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2008年(平成20年)1月
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2008年1月6日(日) 2297号
年 頭 所 感
新春を迎えて
愛知県知事 神田 真秋

 あけましておめでとうございます。
 県民の皆様方におかれましては、希望に満ちた新年をお迎えのことと思います。
 いま愛知は、好調な製造業などに支えられ、わが国の産業経済をけん引し、力強い成長を続けております。しかしながら、原油を中心とした原材料価格の高騰やサブプライムローン問題による世界経済の不安定化、国内では少子高齢社会の進展など、様々な課題があります。また、国と地方のあり方を大きく変える地方分権をめぐっては将来の道州制も視野に置きつつ活発な論議が進められておりますが、国からの本格的な権限や税財源の移譲は未だ道半ばであります。
 このような時期であるからこそ、県政の推進に当たっては、まずは足元を固めることが大切であり、県民の皆様の安心、安全にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。健康や福祉、教育の充実といった県民の皆様共通の願いに、着実にお応えしてまいりたいと思っております。
 このような県民福祉の向上を図るためにも愛知の活力の源となる産業を一層強くする必要があります。愛知の強みである「モノづくり」の基盤強化にしっかりと取り組むことはもちろんのこと、農林水産業の振興にも力を注いでまいります。
 さらに愛知万博の成果を継承し、世界に開かれた愛知をめざして、COP10(生物多様性条約第十回締約国会議)やAPEC(アジア・太平洋経済協力)首脳会議などの国際会議の誘致、国際的な芸術祭の企画の具体化などにも取り組んでまいりたいと考えております。
 また、県民サービスの向上をめざし、地方機関の見直しを行うとともに、着実に行財政改革の歩みを進めたいと考えておりますので、県民の皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げます。
 本年が、皆様方にとりまして、素晴らしい一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

初春を迎えて
長野県知事 村井  仁

 明けましておめでとうございます。
 皆様には、健やかに初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 本年の干支は「子」。その昔、十二支の動物を決める際、門の前に一番早く到着した牛の上に乗っていた鼠がいち早く神殿に駆け込み、十二支の先頭に選ばれたとの逸話があります。行政の運営におきましても、牛のような日々の着実な歩みと、さらには鼠のような知恵と工夫も大切と考える次第です。
 急速に進行する少子高齢化や人口の減少など、社会は大きな転換期を迎えております。このような状況を踏まえ、県政の多様な課題に的確に対応するため、今後の長野県づくりの方向性や方策を明らかにした中期総合計画を、昨年末に策定しました。「“活力と安心”人・暮らし・自然が輝く信州」を基本目標に据え、本県の特色を生かしながら、選択と集中により、新たな時代にふさわしい県づくりを計画的・総合的に推進してまいります。そして、計画初年度となります本年は、長野県にとって将来大きく実る種を蒔き、これをじっくり育てたいと考えます。
 スケート・アイスホッケー・スキーという冬季国体の全ての競技を本県において実施する「長野かがやき国体」が、本年1月から2月にかけて開催されます。多くの感動を与えてくれた長野オリンピック・パラリンピックから十周年という節目の年の開催となる大会の熱戦を期待するとともに、全国から集う皆さんを、観光立県・長野にふさわしい温かなもてなしの心で迎えたいと思います。
 私達の社会は、「信頼」によって成り立っていると常々思っています。家族や隣人との信頼、地域や職場における信頼、さらには行政に対する信頼など、日々の生活において、お互いに信頼し合える関係を築き上げることで、はじめて人は安心して社会生活を営むことができるのです。世間の信頼や信用を失いかねない出来事が取りざたされる昨今でありますが、このような時にこそ、県民の信頼と負託にしっかりと応えた県政を着実に推進してまいりたいと考えます。
 最後になりましたが、皆様にとって、新しい年が希望に満ちた輝かしいものとなりますよう心からお祈り申し上げます。

企業の元気づくりを支援
三重県知事 野呂 昭彦

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様には健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 さて、昨年は、全国的に景気回復基調が継続するなか、特に中部地域は、その特性である「ものづくり」で強みを発揮し、元気さをアピールしました。また、三重県におきましても、大手製造業を中心とする立地企業の設備投資等が継続しており、平成18年の県内製造品出荷額は、前年に比ベ14%増加の10兆8千億円と初めて10兆円の大台を超えるなど、地域間や企業間によって違いはあるものの全体的に県内経済は順調に回復を続けてきました。
 しかしながら、将来に目を向けますと、少子高齢化に伴う人口減少社会の到来や、さらなるグローバル化などの社会変化に加え、原油高をはじめとした諸原材料価格の上昇などの不安材料も多く、企業を取り巻く社会経済情勢は、予断を許さない状況が続いています。
 このようななか、三重県では、2007年度からスタートした「県民しあわせプラン第二次戦略計画」に基づき、「一人ひとりが力を発揮し、経済や産業が元気な社会」をめざして、企業等の元気づくりを支援しています。
 そこで、県内産業構造の「知識集約型産業構造」への転換を促進させるため、先端産業や企業等の研究開発機能の誘致、新しい産業の育成、中小企業の新分野への進出促進、産業人材の育成を推進するとともに、ベンチャー企業等を育てていくため、その成長段階に応じた総合的な支援を行うこととしています。また、地域の資源・特色を活かした産業の創出を目指して、他と差別化できる技術を持つオンリーワン企業の育成や、「みえ地域コミュニティ応援ファンド」を活用した地域ビジネスの支援に取り組むほか、県南部地域での地域資源を活かした産業誘致を進めています。特に、現在、北勢地域に、最先端の研究開発から中小企業の課題解決までを1カ所で行う「高度部材イノベーションセンター」の整備に取り組んでおり、研究開発などを通じた多様なイノベーションを生み出せる人材育成を図っていきたいと考えています。
 本年も、一人ひとりが“しあわせ”を実感できる三重県の実現に向け、皆様とともに取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

新年を迎えて
名古屋市長 松原 武久

 あけましておめでとうございます。市民の皆様には、健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年は、中日ドラゴンズが53年ぶりに日本一の栄冠に輝きました。落合監督就任以来、大きな補強をせずとも、現有戦力の底上げを図り、練習で磨き上げた実力を一人ひとりの選手が存分に発揮し、つかみ取った見事な勝利でした。
 落合監督は、日本シリーズ第三戦の試合後、「選手の邪魔をしないようにやっている」とコメントされていました。選手・監督がお互いに信頼しあい、何をなすべきか理解し、行動できているからこそのコメントだと思います。
 いよいよ再来年には名古屋開府400年を迎えます。徳川家康という一大権力により名古屋のまちの基礎は出来上がりました。以来、先人たちの努力により営々と築きあげられ、今や日本一元気な街となりました。
 名古屋城本丸御殿を始めとする近世武家文化や、木曽の美林と木曽川の豊かな水が育んだモノづくり文化など、名古屋には先人たちから受け継いだ財産があります。この貴重な財産を磨き上げ、元気な名古屋を持続させていきたいと考えています。
 今、国においては第2期地方分権改革の議論が進んでいます。少子高齢化が進む中、「地方政府」として国から本当の意味で自立するためには、自治体の覚悟と生き残りのための「知恵」が必要です。
 名古屋開府400年、さらにはその先も見据え、市民の皆さんとともに知恵を出し合い、協働して「誇りと愛着のもてるまち」を実現してまいりたいと考えています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年頭のごあいさつ
岐阜市長 細江 茂光

 明けましておめでとうございます。
 会員の皆様には、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 私は昨年11月に名古屋商工会議所会頭に就任し、初めての新年を迎えました。本年は十二支のスタートの「子(ね)」年にあたりますことから、原点に立ちかえるつもりで、気持ちを新たにしたところでございます。
ポジティブに考え、事業の継承・発展を
 さて、昨年を振り返りますと、わが国経済は好調な輸出等に支えられ、緩やかながらも景気回復の戦後最長記録を更新し続けました。
 一方で、米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅融資)の証券化問題に端を発した国際金融市場の混乱や、米国経済の減速懸念とそれに伴う円高リスクの浮上、原油・原材料価格の高騰、建築確認の厳格化による住宅着工の減少など、年後半にかけて景気の先行きに対する不透明感が増した1年ともなりました。
 また、多くの中小企業では、原油・原材料価格の高騰と低価格競争の板挟みから販売価格への転嫁が難しいなど、まだまだ景気回復が実感できないというのが実情であったかと思います。
 このように経営の舵取りの難しい環境であるからこそ、皆様には是非ともポジティブな気概を持って、前向きに事業に取り組んでいただきたいと思います。
 悲観主義は感情に属し、楽観主義は意志に属すると言われますが、私は、常々、「一寸先は闇」ではなく、「一寸先は光」と楽観的に捉え、「こうしたい」という明確な意志を持って取り組むこととしています。
 皆様の会社にございます永年培われた信用や信頼、技術、組織など、他社に誇れる部分を核として大切に継承するとともに、時代の風をうまく捉えて、果敢に変化、発展させていくことが大切であると考えます。
 私は、現在、吹いている風は、「GLOBALISM」という「国際化の風」と、「GRAYING」という「高齢化の風」、「GREENING」という「地球再生・環境問題の風」の「3つのG」で表せる風だと思っております。
 年の初めにあたり、皆様がお持ちの強みをベースに、これら三つのGの視点から如何に発展させられるか、今一度見直してみられてはいかがでしょうか。
中小企業の問題解決と会員サービスの充実へ
 私は、会頭就任のキャッチフレーズとして「継承と発展」を掲げました。商工会議所が、これまで地道に取り組んできました「地域の中小企業の振興」と「地域づくり」を継承し、さらに発展させていくのが私の務めと考えます。
 第一の「中小企業の振興」の面では、なかでも「中小企業の問題解決」と「会員サービスの充実」が重要と考え、その拡充に取り組んでまいります。幅広い情報を得たり、ゼネラルスタッフを置いたりすることの難しい中小企業の皆様が気軽に相談に来ていただけるように、支部を中心にスタッフ機能やコンサルティング機能を充実させることにより、皆様の経営革新のお手伝いができればと考えます。
 また、色々な人との出会いが販路開拓や問題解決に結びつくケースが多いことから、皆様には「メッセナゴヤ」や「アライアンス・パートナー発掘市」、各種部会事業などに積極的にご参加いただきたく、また、そうした交流の場を積極的に増やしてまいりたいと思います。
地域づくりと情報発信力の強化へ
 もうひとつの商工会議所活動の核であります「地域づくり」につきましては、当地が有するモノづくり文化や武家文化などを紹介する産業観光や都市観光といった誘客事業や、オープンカフェなどの都心部の賑わい創出事業を継承し、引き続き拡充に努めてまいります。
 併せて、商工会議所がめざす「世界都市 名古屋」の実現のため、これらの文化的魅力を全国や海外に向けてより強く情報発信することにより、国内外からたくさんの人々が観光やショッピングに名古屋を訪れるような都市づくり、地域づくりに取り組みたいと考えます。
 そうした意味からも、来る3月9日に実施します「第1回 なごや400年時代検定」には、多数の方にチャレンジしていただき、名古屋への関心や愛着を深めていただきたいと思っております。
 いずれにしましても、皆様が気軽に、かつ何度でも商工会議所にお越しいただけるよう、役立ち、信頼される商工会議所をめざしてまいります。
 引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご多幸とご繁栄をお祈り申し上げまして、新年のご挨拶といたします。

『継承と発展』の姿勢で、
地域を活性化
名古屋商工会議所会頭 岡田 邦彦

 謹んで新年の御祝辞を申し上げます。
 皆様方には、清々しい新春をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
 さて、昨年は、長年の懸案でありました中心市街地の活性化に向け大きな一歩を踏み出した年でありました。5月には、柳ヶ瀬からJR岐阜駅に至る約100ヘクタールの活性化を目指す「岐阜市中心市街地活性化基本計画」が内閣総理大臣の認定を受け、また10月にはJR岐阜駅北口の西側に中部地区で最も高い居住系の複合ビル「岐阜シティ・タワー43」がオープンしました。JR岐阜駅周辺の一部では15年ぶりに路線価が上昇するなど、岐阜市という都市の価値が着実に上がり始めた新しい岐阜市の夜明けの年となりました。
 これらの事業は、都市機能を高める側面とあわせ、新生岐阜市を象徴するものとなり、百万岐阜都市圏における岐阜市への求心力を高めるための大きな役割を果たすこととなるでしょう。
 一方、経済活動のグローバル化により、地域間における競争の激化、格差の拡大が指摘される中、市民が地域に誇りを持ち、ゆとりのある豊かな生活をするためには、地域の個性や特性を活かしたまちづくりが重要となります。岐阜ならではの良きものを見出し、その中から新たなものを創造し、長期的なビジョンを持って都市の活性化に取り組むことが強く求められています。
 そこで、平成20年度は「岐阜市の歴史や伝統を踏まえ、未来を切り拓く新しいものを創造していくこと」という意味を込め、「温故“創”新〜未来への鼓動〜」をキーワードとして、岐阜市の歴史、伝統、その中で磨かれた先人の知恵や技を見直し、これを拠り所として、多くの施策や事業の展開の中で「日本一元気な県都岐阜」を創出してまいりたいと思います。
 昨年12月、FC岐阜が今季のJリーグ(日本プロサッカーリーグ)加入を承認され、今年はいよいよJ2での戦いが始まります。岐阜初のプロスポーツチームが市民の皆様に夢と感動を与え、また、大きなブランドとなり岐阜の全国的な知名度を上げることを期待しております。将来のJ1での活躍を夢みながら、市民チームとして、共に応援し、育てて行きましょう。
 さて、来年は市制120周年の大還暦を迎えます。本年はそのためのステップアップの年として、夢と希望に満ちた、輝かしい躍進の年となりますように、一層の努力をしてまいりますので、市民の皆様方の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

年頭の辞
愛知県中小企業団体中央会会長 鶴田 欣也

新年あけましておめでとうございます。
 会員の皆様には、輝かしい新春をお迎えになられましたことと、心よりお慶び申し上げます。
 平素は、本会の事業推進につきまして、多大のご支援・ご協力をいただき深く感謝申し上げます。
 顧みますと、昨年の日本経済は、総じて緩やかに回復を続けているものの、企業間あるいは地域間の格差などにより回復の動きにばらつきが見られ、中小企業ではなお景気回復を実感できない状況にありました。また、原材料・原油価格の高騰や米国など海外の経済の先行きや為替・金利の動向など、不安要因も存在しています。特に、米国のサブプライムローンによる損失の拡大は日本を始め世界の経済に暗雲を投げかけています。
 本県については、引き続き、自動車産業などの製造業が国内景気を主導するなど、一番元気な県であると評されました。しかしながら、中小企業の多くは量的な繁忙にも拘わらず、燃料や原材料の高騰、価格転嫁の困難により企業収益が圧迫され、利益の確保もままならず、景気回復の実感を共有できるまでには至りませんでした。また、中長期的には少子高齢社会における市場の縮小や事業承継問題、人材確保難などの構造的な課題が顕著になった1年でした。
 このような状況のなか、中小企業が競争力を維持し、経営基盤を強固なものとして新たな発展を遂げていくためには、事業者の知恵とやる気を生かしその活力を高めることが不可欠です。
 また、個々では解決できない諸問題に対応するため、組合をはじめとする中小企業連携組織が、そのネットワークを最大限に活用し、経営資源の相互補完や新事業の開拓を図り、地域経済のみならず、わが国経済の活力の源となり、さらなる飛躍を遂げることが求められています。
 本会としましても、中小企業の皆様の信頼とご期待に応えるため、中小企業組合等を連携の中核に位置づけ、その育成に取り組むことを通して、中小企業の健全な成長と経営革新を支援していく所存であります。
 会員の皆様におかれましては、新年の決意を新たに、団結を更に強固にされ、中小企業の振興のために邁進されることをご期待申し上げますとともに、ご繁栄とご健勝を心よりご祈念申し上げまして新年のご挨拶といたします。

地域の強みを生かした
取り組みを推進
岐阜商工会議所会頭 小島 伸夫

新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年のわが国経済は、米国のサブプライムローン問題をきっかけとした世界同時株安や円高等にみまわれたものの、依然として順調な世界経済による好調な輸出と堅調な設備投資、底堅い個人消費により、拡大基調で推移しました。
 本年につきましては、米国経済の減速や原油価格高騰が内外経済に与える影響等の懸念材料が多く、景気回復を期待しながらも予断を許さぬ状況ではないかと懸念しております。
 特に県内には製造業を中心に中小企業の数が多く、県の経済活性化には県の経済を支える存在である中小企業の活性化が必要不可欠であると考えております。しかしながら、経済のグローバル化の進展により価格競争が激しくコストを価格に転嫁し難い中小企業にあっては、経営環境は厳しさを増しつつあります。
 そこで国においては、地域の中小企業の手によって、地域の「強み」となる産地の技術、地域の農林水産品、観光資源などといった地域資源を掘り起こし、新たな商品・サービスに発展させる取り組みを総合的に支援する「中小企業地域資源活用プログラム」が創設されました。
 これまでも、中小企業や小規模事業者の新分野進出や新技術開発などを後押しするため地元の大学等の研究機関との産学連携の推進に努めてきましたが、この新たな支援制度をも併せて活用し、生産から販売までトータルで地域の強みを生かした差別化や高付加価値化への取り組みを推進したいと思います。
 また、東海地域が一体となって産業の総合力を発揮するには、広域におよぶ高規格幹線道路網の一層の整備が不可欠であります。特に、岐阜・愛知・三重の広域ネットワークを形成する東海環状自動車道が全線供用された際には、沿線各地への企業進出が促進され、それが新たな産業の集積へと広がり、沿線地域経済の発展に寄与することは想像に難くなく、東海地域全体の産業経済の発展につながっていくことに、大きな期待を寄せております。
 我が国のものづくり中枢圏の一翼を担う岐阜県にとって、高規格幹線道路網の整備促進は必要不可欠であり、これからも関係各方面に対して機会あるごとにその重要性を訴えていきたいと思います。引き続きご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様方のご健勝とご繁栄を祈念し、年頭のご挨拶といたします。

