.8%減)の11機種であった。
 一方の外需は、同月、プラント案件はなく、増加した機種は、ボイラ・原動機(前年同月比87.7%増)、鉱山機械(同963.1%増、約10.6倍)、化学機械(同38.1%増)、タンク(同76.2%増)、プラスチック加工機械(同61.2%増)、金属加工機械(同10.0%増)の6機種であり、減少した機種は、ポンプ(同42.1%減)、圧縮機(同8.0%減)、送風機(同49.4%減)、運搬機械(同58.2%減)、変速機(同27.7%減)、その他機械(同28.4%減)の6機種であった。
 機種別の動向をみると、ボイラ・原動機、鉱山機械、プラスチック加工機械が外需の増加によりそれぞれ前年同月比8.9%、6.9%、26.5%増加し、化学機械(冷凍機械を含む)もその他製造業、外需の増加により同15.7%増となった。
 タンクは石油・石炭の減少により同58.5%減、ポンプが官公需、外需、代理店の減少により同25.8%減となった。圧縮機は鉄鋼、一般機械、代理店の減少により同35.4%減、送風機が電力、官公需の減少により同50.6%減となり、運搬機械も鉄鋼、運輸、官公需、外需、代理店の減少により同26.4%減少した。変速機が一般機械、その他輸送機械、その他製造業、外需の減少により同27.3%減、金属加工機械も鉄鋼の減少により同37.0%減となった。

輸出契約高は前年比18%増
アジア向けが全体の4割超す
日本産業機械工業会 10月の産業機械輸出

 日本産業機械工業会がまとめた平成21年10月の産業機械輸出契約状況によると、主要約70社の10月の輸出契約高は前年同月比18.0%増の千4億円となった。
 同月のプラント案件はなく、単体機械で同34.5%増だった。
 機種別にみると、ボイラ・原動機が中東、北アメリカ、アフリカ、ロシア・東欧の増加により前年同月比81.4%増となったほか、鉱山機械、化学機械、プラスチック加工機械、金属加工機械もアジアの増加によりそれぞれ同1020.7%増(11.2倍)、130.7%増(2.3倍)、40.6%増、14.1%増となった。
 一方、風水力機械はアジアの減少により同13.3%減、運搬機械がアジア、北アメリカの減少により同40.8%減となり、変速機と冷凍機械もアジア、ヨーロッパの減少によりそれぞれ同18.0%、32.7%減少した。
 地域別構成比は、アジア40.9%、中東16.5%、北アメリカ15.6%、アフリカ13.7%、ロシア・東欧7.2%、ヨーロッパ4.8%となっている。

研究成果・技術が集結
中部ものづくりシンポジウム2009
中小企業基盤整備機構 サポイン成果発表会

 独立行政法人中小企業基盤整備機構中部支部主催の「中部ものづくりシンポジウム2009〜サポイン成果発表会〜」が昨年11月27日、愛知県産業労働センターウインク愛知(名古屋市中村区名駅4)で開催された。
 自動車、情報家電、ロボット、燃料電池の競争力は、金型、鋳造、めっきなど中小企業が保有する基盤技術(サポイン)によって支えられており、国はこれら基盤技術を強化するために、「中小企業ものづくり基盤技術の高度化に関する法律」を制定し、中小企業の研究開発を平成18年から20年まで支援してきた。
 今回のシンポジウムはその研究開発成果を広く発表し、事業支援や新たな案件の発掘を図る事を目的として開催された。
 シンポジウムでは基調講演があり、三菱航空機技術管理部部長、河村文博氏の「国産旅客機MRJを世界の空へ」と、北海道大学大学院工学研究科エネルギー環境システム専攻准教授、首藤登志夫氏による「水素エネルギーと次世代自動車」の講演が行われた。
 出展社はビーティーティー、兼工業、加藤製作所など中部地域のものづくりを支える企業34社。そのうち平成18年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択された9社は基調講演の後、プロジェクトの成果発表を行った。
 当日は412名が来場し、熱心に話しを聞く姿や企業ブースで名刺交換をする参加者も見られた。


2010年1月17日(日) 2371号
会費を最大限に有効活用し
役立つ事業の実施を
浜松機械工具商協同組合 新年賀詞交歓会開催

 浜松機械工具商協同組合(理事長=吉田治郎七氏・吉田社長)の新年賀詞交歓会が1月6日午後6時より、浜松駅前の浜松名鉄ホテル(浜松市中区板屋町)で開催され、来賓はじめ組合員、賛助会員ら100名余りが参加して新年の幕開けを祝った。
 新年賀詞交歓会は内山専務理事(内山商店社長)の司会で進められ、吉田理事長は年頭の挨拶で「一昨年の11月からは本当に厳しい状況になり、この景況を過ごすにはどうしたらよいかという事を皆様と共に考えさせていただきました。お預かりしている賦課金を有効に活用して、皆様へどのようにお返しをしたらよいかを常々理事の皆様と検討しております。このような時期ですので、皆様のご負担とならないようにうまく遣り繰りをしながら、負担できるものは組合で負担をしていこうと考えています。情報としては、景況情報や賞与の状況なども調べ発信させていただきました。また、異業種の『伊那食品』を訪問させていただき、経営という面で非常に参考になったかと存じます。今回初めて昨年秋に開催されましたMECT(メカトロテック・ジャパン)2009に、バスを出して皆様にご参加をいただきました。今年度も残り3カ月ですが、研修会や、皆様に元気になっていただこうとボウリングなどを青年部の方で準備されております。このような状況ですが、浜松機械工具商協同組合に対しまして相変わらずのご協力ご支援をお願いいたしたいと存じます」と述べた。
 来賓紹介に続いて、来賓を代表して鈴木静岡県中小企業団体中央会西部事務所長が「昨年1年間を振り返りましても、そんなに良い話はなかった。その中で1つ、私共の行っている事業で、昨年5月の国の緊急経済対策の中で中小企業へのモノづくり支援を行いました。静岡県内で126件の企業が採択され、その中の81件が浜松を中心とした西部地区の企業で、実に6割以上。西部地区の企業のモノづくりに対する意欲の表れではないかと思っております。新聞などで経営者の皆様の、今年1年まだまだ厳しいという話が載っておりましたが、組合並びに組合員の皆様方が知恵と工夫を出し合いながら、この1年を乗り切っていただきたいと思います」と祝辞を述べた。
 参加の賛助会員を代表して湯浅ユアサ商事静岡支店長が「昨年1年は、本当に厳しい状況が続きました。その中でも、少しずつ良い動きが出てきているとも感じております。過去をみると、10年から15年おきに不景気というものはやってまいります。特にこの浜松地域におかれましては、その都度、乗り越えられてきた。今回はもう少し厳しいかと存じますが、年も変わった事ですので、今年1年良い年にしていきたい。賛助会員共々、活気のある業界にしていければと感じております」と挨拶。
 坂本浜松商工会議所専務理事の発声で乾杯し、祝宴に移った。
 本社、母店より参加の賛助会員や青年部のメンバーの紹介があり、その中で杉浦青年部代表(三賀専務)が「今後、2月(24日)にボウリング大会なども開催いたしますので、是非参加いただきたいと存じます。百年に一度の不況を、百年に一度のチャンスと捉え、新しい考え方で頑張ってまいりたい」と語った。
 祝宴では、参加者同士互いに新年の挨拶を交わす姿が見られ、久留オーエスジー中部営業部次長の中締めで午後8時過ぎに終了した。