飛躍の年に
三重県中小企業団体中央会会長 廣瀬 哲司

新年あけましておめでとうございます。
 平成20年の新春を迎えるにあたり、皆様に謹んで年頭のごあいさつを申しあげます。
 さて、昨今の経済情勢は、一層のグローバル化・情報化の進展とBRICsの急速な経済成長、また原油の高騰に端を発した資源・エネルギーに関連する原材料等の値上げなど、国際経済は急激に変化の度合いを増し、海外からの波紋を大きく受けると同時に、国内においても行財政改革に伴う各種の政策転換が社会システムの見直しを余儀なくし、企業経営をめぐる新たな社会規範が構築され、中小企業の経営面においても、その質が問われています。
 そのひとつとして、食品関連における安心安全のキーワードに対する中小企業者の対応の遅れなど、相次いで不適応・不対応を露呈し、ガバナンスの強化、コンプライアンス経営が中小企業者に浸透していない結果を招くなど、新たな経営課題が浮彫りとなりました。
 昨年の三重県経済につきましては、全体として、回復軌道にあるものの、中小企業においては依然として厳しい状況が続いており、特に業種間、地域間の格差が拡大し、今後格差是正に向けて国・県の政策が期待されるところですが、中小企業においても生産性向上に向けて、より一層の自助努力が求められています。
 急激な経営環境の変化に適応できる企業の経営倫理、適応能力の強化、業界秩序の維持など事業活動基盤再構築に係る組合の役割は従来にも増して期待されているところが大きくなっています。
 今こそ、組合の価値を再認識すると同時に自信を持って、組合運営に取組んでいただきたい時勢の到来であります。
 今年は十二支最初の年「子年」です。私ども中央会といたしましては、原点に還り決意を新たに小さな一歩を着実に積み重ね、中小企業並びに中小企業組合の更なる発展のため、生産性向上による底上げと、魅力ある中小企業づくりのための経営環境整備にむけ、中央会の指導・支援体制の充実を一層図りながら、会員の皆様の多様なニーズに応えられるよう努めてまいる所存です。
 最後になりましたが、本年が皆様にとって実り多い年となりますよう、そして希望の叶う飛躍の年になりますよう心よりご祈念申しあげまして、年頭のあいさつといたします。

平成20年 年頭所感
(社)日本自動車機械器具工業会理事長 北川 不二男

 新年あけましておめでとうございます。
 平成20年の年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。
 わが国の景気も、このところ緩やかな拡大基調が続いていますが、原油高に伴う原材料価格の上昇に加え、米国サブプライム問題の影響など不透明な要素を内包しながら推移していることも懸念されるところです。
 こうした中、自動車の整備・検査用機器の生産を担う当工業界におきましては、生産額は、平成十四年度を底に、その後緩やかな回復基調が続いておりますが、本年は少しでも明るい展望が開けるよう期待したいところです。
 近年自動車の国内販売は、市場が成熟してきたこともあって、横這い状況が続いておりますが、既に我が国の自動車の保有台数は7500万台を超え、また、自動車の平均使用年数は11年を超えるなど長期化が進んでおります。これは整備を要する自動車が、飛躍的に増加していることを示しております。
 また、今日の自動車は電子制御システムを搭載し、多くの高度な技術が盛り込まれております。従って、複雑、高度化した自動車の性能維持を的確に行っていくためには、高度な技術に対応した整備用機器の提供が強く求められるところであります。
 こうした状況の下、新しい技術にも対応し、市場のニーズを先取りする優れた製品を開発し、供給していくことは、自動車の整備・検査用機器の生産を担う私どもに課せられた重要な使命であろうと認識しております。
 当工業会におきましては、本年度も引き続き情報提供、業界の共通課題への取り組みなど様々な事業を展開してまいりますが、さらに個別企業の垣根を越えた情報交流の「場」を提供することにより、これらがより広範な視点に立った問題解決、ビジネスチャンス創出の契機として活用されることを願ってやみません。
 関係各位のご指導、ご協力のほどをお願い申し上げますとともに、皆様の更なるご発展をお祈り申し上げます。

優秀な人材の確保と育成に取り組む
(社)日本工作機械工業会会長 中村 健一

 平成20年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年の工作機械業界は、毎月の受注額が44カ月連続で1千億円を超える息の長い拡大期が続いております。これを内外需別で見ますと、内需では、一時的なスポット受注はあるものの、依然として自動車の設備投資が弱含みの状態であり、これを建設機械や航空機、さらには造船などの重厚長大型産業が支え、高水準を維持しております。
 一方、外需では、欧州、北米、アジアの三極が同時好況であり、特に欧州の顕著な受注増は瞠目に値するものがあります。加えて、BRICsを始めとする新興発展地域からの受注も好調であり、総じて外需がわが国工作機械産業の受注全体を牽引していると言うことができます。
 以上のことから、平成19年の工作機械受注額は、2年連続で史上最高額を更新することが確実となっております。
 平成20年の工作機械受注も、引き続き外需主導で高いレベルを維持することが予想され、1兆円超えは5年連続で最長記録を更新し、息の長い拡大局面が続くと考えております。
 さて、現下の受注や業界の活動は好調でありますが、人口減少やその他社会情勢の変化に鑑みれば、モノづくりの基礎を為す優秀な人材を確保することが製造業にとって喫緊の課題となっています。そこで、当工業会では、わが国が世界トップのマザーマシン供給者としての地位を維持強化していくために、引き続き、有為な人材の確保と育成に取り組みます。具体的には、理工系学生を始め、広く一般の方々に工作機械の基礎知識や社会的役割をわかりやすく説明する教育用映像の制作に取り組みます。加えて、11月に開催する国内最大の工作機械展「JIMTOF 2008」では、産学連携による学生対象セミナーを開催するほか、地方の学生を招いたJIMTOF見学バスツアーなど学生向け企画の拡充にも注力していきます。
 また、現在、大学等教育機関での人材育成と産業界のニーズを適合させるために、経済産業省の主導により、産官学の総力を結集した「産学人材育成パートナーシップ」が進められております。
 当会も、本事業に参画し、工作機械業界で必要な人材像や実践的な大学プログラムヘの転換などについて、積極的に提言していきたいと考えます。これらの人材確保・育成策を着実に実行することが、わが国工作機械産業の持続的成長に繋がると強く確信しております。
 本年も関係各位には、ご指導、ご鞭撻とさらなるご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、平成20年が皆様にとってさらなる飛躍の年になることを祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

たゆまぬ技術革新と「ものづくり」へのこだわりを
(社)日本機械工業連合会会長 金井  務

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆様におかれましては、気持ちも新たに新年を迎えられたことと思います。
 年頭にあたり、平素より日本機械工業連合会にお寄せ頂いております皆様の暖かいご指導とご支援に対し、心から御礼申し上げます。
 さて、わが国の経済は、内閣府が昨年12月に発表した2007年7-9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質では前期比で0.4%増、年率換算では1.5%増となり、前の期のマイナス成長から一転プラスの伸びとなりました。数字の上では一見好調持続かと思われますが、米国サブプライムローンの影響はまだ表に現れていないだけであります。この影響の広がりがどこまで進み、日本への実体経済への影響はどこまで及んでくるのか、不気味さが感じられます。
 今年は世界中で大きなイベントがいくつか開催されます。米国では大統領選の予備選挙が今月から始まり、秋には新しい指導者が誕生します。お隣の中国では北京オリンピックが開催されます。貿易や現地進出など日本と密接なつながりを持っている中国は環境問題や格差拡大が大きな課題となっております。オリンピック後も今の成長を維持できるのか非常に気になるところであります。また、日本においても北海道洞爺湖サミットが七月に開催され、環境問題を中心に議論されます。このようなビッグイベントを控えている今年の経営環境でございますが、鍵を握るのは個人消費の落ち込みによる米国経済の減速、原油をはじめとする原材料の高騰、円高と言えるでしょう。いずれも企業の収支に直接結びつく要因ばかりであり、事業の方向性を見誤らないよう、これらリスクをしっかりと考慮に入れておく必要があります。
 われわれ産業界の人間としては、企業がしっかりと収益をあげられるような経営が求められています。企業が収益をあげれば、賃金が上昇しお金が家庭へと流れます。家庭に流れたお金は投資や需要に回ります。そうすると、また需要が増えて企業活動が活発になるというプラスの循環を作り出すよう、一層の経営努力が求められています。
 さて、私ども日本機械工業連合会としては、事業活動のグローバル化の進展や、環境問題の深刻化など事業環境への対応など、会員企業の協力のもと、機械工業における重要課題に鋭意取り組んでおります。
 国際競争力の維持・強化の点では常々申し上げていることでありますが、たゆまない技術革新と「ものづくり」へのこだわりであります。昨年、静岡において技能五輪国際大会が開催されました。2年に1度開かれるこの大会では、技術者たちが国の威信をかけて戦うものであり、これまでは韓国や台湾が実力を伸ばしつつありました。今回、日本はメダル総数では韓国に及びませんでしたが、金メダル数ではトップを堅持しました。暗いニュースばかりの昨年でしたが、われわれものづくり企業にとっては非常に明るいニュースでした。日本のものづくり復権は我が国の機械工業の原点であり、将来にわたって最も重視するべき点であると考えています。ものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくためにも、次代を担う若者たちがものづくりにますます関心をもてるような社会の実現を目指すことも私どもの使命であります。
 また、「機械安全」という観点からも、機械製造事業者はマネージメントにしっかり組み込むレベルまで高揚しなければなりません。機械類の安全性については欧米が大きく先行しており、我が国の労働安全の観点のみならず、機械工業分野の国際競争力強化の視点からも的確な対応が必要であります。
 皆様におかれましては、厳しい事業環境が続く中でご苦労が多いことと存じますが、日本機械工業連合会といたしましても、新たな時代に求められるニーズに対応し、皆様とわが国産業界の利益のために誠心誠意努力を続けたいと存じます。
 最後になりましたが、今年も皆様の一層のご活躍とご健康を心から祈念申し上げます。

年頭所感
日本工具工業会理事長 飛弾野 文英

 2008年の新春を迎えるにあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。
 昨年まで続いていたグローバル化の拡大と、デフレの効用でもある余剰資金の後押しなどが追い風となって確実な景気拡大がなされてきました。しかし2007年後半からは、この風の向きが変わりつつあるようです。
 日本では2001年4月から始まった小泉構造改革路線を継投した安倍晋三総理のあっけない短期退任で混迷の色を深めています。サブプライムローンの焦げ付きは不気味に悪影響を及ぼしつつあります。2002年からの拡大局面が潜在的に隠れていた人、土地、資源などのリスク要因を煽りだしています。キーワードは国際化、人口減少そして持続可能性の三要因だといわれます。
 例えば生産人口。現在の少子高齢化は単に年金の負担構造などだけでなく、ものづくりの上でのプロダクト・イノベーションやプロセス・イノベーションの活力を喪失させます。50年前には、これら要因はなかったものです。また将来の製造業の構造が現在の延長線上にあるとは誰も肯定できません。ただ日本のものづくりにあって、過去から未来にかけて継続するのは、人に依存するものづくり、即ち@同質で優秀な人材Aものを完成させる集中力と融通無碍な連携Bえもいわれぬノウハウと現場技能などです。
 今年、日本工具工業会は60周年を迎えます。そして、60年の歴史の中でも特に20世紀と21世紀を跨いだこの10年(decade)は、製造業としての大きな構造変化を伴っています。
 1998年ごろから、我々の新たな技術志向として機械加工にエコロジーを求める高速加工や切削油剤をできるだけ使用しない工具の開発が進められるようになりました。その後1999年から2000年は多様な社会面事象の総括が行われ、やがて不安と希望の念で迎えたミレニアムは、依然として残る「金融システムの不安」と「デフレーションの亡霊」、そして迎えた2001年September 11th米国同時多発テロやエンロン事件などの直接・間接的な影響に苦しむ状況が、2005年に特殊鋼工具生産額が1千億円を回復するまで続いたのです。低迷の原因は産業の冷え込みと特殊鋼工具の超硬化ですが、これらは日本工具工業会の将来に対処のヒントを与えていると思います。
 それは米国一極追随からBRICsなどへの多面的対処。それと素材。特にレアメタルは需要が今後益々拡大するが埋蔵残量はカウントダウンされるくらい有限。その点、特殊鋼工具は熱処理による炭化物のコントロールやコーティングなどの表面処理によって、これら資源を有効に活用できます。需要業界に積極的に提案すべきだと考えます。
 最後に、迎えました新年が、皆様にとって素晴らしい年でありますことを祈念いたしまして年頭のご挨拶といたします。

年頭挨拶
(社)日本バルブ工業会会長 大山 忠一

明けましておめでとうございます。
 昨年は前年に続いて各種素材の高騰に、直接間接に全ての産業界が翻弄された1年でありました。コスト上昇による収益の悪化に各社共にご苦労された事と存じます。
 価格転嫁の努力もあって、生産額ではまずまずの数字になっておりますが、中味の点では各社・各品目それぞれに異なった状況にあるものと存じます。
 昨年11月にはベトナム視察団を編成して、久々に現地を見てまいりました。既に進出しておられる当業界の各社、又拡大しつつある工業団地等を沢山訪問致しました。中国の労賃の上昇や労働者に対する法律の強化をにらんで、各社それぞれに色々と検討を重ねておられる事と存じますが、進出先にはそれぞれの異なった事情があり、現地で運営に当っておられる責任者の方々のご苦労には非常に感服させられた旅でもございました。
 日本に於ける少子高齢問題は、すでに実質的な産業人口の減少として色々な局面にその影を落としつつある様に思います。企業の人材の確保は言うに及ばず、国内需要の動向には細心の注意が必要となってまいりましょう。加えて建築関係では確認申請の厳格化に伴う審査の大幅な遅れの問題もあります。
 こうした色々な課題をふまえて、当工業会では今後の十年を見据えて、将来のバルブ産業のあるべき姿を求めて「バルブ産業ビジョン2007」を作成し、今後はこのビジョンの実践に向けた具体的施策を実施するステップへと進んでまいりました。ある種成熟産業である当バルブ業界にあっても、利益のあがる企業経営をめざして、色々な改革に取り組んでいく為のたたき台を作ったところであります。安全設計・品質・環境問題等、各種のバルブそれぞれに比重は異なっているものの、取り組むべき課題は沢山あり、革新的な技術も含めて対応すべき事は山積みでございます。
 昨年暮に日本漢字能力検定協会が公募決定した「偽」という文字は、昨今の政・官・業に於ける多くの不祥事を見事に反映したものとなりました。元より安全に対する取り組みが割合しっかりとしている当業界では、かなり事情は異なっている様に存じますが、経営にたずさわる者として、人の為す事には偽りが多いなどといわれる事のない様に、コンプライアンスを高めていく事が改めて重要なテーマであると心に留めて、この新しい年を乗り切ってまいるべきと存じます。
 改めて各社の更なるご努力、ご発展を祈念致しまして年頭のご挨拶と致します。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

研究開発に注力し、
高度なニーズに応えたい
日本小型工作機械工業会会長 清水  哲

 年頭にあたり、謹んで初春のご挨拶を申し上げます。本年もよろしくお願い致します。
 日本小型工作機械工業会の出荷高は2006年には創立以来の最高額を達成しましたが、2007年は一昨年の受注停滞を受けて、記録の更新にはわずかに及びませんでしたが依然として高水準を持続しております。懸念された受注も2007年第2四半期からは持ち直し、再び増加基調に戻っております。
 建築、造船、航空機など大型工作機械に対する需要が好調な中で、一服していた自動車やHDD、IT関連を主とする小型工作機械に対する需要増が今年は期待出来るものと思われます。
 小型工作機械の現在の輸出比率は30〜35%程度であり、生産現場の海外移転が加速している中でこの水準を高めることが課題の一つにあげられます。小型NC旋盤の輸出比率はすでに50%程度と高い水準に達していますが、その他の機種については輸出体制の整備などにより海外進出企業や現地企業が採用しやすい状況を構築する必要があると考えられます。同時に、国内に残るのは海外移転の難しい高度な分野や自動化・無人化などにより徹底したコストダウンを目指す企業だと言われる中で、それらの国内ユーザーのニーズに応えていかなければならないと考えます。
 原油や希少金属など輸入に頼っている物資の高騰により、工作機械づくりに必要な鋳物をはじめとする資材の値上がりが顕著になっており大きな問題となってきています。現在は高水準の売上に助けられていますが、生産のさらなる効率化や高付加価値化などの対応を考えなくてはならない時期に来ていると思われます。
 日本小型工作機械工業会は今年の6月に創立50周年を迎えます。創立当初の時計やカメラなどの精密部品加工を支える工作機械づくりから、現在では小型精密部品加工を必要とするすべての産業へとユーザーが広がっております。
 当会においては「超精密」を共通テーマの一つに掲げていますが、特に国内ユーザーのニーズはこの方向により高度化、多様化してきております。当会の会員企業は小回りのきく、きめの細かい対応を特徴の一つとしていますが、今後ともより高度なニーズに応えられるようにさらに継続的に研究開発にも力を入れ、産業界の発展に寄与していきたいと考えております。
 今後とも宜しくご支援、ご鞭撻をお願い申し上げます。

戦略的な改革の実行を
日本工作機械販売協会会長 尾瀬 俊憲

 新年あけましておめでとうございます。皆様には輝かしい新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 日頃は日工販の活動にご理解とご協力を賜り有難うございます。
 日本の工作機械業界は昨年も空前の活況を呈し、年間受注総額は1兆6千億円台をうかがう勢いを示し2年連続で史上最高記録を更新致しました。
 特に外需は中国及び欧州向けが前年比大幅に増加し、1999年以来8年振りに内需を上回り、拡大を続けています。
 日工販会員とつながりが強い内需では、金型、電気・精密業界からの受注に減少が見られたものの、自動車業界からの受注回復と建設機械等重厚長大産業からの好調な需要でカバーして前年比ほぼ横ばいの7000億円あまりの高水準を維持いたしました。いずれも、年初の予測を大きく上回る数字で、我々にとりましてうれしい誤算の年になりました。
 一方、世界経済は原油価格の高騰、サブプライムローン問題等により数年来の安定成長と打って変わり先行きは不確実性を増しております。また、政治的には昨年から今年にかけて世界中で相次ぐ政権と指導者の交代、中東情勢、地球温暖化問題等大きな節目の時代を迎えております。
 このような環境の下、今年の工作機械業界を占うことは以前にも増して難しくなっていますが、年間受注総額は、内需で6700億円、外需で9500億円、合計で1兆6200億円内外と予測しています。内需の落ち込みを外需の増加でカバーし、外需では米国の減速を中国等の新興市場及びEUで補い、全体として高原状態を維持するものと思います。
 いずれにしましても、工作機械業界は従来の景気循環の経験則が当てはまらない新しい時代に突入していると考えています。
 日本のものづくり産業および工作機械メーカーの国際的な優位性は当分揺るがないものと思いますので、長期的にみて、世界経済が成長する以上、工作機械産業は成長産業であると言えます。
 今年から来年にかけて、前述のサブプライムローン問題あるいは地政学的リスクの要因により世界経済が失速するリスクがあり、その予兆には十分注意を払う必要がありますが、一時的な好不調には一喜一憂する必要はないと思います。それよりも現在の好成績を謙虚に受け止め、景気依存型の体質から脱却し、5年先、10年先を見据えた戦略的な改革を実行することが重要であると思います。
 商社としての課題は昨年6月の会長就任の時に申し上げたとおり以下の三点を挙げたいと思います。
1.商社の存在価値の向上
 このように変化の激しい今こそ商社にとって最大のチャンスであり、ユーザー・メーカーと共に三者共存共栄の道を拓き、その真価を発揮する時だと思います。
2.有為な人材確保
 特に若い人にとって魅力ある業界にする点を強調したいと思います。若い人と新規参入者がもっと早く活躍出来る環境を作り、業界の活性化と優秀な人材の確保につなげたいと思います。
3.グローバル化への対応
 ユーザー・メーカーのグローバル化により、機会とリスクは拡大しています。その対応が業界及び各企業の将来を大きく左右する局面となっており、重要な課題です。それにも増してやはり日本の国内工作機械市場の地盤沈下は防がなければならないと考えます。量的な拡大は望めなくとも国内におけるもの作りの重要性を再認識し、新しい需要、新しいアプリケーション、新しいサービス、新しい商品を日本市場から発信することが大事だと思います。
 今年も日工販としては、各委員会をより一層活性化して、教育事業及び各種情報発信と共に、会員相互の情報交換・親睦の場を提供し、会員会社にとって有意義な活動を行えるよう一層努力したいと思います。
 関係各位にはご指導・ご鞭撻と更なるご協力をお願い申し上げますとともに、本年も皆様にとりまして素晴らしい年になりますようお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

平成20年新春に寄せて
全日本機械工具商連合会会長 成田 茂之

 新年おめでとうございます。全日本機械工具商連合会の皆様には希望を持たれて平成20年の新春をお迎えになられたことと存じます。
 昨年は総会にて役員が改選になり新たな体制がスタートいたしました。連合会の運営につきましては会員各位のご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
 また、昨年7月には新潟県中越沖地震が発生し、被災されました皆様には心よりお見舞いを申し上げますとともに力強い復興に向けての血のにじむようなご努力に勇気付けられるとともに敬仰の思いを感ぜざるを得ません。頭が下がる思いがいたします。また、同地域に向けられました全国の機械工具組合の皆様のお見舞いご支援には心よりお礼申し上げます。
 さて、昨年は私ども機械工具業界にとりまして前半は一昨年同様好況を感じることができたものの後半は多少経済の波の変化を感じるような一年であったと思います。特にサブプライムローンの問題がアメリカの景気に影響を与え、金融面で全世界に影響を与え始め先行きに黄色信号が点滅していること、ドルの地位に揺らぎが発生し始めていること、株価が世界的に下落し、不安があおられていること、原油の価格が高騰し、消費に影響を与え始めていることなど流れが確かに変わったと思われる1年でありました。
 本年もアジア諸国は引き続きインフラの整備等を進め、高い成長が見込まれ、これによる資源などへの旺盛な需要により昨年同様わが国の景気を牽引するとも見られておりますが、平成19年度3月期の決算の見通しを下方修正する大手企業も出てきており、これらの要素が日本の景気にどのようなインパクトを与えるのかを注目しなければならない一年となりそうです。こうした環境の変化に対する備えを連合会会員の皆様と一緒になって取り組み業界の万全を期して更なる発展に向けて邁進してまいりましょう。
 結びに、本年10月17日には全機工連東京大会が開催されます。大勢の会員の皆様と東京大会でお目にかかり大いに語り合いたいと思っております。平成20年が全機工連の皆様にとり、すばらしい年となりますようご祈念申し上げまして新年のご挨拶といたします。

測定が“ものづくり”の原点
日本精密測定機器工業会会長 頓所 達男

 新年あけましておめでとうございます。
 2008年の新春を新たな気持ちで迎えられたこととお慶び申し上げます。昨年を振り返ってみますと、一昨年の後半に戦後最長のいざなぎ景気を超えて以来、我が国経済は、設備投資や輸出を牽引力に、潜在成長率なみの巡行速度で拡大を続けてまいりました。
 すなわち、一部で調整局面があったりして、拡大のテンポが少し鈍ったように思いますが、ここまでのところ、落ち込むようなことはなく、国内景気は回復基調が持続しており、足もと堅調なことから、この後も総じて安定成長を維持するものと言われております。どうか、息の長い景気でありますこと、祈念する次第であります。
 しかし、高騰を続けている原油価格とその影響は今後も注視しなければならない。すでに、上場企業の経常利益が五年ぶり減少に転じたとの報道もあります。また、2007年新車販売台数が前年実績を下回ったのではないか。
 近時の、米国におけるサブプライムローン問題を発端とする米国景気の減速、それに伴う株価とドルの下落が日本にも影響しております。先行き景気の減速感が強まり、厳しさも見え隠れすることが予想されます。
 日本が内包する諸問題では、人口減少社会における国内市場縮小があります。そんななかでの「ものづくり」と「労働のあり方」など、それに、資源の問題、CO2削減問題、国際貢献と国益の問題、これらはその行方を憂えるのでなく、行く手を切り開いて行かなければなりません。
 いま、工作機械の受注は輸出が引き続き好調で、特に欧州・アジア向けの伸びが大きいと言われています。マザーマシンを中心として関連する諸業界におきましても好調であります。
 私ども、精密測定機器の業界では、「測定がものづくりの原点」と認識し、常に技術革新のなかで、高精化・高速化・省力化といった測定に関するニーズに応えるべく、デザイン・ソリューションの提案をしてまいりました。今後も、国際競争力のある高付加価値商品・サービスを市場に提案し、いわゆるソリューションビジネスを進め、新しい市場を創造して、関係する業界の皆様と共に発展をしてまいりたいと存じます。本年もよろしくお願い申し上げます。

年頭のご挨拶 
(社)日本防錆技術協会会長 里見 菊雄

新年明けましておめでとうございます。
 昨年は、日本防錆技術協会が節目となる創立50周年を迎え、2月に記念行事、7月に記念フォーラム「防錆技術の50年そして未来へ」を開催致しました。日本防錆技術協会は総力を挙げて防錆技術の改革に寄与し、日本ひいては世界の経済発展と地球環境保全に貢献していこうと皆様と共に心新たにしたところであります。
 近時、国内外で橋梁の腐食問題や標識などの腐食による倒壊事故などが続き、社会の関心も防錆防食に向けられるようになり、この時期に当協会が産業界に問いかけた「維持管理の重要性」という言葉の意味は重く、社会に警鐘を鳴らすことができたと思います。
 昨年は後半より政治面、経済面で様々な問題が表面化して先行きの不透明感が増し、新たな取組みが強く求められるようになりました。今年度末には公益法人改革三法が施行される予定で、当協会としても新法に基づく新法人への移行に伴う諸整備や認定手続など速やかな対応が求められています。既存の法人には5年間の猶予期間があるものの、当協会としてもこの機会を前向きに捉え「機構改革」と「意識改革」に取り組んでいかねばなりません。
 新法では理事会の役割と責任が更に大きくなり、理事会の年四回開催、監事に公認会計士等の職業監査人の就任等が求められるなど、「機構改革」として新法に沿った定款改正も必要となります。新法に基づく公益法人には優遇税制が検討されているが、一方では広く一般を対象とした公益活動が求められ、会員外への差別が禁止されます。「意識改革」として、会員各位のご理解とご協力を切にお願いする次第であります。
 当協会は公益事業である「防錆技術学校」を広く一般に解放し、防錆防食専門技術者の養成を協会設立の趣旨に基づき実施しております。この事業をより一層推し進めることが、さび・腐食を防止し、社会資本の長寿命化と耐久消費財の耐久性向上をもたらし、社会の発展と安定に大きく寄与するものと信じます。
 当協会の目的と使命は不変であります。これを期に50年前の設立時に定められた「防錆に関する技術の改良をはかることによって、錆による損失を防止し、もって産業技術の発展に寄与することを目的とする。」を改めて確認し、防錆防食技術の進展と普及・啓蒙を通じて、産業界の発展に寄与し、豊な社会の構築に向けて邁進しようではありませんか。
 新年に当たり皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

新たな展開の年に
(財)素形材センター会長 緒方 謙二郎

2008年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 昨2007年の素形材業界は、一昨年に政府において発表した素形材産業ビジョンを受け、各素形材産業界自身がそれぞれ作成した業界別ビジョンに基づき具体的な行動を展開した「ビジョン実行」の初年度となりました。
 今、日本経済は、一部に弱さが見られるものの、回復傾向にあり、明るい展望が持てる状況にあります。企業努力もあり、企業の収益性も向上しており、設備投資も基調としては増加しています。先行きについても、金融資本市場の変動や原油価格の動向が内外経済に与える影響に留意する必要があるものの、景気回復が続くと見込まれています。
 しかし、中期的、長期的には、我が国経済は、少子高齢化・人口減少社会の到来、グローバル化と国際競争の激化、エネルギー・環境制約の高まり等、わが国経済を取り巻く環境は大きく変化しつつあり、政府においても、経済成長戦略大綱の充実強化を図られています。
 素形材産業界においては、地道に事業活動を続けて、合理化、技術開発等の努力を積み重ね、景気回復も受け、収益を上げているところもあるものの、長期的には、国内市場構造の変化、アジア諸国のキャッチアップ、技術革新などで大きな環境変化も予想されるため、各業界で作成された業種別素形材ビジョンなどにより、さらなる競争力強化を図ることが期待されます。
 これらの素形材ビジョンには共通する「人材育成」「海外展開」「イベント開催」などのテーマが見られます。これらは、それぞれ重要なテーマであるとともに、素形材センターでも研修・セミナー事業、表彰事業などとして長年係わってきたテーマでもあります。加えて、素形材センターでは、昨年秋から、地域の素形材企業の技術・経営力強化のために素形材OB人材活用推進事業や新たな素形材人材の育成・確保のための産学官連携体制の構築を目指した調査事業など人材育成に重点を置いた事業の展開も始めたところです。素形材センターとしては、これらの事業をはじめとして、本年も従来と同様、素形材産業関連団体と緊密に連携をとり、グローバル・コンペティションの下での素形材産業の発展に尽力したいと考えております。
 今年が、さらなる「ビジョン実行」の年として、素形材産業の各企業が新たな展開を図られることを、新年に当り祈念し、新年のごあいさつとします。

「省エネ化技術」の開発等で
変化するニーズに応える
(社)日本フルードパワー工業会会長 堤  康司

 新年あけましておめでとうございます。
 世界の経済をリードする米国の経済は、年初、順調に見えましたが、サブプライムローン問題の深刻化や100ドル台にも達する勢いの原油価格の高騰等ここにきて強い不透明感が漂い始めているといえます。米国政府も金利の引き下げ等の対策を実施し、現時点では大きな落ち込みには至っておりませんが、十分注意する必要があると思います。
 一方、欧州やアジアとりわけ中国やインド等は依然として高い成長を続けており、今後も堅調に推移するものと見られます。こうしたなかでわが国の状況を見ますと、2月に日銀による金利の引き上げが行われ景気の先行きに懸念が表明されましたが、大企業を中心とした民間設備投資や企業収益の拡大に加え雇用の改善等も進み、景気は堅調に推移したといえます。政府や日銀が発表する景気の動向を示す最新の資料では、雇用面に若干の懸念を示すものもありますが総じて明るいものがあります。このような経済環境下、当業界の状況を見ますと、空気圧業界と一部油圧業界の内需に弱含みの状況が見られましたが、アジアや欧州を中心とする外需が堅調に推移したことから油圧機器および空気圧機器とも当初見通しを上方修正する見直しを行いました。堅調な外需を軸にこの傾向は来年も続くのではないかと期待しているところです。
 しかしながらサブプライムローン問題を発端とする不安定な金融環境に加え高騰を続ける原油価格の動向や原材料価格の値上げ・為替の動向等幾多の課題を抱え、景気の先行きには不透明感・減速感が強まっており、今後とも慎重に対応する必要があると思います。
 ところで昨年の私どもの業界活動を見ますと、委員会や部会活動が活発に行われました。4月にはハノーバーメッセの開催に併せメッセと欧州進出の日系企業の視察を、また、12月にはインドのバンガロールで開催された見本市とインド進出の日系企業の視察を兼ねた視察団を派遣しました。一方、ISO関係では、イタリア、フランス、米国等で開催された会議に多数の委員を派遣し、わが国の意見の浸透を図りました。さらに9月に開催された2007国際環境保護洗浄展では、水圧コーナーを設けパネルおよび実物の展示を行いました。また、本年の主要な業界活動としては、4月下旬に3年振りに第22回IFPEXを開催し、新技術や新製品の展示を行いますが、今回は特に水圧技術コーナーを設け水圧技術の普及促進を図ることにしております。さらにわが国が提案する規格のISO化を図るためISO/TC131総会への参加等についても積極的な事業展開を図ってゆきたいと考えております。関係者の特段のご協力をお願い申し上げる次第です。
 フルードパワー機器は、各種産業機械の駆動や制御を行う重要な機能商品で今後とも大きな成長が期待されております。地球温暖化対策が強く求められる今日、さらなる「省エネ化技術」の開発を推進するとともに、「選択と集中」や「グローバル化への対応」等により競争力の強化を図り、変化するユーザーニーズに対応した新技術や新製品の提供を進めてゆく所存であります。
 各需要業界の皆様方にはさらなるご理解となお一層のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。

タングステンの
長期安定確保を目指す
超硬工具協会理事長 吉村 寛範

新年明けましておめでとうございます。
 昨年の超硬工具需要は鈍化傾向にはありましたが、会員各社の努力と旺盛な海外需要を牽引役として高水準を維持し、5年連続で過去最高を更新するものと見込まれます。内需については一部業種に陰りが見られる一方、工作機械や航空機部材などの加工用工具が比較的好調に推移するなど、業種により温度差の開いたことが特色だったように思います。
 国内製造業の空洞化が言われて久しいなか、バブル崩壊後リストラなどでより筋肉質の体型になった国内製造業で設備投資が復調するなど、需要家の方々が差別化を求め、より付加価値の高い製品へのシフトを進めていることが、ここ数年堅調に推移した超硬工具出荷額などの統計数字にも如実に表れているように思います。機械加工における生産性向上のため、より高性能、高能率な工具を求めるお客様からの要求は当然のことながら、さらに加工部品の複雑形状化、難削材化、超微細化などにより高精度、高精密な加工ニーズが増加し、超硬工具の活躍する裾野は一層広がりをみせております。また、国際的には、昨年5月にスペインで開かれた第四回世界切削工具会議(3年ごとに開催)に日本工具工業会とともに参加し、欧米の工具メーカーとの交流を深めましたが、2013年の第6回は日本開催が決まりました。
 本年は、中国、インドなどBRICsを中心とした急速な経済成長に伴い、原油や各種鉱物など埋蔵資源開発競争が一層激化し、産業のビタミンとも言われるレアメタルがますます注目度を高めるものと予想されます。超硬工具産業は、レアメタルの一つであるタングステンに依存する業界であり、その安定調達が最重要課題になっています。また、昨今は資源ブームとともに、コインの裏表ともいえる環境問題がクローズアップされ、循環型社会の構築は待ったなしの感があります。当業界はこれまでの蓄積を踏まえてスクラップのリサイクルに積極的に取組むことで国家的、社会的要請に応えるとともに、タングステンの長期安定確保を目指してまいります。
 環境面では、生産財業界では稀有といわれる環境調和製品認定制度を昨年立ち上げました。現在9社55件を環境調和製品に認定し、当協会ホームページに掲載しております。創立30周年を機に設けられた技術功績賞とともに、会員各企業の積極的取り組みに大きな期待がもたれます。
 当協会は、本年4月に創立60周年の還暦を迎え、11月には記念祝賀会の開催を予定しております。戦後の混乱の中で誕生した当協会が、内外関係者のご指導、ご支援を得てどのような経緯をたどり、現在の業界体制を築いてくることができたかを詳らかにするとともに、四半世紀前に自主出版した超硬工具用語集の全面改訂版を、記念事業の一環として再度自主編集し、製品の円滑な流通を促進したいと念願しております。
 以上、所感の一端を申し上げましたが、関係各位の本年のますますのご活躍を祈念いたしまして、年頭のご挨拶と致します。