受注総額は前年同月比8.4%減の474億円
外需の増加で前月比プラス
日本工作機械工業会 11月の工作機械受注実績

日本工作機械工業会がまとめた2009年11月の工作機械受注実績調査報告(確報)によると、11月の受注額は前年同月比8.4%減の474億円で18カ月連続のマイナスとなった。08年11月は大幅に受注が落ち込んだため、減少幅は縮小している。受注額は、スポット受注を中心に前月比では約4億円増加し、0.9%増と3カ月連続のプラスとなったものの、未だ顕著な回復基調を示しているとは言い難く、同会では今後もこの増加傾向が続くか注目している。
 内外需別にみると、内需は、前年同月比38.8%減の153億円となり、22カ月連続のマイナス。減少幅は縮小している。前月比でも2.8%減と2カ月連続のマイナスとなった。内需は前月の10月とほぼ同水準で推移しており、依然として弱含みの動きとなっている。
 内需の業種別受注額は、主要業種の一般機械が56億円(前年同月比52.3%減・20カ月連続マイナス、前月比11.3%減・2カ月連続マイナス)、自動車は36億円(同10.6%減・17カ月連続マイナス、同0.2%減・2カ月連続マイナス)、電気・精密が18億円(同21.3%減・14カ月連続マイナス、同22.8%減・2カ月ぶりマイナス)、航空機・造船・輸送用機械は10億円(同61.5%減・13カ月連続マイナス、同14.6%増・2カ月ぶりプラス)となった。その他の業種では、11業種中4業種で前月比プラスの伸びを示し、金属製品、官公需・学校は前年同月比もプラスとなったが、スポット的な要因が大きく、同会では継続的な伸びがあるかどうか今後の動きを注目している。
 一方の外需は、アジアの上昇などにより前年同月比20.0%増の321億円となり、18カ月ぶりにプラスに転じた。前月比も2.8%増と3カ月連続のプラスで、スポット受注が中心となり微増した。
 国・地域別の受注額の推移をみると、主要三極は前月に引き続きアジアの伸長が目立っている。受注額は、アジアが196億円(前年同月比186.4%増・2カ月連続プラス、前月比3.9%増・4カ月連続プラス)で、中国の増加基調が続いており、前月比でみると東アジアが2割強の増加を示したが、その他アジアでマイナスとなったため、アジア全体では微増となった。
 欧州は55億円(同34.4%減・17カ月連続マイナス、同9.0%増・3カ月連続プラス)。スポット受注などの影響で3カ月連続前月比プラスとなったが、依然低水準で推移している。
 北米は63億円(同37.5%減・18カ月連続マイナス、同6.9%減・4カ月ぶりマイナス)となり、アメリカでは前月比マイナスとなっているが前年同様60億円台の水準で推移している。
 1―11月の受注累計額は、前年同期比72.2%減の3516億円で、1―10月に比べてマイナス幅が2.7ポイント改善した。外需比率は59.6%となっている。
 同会が昨年12月上旬に会員を対象に行った2010年1―3月期の受注額の見通しについてのアンケート調査結果によると、09年10―12月期に比べ「増加」するとした企業が全体の16.7%、「保合」が62.1%、「減少」が21.2%となり、「増加」するとの見通しが7.5ポイント減少し、その分が「保合」へ移行している。全体としてみれば、「増加」のウエイトは減ったものの、「減少」のウエイトは変わらないことから、同会では総じてほぼ横ばいで推移するとの見通しとなったとしている。

CO2削減に取り組もう
新年賀詞交歓会開催
三重県管工機材商組合 120余名が新春祝う

 三重県管工機材商業組合(理事長=大戸純夫氏・大戸社長)では、1月8日午後4時10分より、四日市駅西の"四日市都ホテル"を会場に「平成22年新年賀詞交歓会」を開催し、正会員はじめ賛助会員ら120余名が出席して庚寅年の新春を祝った。
 賀詞交歓会は、中川副理事長(東晋商事社長)の司会進行・開会の辞のあと、冒頭、挨拶に臨んだ大戸理事長は、出席方のお礼を述べたあと、「昨年は誠に大きな変化のある年でした。リーマンショックで、去年の前半には世界経済活動は大きく落ち込み、日本の輸出産業は大きな痛手を被り、国内では設備投資は半減し、一般消費も大きく落ち込み、多くの企業が赤字を余儀なくされています。年の後半には政府のエコ対策の補助金によって若干なりとも消費が持ち直した感があります。戦後60年間にわたり続いて来た自民党政権が民主党政権に変わり、政治の方向が今までと違う方向へと舵が取られて行くようです。"コンクリートから人へ"というスローガンのもと、公共事業の大幅な削減、マニフェストに載っていた中小企業の所得税減税は取り止めになりました。先日、中国の藩陽へ行って来ました。人口800万人で中国では7番目の大都市です。市内は片側3車線、4車線の道路が立て横に走り、到る所で高層ビルの建築ラッシュ、また車の多さには驚きました。市内だけで1日に500台の新車登録があるようです。中国での年間新車販売が1300万台を超えたということも頷けました。マグドナルドではほぼ日本と同じ価格でハンバーガー等が売られていますが、若者を中心に人気を呼んでいました。一般人の月給は約7000円から1万円位ですから驚きます。このように設備投資も一般消費も盛んなためにGDPの伸びも10%前後はいくのではないかと思います。中国はじめ新興国のインド、ベトナム、ブラジル等もGDPの伸びは止まらないと思います。日本だけが取り残されているように感じます。地球の温暖化問題がクローズアップされ、日本でもCO225%削減を打ち出しましたが、達成するためには国民に大きな負担が掛ることは間違いありません。しかし、この掛け替えのない地球環境を守って、子孫たちの将来に禍根を残さないためにも、今、我々が努力していかなければならないと痛感しています。一方、それによって環境ビジネスが出てまいりました。メーカーさんにおかれては、省エネ・省資源・環境に優しい商品の開発にあたられ、それらを積極的に販売することによって、商売の多様性が生まれ、少しでもCO2の削減に協力できれば幸いです。会員さんの会社は勿論のことその社員の皆さん一人一人が自覚してCO2の削減に取り組んで未来ある社会にして行こうではありませんか」と所信を述べた。
 引き続いて来賓の愛知県管工機材商業協同組合の伊藤理事長(イトウ社長)、賛助会員代表のヨシタケ取締役佐藤営業部長より祝辞を頂戴した。
 愛知組合の伊藤理事長は、「昨年暮れに前原大臣が、これから地域が元気になるには観光と農業が要と言っておりました。三重県には伊勢神宮が鎮座されており年間700万人以上の参拝者があり、非常に素晴らしい観光資源だと思います」と、日本人の故郷である神宮を敬い、佐藤部長は、「東芝四日市工場がフラッシュメモリーの増産を目指すため、2000億円の設備投資を行うという報道がありました」と、明るい話題を披露した。
 引き続いて、前澤化成工業中部支店水野支店長の乾杯音頭で交歓会に移り、それぞれに賀詞を交歓し一層の親睦を深め合い、杉山副理事長(杉山機工社長)の中締めで盛況の内に賀詞交歓会をお開きとした。