新たなイノベーションの創出を
日本光学測定機工業会会長 横倉 隆

 新年明けましておめでとうございます
 2008年年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 日頃は日本光学測定機工業会の運営に多大なご理解とご支援を賜りまして、厚く御礼申し上げます。
 会員の皆様も今年は業績の更なる向上をと期待をこめて新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 さて、日本経済も景気はいざなぎ景気を抜き、戦後最長の景気といわれ企業の徹底したリストラの成果で利益を生みやすい体質に転換して業績が改善され、設備投資意欲を上向かせて参りました。
 ここに来て原油価格の高騰、円高、米国サブプライムローンに端を発した金融市場の動揺で、米国の景気落ち込み等から、好調に推移してきた国内景気も影響を受けています。しかし、新興国(BRICs)の旺盛な需要があり、何とかこれをカバーしてきたものの、取り巻く環境は厳しさを増す一途であり、好調に推移してきた国内景気にも、先行きに不透明感が強まって来ています。
 2007年度の当工業会出荷統計は上半期(4〜9月)ではまだこれらの影響が少なく、国内出荷が前年同期比103%、輸出全体では前年同期比106%でした。輸出先では米国の景気の鈍化が見られ出荷は前年同期比99%、好調な中国にもかげりがみられ同104%と微増、欧州は同119%となっております。
 我々業界におきましても、原油価格の高騰や、円高の影響はありますが、新たなイノベーションを創出し、この困難を乗り越え、国内製造業の持続的成長に貢献して参りたいと願っています。私どもの機器、システムは幅広くそれを支えておりまして、今後も益々その役割は重要になっていくものと考えています。そして深刻化する地球温暖化問題に対し、省エネの推進に工業会全体で取り組み、社会的使命を果たしていく必要があります。
 当工業会では昨年定款を変更して賛助会員制を設け、現在賛助会員の募集を行っております。工業会の更なる発展のため加入いただき、運営にご協力賜りますようお願いいたします。
 工業会活動の最大イベントである「光ナノテクフェア」も45年の長きにわたり、毎年開催して参りました。精密測定機器工業会と合同で開催してから8年目になります。今月末の締め切りで現在出展社を募集中ですので御出展賜りますよう宜しくお願いいたします。
 展示会の目玉として、産・学・官の技術交流の場として「新技術発表コーナー」を設置し、大学の研究室、公的研究機関の研究成果を広く産業界に公表し、今後の技術開発の参考となることを目的にしております。又、出展会社が自社のPRの場として「実務応用セミナー」を開催し、活性化を図っております。各社もこの展示会に多数出展いただき、「新製品発表の場」としてご活用いただき、市場ニーズの収集、商談にご活用いただければと考えております。
 終わりにあたり、本年も当工業会に対する暖かいご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様にとりまして明るく、希望に満ちた年となりますことを心から祈念いたしまして年頭のご挨拶といたします。

年頭所感
(社)日本工作機器工業会会長 三木 治一

 平成20年の新春を迎え、謹んでお祝い申し上げます。
 会員皆様には、新しい年を新たな決意でお迎えのことと存じます。
 昨年は、緩やかな回復から足踏み状態という景気でありましたが、当工業会を取り巻く環境はまずは順調ということで、会員の皆様には険難することもない年と推察し、お喜び申し上げます。
 では、今年はどんな年でしょうか。大勢として景気の急激な腰折れはないとは思いますが、当工業会としては楽観を許さない年、と私は考えています。
 1バレル100ドル近くまで上昇した原油価格の高騰と原材料高は、設備投資や生産の減速、個人消費の停滞を招きかねず、また、サブプライム問題が今後、米国の景気減速をどの程度拡大させるか不透明ですし、さらに円高の動向もあり、これらが、わが国の景気に及ぼす影響が懸念されるからです。
 でも、だからこそ今年は、わが国のみならず海外の景気動向を注意深く見詰めながら、足腰が強靱な企業体質のさらなる強化と、確かで価値ある「ものづくり」に取り組むことが必要ではないでしょうか。
 その「ものづくり」で強く思うことは、前年にも申し上げたことですが、「人づくり」のことです。昨今は採用氷河期と言われるそうで、質の高い人材を採用することがなかなか難しいのが現実です。ならば、現在の社員をより積極的に粘り強く育成することが重要だと思うのです。
 この問題について当工業会も無関心ではいられませんが、それに取り組むことは実際的には難しいことが少なくありません。が、こうした課題をも含め現状に対応した、会員皆様にお役に立つ情報と場をいかに提供するか。関係各位のご協力をいただきながら、懸命に取り組む所存です。
 会員皆様、関係各位には、本年も一層のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

物の品質、仕事の品質を重視した経営を
日本ねじ商業協同組合連合会会長 片倉 新治

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は日本の政治、経済にとって変化の激しい年でありました。また社会面では「安全、安心」を脅かす食品の賞味期限改ざん、建材の組織的な犯罪まがいのゴマカシなど数多く発生した年でありました。しかも発覚したのは殆ど内部告発で、それも地域の有力な老舗や一部上場企業が多く、テレビ、新聞で報道される度に暗い気持ちにさせられました。
 政治面では前回の参議院選挙で民主党が第一党となり野党で過半数を占めたため、衆議院で3/2以上を占める自民、公明両党と「ねじれ国会」となり法案審議が遅滞しています。今後の政治動向が不透明になり、国民の不安を増大させています。
 経済面では、アメリカのサブプライム問題、原油など資源の高騰などの要因で日本では株安、円高となって今年は景気が減速すると言われております。今回の好況は、不動産を除き輸出で稼いでいる自動車、電機、精密、建械、機械等、大企業中心の増収、増益であり我々中小企業は、あまり恩恵を受けていないと思っております。
 昨年のねじ流通業界の課題を考えてみたいと思います。
 まず数年にわたり鋼材価格が相継いで上がっており、各企業が継続して顧客に適切な価格転嫁をお願いしているが、思うようには実現していない状況にあります。仕入価格の上昇は、我々の収益低下を招き、経営を圧迫しております。特にユーザーを顧客としている企業が苦しんでおり、輸入品を含む仕入工夫によって少しでも仕入価格を下げ、収益低下を防ごうとしております。
 顧客が適切な値上げを認めてくれない要因は、まず我々と顧客との力関係があります。特に主力の顧客は、売上も多くなかなか強気で突っ張っていけないことがあります。それに大手の顧客は、海外調達も実施しており、ぎりぎりまで海外と競争させられることもあります。次の要因は、顧客がグローバルな厳しい競争をしていることだと思います。大手の顧客は、既に海外に生産拠点を持っていて、国内と海外の棲み分けを実現しております。そうした大手顧客では普通の商品では価格転嫁は半分位しかできないので輸入品にはない我々の強みを発揮できるもの、又は品質保証など「安全、安心」を提供できる仕組みを強くし、顧客の信頼を向上させることなどを継続して実行していくことだと思っております。
 次の課題として、年々増加している輸入品の問題があります。正確なデータは調べていませんが大阪の卸商社の実態を聞いていると普通鋼、SCM系、ステンレス系など国内市場で多量に売れる「標準品」は、国産品に取って代わる品目もあります。SUS304の標準ナットのM5〜M12は国産品はないということです。1960年代から70年代にかけて我が国のねじメーカーがアメリカの「標準品」市場に売り込みをかけて、アメリカの国産に取って代わったことが、今度は我が国の「標準品」が周辺国に攻め込まれて輸入品に変わろうとしております。正に歴史は繰り返しているのです。
 輸入先も多様化し品質面で材質や寸法精度に問題があるということです。昨年11月13日、大阪で開催された「日本ねじ商連」の常任理事会で「日本ねじ工業協会」より「粗悪輸入品」の状況把握調査について、共同でできないかとの提案がありました。「日本ねじ商連」としてもねじ商社には、供給責任があり、今年3月の常任理事会で「状況把握調査」の方法を検討することになりました。
 昨今、物の品質、仕事の品質あるいは倫理に関わるトラブルが多発し、社会的にも問題となっております。航空機では、ねじ(締結システム)が原因で大事故になったこと(中華航空)もあります。グローバルな市場経済の進展は、目覚しいものがあります。BRICsの高度成長は、原油などの資源高騰を招き、また地球温暖化等環境悪化にもつながっております。一方、我が国の輸出競争力の強い自動車、建機、工作機械、デジタル家電などの大手企業は、新しい市場として攻め込みここ数年増収、増益を実現しております。グローバル経済の重要な特質として「同一作業、同一賃金」があります。現在は物づくりの拠点だけでなく人件費が安く、適応できれば、コンピューター関連のサービス産業までインドや中国に日本や欧米の企業が進出しております。
 「同一作業、同一賃金」ということをねじ業界の視点から考えますと、ものの品質がレベルの低いもの、単品多量生産で品質管理が容易なものは、これからも海外に流出すると思います。また海外の技術、技能レベルの向上によって、ますます海外進出企業が多くなると思います。したがって建設業のように国内市場で殆どの売上をキープしている企業を除き、顧客の品質管理的な要求は一層厳しいものしか国内に残らなくなると思います。それも多品種、少ロット、短納期のものであります。ユーザーを顧客とするねじ流通商社が国内で生き残っていくためには、物の品質、仕事の品質を重視した経営を実施し、顧客の厳しい要求を満足させなければならないと思います。
 今年は昨年よりもねじ流通商社を取り巻く経営環境は厳しくなるように思いますが、お互いに自助努力の精神で経営に取り組んでいきたいものです。

年賀のご挨拶
愛知鋲螺商協同組合理事長 鈴木 建吾

あけましておめでとうございます。
 日本は低成長ではありますが好景気が続いています。
 私どもの会社で見ますと小売業関連は不調、製造業関連は好調です。世間で言われているとおり海外と関連している部門は好調、国内を対象にしていると不調といえます。
 昨年コンプライアンスに関連した様々な問題がおきました。何をやっても勝てば良いという時代、ほりえもんが時代の寵児になったり、テレビコマーシャルでサラリーローンが大手を振っていたりした時代が終焉をとげました。浮ついたものが排除されて、武士道、品格という言葉が象徴するように地に足が着いた時代になってきたと思います。特に07年は品質の問題から始まり、品質で終わった年でした。品質問題が信用失墜につながったのです。
 私どもは三方善の精神を大切にしています。これは信頼を大切にするということです。そのための基本は良い商品を確実にお届けすることです。
 最近ねじ業界で問題になり始めたのが海外からの粗悪品です。ねじも最近は輸入品が増えてまいりました。その中には粗悪な品物も混じっております。
 こうした粗悪品が輸入される原因は商社間の過度な価格競争にあるといえます。品質が良くて価格が安いのが理想ですが、海外メーカは価格を下げるために品質を落とすことを悪いと考えていないメーカもあります。昔は日本にもそういうメーカがありましたが、今では自然淘汰されほとんどなくなりました。
 現在、海外からのねじが検査もされずに販売されることがあります。ねじ業界のイメージダウン、信頼が落ちることを危惧するものです。
 私は、商社が機能部品を輸入する場合は必ず品質確認をする体制がなければならないと思います。そうすることによりはじめて安心できるのです。
 たかがねじされどねじとはよく言ったものです。時代を経て残っている会社は粗悪品を売った会社ではありません。良いものを確実に販売した会社こそ残ります。

企業人として正しい倫理観を
愛知県機械工具商業協同組合理事長 野田 道典

 昨年を振り返ると、年初から工作機械の活況見通しが示され、海外需要に支えられた要因が大きいとはいえ国内機工業界もまずまず好環境のなかで1年を過ごすことができました。当組合の一大事業であるMECT2007展示会は過去最大規模での開催となり全国から多くの参観者をお迎えすることができました。当組合が四半期ごとに行っている組合景況感調査では昨年よりは若干減速傾向ながらも堅調な動向がうかがわれます。大企業は軒並み好業績を発表されてわが国製造業の本来の力強さを感じさせてくれていますが、当組合員の実態は多忙な中でも利益を生み出せないというジレンマを感じているところが多いのではないかと思います。工具商業界は価格競争も厳しく、顧客の要求事項はますます多くなり、業務の合理化は進まず、営業稼働時間はなかなか短くなりません。経営基盤の強化や実質労働時間の短縮など課題はたくさんあり、緊張感ある企業経営が引き続き求められています。
 昨年はまたとても残念に感じたことがあります。食品の偽装表示に関わる不祥事が次から次へと発覚し大きな社会問題になったことです。これも食品業界だけではないかもしれませんし、一流といわれる有名企業でさえも多くの問題を抱えていることを聞くと日本企業そのものが信用できないかのごとく感じてしまいます。社会保険庁のルーズな仕事振りや防衛省幹部の倫理意識の欠如はあきれるばかりで、日本という国は本当に先進国なのかしらと疑わざるを得ない気持ちです。
 今日、大企業や上場企業では内部統制の取り組みがさかんに行われています。株主に対する財務報告の信頼性を確保することが主な目的のようですが、社会に対する企業としての責任を果たすために社内外に対して不正行為をしない、させないということが最も重要ではないかと思います。これは当然私たち中小企業にも求められることで社会的に責任ある企業活動をしなければなりませんが、中小企業においては専門の内部統制組織を用意する余裕はなく、社内ルールの整備も必要ながらむしろ社員一人一人の人間性に期待せざるを得ないところもありますから、まずは経営者自身が明確な正しい倫理観を持つことがとりわけ重要なことでありましょう。たとえ小さな会社でも企業人としての正しい倫理観を持ち続けていたいとあらためて誓う新年です。
 今年も皆様にとってまた業界にとってよりよい年になりますように祈念します。

経営基盤の強化を
岐阜県機械金属商業協同組合理事長 服部 与一

 希望に満ちた平成20年、明けましておめでとう御座います。皆様におかれましては期待し新年をお迎えの事と心よりお慶び申し上げます。
 旧年中は当組合に対し格別のご支援ご協力を賜り心より厚く御礼申し上げます。主な組合事業として通常総会、製販懇談会での組合員と賛助会員発展の為の意見交換、岐阜県中央会補助事業として、講師しんせい総合税理士法人浅野洋先生をお招きし講演会を開催、新会社法、取締役、会計参与、株主総会など4回に分けて8月、9月、10月、11月と勉強会を致しました。社員家族対象のボウリング大会を開催し、親睦を深めました。
 昨年我が国の経済は緩やかな好調で「平成景気」と言われていますが、原油資源価格高騰による収益圧迫で無視できません。幸いに中部地区の一角である岐阜地区は堅実な経営で乗り切る事を信じています。私達機械工具商業界は中小企業が多く経営基盤を強化する事が大事ではないかと思います。
 本年は中国で北京オリンピックが開催され選手の皆さんは金メダル獲得に日夜努力しておられ楽しみですね。地元の岐阜駅西地区に超高層ビル「岐阜シティタワー43」が完成し高さは163メートル、住居を伴う複合タワーとしては中部圏ナンバーワンの高さを誇ります。岐阜活性化の起爆剤として県内外から多く注目を集め岐阜の新しい賑わいの拠点として期待されます。
 最後に今年も個々の企業のレベルアップと合わせ業界のイメージ向上を図り、組合が取り組める事を皆さんと共に考えていきたいと思っております。本年も引き続き組合関係各位のご指導とご支援をお願い致します。
 皆様とご家族の繁栄とご健康をお祈りし新年のご挨拶とさせて頂きます。

さらなる発展の年に
三重県機械工具商協同組合理事長 松山  廣

 新年明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
 昨年中は私どもの組合運営に多大なご指導とご鞭撻を賜り厚く御礼申し上げます。
 今年は平成になって丁度20年という区切りの年になります。
 思えば昭和の末期から平成の初期にかけて続いた平成景気も、平成3年から始まったバブルの崩壊で一気に不況に突入し、長期に亘って景気の低迷が続きましたが、平成15年頃から回復の兆しが見られ、昨年の日銀短観によれば〔緩やかな景気回復基調〕が続いていると言われております。世界経済の動向に関する各経済研究機関の予測等を見ますと、中国を始めアフリカの新興国や資源国の経済成長がいちじるしく顕著で、今後当分の間、我が国の輸出環境は恵まれた状態が継続するであろうと言われております。
 また国内的には公共投資の減少、あるいは昨年6月の建築基準法改正に伴う住宅投資等の大幅な減少が、内需の経済成長を鈍化させる要因ともなっていましたが、そろそろこの反動が出て増加に転じることが予想され、輸出の増加と相俟って先行きの見通しも明るいことが予測されています。昨年に引き続き明るい見通しが予測される反面、地球温暖化に伴う環境問題、原油の供給不足による関連資源の価格高騰が、様々な形で私どもの業界へも波及することは必至であります。これらのマイナス要因を吸収消化して乗り切る事が必要であります。幸い製造業の業績好調は当分継続するという見通しで、各企業の設備投資の意欲も高いと聞いております。企業間で積極的に合理化を進めるために、盛んに整理統合や提携再編が行われていますが、私たちの業界においても変貌する社会の情勢に、柔軟にかつ多角的に対応して行く事が大切ではないでしょうか。
 年頭に際し我が国の繁栄を願うとともに、本年がさらに発展の年となることを念じてご挨拶と致します。

新春を迎えて
全国管工機材商業連合会会長 橋本 政雄

 平成20年の年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 皆様におかれましては気持ちも新たに新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
 また旧年中は連合会の事業に対し格別の御支援、御厚情を賜り衷心より厚く御礼申し上げます。
 昨年を顧みますと、政治社会面では、食品の偽造、賞味期限・消費期限の改ざん、年金問題、参院選で自民惨敗、安倍総理突然の辞任、防衛省疑惑、及び悲惨な殺人事件等々が、世間を騒がせました。
 一方我が業界に関連する事項は、原油を始めとする素材価格高騰による度重なる製品原価の値上げ及び構造計算書偽装問題の再発防止を図るため、昨年6月20日に建築基準法が改正された結果、監督官庁の許認可が大幅に遅延し、建築着工が激減し停滞状況にあり、また、土木関連需要は談合問題により低迷し、我が管工機材業界の景況にも大きな影響を落とし、益々厳しい経営環境を強いられております。
 このように現在の情勢は混迷を続けており、我が管工機材業界にとりましても先述の如く難題を抱えておりますが、業界団体として厳しい状況を前提に活動していかなければならないと覚悟いたしております。
 さて、我が連合会は昭和38年1月21日創立以来45周年を迎え、来る6月17日には、グランドアーク半蔵門において記念式典・祝賀会を開催する予定となっております。また、名簿の発行はじめ記念事業もすでに準備に入っており、進行いたしておるところであります。
 このように45周年を迎えるにあたり、わが業界の一層の繁栄のため当連合会の四大スローガンである「工・製・販の協調」「適正利潤の確保」「取引改善の徹底」「連合会認識の高揚」を再認識し、重責ではありますが尽力してまいりたいと決意を新たにしております。
 年頭にあたり関係各位のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げますとともに、皆様のご繁栄をご祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

企業の経営基盤をより強固なものに
三重県管工機材商業組合理事長 田中 邦洋

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては気持ちも新たに新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
 旧年中は当組合に対しまして格別のご支援、ご協力を賜り心より厚く御礼申し上げます。
 さて、この業界は国の財政再建のもと公共事業のより一層削減される中、加えて昨年6月に施行された改正建築基準法の審査の遅れによる建築着工戸数の激減という逆風の吹く中での新年を迎えることになりました。
 また、アメリカのサブプライムローンの焦げ付き間題に端を発した株価の下落、円高・原油高に見舞われ、特に原油価格の高騰については今後材料価格にも大きな影響が出るものと思われます。
 原油高騰については、企業のコストアップ、収益の圧迫のみならず我々の生活にも大きく影響するものと考えられます。その結果、設備投資の見直し、個人消費も冷え込み、戸建て住宅・マンション等の建設需要も落ち込むのではないかと懸念しております。
 昨年一年間の倒産件数をみましても、中小企業、特に建設関連の倒産件数が増加しており、建設需要の落ち込みがそれに拍車をかけるのではないかと危惧しております。
 一方、我々中小企業は大手企業との格差、地域間格差の拡大などに加え、若手人材の採用難などの難問も山積しております。
 このように先行き非常に不透明な状況の中での新年のスタートとなりますが、この難局を乗り切るためにも企業の経営基盤をより強化しなければならないと考えます。
 管材は生活と産業を支える大きな役割を持っています。経営基盤を強固にすることによりその役割を果たすことが出来ると確信しています。
 厳しい見通しでのスタートですが、今年の干支は「子」年ということで十二支の中で一番目に数えられる干支です。何か新しいものが生まれてくる年でもあるのかもわかりません。希望を持ってこの一年を乗り切って行きたいと思います。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2008年 年頭所感
愛知県管工機材商業協同組合理事長 伊藤 辰之

 新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は格別のお力添えを賜り、厚く御礼申し上げます。本年も宜しくお願い申し上げます。
 振り返りますと、昨年は内外ともに大きな問題が次々と起りました。日本におきましては、前代未聞と言える総理大臣の突然の辞任、参院選における民主党の予想外の大勝、社会保険庁の年金流用問題と莫大な記録漏れ、防衛省事務次官と軍需商社のゴルフ接待癒着、また民間でも食品メーカーや建材メーカーの不正・偽装・談合等の問題がたて続けに起りました。海外では特に東南アジアやアラブ諸国を中心に同時爆破テロや軍事クーデター等の事件が起り、政権の不安定な面、或いは宗教上の対立や民族的な対立を解決できないままでいます。また地球温暖化に起因する自然環境の変化は、地球の至るところで異常気象をもたらし、台風、洪水や熱波、果ては山火事などの大災害を引き起こしています。
 さて、当業界を取り巻く環境にも変化が見られます。中部地区は依然として製造業は好調で、伸長の鈍化は見られるものの堅実に業績は上がっています。これを背景に工場・ユーザー系に携わる企業は好調を持続しているようです。一方、昨年6月の建築基準法の改正における確認業務の厳格化により、過去に例が無いほどの住宅着工戸数の大幅な減少が引き起こされました。一時的な現象とは言われていますが、回復が遅く今年の夏頃まで影響が続きそうな状況であります。愛知組合においても住宅建設に関わる人は多く、厳しい経営を余儀なくされる組合員も多いと思いますが、幾度となく不況を乗り越えてきた経験を活かし、粘り強く対処していきたいものです。
 本年は、愛知組合に取りまして、創立45周年の節目の年であり、また2年に1度の展示会開催の年であります。
 「第27回管工機材・設備総合展」を名古屋市吹上ホールにおいて10月2日から4日まで3日間開催いたします。テーマを「提案します!新しい水道配管・工場配管・建築設備」とし、小川実行委員長(山信株式会社)の下、若い実行委員の皆さんの手による、斬新で活気のある展示会を創って参ります。この展示会が従来にも増して情報発信の基地となり、出品者様・工事関係者様・ユーザー様に取ってお役に立つものになることを念願しております。また組合員の皆様には展示会における更なるご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
 さて、今年は十二支の一番目ねずみ年です。ねずみは子沢山で知られており、正月に一組のねずみ夫婦が子を12匹産んだとします、親と合わせて14匹になります。2月になると子も子を12匹ずつ産む様になりますので、親子合わせて98匹に増えます。毎月このペースで今年の12月を迎えますと何と276億匹を越える数になり、世界の人口を軽く上回ります。ねずみの子沢山にあやかって、経済の隆盛を期待し、少子化にストップをかけていきたいものです。
 最後になりましたが、皆様方のご健勝とご繁栄を願い、さらに組合に対するご指導とご協力をお願いいたしまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

自分の城は自分で守る
愛知県金物商工協同組合理事長 鬼頭 宏治

 新年明けましておめでとうございます。
 新たなる希望と期待に満ちて新年を迎えられますことを心よりお慶び申し上げます。
 さて、政府の発表によりますと景気は依然「ゆるやかな拡大」傾向にあり「いざなぎ景気」を越える記録を塗り変えているとの事です。しかし昨年から始まった大きな変化が今年の景気にどの様な影響を与えるのか予断を許さないと思います。
 まず第1に直接私共の業界に影響があった6月より改正された建築基準法による新設住宅着工戸数の急減と原材料の高騰と併せ住宅関連業界に大きな影響が出ています。今年の春頃には平常に戻るとの事ですがどうなりますか。
 第2に原油高によるガソリンを始め食品を含め諸物価の値上がりが拡がりをみせております。
 第3に米国に端を発した「サブプライムローン」問題が全世界の金融機関にショックを与えております。
 この問題は、まだ引続き今年の大きな経済のテーマとして注目が必要です。我々の組合にも大なり小なり影響を受けることばかりです。 しかし、自分の城は自分で守るの意気込みと共に組合員の結束で今年も邁進する覚悟でございます。
 どうか本年も更なるご指導とご鞭撻をお願い申し上げますと共に皆様方のご健勝とご活躍を祈念いたしまして新年のご挨拶とさせていただきます。

初夢
岐阜県管工機材商組合理事長 山田 康博

 新年明けましておめでとうご座居ます。今年も昨年同様よろしくお願い致します。
 昨年は、3月頃からアメリカのサブプライムローンの証券暴落で、金融、証券市場が大混乱、日本市場にも大きな影響を与えました。これをきっかけにして米国景気が一段と減速するともいわれ、エネルギー、原材料価格上昇と相まって、これからの国内景気が下振れするのではないかと懸念されている。
 しかし、我々の業界にとって最大のショックは、6月の建築基準法改正による混乱で、これはいってみれば官制不況・役人による人造不況である。この為住宅着工が前年比44%・36%と連続で大きく落ち込み7〜9月期のGDPを年率換算1.1ポイント下げる要因になる位甚大な悪影響があったことを考えれば、官僚の責任は重大である。なのに、たしかに途中対策をしたので、順次着工率は、この様に回復、改善される予定ですとの、ごまかし責任回避の発言ばかり。我々にとって問題なのは、数字なのです。40%〜30%も工事が減ったら商売はマヒする。建設業界は関連企業の広がりが大きく、しかも中小企業が多い為、大企業が好調な時でも悪い企業が多かった。そこに官制不況がおそいかかった。建設業の倒産も10月は、2年振りに300件を超えた。又東海三県だけ見ても11月は建設業界が全体の27%でワーストワンである。
 そんな悪環境なので、当然、自利優先の非道徳な商売、乱売合戦が始まる。こんな時二宮尊徳が言う「売って喜び、買って喜ぶようにすべし」の言葉を想う。
 今年こそ商売の正しい道を皆で歩みたいと初夢を見たけれど…。

年頭所感
静岡県管工機材商組合理事長 伊藤 捷三 

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は小泉内閣と安倍内閣は日本経済の再生に努めた。平成16年度から実質2%以上の成長が続いたから成功と言えるのではないか。
 小泉、安倍内閣は無駄な公共事業を果敢にカットした。その結果、地方では、専ら公共事業に依存していた低生産性の建設・土木企業が続々と倒産し、また高級な技術を使わない工場は次々と中国等の低賃金国に移転してしまった。これに対して生産性が高くハイテク・ソフト・金融・サービス業等は首都圏周辺に集中し、また世界一の生産性を誇る自動車関連産業は太平洋ベルト地帯で発展している。
 労働力は絶え間なく、生産性の高い産業が立地する地域に移動し続けた。地方の山村や中小都市の若者は故郷を去り、出稼ぎの人は家族を呼び寄せた。
 その結果、首都圏や自動車産業の都市では人口が増え、多様な流通サービスが発達して、ますます華やかになった。
 しかし地方では人口が激減し、見る影もなく衰退した。
 小沢民主党は参議院選挙でこの地域格差に焦点を絞り、地方分権や農家保護政策をスローガンにして、地方の票を掘り起こし、また・年金・政治と金の問題・官僚の汚職等を追求して、都市の票を獲得し、大勝利を収めたが、国会はねじれ、立法機能を失った。
 政治が安定しなければ日本経済の発展はありえない。政府は官僚に依存する統治システムこそ、日本経済を非効率化した最大の原因であることをしっているのではないか。もっともっと中小企業対策に手を打たないと、中国・インド・ベトナム等に仕事の大半は流れてしまう。年金問題同様、真剣にもっと国民の方を見て仕事して欲しいと強く言いたい。
 今年こそは素晴らしい一年になることを願っております。

CO2削減に大きな役割を果たす木材産業
(社)全国木工機械工業会会長 宮川 嘉朗

 新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は、本会の運営にあたり格別のご指導、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨年は、耐震偽装問題を契機とした建築基準法の改正が6月から施行された結果、建築確認申請の審査遅延のため、大幅な住宅建設着工の減少が見られました。耐震偽装のような問題はありうべきでない問題であり、大変残念なことであります。国土交通省も改正建築基準法の円滑な施工に向け各種対策を実施していることから、この混乱も次第に収拾されておりますが、わが木材加工機械業界にも多大な影響があり、この影響は本年にも残るのではないかと懸念しております。なお、本年には建築基準法の四号特例の見直しが行われる予定で、建築確認が円滑に実施されるべき方策が考慮されるものと期待しております。
 地球環境問題は喫緊の問題であります。昨年12月には京都議定書採択から十年が経過し、インドネシアでCOP13が開かれました。京都議定書の約束期間は本年から始まります。我が国として、CO2削減のためにより一層の努力が求められておりますが、CO2削減のために最も大きな役割を果たすのは木材産業であります。
 昨年、国産材製材協会、日本木材乾燥施設協会の方々と、同じ木材産業に携わるもの同士として初めて会議を持ちました。この会議は、率直な意見交換を行うことにより相互間の理解を深めることが出来た有意義なものであったと考えております。我々としては、今後も木材産業に携わる方々と広く意見交換の場をもてれば幸いと考えております。
 なお、我々、木材加工機械メーカーとしては、我々の事業活動が日本の森林資源の活用及び環境保全ひいては地球温暖化防止に繋がるものと確信しておりますので、今後ともご支援をいただければと考えております。
 また、昨年中部木工機械工業会と共催で「第38回名古屋国際木工機械展/ウッドテック2007」を開催いたしました際には、皆様のご協力をえまして、1000小間を超える出展を頂くとともに、前回を上回る方々のご来場いただきましたことに対し厚く御礼を申し上げます。
 最後になりましたが、本年の皆様方のご発展とご健勝を祈念しまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

長年蓄積した技術、ノウハウなどで需要拡大を
中日本木工機械商工協同組合理事長 木村 秀夫

 平成20年の新春を迎え、謹んでお祝い申し上げます。
 業界の皆様には、この輝かしい2008年の新年をお健やかに決意新たにして迎えたことと存じます。
 昨年(2007年)の国内景気は、緩やかな回復傾向から足踏み状態と言う状況でありましたが、昨秋に開催されました「第38回名古屋国際木工機械展」は、前回(2005年)時に増しての盛況ぶりをみせ、木工機械業界を取り巻く環境はほのかな明るさ、温かさが感じられる一面もあったのではないかと思われます。
 2008年の今年は、原油高の影響が引続き、統計開始以来、最も高くなりつつあるガソリン価格によって営業活動費、輸送コストの上昇、資材料高などが転嫁されるため、利益確保の圧迫を生じて、これらの諸経費の上昇から製品原価が抑えることが難しくなり、価格改定の値上げラッシュの気配が感じられています。また、個人消費も大きく停滞する様相にあり、更に景気の先行き不透明が懸念されているようです。
 このような時こそ、新たな市場を創造し、業界各社が長年にわたって培ってきました技術力、ノウハウ、販売網などの特長をフルに発揮して顧客ニーズに応えるべく需要の拡大を目指しながら活発に展開することが肝要かと思います。
 さて、今年の干支は「戊子(つちのえね)」に当たります。「戊」とは“茂る”という意味であり、草木が大地に繁盛する様子を表しているそうです。また、「子」は“ふえる”を意味し、種子の中に新しい生命が芽生える様子を表しています。子の年がまさに活力ある生き生きとした、皆様にとってすばらしい一年となりますよう祈念致します。
 当組合と致しましては、木工機械業界にあって、次世代を担う若手経営者の育成に力を入れ、魅力ある、夢の持てる業界組織にする使命感での取り組みと、組合員の増強によって、低迷する業界の活性化をいち早く取り戻せるグローバル化の時代に合せた各種の事業活動を傾注していく所存であります。
 最後になりましたが、本年も当組合の活動にご理解を賜り、倍旧のご指導、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げますとともに業界関係各位ならびに組合員各位のますますのご繁栄とご健勝を祈念して年頭のご挨拶と致します。

年頭所感
(財)機械振興協会会長 豊田 章一郎

 あけましておめでとうございます。皆様にはすこやかに新年を迎えられたことと、まずもってお慶び申し上げたいと存じます。
 日本経済は、2002年度以来、ゆるやかなプラス成長を続けております。特に、輸出の増加や高水準の設備投資など、好調な企業部門が景気回復の牽引役となっております。
 しかし、当面の景気を見通す上で、いくつかの懸念材料も見受けられます。まず、好調な企業部門に比べ、家計部門はいまだ盛り上がりを欠いております。また、サブプライムローンに端を発した米国経済の減速の影響については、今後とも、注意深く見守る必要があると思います。さらには、資源・エネルギー価格の上昇といった点も景気へのリスクとしてあげられます。
 一方、わが国の将来を考えますと、日本は資源に乏しい国であり、また、今後急速な人口の減少に直面していきます。このような中で、わが国がグローバル経済の中で生き残る道は、「科学技術創造立国」を目指すこと以外ありません。
 現在、環境、エネルギー、複合素材、医学、ナノテクノロジー、宇宙、海洋など、大変幅広い分野で、世界各国が、技術革新に鎬を削っております。それは、基本的に無尽蔵の資源である知識を源泉とした新しい技術革新の波であります。
 日本もこの流れに乗り遅れることは、許されません。科学技術では、日本は既に世界のフロントランナーであるという自覚と気概をもって、産官学の連携を強化し、新たな発見や原理を解明して、新しい技術を生み出し、いち早く製品化して世界に発信し、貢献していくことに、心がけるべきであると思います。
 技術の進歩のスピードが極めて速い今日、お客様のニーズに応える新技術・新商品を開発していくためには、生産現場においても高度な能力が求められます。新たな技術を製品の形にし、問題点や改良点などの情報を、開発部門に素早く流したり、あるいは、一刻も早く正確に供給につなげていく必要性が高まっております。
 まさに現場力とも言うべき、高付加価値の生産現場を、国内にしっかり確保しておくことが、ますます重要になってきていると思います。
 ところが今後、日本の生産現場では、団塊世代が定年を迎えて現場を去っていき、一方、現場で働く若者が減っていくため、長年つちかわれ、受け継がれてきた能力が失われていく恐れがあります。
 若者達の製造業離れ、理科離れの傾向が続く中で、誰もが、現場で額に汗して働くより、楽な仕事でお金だけ儲けようと考えるようになれば、日本のモノづくりは、危機に陥ることになります。
 2年ほど前に、私はタイの生産現場で働く人々と話していて、「もはや日本人から学ぶものは何もない」と言う言葉に衝撃をうけました。彼らは、もともと日本人から指導を受けてきたものですが、今日の日本人以上に努力し、技能を自分のものにしております。やがてアジアの現場のほうが、日本より優秀になるかもしれないとの危惧を持ちました。
 現地現物のモノづくりの経験を通じて人は学び、さらに一段高い技術や技能にチャレンジすることで、より価値の高いモノを作っていく。そして、自分も人間として成長していく。こうした日本のモノづくりの強みを、今後どのように保持し、発展させていくか、ということは、私たち機械産業が中心となって考えていかなければなりません。
 こういう点では、長い低迷期間の後、先日の技能五輪において、日本選手が前回の2005年大会に続いて金メダル数でトップとなったことは、今後の日本のモノづくりの現場における明るい兆しと言ってよいのではないでしょうか。
 最後に、本年が皆様にとって実りの多い一年となることを祈念し、新年のご挨拶に代えさせていただきます 。

ジャパンブランド金型を競争力の基本に
(社)日本金型工業会会長 上田 勝弘

 謹んで平成20年度の新春を御祝い申し上げます。
 会員の皆様も心新たに新春をお迎えされた事と思います。
 早いもので平成の年号も20回を数えることになりましたがその間、我々金型関連業界も幾多の試練と辛苦を味わいながらも、世界の製造業の発展に寄与して参りました。しかしながら業界の景況も昨年度初めから平均的に総受注量の減少が続いており、材料費の高騰もあり厳しい経営環境の中で、2008年を迎えたことになります。一般情報を集約すれば、自動車関連の金型は2009年後半から2010年に向けて大量の発注が予想されるとのことですが、経営環境の条件は流動的であり、2008年より大量の受注が見込まれる企業もあります。世界的に見て金型生産は拡大しており、各国それぞれの条件があるものの、繊細でかゆい所に手が届く感覚で作られる、ユーザーにとって利益を生み出すジャパンブランド金型を競争力の基本におかなければならないと思います。
 申すにおよばず、国際的に技術、価格、納期の競争は果てしなく続くものであり、ここへ来てまさしく日本の金型産業はターニングポイントに来ていると思います。金型という商品はアイディア商品であり、柔軟な発想や思考力を持つ若い技術者の育成も急務でありますが、幸いにして岐阜大学や群馬大学に引き続き芝浦工大にも金型専門コースが設立され、5年10年のスパンで見れば金型のエキスパートを育成する条件も整いつつあります。
 本年も我々をとりまく経営環境を見極めながら、果敢なチャレンジ精神で頑張りたいと思っております。“窮鼠猫をかむ”こともお忘れなく。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