年 頭 所 感
今こそ人財の養成を
(社)日本金型工業会 会長 上田 勝弘

 謹んで平成22年度の新春を御祝い申し上げます。
 会員の皆様も昨年の厳しい経営環境を耐えしのぎ、心新たに新春を御迎えされた事と存じます。
 2008年度前半までは、比較的金型産業界も他の業界とともに好調を持続していたにもかかわらず、後半になりアメリカ発のリーマンショックで一寸先は闇の中に突き落とされました。2009年度はまさしく今迄にない経営環境の中で、業体維持の為に体力消耗に耐えしのぐ1年であったと思います。
 早くから金型業界もグローバル化が叫ばれる中、韓国や台湾と異なり、国内市場に比較的に潤沢な仕事量があった為、近隣諸国に比べ市場を世界に求める戦略が遅れたのも事実です。私の持論ですが、金型企業も基本的にアイディア産業ですから、従来の既成概念を捨てて、自社の経営戦略と戦術を見直す絶好のチャンスであると思います。政府の中小企業に対する救済策も所詮は需要が創出されねば根本的に解決になりません。新しいアイディアや究極の技術にチャレンジ出来るのは人材の善し悪しですから、企業はこの時期にこそ人材から人財に変わるスタッフを養成すべきであると思います。
 今年度も経営環境は厳しい年と予想されますが、今年後半から反転の兆しが見え、来る2011年には必ず回復期が来ることを期待して会員皆様方と頑張り続けたいと念じております。

製販の情報交換を密にして
この難局を乗り切ろう
名古屋金物業界 賀詞交歓会を開催

 愛知県金物商工協同組合(理事長=岡本忠史氏・岡新社長)、名古屋建築金物卸商組合(理事長=佐藤章氏・アキラ金物社長)、名古屋利器工匠具卸業組合(理事長=印藤武司氏・印藤産業社長)の3組合による「名古屋金物業界賀詞交歓会」が1月8日正午より、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦において開催され、各組合の組合員及び賛助会員(メーカー)、来賓を含め93名が出席して新春を祝った。
 賀詞交歓会は、有坂アリックス社長の司会進行で、開会の辞を印藤名古屋利器工匠具卸業組合理事長が述べて開会した。
 国歌斉唱に続いて、岡本愛知県金物商工協同組合理事長が「新年明けましておめでとうございます。本日はご来賓をはじめ、メーカー、組合員の皆様にお忙しい中をご出席いただきましてありがとうございます。長いこと続きました自民党、公明党の連立政権から民主党へ政権が交代され、"コンクリートから人へ"の理念のもと、国の予算も企業から個人へとチェンジされるようです。当地名古屋は、全国で有名になりました河村市長が就任し、10%の減税や議会改革で市議会の討論も活発になっており、テレビ、新聞などのメディアで目に触れる機会が増えました。日本経済は、即効性の高い景気浮揚策が見えないため、二番底があるのではないかと懸念されております。しかし、日本はオイルショックやバブル崩壊などの経済危機をその都度、乗り越えてまいりました。新しい年の始めとして、この賀詞交歓会が情報交換などの場として少しでも皆様のお役に立てばと思っております」と挨拶。
 来賓紹介に続いて、来賓を代表して生川名古屋市市民経済局産業部産業経済課産業振興係長が、「現在のわが国の経済状況は依然として冷え込んでおり、国の月例経済報告でも雇用情勢が特に厳しい状況にあると分析されております。金物業界の皆様方におかれましても、設備投資の減少といった企業活動の縮小や、個人消費の低迷が続いている中でございますが、この難局を乗り越えるべく不断の努力を続けられていることと存じます。名古屋市におきましても、今年より市民税10%減税を実施する予定であり、併せて中小企業向けの融資制度の拡充、緊急雇用に取り組むことで、当地の中小企業の活気を取り戻すと共に、人と企業が集まり、日本一早く不況から脱するように努めてまいります。また、名古屋は今年いよいよ開府400年という節目を迎え、名古屋開府400年祭として1年を通じてさまざまな記念事業やイベントが予定されております。これを機に、多くの人に名古屋の素晴らしさを伝えるべく、現在さまざまな角度から名古屋の魅力向上に取り組んでおり、皆様方から貴重な浄財をいただきながら復元に取り組んでいる名古屋城本丸御殿につきましても、今年中には玄関の一部公開を予定しております。さらに『生物多様性条約第10回締約国会議』(COP10)等さまざまな機会をとらえてこの地域の魅力を内外に発信し、地域経済の活性化につなげて行きたいと考えております。皆様方には、今後ともより一層のご理解ご協力をお願いいたしますと共に、名古屋に注目が集まりますこの機会を存分に生かしていただき事業活動につなげていただきます事をご期待申し上げます。最後になりましたが、当地域の金物業界並びに各会員企業の皆様の益々のご発展と、本日ご列席の皆様方にとりまして本年が素晴らしい1年となりますよう、心から祈念いたしまして新年のご挨拶とさせていただきます」と、河村名古屋市長の祝辞を代読した。
 出席のメーカーを代表して諸田セメダイン名古屋支社長が音頭をとり、一同で乾杯。
 祝宴では、出席者らが互いに親睦を深め、佐藤名古屋建築金物卸商組合理事長の閉会の辞でお開きとなった。

新春恒例の観劇会を実施
梅沢武生劇団新春公演
滝川物産 御園座に151名を招待

滝川物産(社長=滝川和彦氏、本社=名古屋市中川区舟戸町5―23)と滝川会(会長=須藤清勝氏・須藤鋼機会長)の合同企画による「新春御園座観劇会」が1月5日、名古屋市中区栄の御園座で開催され、「梅沢武生劇団・梅沢富美男新春公演」に会員、取引先のメーカーら151名が招待された。
 この観劇会は、日頃の支援と愛顧に感謝して毎年新春に行われる恒例行事で、40年以上の歴史を持つ。
 当日は、午後3時より受付を開始し、滝川社長はじめ同社営業部のメンバーが招待客を出迎え、一人ひとりと新年の挨拶を交わした。
 今回の公演は、瀬川瑛子をスペシャルゲストに迎えて、芝居、歌謡ショウ、舞踊絵巻に梅沢富美男の宙乗りと、正月公演にふさわしい爆笑痛快ステージ。
 1部「初笑い!お役者変化・馬の足寅さん大暴れ〜劇中劇 女児雷也〜」、2部「梅沢富美男・瀬川瑛子 夢のオンステージ」、3部「座長梅沢武生口上」、4部「華の舞踊絵巻」、5部「平成夢物語 龍虎の舞〜大怪獣勢揃い〜」と盛りだくさんの内容で会場を沸かせた。
 不況のなか業界を取り巻く環境も依然厳しい状況ではあるが、参加者は暗い空気を吹き飛ばすような"初笑い"で新年のスタートをきった。