世界で愛されるフォーミング、ファブリケーティング機械を目指して
(社)日本鍛圧機械工業会会長 鈴木 康夫

 新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。昨年は工業会の運営に格別のご協力とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。今年も工業会活動を通して業界の発展に取り組みますと共に会員企業の繁栄に尽くす所存でございますので引き続きご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 昨年の我が国の経済は企業の設備投資を中心に堅調な経済を続けており、自動車産業の投資が若干手控えられましたが、一般機械産業分野まで幅広く堅調となり、特に輸出競争力のある産業を中心として収益の向上を背景に、産業界全体に継続した投資が国内外で活発化いたしました。また米国経済は景気減速感はあるものの日系自動車企業の投資継続があり、欧州主要国も景気好調とユーロ高円安から欧州市場開拓も順調に進み、更にインドや東南アジア各国の景気拡大や中国経済の更なる発展により関連投資が持続されました。
 その結果当工業会の鍛圧板金機械受注統計の受注額は堅調な幅広い設備投資に支えられ若干のアップになろうかと考えており、2007暦年では1991年以来16年振りの3000億円台に達すると予測しております。これは、塑性加工技術に革新をもたらした「サーボプレス」が高い生産性、高精度、省エネ、難加工材対応等広く認められ、「板金機械」も国内の幅広い回復に支えられ伸張するとともに欧米へも順調に拡大し、特にレーザ加工機・プラズマ加工機・サーボタレパンなどが好調を持続拡大いたしております。
 2008年は米国サブプライム問題や円高傾向等の不安定要因や国内消費の停滞などもありますが、全体としては若干の景気拡大が予測されている中で、特に自動車産業や建設機械産業の息の長い海外設備投資が期待され、また設備更新による加工競争力や原価競争力の維持回復投資が期待されますことから、2008年受注額は「なだらかな高原を往くが如く」の状況を維持できるのではないかと考えております。
 2006年十月に策定致しました『鍛圧機械の産業ビジョン』の『人と環境にやさしいエコプロダクツ』を実現すべく、その定義や認証方法などについて鋭意検討をすすめているところでございます。そして『世界のオンリーワン商品』を生み出すべく、活動を深めております。2008年には洞爺湖サミットも開催され、ポスト京都議定書としての環境対応が議論されます。環境対応についての日本鍛圧機械工業会の役割はCO2削減等の先進技術で、発展途上国に対する貢献するということが打ち出されると思われます。そうした意味でも大きな省エネ効果のあるサーボプレスやサーボパンチングマシン、他の先進技術を拡大することで鍛圧機械工業会もCO2削減に貢献できるものと考えています。
 また当工業会は2008年12月に工業会創立60周年を迎えます。60周年記念事業として、お客様や社会の皆様にそして世界のあらゆるステークホルダーの方々に愛されるプレス機械・板金機械・各種フォーミングマシン・自動化装置などを国内外に向けて紹介させていただき、更なる会員各社の発展となるような取り組みを推進してまいりたいと存じております。技術力を存分にアピールできる独自見本市の開催にむけた取り組みを強化し実現していきたいと存じます。
 最後になりましたが、会員各位におかれましてはよい年でありますよう祈念申し上げますと共にますますのご繁栄とご健勝をお祈り申し上げます。 

「強くて良い会社」に
(株)キッツ代表取締役社長 小林 公雄

 謹んで新年のお慶びを申しあげます。旧年中は、格別のご高配を賜り誠にありがとうございました。
 さて、新年の経済環境は、サブプライムローンの問題から派生した信用収縮不安、円高による輸出への影響、建築確認申請許可の遅れによる影響により、景気に減速懸念が出ております。一方、石油価格、非鉄金属の高騰に支えられた企業の設備投資は活況であり、中国、ロシア、インドなど国々の高い経済成長を踏まえると、景気が一挙に後退するとは考えづらく、国内の経済は、底堅く推移するのではないかと考えております。
 このような事業環境下、私は、当社が「強くて良い会社」となり、持続的な企業価値の向上を目指し、ゆたかな社会づくりに貢献できるよう努力してまいりたいと思います。また、今年は、60年に一度の戊子(つちのえのね)年です。今年が、豊かな土壌に新しい芽が出て、将来に向かって大きい樹に育ってゆく期待に胸膨らむ年でありたいと思います。
 最後になりましたが、皆様の益々のご発展とご健勝を心より祈念申しあげます。

原油100ドル時代を迎えて、とことんエコ
オーエスジー(株)取締役社長 石川 則男

 昨年11月29日に、石油鉱業連盟(椙岡雅俊会長)が、世界で生産できる石油があと68年で枯渇するとの見通しを発表しましたが、68年という期間が大変現実味を帯びた年数であることを認識した次第です。前回二年前の調査では枯渇まで79年あるとのことだったそうですが、アジアの経済発展などを背景に石油生産と消費が拡大し枯渇年数は11年早まったとの説明です。となれば、今後も2〜3年毎に枯渇見通しを試算すれば、68年はあっという間に30年くらいになっているのかもしれません。もし30年となれば、世界中で化石燃料の消費を抑えるような合意がなされて、省エネ技術に対する取り組みが死に物狂いの様相で始まるのかもしれません。これはCO2削減といった環境問題ともつながる人類に課された大きな課題であることは間違いないのですから日本の産業界は今以上の本格的な取り組みを加速していくことになるでしょう。
 ここからは自社のことで大変恐縮ですが、長年のゼロエミッション活動が評価され昨年は日本工具工業会第一回環境大賞を頂戴いたしました。自社の環境活動は今まで以上に推進する所存ですが、今後、世界の金属加工がエネルギー消費を抑える加工方法に変化し、また副資材を含む原材料の消費を最小化することが求められる中、一切削工具メーカーとしては大変微力であることは承知しつつも、2008年はOSGとして新キャッチフレーズ「とことんエコ」をまい進いたします。「とことんエコ」とはお客様に切削工具とその加工方法のコンビネーションによって、お客様の省エネ活動、環境改善型加工方法のお手伝いをしたいというものです。昨年発表いたしました低スラスト実現ドリルFTO−3D/5Dシリーズとか、ハイスのドリルで、しかも外部給油なのに30Dのノンステップ穴加工を実現するスラスタードリルといった新製品がこれにあたります。エンドミルを使用する金型加工では工具径の30倍まで超深彫り加工できる放電加工に代わる新工法もご提案させていただいております。これも大きな省エネ加工の提案であると考えております。このような「とことんエコ」活動によって産業界に少しでも貢献できることは何にも勝る喜びと考え、2008年度もこのような新製品を一点でも多く発表したいと思っております。
 最後に2008年度が皆様にとって素晴らしい年でありますように、そして本年もよろしくお願い申し上げます。

新年の抱負
住友電工ハードメタル(株)代表取締役社長 倉阪 克秀

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年の超硬工具業界は、国内自動車販売台数に一服感があり、ここ数年高水準で推移してきた内需の伸びが小幅に止まったものの、欧州、アジア等外需の好調に支えられて順風な一年となりました。
 さて、昨年の当社の活動を振り返りますと、自動車、発電機、航空機用部品向けなどの専用工具充実によるツーリング対応の強化に加え、それらを支える新材種の開発に努めて参りました。
 超硬材種では、難削材旋削加工用「エースコートAC510U/520U」や、鋳鉄旋削加工用「エースコートAC410K」を発売しました。更に、CBN新材種としては焼入鋼高精度加工用「コーティドスミボロンBNC160」を発売、PCD新材種としてはアルミ合金の難削化に対応する「スミダイヤDA1000」を発売し各シリーズを強化しました。また、6月には米国マスターツール社を買収し、自動車専用ツーリングをグローバルに供給する体制を整えました。
 本年についても旺盛な工具需要に応えるべく、次の四つを基本方針として掲げ、推進していく考えです。
 @製品競争力向上のため、開発試作体制を充実させると共に、最適な加工法をご提案するツールエンジニアリング活動を強化する。
 A重点分野への対応力を強化する。自動車関連へはマスターツール社の専用ツーリングを活用してツーリングメーカーへの成長を目指し、鉄鋼・産業機械・航空機などの活況分野へは新製品、新技術の投入により加工の高能率化、高精度化を提案する。
 B切削工具素材の生産基盤を拡充する。本年は超硬合金完成粉末の生産能力を一・三倍に増強し、刃先交換チップの生産能力を1.2倍に引き上げる。また超高圧プレスによるCBN及びダイヤモンド素材の生産能力を1.5倍に増強し、世界的な工具需要の拡大に対応する。
 Cビジネスフローの革新を目指し、物流改善による「72Hデリバリー」体制を構築する。
 金融面での世界的動揺や、原油・原材料価格の高騰など、世界経済に対する先行き不安感が絶えない昨今ではございますが、資源小国日本を支えてきた「ものづくり」の社会的使命を改めて感じております。将来にわたる機械加工の発展を常に念頭に置き、皆様と共に歩んで行くことを誓いまして、新年の抱負に代えたいと存じます。

「進取と創造」の開拓者集団へ
ユアサ商事(株)代表取締役社長 佐藤 悦郎

 平成20年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 昨年6月の社長就任以来、販売先様仕入先様をはじめ様々なステークホルダーの皆様と貴重な対談の場を持たせていただきました。
 こうした貴重な場で、当社の企業理念である「誠実と信用」「進取と創造」「人間尊重」について、再度考える機会となりました。新年を迎えるにあたりそのなかの「進取と創造」について思うところを一言述べさせていただきます。
 「進取と創造」とは「高い目標を掲げ、高潔な遵法精神をもって常に新分野開拓へ挑戦する気概」であります。戦後私たちの先輩諸氏は、日本の「モノづくり」「国土づくり」の発展のため「進取と創造」の開拓者精神を持って販売先様仕入先様の市場開拓のお手伝いをさせていただきました。
 時は変遷し社会環境、経済環境が激変するなか、私たちに求められる役割も大きく変化しております。そのために「変えていくべきもの」は、お取引様満足度向上のための事業基盤の強化でございます。このためグループ全社をあげてお取引先様満足度向上のための改革を行ってまいります。そして「変えてはならないもの」として、私たちはいつの時代にあっても「『進取と創造』の開拓者集団」であること、このことは不変であるべきことの認識をもう一度肝に命じ、遵法精神とともに販売先様仕入先様の新需要開拓に邁進してまいります。
 最後になりましたが、皆様にとって希望と幸福に満ちた素晴らしい1年となりますよう心からお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

お客様との信頼関係が財産
(株)キトー代表取締役社長 鬼頭 芳雄

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様方には健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年は米国のサブプライム問題に端を発し景気減退の懸念が高まったものの、我が国の経済は製造業等の底堅い設備投資に支えられ堅調に推移してきました。
 当社グループとしましては、より一層経営基盤を強固にするため、国内市場では販売体制の強化とシェア拡大に注力し海外市場では基盤整備と新規需要開拓を推進してまいり、国内・海外共に前年比2桁を超える業績をあげることが出来ました。そして、この上昇気運の中で創立75周年を迎え、また、東証一部への上場を成し遂げることが出来ました。このことは、3四半世紀に亘り素晴しいお客様に恵まれ多くのご支援をいただいて来た賜物と痛感し、皆様に感謝いたすとともに、今後も倍旧のご支援をお願い申し上げます。
 昨年はキトー電気チェーンブロックER2を新発売しました。業界初の製品保証3年・昇降ブレーキ保証10年や世界初である二速型でのインバータ標準搭載等キトー製品の性能・品質を市場で高く評価いただき、販売も順調に推移しております。
 さて、昨今は企業不祥事が―特に老舗といわれる歴史と信用のある企業で―相次ぎ、企業の社会責任やコーポレートガバナンスの重要性がますます声高に叫ばれています。当社は多くのお客様から常に信頼をいただけるよう誠実かつ堅実な経営努力を心がけ、お客様との信頼関係を重要な財産とし、経営の根幹としてきました。この信頼関係をさらに確固たるものとし、価値あるものとして事業に活かしてゆくために「お客様の期待を上回る価値の提供」と「お客様に満足と感動を」を経営理念とし、そして世界中の市場から「キトー=信頼のブランド」と評価される“真のグローバルNo.1ホイストメーカー”を目指し、当社グループ一丸となり、株式上場企業として社会に貢献すべく一層の努力を重ねてまいります。
 最後になりますが、皆様の一層のご発展とご健勝を祈念いたしまして私の年頭の挨拶とさせていただきます。

「心機一変」(シンキイッペン)
トラスコ中山(株)代表取締役社長 中山 哲也

 今年は心機一転を進化させ「心機一変」の年としたい。「一変」であるが、一転の最上級と位置づけてみた。まだまだ20世紀人間が支配するこの世の中。余り代わり映えがしない様に見えるが、実は変わり始めている。二十世紀の終わりに原油が百ドルになるなんて、誰が予想しただろうか。「その内に落ち着く」とか「産業界に悪い影響を与える」と言うのは20世紀型発想の様な気がする。「原油が高いと大切に使う様になり、省エネで地球環境にもプラス」「省エネ性能に優れたメイド・イン・ジャパンは世界中で引っ張りだこ」「省エネはモノづくりの現場をも一変させ、機械工具流通商社の役割りも様変わりし、ビジネスフィールドも拡大!!」と21世紀的に考えてみたい。私見ではあるが、資源高は「もう資源は残り少ないから大切に使いなさい」という神様のメッセージだと思う。
 社内的にも変化が現れてきている。この上半期で自動受注システムの稼働率が約40%となった。その中身にも劇的変化が起こり、FAX利用のドットクルが主役の座をWEB・TRUSCOに奪取された。WEB世代が当業界にも急速に浸透しているかと思うと、受発注の近代化のためのアレコレと準備作業も急がなくてはならない。
 世の中の変わりかたは激変と言っても実はゆっくりなのである。その証拠に「昨年と今年の違いを述べろ」と言われても答に困る。しかし、発想は一転どころではなく、一変させておかないと、そのゆっくりにさえ付いていけないのである。
 歴史に学ぶことは多い。しかし、革新の連続が歴史へとつながるのである。三歩先の常識を感じとるチカラこそ継続のチカラである。過去の経験に基づいた発想から、常識の対極にある発想が生きる時代かもしれない。「心機一変」で新たなる可能性にチャレンジする一年としたい。(社内向けの年頭所感より)
 業界を取り巻く環境は急ピッチで進化するものと予想されます。目先の売上と利益を確保できる今こそ、業界の未来について考え、語り合い、投資する時期ではないでしょうか。過去の発想の延長で乗り越えるには、少々険しい山だと思います。個々の企業の知恵がヒントとなり、競争が業界を発展させます。創造力を競い合い、より存在価値の高い機械工具流通業界となることを願い、新春のご挨拶とさせていただきます。

年頭所感
カツヤマキカイ(株)代表取締役会長 木村 雄一

 新年明けましておめでとうございます。皆様にとりましては健やかな良い年で有ります様お祈り申し上げます。
 昨年当社は、社長交代をさせていただきました。「団塊の世代の2007年問題」も個々の分野では取沙汰されていますが、次世代の方への潮流が確固として出てきております事を考えますと、改めて良いタイミングで社長交代が出来たと考えております。
 我々、カツヤマグループは創業者精神を受け継ぎ、三代目社長の下で更に大きく成長して行く事が社員、株主、社会に貢献するものと確信しております。
 情報技術やグローバル化が進む市場において、常に「新しい価値の創造」が強く求められる中、新社長のリードの下に、グループミッション「SHIPS=考動する艦隊」を掲げ、「Move&Challenge」をスローガンに全社員が自ら考え動くことで、目標達成に取り組んでおります。
 しかし、我々を取り巻く状況は閉塞感に満ちています。平成バブルを凌ぐ好況もピークを過ぎ横這い状態に転じている中、我々の機械工具業界も曲がり角に来ているものと考えます。
 一昨年来の各メーカーさんの値上げも、原油価格の高騰が全ての価格体系を根底から見直させる状況を呈しつつあります。それに米国から拡がったサブプライムローン問題は世界経済を混迷させつつ、2008年に暗い影を投げかけております。
 こう述べていると2008年の見通しは暗く、先行きが不透明なのか?とマイナス思考に考えがちですが、これらの問題を早めに解決し軌道修正する戦略を打ち出すことで、企業として成長できるはずです。
 城の石垣の修復を信長から命じられた藤吉郎(秀吉)は、城(会社)を守る事は、家庭を守ることと訴えて、短期間に修復を済ませた話があります。
 その秘訣は、次の3点にある様に考えます。
○目的=自分達の家族を守る。
○対応=全員に徹底させる。
○手法=工区を10人のグループに分け、競争させる。
 要は、グループ全員が一致結束して目標に向かって「部分最適」から「全体最適」に持って行く、コンサートマスターの役割を藤吉郎はしたのだと考えます。
 資源の乏しい日本の戦後復興の鍵は、最初は「勤勉さ」であったが、それに「技術開発」を付加する事で、世界に冠たる工業国になったのですが、もの作りが中国、ASEAN、BRICsに移って行きつつある中、過去数度のオイルショックから「省エネルギー化」で技術開発を進めて来た自信を取り戻すことが、企業経営者に求められることでは無いでしょうか。
 2008年度より京都議定書(地球温暖化対策)の規制が実効されるのを契機に、「あらゆるところで、省資源・省エネルギー化」の推進を図り、オンリーワンの商品・技術を開発する事で日本の産業の優位性は保たれるものと考えます。
 少子高齢化も叫ばれて久しいですが、成熟化社会に適した、売上ボリューム、生産量の多寡を追わず、ムダ・ムリ・ムラを省き正真正銘の「付加価値の高い」製造・販売に特化して行く事が、企業の礎を磐石にするものと確信しております。

年頭所感
(株)ジーネット取締役社長 古里 龍平

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年を振り返ってみますと、相変わらず企業の不祥事が多かったように感じました。しかも昨年の不祥事には“偽装”という単語が目につきました。食品業界における賞味期限の偽装は次から次へと明るみに出、伝統ある老舗や大手外食チェーンまでもがマスコミを賑わしました。
 乳製品食中毒事件で大打撃を受け、その後の子会社による牛肉偽装も重なり、業界No.1一のグループが解体に追い込まれた事件は記憶に新しいですが、果たしてその教訓は活かされているのでしょうか?偽装は故意に行なわれるものであり、そういった意味ではモラルよりも金儲け、他人よりも自分の利益が優先されるといった風潮が感じられます。
 競争力をつけるために、極限までムダを削って利益の創出を追求してきた結果、必要な余裕が失われつつあるように思います。そして、そのような余裕の極限的な欠如が、本来行なわれるべき正しい判断力を鈍らせることにつながっているのではないでしょうか?
 成果が唯一の尺度となり、企業の所有者及び経営者はそれを強く要求し、中間層は必達が強迫観念となって組織に強く働きかけ、現場では間違っていると思いながらも他に手段が見当たらず不正が行なわれていたといった構図が浮かび上がります。
 そこに不足していたのは、コミュニケーションではないでしょうか?経営者や管理者は、自分たちの要求の結果、不正が行なわれると思ってなかったかも知れませんが、現場はそれが絶対命令だと思っていたのかも知れないのです。
 世の中デジタル化によって随分便利になりました。メールやデジタルの伝言メモなど話さなくても用件を簡単に伝えることができます。しかしながら、感情や微妙なニュアンス、深層の意思などは、実際の会話の方が圧倒的に伝わりやすいと思います。今の企業社会でデジタルは必要不可欠なものですが、唯一無二のものではありません。時には『飲みにケーション』などのアナログのコミュニケーションも必要だと感じるこの頃です。
 企業として成果を求められるのは当然ですが、それは近視眼的なものでなく中長期スパンで計画されたものに沿って、正しいやり方で着々と進めていくべきものであり、意思の疎通や社員の教育にアナログ的要素を取り入れ血の通ったグループ運営を進めてまいります。そうは申しましても、飲みにケーションで酔っ払いすぎて警察のご厄介になるような“不祥事”は起こさぬよう心してまいりますので、本年も尚一層のお引き立てをお願い申し上げます。

自分の為が人の為
ミズタニ機販(株)代表取締役社長 水谷 隆彦

 年末に選ばれた2007年の世相を表す漢字一文字は、大方の予想通り「偽」でした。
 偽装発覚が喧しい近年、正に「信じるものは何も無い、信じられるのは自分だけ」という生き方をしなければやっていけない、何だか空しい世相になって来ました。
 嘗て皆が明るい将来を夢見て努力してきた結果が、いつの間にか偽装にまみれていたということが、良く分かった一年でした。そんな中でも自分の良心だけは信じて生きたいものです。
 ところで「偽」という漢字は「人に為」と書きますね。これは、「人の為」にする行為は偽りなのか、それとも「人が為す」即ち人間の行為自体が偽りなのか、という意味の疑問を孕んでいますが(いませんか?)、これが一体どういうことなのか、結論は出ていないようです。
 私見ですが、これはその通りに捉えたら良いのだと思います。人が人(他人)の為に、(と思って)している行為は「偽り」で実は皆、他人の為、周りの為と言いながら、結局は自分の為にしているのではないでしょうか。
 「情けは他人の為ならず」と先人から教えられるように、ある意味、人が他人の為にと思っている行為は、自己満足であったり、お節介であったりするものです。
 それでも人はこの世に生まれて、他人の為に生きるよう、学びの機会を持たされているのではないでしょうか。
 まずそのことを全ての人は自意識の中に受け容れるべきではないかと思うのです。
 逆に人があからさまに自分の為にする事を「わがまま」と言います。こればかりでは人の世は成り立ちません。
 自分(私)のように「わがまま」な人間が、これ以上増えでもしたら、正に世も末ですからね。
 で、どうしたら良いかと言うと「人の為イコール自分の為」となるようなことを見つけて、それをやり続けることが良いのではないでしょうか。「自分の為(にやっている事、楽しくやれる事)が人の為」になれば、こんなに素晴らしいことはありません。
 えっ、そんなこと疾うの昔に分かってるって?大変失礼致しました。私は今、やっとこんなことに気付いた自分を恥じながら、新しい一年に向かおうと思っています。
 2008年の世相を表す漢字は、もちろん皆目予想はつきませんが「新」でも「進」でも「伸」でも良いから、読み方だけは1995年にこれが始まった年の「震」と同じく「シン」であって欲しいものです。「信じるものは何も無い」と言いながら、「心」から「真」に「信」じて疑わない新年の幕開けをお慶び申し上げます。

諸行無常
〜因縁和合によって生まれたこの世の一切の物事は常に生滅変化する〜
児玉興業(株)会長 松田 謙三

 輝かしい新年をお迎えの「正直を一生の宝」として頑張ってこられました方々に心よりお喜び申し上げます。
 昨年は「偽装」「欺瞞」によって栄え成功した者が多岐に亘って告発され厳しい制裁がくだされました。
 平成20年は正直を最高の政策としてコツコツと努力奮励して来た者が馬鹿をみない最良の年となる事を願って居ります。
 日本人の宿命、得意とするスタイルはがんばって頑張って働き過ぎる事です。
 私も過去軍職にありましたが、日本はがんばって頑張って戦争をし、結果は負けました。
 戦後又がんばって頑張って奇跡的に日本は復興を遂げ豊かな生活を得ましたが、がんばり過ぎて豊かな自然を壊し、又世界に誇れる良い「躾」や「教育」「家族の絆」を壊して来た気がします。
 「がんばる人」「がんばらない人」「がんばれない人」が入り混じった社会や組織の方が壊れにくく柔らかな強さがある様にも思われます。と言っても、日本人はまだまだ色々の立場で頑張り続けて行く事でしょう。頭の片隅に「がんばらない」という言葉もあることをインプットしておく事も大切な要素の一つと考えましょう。

10月単月総受注高過去最高
2ヵ月連続単月最高を記録
中部経産局
10月度金属工作機械受注状況

 中部経済産業局が11月30日発表した管内金属工作機械メーカー主要八社(オークマ、テクノワシノ、ジェイテクト、日平トヤマ、富士機械製造、豊和工業、三菱電機名古屋製作所、ヤマザキマザック)の10月度金属工作機械受注状況によると、総受注高は489億2100万円で、前年同月比15.8%増と4カ月連続で前年を上回った。さらに、2カ月連続の単月値過去最高総受注高となり、10月単月での総受注高最高額を記録。なお、前月比は4.4%減と前月を下回った。
 国内受注は、一般機械工業向けが77億4900万円と6カ月連続で前年を下回ったものの、自動車工業向けが94億9100万円と二カ月連続して前年を上回り、全体でも200億600万円で前年同月比10.0%増と2カ月連続で前年を上回った。また、前月比は0.8%増となった。
 海外受注は、北米向けが2カ月連続で前年を下回ったものの、ヨーロッパ向けが26か月連続、アジア向けが10カ月連続で前年を上回ったことから全体でも289億1500万円で前年同月比20.2%増と5カ月連続で前年を上回った。なお、前月比は7.7%減と前月を下回った。
 国別にみると、一位のアメリカが80億8400万円(前年同月比10.1%増)、以下、ドイツ39億4400万円(同27.7%増)、中国34億3100万円(同61.7%増)、イタリア16億7200万円(同1.9%増)、インド15億2000万円(同33.8%増)の順となった。
 販売額は、406億3900万円となり、前年同月比は26.0%増と5カ月連続して前年を上回った。また、前月比は33.3%減となった。
 受注残高は、2235億4900万円となり、前年同月比1.1%減と2カ月連続して前年を下回った。また、前月比は1.3%増となった。
 なお、10月単月の総受注高489億2100万円は、平成16年10月の425億6700万円を抜き、最高額を更新した。

『いい住まい いい暮らし』応援キャンペーン開催
INAX
期間中来場者で賑わう

 INAX名古屋ショールーム(名古屋市中区錦)では、「いい住まい、いい暮らし応援キャンペーン2007」を開催し、期間中大勢の来場者で賑わった。
 新築やリフォームなど、住まいの悩みについて専門アドバイザーが丁寧にアドバイスする一方、対象商品を見積もりするだけで、抽選で35名に全国から選べるペア宿泊券、液晶テレビ、暮らしのアイテム等がプレゼントされた。
 来場者も実際に「見て」「触れて」、使い勝手を確かめ、豪華賞品の抽選にチャレンジしていた。
 フェアでは、独自のテクノロジーで節水・洗浄性能の高い6リットルタイプの、超節水トイレ「ECO6」トイレの「サティス」をはじめ、収納たっぷり、空間すっきり美しく、さらに掃除を手軽にスピーディーに行える「Pita]シリーズ。
 浴槽の残り湯を利用して排水トラップ内にうず流を発生させ、そのうずの力で排水口の汚れを付きにくくすると同時に、髪やゴミをまとめて捨て安くした「くるりんポイ排水口」。
 湿気を吸って吐いて、優れた調湿機能で、ジメジメとしたうっとうしい梅雨時や蒸し暑い夏にも室内の空気をカラットさせ、結露が発生しやすい冬場の湿度も調節し、カビ・ダニの繁殖を抑え、健康で快適な室内環境を保つことで、エネルギーの消費を抑える呼吸する壁「エコカラット」を展示していた。

輸出契約高1576億3600万円前年比103.8%増
プラント2件で38億5600万円
日本産業機械工業会
10月産業機械輸出契約状況

 日本産業機械工業会がまとめた平成19年10月の産業機械輸出契約状況によると、主要約70社の10月の輸出契約高は前年同月比103.8%増の1576億3600万円となった。
 プラントは2件で、アフリカ、ロシア・東欧が増加した。前年同月比は前年同月に案件が無かったため比率を計上できず。単体は、前年同月比98.8%増の1537億8000万円。
 機種別にみると、ボイラ・原動機はアジア、南アメリカの増加により前年同月比四二五・三%増、鉱山機械はアフリカの増加により同57.6%増、化学機械は中東の減少により同15.9%減、プラスチック加工機械はアジアの増加により同86.1%増、風水力機械はすべての地域で増加し、特にアジア、中東、アフリカの増加により同86.4%増、運搬機器は中東の減少により同11.8%減、変速機はヨーロッパ、北アメリカの増加により同18.1%増、金属加工機械はアジアの増加により同112.4%増、冷凍機械はアジア、ヨーロッパの増加により同73.3%増となった。
 地域別構成比は、アジア62.7%、南アメリカ15.2%、ヨーロッパ6.5%、北アメリカ4.7%、中東4.6%、アフリカ3.2%となっている。

受注高4324億2300万円前年比31.7%増
タンク・運搬機械以外の機種前年比増
日本産業機械工業会
10月産業機械受注状況

 日本産業機械工業会がまとめた平成19年10月の産業機械受注状況によると、当月の総受注高は前年同月比31.7%増の4324億2300万円で、このうち内需は同11.5%増の2699億5400万円、外需は同88.7%増の1624億6900万円となった。
 内需のうち、製造業向けは前年同月比2.8%増、非製造業向けは同17.4%増、官公需向けは同28.3%増、代理店向けは同7.9%減であった。
 内需で増加した機種は、ボイラ・原動機(前年同月比39.3%増)、鉱山機械(同22.5%増)、タンク(同38.3%増)、プラスチック加工機械(同39.3%増)、ポンプ(同25.0%増)、送風機(同21.7%増)、変速機(同46.1%増)、金属加工機械(同1.7%増)、その他機械(同16.6%増)の九機種であり、減少した機種は、化学機械(冷凍含む)(前年同月比1.3%減)、圧縮機(同12.7%減)、運搬機械(同30.6%減)の三機種であった。
 一方の外需では、10月のプラントは2件で38億5600円であった。前年同月比は、前年同月に案件が無かったため比率を計上できず。
 外需で増加した機種は、ボイラ・原動機(前年同月比339.5%増)、鉱山機械(同61.0%増)、化学機械(冷凍含む)(同25.7%増)、プラスチック加工機械(同75.5%増)、ポンプ(同117.5%増)、圧縮機(同74.9%増)、送風機(同41.0%増)、変速機(同18.1%増)、金属加工機械(同82.6%増)、その他機械(同46.0%増)の十機種であり、減少した機種は、タンク(比率は今月の受注額がマイナスのため計上できず)、運搬機械(前年同月比7.9%減)の二機種。
 機種別の動向をみると、ボイラ・原動機は化学、電気機械、電力、官公需、外需の増加により前年同月比108.1%増、鉱山機械は窯業土石、鉄鋼、鉱業、外需の増加により同34.6%増、化学機械(冷凍機械含む)は化学、電気機械の増加により同4.9%増、タンクは外需が減少した。比率は今月の受注額がマイナスのため計上できず、プラスチック加工機械は金属製品、その他製造業、外需の増加により同60.3%増、ポンプは官公需、外需の増加により同42.3%増、圧縮機は外需の増加により同33.1%増、送風機は鉄鋼、電力、外需の増加により同25.5%増、運搬機械は電気機械、電力、その他非製造業の減少により同24.3%減、変速機は窯業土石の増加により同39.3%増、金属加工機械は化学、外需の増加により同36.0%増となった。

静岡営業所開設
カクダイ
1月10日から営業

 カクダイ(大阪市西区立売堀・社長=永島康博氏)では、かねてから準備をしていた静岡営業所(所長=堺信介氏)がこのほど完成し、1月10日より業務を開始している。
 「静岡営業所が皆様のお仕事のますますのご繁栄に、多少なりともお役に立てれば幸いです」と、同社関係者は述べている。
 静岡営業所の所在等は次の通り。
 記
 ▽住所 〒422―8047
 ▽TEL 054―280―5411
 ▽FAX 054―280―5412
 ▽業務開始日 1月10日

子 年男
三和管材株式会社代表取締役社長 内藤 善徳氏

 山梨県の北部、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父山系に囲まれ、南に富士山を望む山紫水明の地と知られる韮崎市の出身。古くは甲州街道の宿場町として栄え、武田氏発祥・終焉の地であり、歴史に彩られた「武田の地」として有名。
 生家は専業農家で5人兄弟の4番目。
 学業を終え、甲府市に本社のある、東洋化学産業(上下排水用硬質塩化ビニル管継手、各種工業用プラスチック製品等を製造)に入社。
 入社して数年間は資材関係を担当し、その後は営業一筋を歩む。東京を皮切りに大阪、名古屋の大都市圏を2、3年のサイクルで転勤し、名古屋出張所所長を最後に退社し独立開業。
「同僚2人と私の3人で開業したのが三和管材の始まりです。千種区の姫が池近くの住宅付き貸店舗を借りて始めました。当時の初任給が2万円ぐらいでしたが、8万円の家賃には閉口しましたね。このままでは家賃の支払いだけで何も残らないと悟りまして、五年ぐらいして、昭和48年に現在地の土地110坪を購入し、社屋と住居を建てました。」
 よく思い切られたものですね。土地の購入と社屋、住居を同時に建てるにはそれだけの貯えがおありだったのでしょう。「貯えは、300万円でした。とても足りませんのでいろいろな銀行に掛け合いましたが、当然門前払いですよ。担保もないし、信用もないわけですからね。困りましたね。その時、東洋化学産業時代からお付き合いしています知人に相談したところ、二つ返事で連帯保証人を引き受けてくれました。それで資金が借りられた次第です。」
 連帯保証人としてハンコをついたりするのは、それだけの覚悟が必要。それを二つ返事で承諾されたとは、よほど信頼されていた証である。
「社屋も無事に完成しましたが、商品がなくては始まりませんので、継手をケース単位で1000個注文しました。一挙に多量の注文ですからメーカーも困惑していましたね。それから半年して第一次オイルショックに遭遇した訳です。石油価格は4倍に跳ね上がり、モノ不足から塩ビ製品も軒並み品不足となりました。それを見込んでの大量注文ではなく、たまたまそうなった訳です。」
 品不足で、潤沢に商品は入らず過去の実績においての配給制が当たり前となった時代。
「配給制ですから、品物が思うように揃いませんから、材料屋を相手にしていても得策でないと考えまして、工事店相手に切り替えました。その後は大きな躓きもなく今日を迎えております。」
 名古屋葵ライオンズに入会して20年、平成15年には会長職を担う。
 今では名古屋の水道の水源をなす大事な森、地球温暖化に少しは役立つと考えて御岳高原植林ツアーに訪れる傍ら、独居高齢者へのマフラーの提供などを通じての奉仕活動にも積極的に従事している。
 信条は、「相手の立場に立って考えること」。
 現在は名古屋水栓販売協会(創立50周年を迎えた)の理事長の要職を務める。
 好きな言葉は、「百折不撓」幾度失敗しても挫けないこと。
 趣味は、ゴルフを月2、3回。
 ビール党(義父と二人で今までに飲んだビールの量はドラム缶約94.5本分!)で知られるが、今では身体に配慮して1日おきに焼酎を嗜む。
 健康維持のために週末には、奥さんを誘って天白川の土手を歩くのが習慣となっている。
 昭和11年1月9日生まれ。