鋳鋼 底ばい状況続く
鍛鋼 自動車に 若干の増加傾向
日本鋳鍛鋼会 10月の鋳鋼・鍛鋼生産速報

日本鋳鍛鋼会は鋳鋼(全国75工場)、鍛鋼(同19工場)の平成21年10月分の生産実績を集計し、昨年12月2日に発表した。
 それによると10月の生産は、鋳鋼が前年同月比36.5%減の1万6787トンで、前月比では15.2%増加した。また、鍛鋼の生産量は前年同月比27.2%減の4万6897トンで、前月比は8.2%の増加となった。
 現在の状況について同会は、鋳鋼では依然回復の兆しが見えないまま底ばい状況が続いているとし、各メーカーは受注、引き合いの低調に加え、短納期等の悪環境下で苦しい操業を強いられており、雇用調整助成金を活用し凌いでいる。鍛鋼については、自動車に若干の増加傾向が見え始めており、なんとか月平均4万トン弱を維持しながら推移しているものの、唯一堅調に推移していた船舶、発電用機器に若干の陰りが見え始め、この先が懸念されている。
 平成21年度上期(4月―9月)の需要機種別動向をみると、前年度を上回ったのは鋳鋼が19機種中、ポンプ・圧縮機・送風機(30.9%増)、鍛鋼では12機種中、容器類(3.4%増)、発電用機器(6.8%増)のみであり、全体では鋳鋼63.5%、鍛鋼63.7%のそれぞれ減少となった。

小規模温浴施設に最適
ピュアキレイザーZPV1型
東 洋バルヴ 新機種を発売へ

 東洋バルヴ(東京都中央区日本橋・社長=長田行雄氏)は、浴場・プールなどのホテル・スパ施設の循環式浄化装置に利用し、好評を得ている促進酸化機能を持つ水処理装置「ピュアキレイザーZPV2型」の小型版新機種「ZPV1型」(特許出願中)を好評裏に拡販している。
 「ZPV1型」の主な用途は、比較的小型の浴槽(目安1〜6トン)や子供向けの小規模プール(目安10〜60トン)などで、ペンション、介護施設、保養所などの小規模温浴施設を対象としている。
 「ZPV1型」は、従来機種のZPV2型と同様、オゾンと光触媒と紫外線を用いて循環水を促進酸化させることで、迅速に除菌・浄化する機能を備えている。
 主な特長は次の通り。
@強力な有機物分解で塩素臭の元となる結合塩素を抑え、塩素臭を抑える効果が高い。
A有機物分解により特にプールの透明度が改善される。
Bろ過器に有機物が残りにくいため、ろ過材の延命効果が得られる。
C塩素の5倍以上の酸化力で、強力な除菌効果が得られる。
D促進酸化によるオゾンの分解効果が高く、残留オゾンが少なくできる。
E難分解性の物質も分解できる。
 また、ZPV1型は従来よりもメンテナンス性を高め、部品の共通化及び高機能化することで、イニシャルコストとランニングコストの両方を削減し、より求めやすくしたうえ、同時にコンパクトを図り、狭い設置スペースにも設置でき、簡単なリニューアルで後付け増設にも対応できる。
 標準価格は、装置単体で178万円、メンテナンス費用は、年間8万円(消耗部品のみ)程度。
「オゾン、光触媒、紫外線の相乗効果(促進酸化処理)で強力除菌・有機物分解」
 ピュアキレイザーは、オゾン・光触媒・紫外線の3つを一体化させた画期的な水の除菌・浄化装置。この独自の特許構造(出願中)は「促進酸化」と呼ばれる手法により、オゾンの5倍以上の酸化力と言われるヒドロキシラジカルを反応槽内で同時生成することでより効果的な有機物分解、除菌効果を実現している。空気を原料として生成するオゾンと紫外線により活性化された光触媒の作用は、薬剤だけに頼らない環境に配慮した水処理装置としてプールや温浴施設などで注目を浴びている。

Qロックエレメントの
サイド操作タイプを発売
ナベヤ 秒速段取りユニットシリーズを充実
Qロックエレメント・サイド操作品

ナベヤ(社長=岡本知彦氏、本社=岐阜市若杉町25)は、秒速段取り位置決めユニット「Qロックエレメントシリーズ」にサイド操作タイプを加え、製品ラインナップの充実を図った。
 切削加工の分野では、機械が高速化・高能率化の進化を遂げる一方、無駄の多い治具段取り作業の改善が急がれており、様々な使用条件での需要が増してきている。
 Qロックエレメントは治具の高精度な繰り返し位置決め(3μ)と素早いクランプ(固定)を可能にするエレメントで、従来よりネジ式・バネ式・油圧式の3アイテムが販売されていた。
 今回、ネジ式に横からレンチ操作ができるサイド操作品を加えることで、上部からのレンチ操作をする、従来のネジ式では制約のあった加工ワーク取付けの幅が広がった。また、使用可能なブッシュを現行品と兼用することで既存治具にも利用できるものとした。
 ロケートピン・クランプピンの2品種で、サイズのバリエーションを加えると4種類になる。工作機械、産業機械の治具や周辺機器などでの利用を見込む。
 昨年12月に販売を開始。販売目標は初年度2千万円、3年後には5千万円を目指す。
【Qロックエレメント・サイド操作品の主な特長】
・2面拘束取付けにより、繰り返し位置決め精度3μ以下。
・上部からのレンチ操作による加工ワークとの干渉がなく、最大のスペースでワーク取付け可能。
【扱い商品】
・ロケートピン QLTS26RP、QLTS40RP
・クランプピン QLTS26CP、QLTS40CP

個別の要求にも対応可能な
高摺動並列ロボットケーブル
沖電線 「ベアケーブル」発売

沖電線(社長=服部隆氏、本社=神奈川県川崎市)は、高屈曲用ロボットケーブル各種をユーザーの個別要求による組み合わせ接着を可能とした並列ロボットケーブル「VEYOR―CABLE(ベアケーブル)
TM 」を製品化し、昨年11月25日より販売を開始している。
 FA(ファクトリー・オートメーション)などの産業機械用途では繰り返しの作業をサポートするために、高屈曲用ロボットケーブルを使用するが、一般にケーブルベアの中にいくつかのケーブルやエアチューブを格納する。その際に1本ずつのケーブルを配線することは作業の効率低下や誤配線、さらに屈曲性能の低下を招くなどの問題があった。この問題を解決するためには、個々のケーブルなどを密着させ強度を保つ必要があった。またこれには各ケーブルを接着させる必要があるが、個々の摺動性を損なわないための柔軟性かつ耐久性のある接着加工が困難であった。
 今回同社では独自の並列加工技術を用い、接着型のロボットケーブルを製品化。同製品では、高い柔軟性を持ち、かつケーブル外被材との架橋接着による強固な接着力を持つエンジニアリングプラスチック系エラストマーの接着剤を採用することにより、しなやかさと強靭性(同社試験で5千万回を超える高摺動性を検証)を兼ね備えた並列ロボットケーブルを実現している。これにより外径が異なるケーブルや異なる材質のエアチューブ・PVCシースケーブル・ウレタンシースケーブルとの並列化も可能となり、ユーザーの要求に幅広い対応が可能となった。
 また、並列ケーブルは設計・製造が複雑で手間がかかるためコストが高くなるが、今回新たに開発した並列ケーブル専用の加工装置により、ユーザーの個別要求仕様に合わせた少量生産に対応可能とした。さらに個々のケーブル設計から、並列化、端末へのコネクタ取付け加工まで一貫した体制を構築し、リーズナブルな価格で要求に合わせた製品を迅速に提供することも可能とした。
 2010年度の売上目標は2億円。

広い視野、鋭い感覚で、経済変動に即応
新春賀詞交歓会開催
山善名古屋営業本部 メーカー383名が新春祝う

 山善(社長=吉居亨氏)の「名古屋地区新春賀詞交歓会」が1月7日午後5時10分より名古屋市熱田区の熱田神宮会館で開催され、メーカーら383名が出席して2010年の幕開けを祝った。
 賀詞交歓会は川端山善工具部部長の司会で進められ、開宴にあたり森園山善名古屋営業本部長が「本日は新春の大変お忙しい中、383名のメーカー様にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。また昨年中は、名古屋営業本部に対しまして格別のご支援ご協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。昨年は、大変情けない、期待に添う事の出来なかった1年でございました。名古屋営業本部の全社員のモチベーションを1ランク、あるいは2ランク上げまして、今年のスローガンにあります様な行動を全社員が実行してまいります。また、主力のお得意様に対しまして、山善あるいはメーカーの皆様に何を期待しているのか、それを的確に把握し、その期待に応えてまいりたい。それがひいては、我々=メーカーの皆様方の数字に跳ね返ってくるものと確信をいたしております。中々すぐには景気は良くならないとは思いますが、一歩ずつ着実に進めてまいりたい。メーカー様あっての山善でございます。今年もメーカー様には旧に倍してのご支援ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます」と挨拶。

 続いてメーカーを代表して坪内ダイキン工業執行役員空調営業本部長が「リーマンショックを引き金とし世界全体が同時不況に陥ってから1年半が経ちました。目覚ましい回復をしております中国と新興国、いわゆるBRICs(ブリックス)市場の成長とは対照的に、日米欧の先進国は政治経済共に力強さに欠け二番底の可能性も心配されるなど回復が大きく遅れております。我々の様なビジネスの最前線の者は、その先行き不安をひしひしと感じている毎日ではないでしょうか。私は、今回の景気低迷を単に循環的な景気変動と捉えると、対応を誤るのではないかと考えております。いま我々を襲っているのは、景気の波、景気の底ではなく、産業構造の変革という大きなうねりだと思います。環境問題や新興国の台頭をきっかけとした産業革命、IT革命にも匹敵する、大きな変化がいま正に起ころうとしています。世界経済の成長をリードしてきたトヨタ様に代表されます自動車産業においては、燃焼エンジンの時代からハイブリッドや電気エンジンの時代に、またエネルギー産業の業界も再生可能エネルギーの時代です。我々の業界にも変革の波が確実に押し寄せてまいります。10年後には、正に2010年が産業構造の変革のスタートの年だったと言われているのではないでしょうか。かつてない変革、それゆえに過去の成功や体験に解決の解を探し求める事ができず、またそれゆえに我々は不安に駆りたてられているというのが本当のところではないでしょうか。誰もが経験がないわけですから、このような時代において我々はどの様に危機を克服していけばよいのか。まず各社各企業、特にメーカーが、悲観的にならず、新しきことに果敢に挑戦することが重要と考えております。変化、変革の時代においては、これまでと同様のやり方は役に立たないわけですから、新しい事業、市場、やり方に取り組まなければ勝ち残ることはできません。もちろん、落下傘的な新規事業の展開ではなくて、コア事業を更に強化しながら、同時にその周辺事業に乗り出し、事業の広さと厚みを増すことが必要であろうと存じます。GDPの成長は各企業の成長活動の結果の集計であり、GDPが悪いから各社の業績が悪くなるというのは、一面では当たっていると思いますが、反面では論理が通っていないことになります。各企業が頑張り業績を上げれば、その結果として必然的にGDPも良くなると考えております。2つ目は、産業構造の変革という大きな波を乗り切るには、やはりメーカーだけではできず、山善様を核とし、そして山善様のお取引先、卸店、販売店の流通業の方々と三位一体、四位一体で取り組む事だろうと思います。本日ご参集賜りましたメーカーの方々が山善様を求心力として三位一体の取り組みをすれば、いかなる変革であろうと克服し、それどころか逆にチャンスとして活用できるのではないでしょうか。"明けない夜は無い""冬来りなば春遠からじ"という言葉がございます。春はすぐそこまで来ております。最後のこれから1番の寒さを乗り切るため、山善様のご支援を賜りながら、今後も皆様と一緒になって頑張ってまいりたいと存じますので、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。2010年は、これまでの10年の締めくくりの年でありますと同時に、これからの10年のスタートの年でもあります。山善様のご指導のもと、メーカーを挙げて、このチャンスを捉えて更なる成長に挑戦してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶した。
 年頭の挨拶として吉居山善社長は「今年、皆様の期待に応えるように頑張ってやろうという決意をいたしております。今年はイノベーション。改革、革新、新機軸。常に不況の時に企業はやっておられます。山善でもイノベーションをやらなければならない。今年の4月以降、これを出していきたい。振り返りますと16、7年前にバブルがはじけて、山善でも大変苦労いたしました。その時に色々ありました負の遺産を全部処理してまいりました。その結果、皆様のご協力もあり、現在の山善があると思っております。現在の経済状況は非常に良くありませんが、気持ちを前向きにもって、イノベーションをしっかりやり突き進んでいく。何をするかを具体的に示していきたい。2つ目に、今年のテーマを『現場主義に徹し、広い視野、鋭い感覚で、経済変動に即応しよう』といたしております。この中には3つのキーワードがございます。まずは『広い視野』。物事はあらゆるアンテナを張って、広い視野で見なければならない。ただ見るだけではなく『鋭い感覚』でその本質を見極める事が大事。広い視野、鋭い感覚で『早い反応』。これがないと、折角良いチャンスがたくさんあるのに、ビジネスチャンスをなくす。この3つのキーワードをもってしっかりとやって行く。そのために『現場を歩きまわる経営』を行う。特に幹部が現場を回る。肌で感じ、目で見、そして汗をかいて、社内外ともにどの様なことを考えているかをしっかりと肌身に感じる。今年も1年、皆さん一緒になって前向きに取り組んでまいります。『為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり』、気持ちが大事。絶対やってやるという気持ちをもってやって行きたい。必ず名古屋は浮上いたします。そう信じております。山善がやりますので一緒にやりましょう。よろしくお願いいたします」と力強く述べた。
 緒方山善副社長より参加した同社役員の紹介が行われ、佐藤前田金属工業社長の音頭で乾杯し、祝宴に移った。
 出席者は歓談しながら余興の「お楽しみ抽選会」を楽しみ、寺澤三井精機工業専務取締役営業本部長の中締め、奥本山善名古屋営業本部副本部長の礼の言葉でお開きとした。

Mastercam専用 工具ライブラリ
「My Tool Box」追加拡充
ゼネテックダイジェットを追加!!

ゼネテック(社長=上野憲二氏、本社=東京都新宿区富久町16―6)は、昨年6月に提供を開始した三次元CAD/CAMシステム「Mastercam」専用の工具ライブラリ「My Tool Box」を追加・拡充し、同年12月18日に発表、公開した。
 「My Tool Box」は、ツールパス作成時に使用する工具情報を一元管理した「工具ライブラリ」上で、工具メーカー各社から現在販売されている各種工具が使用できるゼネテック独自の製品。工具径や刃長、母材、コーティングなどの情報が工具種別ごとに登録されているため、同社の提供するMastercamの利用者は、新たに工具の登録を行う必要がなく、ツールパスの作成作業に専念することができる。
 今回新たにダイジェット工業製の工具情報を14種類公開、さらに三菱マテリアル製の工具情報を6種類拡充した。
 なお、「My Tool Box」は同社の提供するMastercam保守サービスに加入している利用者向けに提供するサービスであり、発表当日より同社利用者向け専用ホ―ムページからダウンロ―ドして利用できる。
【「My Tool Box」の主な強化点】
・ダイジェット工業製の工具ライブラリで「アルミ加工用ソリッドエンドミルAL‐SEE形」3種、「スーパーワンカットエンドミルDZ‐SOC形」4種、「サイドチッパーSIC形」、「スーパーエンドチッパーSEC形」、「ヘプタミルHEP形」2種類、「ミラーボールBNM形」、「高送りダイマスターSKS形」2種類を公開。
・三菱マテリアル製の工具ラインナップに「高送り加工用ラジアスカッタAJX」、「多機能形ショルダカッタAPX3000/APX4000」、「型彫り用ラジアスカッタ ファイヤーミルBRP」、「スクリューオン式肩削り用カッタASX400」、「スクリューオン式汎用正面フライスASX445」の6種類を追加。

急速な回復は望めないが
中長期的視野で営業展開
ジーネット 中間決算報告

ジーネット(社長=古里龍平氏、本社=大阪市中央区南新町1―2―10)は昨年12月8日、本社会議室にて2010年3月期中間決算報告会を行った。
 会見で古里社長は、日頃の広報活動に対する礼を述べた上で、同社の上期(09年4〜9月)決算に関して報告した。
 フルサトグループ連結の売上高は前年同期比44.8%減の257億8600万円。「過去最大の落ち込み。惨憺たる結果となった」と古里社長。
 報告によると、フルサト工業の建築関連業界は08年、前年の建築基準法の改正で需要が低迷した時よりも、さらにリーマンショックなどの影響により受注が下がっている。
 機械工具部門のジーネットは、分野がいくつもに分かれており、その中で日本のモノづくりの稼働率にもっとも連動しているのが機工分野。その指標となる鉱工業生産指数は、08年10〜12月に前年同期比で2桁の落ち込みを始め、09年1〜3月は34%のマイナス。日本の製造業の稼働率がここまで短期間で落ち込むという事は今までの経験にはなく、上期はメーカーも含めてパニック状態となり、とりあえず発注を止めるという行動に出た結果、この数字以上に機工分野の売上が落ち込んだ。
 切削工具を主要販売品目としている岐阜商事の売上は、自動車部品の製造に連動している。自動車部品生産は、09年1〜3月で前年同期比53.2%のマイナス、4〜6月で40.8%のマイナスとなり、7〜9月である程度回復したものの25.9%のマイナスとなった。最近は8割位まで戻ってきているが、本格的な回復にはもう少し時間がかかるのではないかとしている。
 工作機械は、受注額が09年1〜3月は前年同期比84.6%のマイナス、4〜6月で77.5%のマイナス、7〜9月で68.7%のマイナスとなった。やはり短期間でこれほど落ち込んだ経験は過去になく、同業界はおそらく日本で1番悪い状況にあるとの見方を示した。ジーネットの機械分野の売上もこれに連動し推移している。
 フルサトグループ全体の上期の業況は、第1四半期(09年4〜6月)がボトムで、最悪期からわずかながら改善傾向がみられる。ジーネットの機工分野の売上高は、ほぼ鉱工業生産指数と同様に推移しており、ところどころ落ち込み幅が大きいところも見受けられる。機械分野は工作機械の国内需要とほぼ同じ動きをしている。住宅設備分野の売上高は前年同期比17.3%のアップ。リフォーム需要が少なくないことの表れとみている。
売上が大幅に落ち込んだが、バランスシートは大きく棄損していない。
 2010年3月期通期の見通しについて古里社長は「現在の状況をみる限り、黒字に転じるのは難しい」とし、環境として1番先に良くなっていくのが岐阜商事(自動車部品関連)の分野で、その次にジーネットの機工分野と予想。工作機械の本格的な回復は10年の夏から秋以降までは難しいとの考えを示したほか、フルサト工業の業界の本格回復も、もう少し先になると危機感をにじませる。
 「急速な業績回復をする手立てはない。我々はこれまで中長期的な視野で、新たな提案機能を強めていく、顧客基盤を広めていくことを続けてきた。それと同時に、財務的には自己資本比率を高めてきた。短期的には身をかがめて支出を減らしていくことも必要だが、中長期的な考え方を放棄することはするべきことではない。したがって、このような時期でも、色々な手を打とうとしている。従来から行っている、新規商材を含めての新たな商圏の確保、提案機能の強化を常に前面に押し出して、景気回復を期待しながら営業活動をしていくことを進めている。これにより、今までとは違った手応えも感じられる」と古里社長は語った。
 続いて今吉ジーネット専務が今後の営業展開について説明。プライベートブランドの展開、各地での専門展示会の開催にも力を入れていきたいと述べた。

金城螺子がアベック優勝
愛鋲協 親睦ボウリング大会開催

愛知鋲螺商協同組合(理事長=鈴木建吾氏・八幡ねじ社長)主催による「ボウリング大会」が昨年12月13日午前10時より名古屋市千種区の星ケ丘ボウルで開催され、組合員の従業員や家族ら131名が参加して日頃の腕前を競った。 当日、参加者は午前9時30分より順次受付を済ませ、鈴木理事長の始球式に続いて、ゲームスタート。およそ1時間30分にわたり3ゲームを行った結果、男子の部では雪野真樹氏(金城螺子製作所)がトータル558ピン、女子の部は犬飼美加さん(同)が同455ピンで優勝した。
 ゲーム終了後はパーティールームヘ移動し、大会委員長である大野理事(中部製作所社長)が司会を務めて成績発表が行われた。
 発表に先立ち鈴木理事長が「大変お忙しい中、ご参加ありがとうございます。前回は過去最高の154名の参加があり今回は貸切の180名を目指しましたが、若干減って12社、131名となりました。組合としては、製品の品質、業界全体の向上に努めております。今後とも自信をもってご商売に励んでいただきたいと存じます」と挨拶。
 この後、鈴木理事長から男女別に上位入賞者と各賞受賞者が発表され、それぞれに賞品が贈られた。
 上位入賞者は次の通り。(敬称略)
【男子の部】
▽優勝=雪野真樹(金城螺子製作所)558ピン
▽準優勝=助友利行(八幡ねじ)537ピン
▽第3位=水谷行孝(エフシーテック)524ピン
【女子の部】
▽優勝=犬飼美加(金城螺子製作所)455ピン
◇準優勝=鬼頭キセコ(エフシーテック)438ピン
▽第3位=杉本美帆(八幡ねじ)410ピン

仕入先各社と親睦図る
ミユキ商會 盛大に忘年会を開催

 ミユキ商會(社長=田中知之氏、本社=名古屋市昭和区円上町)は昨年12月18日午後7時より、同社仕入れ先のメーカー・商社らおよそ70名を招き、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦にて忘年会を開催した。
 冒頭、田中社長が「本日は恒例のミユキ商會の忘年会でございます。和気藹々と情報交換の場としてご活用いただければ幸いです。リーマンショックから1年以上が過ぎましたが、非常に厳しい1年でございました。世間では、もう1年厳しいのではないか、更に二番底があるのではと言われておりますが、そんなことを考えておりましたら何も出来ません。私自身は明るく企業活動をしていかなければならないと思っております。モラルのない過当競争は避けなければなりません。本日お集まりのメーカー・商社様と力を合わせて、三位一体で頑張って行きたい。今後も、ミユキ商會を盛り立てていただき、私共も皆様の商品の拡販に努めてまいる所存ですので、よろしくお願いいたします」と挨拶。
 乾杯に際し、小田ノダキ常務が「本日は大勢の方がお見えになっております。これも偏に田中社長はじめ、ミユキ商會の社員の方のご尽力だろうと思っております。我々を取り巻く環境は厳しい状況ですが、本日お集まりの皆さんと共に一丸となって新年に向けて精一杯頑張って行きたい」と挨拶し、同氏の力強い発声で乾杯した。
 宴会は、恒例のビンゴゲームなどで大いに盛り上がり、田中ミユキ商會専務の「来年(2010年)も数字を上げるのには、皆様のご協力が不可欠です」との言葉に続いて、1本締めでお開きとなった。

ワーク・ライフ・バランス
快適職場作りセミナー
ナゴヤ西部機械協同組合 人材確保推進事業の一環

 ナゴヤ西部機械協同組合(理事長=近藤和夫氏・近藤金属工業社長)は昨年12月11日午後3時30分より組合会議室にて、中小企業人材確保推進事業の一環として、愛知労働基準協会全基連・愛知県支部による「ワーク・ライフ・バランス」セミナーを開催、組合員ら10名が出席した。
 最初に、愛知労働基準協会の津川理事が挨拶し、「私たちの協会では、安全衛生法に基づく講習を行っています。他に国からの委託事業も行っています。今日は厚生労働省からの委託事業である『快適職場形成促進事業』と『仕事と生活の調和推進事業』の2つについて説明させていただきます」と話した。
 1つ目の「快適職場形成促進事業」に関して、同協会、愛知快適職場推進センターの快適職場推進アドバイザー中村雅寿氏から説明があった。促進事業の一環として、快適な職場であると認定されれば愛知県労働局から認定書が交付される「快適職場計画認証制度」がある。認証を受けるには、事業所で快適職場推進計画を策定し、愛知快適職場推進センターに提出し審査を受ける。審査が通れば愛知県労働局から認定書が交付されるしくみ。企業が認定を受けることで、労働安全衛生法を遵守している証となり、内外に形で示す事ができる他、労災保険の特例メリットの対象となる場合がある。現在中村氏はアドバイザーとして、企業から提出される計画書の審査、アドバイスを行っており、申請内容について「喫煙ルームを設けた、トイレをシャワートイレにする等の他、観葉植物を置くだけでも大丈夫。小さな事から始めることが大切です」と具体的な申請内容の紹介があり、認証制度申請へのアピールをした。
 2つ目の「仕事と生活の調和推進事業」については、診断アドバイザーで社会保険労務士の墨華代氏から、「ワーク・ライフ・バランス(以下、WLB)について」の講演があり、今なぜWLBか、会社がWLBに取り組むメリットとは、企業として何をすればいいのか、について説明があった。WLBとは仕事と生活の調和のことで、国は平成19年にWLB憲章と行動指針を策定し、行動指針に沿って関係行政機関が運動を展開している。運動の一環として、仕事と生活の調和推進診断サービス事業を企業に対して行っている。墨氏は現在、診断アドバイザーとして企業を訪問。労働時間などの労務管理上の問題点を診断するとともに、その改善・適正化へ向けたアドバイスの提供を通じて理想の職場環境作りを手伝っている。墨氏は「こんな不景気だからとてもWLBではないとおっしゃるところもありますが、WLBの取り組みは今までの働き方が果たしてこのままでいいのかと疑問符を投げるところから始まります。業務を見直すことで、労働生産性を上げ、企業の体質強化につながるのです。コストではなく、明日への投資として考えて下さい」と強調した。続けて、会社がWLBに取り組むメリットとして、@社員の定着化A優秀な社員や多様性に富む社員の確保B社員の満足度等の向上C採用・育成コストや光熱費の削減等のコスト削減による生産性の向上等が挙げられた。結果、「社員のモチベーションを上げる時間的な余裕ができることで、普段できないことに目を向けることにより強化ができ、企業の競争力を高めることができる」と述べた。
 企業として何をすればよいのかについては、取り組みメニューがあり、@年次有給休暇の取得を推進するA仕事と育児・介護との両立を支援するB多様なワークスタイルを取り入れるC所定外労働を削減するD個々の事情に応じて働き方を工夫する、ことが紹介された。墨氏は、自社がどれだけWLBの実現に向けた労働条件が揃っているかの洗い出しをすることが必要であるとし、診断サービスを申し込みして診断してもらうことを勧めた。
 愛知県のアドバイザー17名が、これまでに診断サービスで訪問した企業は190件。目標は230件であることから、引き続き申し込みは大歓迎とのこと。
 セミナー終了後の質疑応答では参加者と講師との活発な意見交換がなされ、WLBの取り組みをバックアップする国の支援制度にまで話が及んだ。早速、アドバイザーの診断を申し込む参加者もいた。

各種新製品について学ぶ
社員技術研修会開催
北陸桃友会営業マン21名参加

 北陸桃友会(会長=宮重清氏・ミヤシゲ社長、ベンと特約店の集い)では、11月25日午後1時より、金沢市北安江の金沢勤労者プラザで「社員技術研修会」を開催し、営業マン21名が出席して、新製品はじめ、その他の情報について研修した。
 研修内容は次の通り。
 @減圧弁=減圧弁の構造・作動〜選定、設置上のポイント、圧力調整方法、Q&A。
 A安全弁=安全弁の構造・作動〜・選定、設置上の注意、保守・取扱上の注意、Q&A。
 B新製品の紹介
▽「カートリッジ式定流量弁」
 大規模受水槽への過流量制限に最適・小型軽量で取扱容易・シンプルな構造でメンテナンス容易。FD―9N、10N型
▽「CS―7N型逆止弁」
 温水90℃以下まで対応可能・水道法性能基準適合品・製品を配管に設置した状態でメンテナンスが可能・点検孔付で分解せずに逆止機能を確認可能・JRG型ミキシングバルブ用の逆止弁として最適。
▽「保温ジャケット着太郎」
 ベン製品専用蒸気バルブ省エネ対策用保温ジャケット・大きな省エネ効果・着脱が簡単、繰り返しの使用が可能・万一の事故防止と室温の安定化。
 Cその他の情報
 「ダクタイル鋳鉄製自動弁」
 減圧弁のRP―9型を加えたことで、安全弁、スチームトラップ、ストレーナの工場設備に最適な高圧用自動弁をシリーズ化した。
 北陸桃友会では、毎年全国最多の製品開発改良提案件数(昨年度は50件)を誇り、今年度も全国一の提案数を目指し、製品開発の協力をお願いした。
 翌26日には、午後1時より福井地区において、福井市問屋町の福井問屋センターで、同様の研修を開催し、13名の営業マンが参加した。

第7回新機械振興賞
機械振興協会 受賞者を決定

 機械振興協会(会長=庄山悦彦氏)は昨年12月、平成21年度の新機械振興賞の受賞者を決定した。今回は、25件(うち中小企業3件)の応募の中から、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、機械振興協会会長賞2件が表彰される。
 新機械振興賞は、従来の機械振興協会賞(昭和30年度創設)と中堅・中小企業新機械開発賞(昭和35年度創設)を統合し、平成15年度に発足したもので、今回が第7回目にあたる。
 表彰対象は、独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発及びその成果の実用化により新製品の製造、製品の品質・性能の改善又は生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者。
 第7回新機械振興賞は、新機械振興賞審査委員会(委員長=吉川弘之独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター長)において厳正な審査の上、次の通り決定された。
◆経済産業大臣賞
「密閉型凍結乾燥無菌粉末製造システム」日精(東京都港区)・共和真空技術(東京都港区)・ホソカワミクロン(大阪府枚方市)
◆中小企業庁長官賞
「振動によるダイカストのセキ折り装置の開発」ロボテック(埼玉県八潮市)
◆財団法人機械振興協会会長賞
「コイル固定型リニアモータの開発」クロノファング(東京都大田区)
「温度・湿度個別コントロール空調システム」ダイキン工業(大阪府大阪市)
 経済産業大臣賞の「密閉型凍結乾燥無菌粉末製造システム」は、構造的に洗浄困難な個所があるなど無塵・無菌操作に問題があった、従来の凍結乾燥装置の問題を解決するために、チューブを用いた密閉環境の中で連続的に凍結・乾燥から粉末化までを行うことができる薬品の無菌粉末製造システムを開発した点、さらに、抗がん剤など毒性の強い薬剤の外部への漏洩をなくし、作業者の被爆・環境問題等を解決する道を開いた点が高く評価された。
 表彰式は2月25日(木)、東京プリンスホテルマグノリアホールにて、午後3時から行われる。

愛機工組合 09年各支部忘年会
「東京第一ホテル錦」で
12月11日 西支部

 愛知県機械工具商業協同組合(理事長=野田道典氏・ノダキ社長)の西支部(支部長=滝川和彦氏・滝川物産社長)は昨年12月11日午後6時より、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦で忘年会を開催した。支部員ら13名が出席。
 梅村理事(梅村本店専務)が司会を務め、冒頭、滝川支部長は挨拶で「昨年(2008年)の忘年会は、組合の新年賀詞交歓会の下見を兼ねての開催でした。皆様のお陰で新年会も盛況のうちに開催することができました。厚く御礼申し上げます。また秋には、MECT(メカトロテック・ジャパン)09が開催され大勢の方に来ていただきました。このように組合活動の方にご尽力をいただきましたことを重ねて御礼申し上げます」と挨拶。引き続いて支部長より、組合の活動概況と、1月14日に組合60周年記念式典と合わせて新年賀詞交歓会(中北支部担当)が行われることが報告された後、同氏の力強い発声で乾杯した。
 参加者は円卓を囲んで和やかに1年間の思い出話や新年の見通しなどを語り合っていた。
 

名古屋駅前の「百楽」で
12月16日 北支部

北支部(支部長=熊田達也氏・久満田商会社長)は、昨年12月16日午後6時30分より名古屋市中村区名駅の北京料理「百楽」で、支部員ら10名が出席して忘年会を開催した。
 冒頭、熊田支部長は挨拶で、「本日はすこし少ない参加者ですが、不景気を吹き飛ばすという意気込みで盛り上げてまいりたい」と述べた後、今後の支部事業の計画にも触れ、毎年恒例となっている豊川稲荷の初詣でについて従来の日曜日から土曜日開催に変更し1月213日に行うことを伝えた。
 続いて野田理事長が組合活動の概況を報告する中で、「今年(2009年)で組合設立60周年。記念誌を編集しております。新年賀詞交歓会に合わせて、60周年の記念式典も行う予定です」と報告したほか、「国の政策などで組合員に役立つ助成金等の情報を発信していきたい」と述べ、引き続いて理事長の発声で乾杯した。
 参加者は和やかに歓談し、1年の締めくくりとした。

モンゴルレストラン「シンキロー」で
12月18日 熱田支部

熱田支部(支部長=滝沢有一氏・松本商店社長)は、昨年12月18日午後6時30分より名古屋市中区栄のモンゴルレストラン「シンキロー」にて、支部員ら23名が参加して忘年会を開催した。
 滝沢支部長は挨拶で、「09年は商売をしにくい年でしたし、熱田支部においては不幸があり、辛い1年でした。来年はよい年にしたいと思います」と振り返った。
 続いて水谷副理事長(ミズタニ機販社長)から「ご逝去された小浦支部長の息子さんである正喜氏(こうら社長)に、本日忘年会に参加していただきました。我々は非常に支部長にお世話になり、息子さんに恩を返していきましょう。そしてみんなで組合を盛り上げていきましょう」と話しがあり、力強い発声の乾杯があった。
 店はモンゴル民族の衣・食・住を再現しており、民族衣装を着た店員が歓迎の歌や踊りを披露し酒を振舞うと、参加者も民族衣装を着たり、一緒に歌ったりして宴を楽しんだ。
 余興のゲームと抽選会では、滝沢支部長の司会で場は笑いに溢れ、盛り上がり、服部組合監事(大宝会長)の締めの挨拶で終宴した。

屋形船「義丸」で
12月12日 南支部

南支部(支部長=森庸一氏・森哲社長)は昨年12月12日午後6時より、堀川下りの屋形船「義丸」で忘年会を開催し、23名が参加して風流を楽しんだ。伊藤(久)理事(丸正社長)が設営を担当。
 当日は、午後6時前に名古屋市熱田区の宮の渡し公園乗船場に全員が集合し、定刻に出港。
 中川理事(ナカガワ社長)の司会進行で、森支部長が「今年1年は景気がどうなるかという事で過ぎました。南支部は1社も欠けることなく来れましたことは非常に良かったと感じております。来年もどうなるかは分かりませんが、我々は好景気だろうが、不況だろうが、一生懸命やるしかない。組合も厳しい予算の中でやっておりますが、南支部といたしましても少ないなりに楽しい行事を行ってまいりたいと思いますので、ご参加ご協力の程をお願いいたします。本日は、時間の許す限り語り合い、飲んで楽しんでいただきたいと存じます」と挨拶。
 矢田組合監事(ナゴヤカット社長)の発声で乾杯して懇親の場となり、参加者は和やかに歓談し親睦を深めていた。伊藤(正)理事(伊藤信産業社長)の中締めで終了した。