10月の受注額1359億円前年比16.6%増
10月単月の受注額史上最高記録
日本工作機械工業会
10月工作機械受注実績

 日本工作機械工業会がまとめた、2007年10月分の工作機械受注実績調査報告によると、10月の受注額は1359億円で、前月比は4.3%減と2カ月ぶりのマイナスとなるも、前年比は16.6%増と10カ月連続のプラスになった。10月単月の受注額としては、前年の1166億円を上回り史上最高額を記録。また、42カ月連続での1000億円超えはバブル期を20カ月抜き最長記録を更新中。さらに、1〜10月の受注累計額は1兆3226億円と、10月時点の累計額としては、史上最高額を記録した昨年の1兆1899億円を1327億円上回るペースとなった。
 内外需別にみると、内需は630億円で前月比2.7%減と2カ月ぶりのマイナスとなり、前年同月比は8.6%増と2カ月連続のプラスになった。前月比では、一般機械4.9%減、自動車8.2%減、電気・精密39.2%増(電気27.0%増・精密54.0%増)と、9月の翌月ということもあり、全11業種中7業種でマイナスながら、主要業種では電気・精密が4割弱のプラスになった。
 外需は729億円で前月比5.6%減と2カ月ぶりのマイナスとなるも、前年同月比は24.5%増と26カ月連続のプラスになり、10月単月の受注額としては、前年の586億円を上回り史上最高額となった。地域ごとでは、欧州が259億円と、7月の248億円を上回り史上最高額を3カ月ぶりに更新し、2006年12月以来10カ月ぶりとなる主要三極の中での最高額を記録した。アジア・北米は前月比でマイナスとなるも、前年比はプラスであり、アジア・欧州・北米の主要三極は概して好調を維持している。産業別では、これまでの傾向が続いており、世界各地域で自動車向けが好調なほか、航空機、エネルギー関連、一般機械類、建機、IT関連、医療など多くの分野で拡大基調にある。
 内需の内訳をみると、一般機械は261億円で前年比0.0%増と6カ月ぶりのプラスに転じた。このうち、金型は38億円で同2.5%減。2006年8月以降前年比マイナスで推移している。自動車は210億円で同43.6%増と4カ月連続のプラス。このうち、部品は88億円で同9.3%増と同じく4カ月連続のプラスになった。電気・精密は73億円で同6.2%減と5カ月連続のマイナスになった。主要業種では、自動車が前年比43.6%増と前月に続いての4割増となり、一般機械は前年並み、電気・精密は幾分下回る結果となった。
 外需の内訳では、アジアが244億円で前年比37.5%増。東アジアでは、韓国・台湾・中国がともに前年比プラス。その他アジアでも、インド・タイ・マレーシアが前年比プラスとなった。欧州は259億円で同24.0%増。EU主要国では、ドイツが史上最高額を更新して初の100億円超え、中欧・その他西欧なども前年比で高い伸びを示した。北米は204億円で同8.6%増。米国が2カ月ぶりに前年比プラスとなるも、カナダ・メキシコは前月高い伸びを示した反動減がみられる。
【1〜10月の受注累計額】
 受注総額1兆3226億円(前年比11.1%増)は10月時点での累計額としては、史上最高額を記録した昨年の1兆1899億円を1327億円上回るペース。
 また、年率換算で1兆5900億円弱となり、年初見通しの1兆4000億円台を上回る勢いである。
@内需6045億円(前年比1.5%減/内需比率45.7%)
 全11業種中、自動車、航空機・造船・輸送用機械等で前年比プラスとなった。主な業種の前年比は、自動車が前年を上回っているが、一般機械、電気・精密はマイナスとなった。◇一般機械2684億円(前年比2.2%減)◇自動車1777億円(同6.6%増)◇電気・精密631億円(同14.1%減)。
A外需7181億円(前年比24.6%増/外需比率54.3%)
 3年連続で最高額を更新した昨年を上回るペースであり、外需比率は過去最大であった1998年の53.8%を上回る水準。前年比では主要三極ともプラスで、特に欧州・アジアが高い伸びを示している。◇アジア2654億円(前年比33.0%増)◇欧州2285億円(同40.9%増)◇北米2059億円(同1.8%増)。

鋳鋼、鍛鋼ともに前月比・前年比プラス
鍛鋼、過去最高水準の実績
日本鋳鍛鋼会
鋳鋼・鍛鋼生産速報19年10月分

 日本鋳鍛鋼会は鋳鋼(全国77工場)、鍛鋼(同20工場)の10月分生産実績を集計し、11月30日発表した。
 それによると、10月の鋳鋼の生産量は2万5373トンで、前月比5.8%増、前年同月比3.3%増であった。一方、鍛鋼の生産量は6万7259トンで、前月比10.8%増、前年同月比4.7%増であった。前年同月比では、鋳鋼が11カ月連続、鍛鋼が2カ月ぶりと、ともにプラスになった。
 鋳鋼の月産2万5000トン台乗せは、今年の6月に次いで2回目で、平成10年度以降では最高の月産量となった。また、鍛鋼の6万7000トン台の月産量は、過去最高の生産実績を記録した昭和48年度の水準に迫る数字であり、この10月の実績は月産量としては史上八番目の記録となった。
 十月の需要機種別生産動向をみると、鋳鋼では鋳鋼管、バルブ・コック、自動車、船舶、破砕機・摩砕機・選別機、圧延機などが、鍛鋼ではロール、型用鋼、容器類、自動車、鉄道車両、産業機械・産業設備、発電用機器などがそれぞれ前年実績を上回っており、10月の高水準の生産を支えている。
 また、10月の各地区の生産状況は次のとおり(※数字は前年同月比)。
【鋳鋼】
 北海道100.0、東北115.3、関東信越94.3、東海北陸94.0、近畿102.5、中国112.7、四国155.8、九州92.8、以上。
【鍛鋼】
 北海道105.8、関東信越98.6、東海北陸115.7、近畿96.8、中国117.1、九州100.3、以上。


2008年1月13日(日) 2298号
中部経産局管内
最近の地域総合経済動向

中部経済産業局は12月10日、管内(愛知、岐阜、三重、富山、石川の五県)における最近の経済動向をまとめた。それによると、生産は緩やかな増加傾向にあり、個人消費は持ち直している。また、設備投資が増加している一方、公共投資は低調に推移、住宅投資も減少している。さらに、雇用情勢は人手不足が続き、労働需給が引き締まっている。これらのことから、管内の経済活動は「緩やかに改善している」と、8カ月連続して基調判断を据え置いた。なお、先行きについては、生産は電子部品・デバイス、輸送機械などを中心に、当面、基調として緩やかに増加するものと見込まれるが、米国経済、原油・原材料価格、為替・金利の動向等については留意する必要があるとまとめている。(比較は断りのあるものを除き、平成19年10月の実績値による。)
鉱工業生産の動向を指数(10月速報)でみると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等が上昇したことから、前月比3.0%増と2カ月ぶりの上昇となった。また、前年同月比は11.7%増と36カ月連続の上昇となった。
出荷は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業等が上昇したことから、前月比4.2%増と2カ月ぶりの上昇となった。また、前年同月比は14.3%増と33カ月連続の上昇となった。
在庫は、金属製品工業、輸送機械工業等が上昇したことから、前月比0.9%増と2カ月連続の上昇となった。また、前年同月比は11.2%増と13カ月連続の上昇となった。
なお、大口電力需要は、中部電力管内では49カ月連続で前年を上回り、北陸電力管内では46カ月連続で前年を上回った。
鉱工業生産・出荷・在庫
主要業種の動向

◆輸送機械
 輸送機械の生産は、緩やかな増加傾向となっている。
 乗用車は、国内向けは新型車効果から普通車に持ち直しの動きがみられ、海外向けは欧州、中近東向けを中心に好調であることから、緩やかな増加傾向となっている。
 自動車部品は、国内完成車向けが順調であり、国内メーカーの海外現地工場や海外メーカー向けの輸出も順調であることから、緩やかな増加傾向となっている。
 航空機体部品は、航空業界の機体調達が旺盛であることから、増加傾向となっている。
◆一般機械
 一般機械の生産は、高水準で推移している。
 金属工作機械は、国内向けは弱含んでいるものの、海外向けが欧米向けを中心に旺盛であることから、高水準で推移している。
 繊維機械は、織機が主力の中国向けが堅調であり、紡績・準備機械が中国向け、インド向けともに順調であることから、緩やかな増加傾向となっている。
 その他、土木建設機械や金属加工機械が海外向けを中心に好調である。
◆電子部品・デバイス
 電子部品・デバイスの生産は、増加傾向となっている。
 半導体素子・集積回路は、記憶素子(メモリ等)が携帯電話向け等で順調であることから、増加傾向となっている。
 液晶素子は、テレビ等情報通信機器向けが順調であることから、増加傾向となっている。
◆電気機械
 電気機械の生産は、高水準で推移している。
 開閉制御装置・機器は、半導体関連向け、自動車関連向けがともに順調であることから、高水準で推移している。
内燃機関電装品は、自動車向けが順調であることから、緩やかな増加傾向となっている。
 電動機は、順調な自動車向けを中心に、高水準で推移している。
◆情報通信機械
 情報通信機械の生産は、緩やかな増加傾向となっている。
 民生用電子機械は、デジタルカメラ、テレビが順調であることなどから、増加傾向となっている。
 電子計算機は、おおむね横ばいとなっている。
◆金属製品
 金属製品の生産は、緩やかな減少傾向となっている。
 アルミニウム建材は、建築着工の遅れから、木造住宅用を中心に緩やかな減少傾向となっている。
 ばねは、自動車向けが順調であることから、緩やかな増加傾向となっている。
 ガス機器は、ガスこんろが単体普及品を中心に弱い動きが続いていることから、低水準で推移している。
◆鉄鋼
 鉄鋼の生産は、緩やかな増加傾向となっている。
 鋼板は、造船・産業機械向けが好調であり、自動車向けも順調であることから、緩やかな増加傾向となっている。
 棒鋼は、建築着工の遅れから弱い動きとなっている。
 特殊鋼鋼材は、順調な自動車関連向けを中心に、緩やかな増加傾向となっている。
◆ファインセラミックス
 ファインセラミックスの生産は、増加傾向となっている。
 触媒担体、ガスセンサ素子は、自動車向けが世界的な環境対策の高まりから順調であり、増加傾向となっている。
◆繊維・陶磁器
 繊維・陶磁器の生産は、低水準で推移している。
 繊維は、中国等からの輸入品に押されるなか、天候要因による需要の減少もあり、低水準で推移している。
 陶磁器は、タイルが建築需要の減少により低調であることや、飲食器が安価な輸入品に押されて低迷していることなどから、低水準で推移している。
消費・投資などの需要動向
◆個人消費
 個人消費は、持ち直している。
 大型小売店販売(既存店ベース)は、百貨店が2カ月ぶりに、スーパーが5カ月連続で前年を下回ったことから、全体では4カ月連続で前年を下回った。
 コンビニエンスストア販売は、4カ月連続で前年を上回った。
 乗用車販売は、小型車が21カ月連続で、軽自動車が4カ月連続で前年を下回ったものの、普通車が4カ月連続で前年を上回ったことから、全体では10カ月ぶりに前年を上回った。
 家電販売は、携帯電話が順調であるものの、パソコンやデジタルカメラが振るわなかったことから、3カ月ぶりに前年を下回った。
◆設備投資
 設備投資は、増加している。
 製造業では、自動車関連で、完成車メーカーの環境・安全投資や部品メーカーの能力増強、設備更新等の投資が引き続き高水準であることから小幅ながらも増加しており、半導体・液晶素子関連でも需要拡大に伴う大型の能力増強投資が引き続き高水準である。また、非製造業でも、電力、運輸を中心に投資を増加する動きがみられる。
 なお、管内主要8社の金属工作機械受注(国内向け)をみると、一般機械工業向けが六カ月連続で前年を下回ったものの、自動車工業向けが2カ月連続で前年を上回り、全体でも2カ月連続で前年を上回った。
◆公共投資
 公共投資は、低調に推移している。
 公共工事請負金額をみると、「市区町村」、「県」、「その他」で前年を上回ったものの、「地方公社」、「国」、「独立行政法人等」で前年を下回り、全体では2カ月連続で前年を下回った。
◆住宅投資
 住宅投資は、減少している。
 新設住宅着工戸数をみると、持家が7カ月ぶりに前年を上回ったものの、貸家、分譲が4カ月連続で前年を下回り、全体でも4カ月連続で前年を下回った。
◆輸出通関額
 輸出通関額(円ベース)は、33カ月連続で前年を上回った。
 名古屋税関管内の輸出通関額(円ベース)を品目別で見ると、「自動車」、「自動車の部分品」などが前年を上回った。主要地域(国)別で見ると、米国向けが2カ月連続で前年を下回ったものの、アジア向けが67カ月連続で、EU向けが28カ月連続でそれぞれ前年を上回った。
◆雇用情勢
 雇用は、人手不足が続き、労働需給が引き締まっている。
 新規求人数は、製造業などの業種で前年を下回った。有効求人倍率は、引き続き高い水準にある。完全失業率は、着実に改善している。
◆企業倒産
 企業倒産(件数)は、2カ月連続で前年を上回った。
 企業倒産は、このところ中小零細企業を中心に増加しており、今後の動向については引き続き注視する必要がある。

本社移転
東陽 1月7日より

工作機械・工具販売大手の東陽(社長=羽賀象二郎氏)は、本社を移転し1月7日より新住所にて業務を開始した。これに伴い、旧本社は本社北館となり営業の拠点として一層の体制強化が図られ、本社東館(物流センター)とともに1月21日より業務を始める。
新本社本館の住所は次の通り。
▽住所=愛知県刈谷市中山町3丁目38番地(〒448―8731)
▽電話・ファクス番号=〈総務人事部〉0566―23―1040・0566―23―3572。
 なお、登記上の所在地は従来通り。

年頭所感
中部経済産業局局長 大辻 義弘

平成20年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。
中部地域の経済は、外需・設備投資中心に息の長い回復を続けています。一方、地域別・企業規模別には回復の動きにばらつきが見られ、中長期的には少子高齢化と人口減少や国際競争の激化、環境・エネルギー制約等の課題を抱えております。
中部経済産業局といたしましては、これらの課題を克服するため次の施策に取り組んでまいる所存です。
第1に、農業と商工業の連携を図り、ヒト・モノ・カネ・ワザ・チエの資源を総動員して地域の活力を引き出す事業活動を支援し、地域・中小企業の潜在力発揮による成長の底上げを図ります。
第2に、地域の魅力を世界に発信し、海外からの企業誘致、連携促進を促すグレーター・ナゴヤ・イニシアティブ活動を一層推進してまいります。また、産業人材の育成に力を入れると共に、産学連携の促進や産業クラスターの広域的な連携を図り、新産業の創出や既存産業の裾野拡大に取り組んでまいります。併せて、コンテンツなどサービス分野の革新にも取り組んでまいります。
第3に、消費生活用製品の安全確保や、悪質商法からの消費者保護の強化に取り組み、製造事業者や輸入事業者への普及啓発活動を通じて、消費者の皆様の安全・安心・信頼の確保に努めてまいります。
また、エコデザインの推進、新エネ導入、省エネの推進等環境対策にも取り組んでまいります。
最後になりましたが、皆様の益々の御発展を祈念するとともに、経済産業行政への御支援と御協力をお願いいたしまして、新年の挨拶といたします。

国際競争力の強化と貿易投資環境の改善に挑む
日本機械輸出組合理事長 宮原 賢次

皆様、新年明けましておめでとうございます。
さて、わが国輸出の約70%を占める機械輸出は、1月から10月までの輸出額が、前年同期比10%増と2年連続で2桁の伸びを維持しました。これは、米国向けがサブプライムローン問題等で落ち込んだものの、EU、中国向けやロシア・東欧、南米、中近東等のその他地域向けが自動車、産業機械、建設機械などを中心に大きく伸び、全体を支えたためです。
また、わが国機械産業のグローバル展開においても中国、タイ、ベトナム、インド、中・東欧などでの工場建設や増産、世界的規模での生産最適化のための投資が盛んでありました。
貿易・投資環境面では、WTOドーハラウンドは未だ合意に至っておりませんが、経済連携協定につきましては、チリ、タイとの協定が発効し、インドネシア、ブルネイとは協定締結が、ASEANとは最終合意がなされ、アラブ湾岸協力会議、ベトナム、豪州、スイスとは交渉を開始、EUとは民間レベルでの研究が始まるなど進展がありました。
本年の世界経済を見てみますと、いくつかの懸念材料があります。一つは、米国のサブプライムローン問題による米国経済のさらなる減速と、輸入の減少と金融市場の動揺による世界経済への影響拡大です。2つ目は、石油、資源、食料品価格の上昇による世界的な物価上昇の進行です。3つ目は、わが国機械輸出業界への直接的な影響で、円高の進行とアジア企業等との価格競争の一層の激化です。
他方、経済のグローバル化やITを中心とした技術革新の進展は、BRICs等の新興工業国経済を活性化させるだけでなく、世界中で新産業やビジネスを創出し、また、生産や経営の効率化を深化させており、各国政府や産業界が難局に適正に対処すれば、さらなる経済成長は可能であります。
このような状況の中、わが国機械輸出業界は、本年におきましては、次のような課題に挑戦したいと考えます。
第1は、国際競争力の持続的強化です。このためには、まず市場に受け入れられる製品・サービスを投入して、成長するBRICs市場で勝ち抜き、かつ、巨大な米欧市場を維持・拡大することです。そして、研究開発投資、設備投資を拡大して生産システムをさらに強化し、しっかりした企業戦略のもと、グローバル経営の高度化、国際物流の効率化などで収益力を高める必要があります。
第2は、貿易・投資環境のさらなる改善です。まず経済連携協定の締結をさらに促進し、また、知財権保護対策やわが国技術の国際標準化、国際課税制度等の改善を進め、国内においては、法人税率の引下げ、研究開発・設備投資促進税制の充実、貿易手続の簡素化や日本版AEO制度の導入等により制度インフラを改善する必要があります。
第3は、環境・安全問題、輸出管理への積極的対応です。わが国企業は、環境・安全対策の先進国として、積極的に対応し、持続可能な経済社会の構築に向けて世界をリードしていく必要があります。
日本機械輸出組合は、これらの対策を業界の皆様とともに積極果敢に取り組み、わが国機械産業の持続的発展のために尽力して参りたいと存じます。
最後に、皆様方のご健勝とご発展をお祈り致しまして、新年のご挨拶と致します。

更なる成長に向けて
(社)日本産業機械工業会会長 相川 賢太郎

平成20年を迎えるにあたり、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
皆様には、気分も新たに新年を迎えられたことと存じます。
昨年を振り返りますと、わが国経済は、国内消費の低迷が続いたものの、世界経済が全体として拡大を続ける中、輸出は増加基調にあり、企業業績も良好な水準を維持するなど、企業部門主導による息の長い緩やかな成長が持続いたしました。
一方、海外では、米サブプライムローン問題による金融市場の混乱が欧米経済の減速懸念を高め、また原油価格等の高騰が、わが国においても日用品や食料品など身近な商品の価格上昇を招いているように、海外の変調がわが国経済に与える影響は今まで以上に強くなったと思われます。
しかし、これら海外からの負の要因を受けつつも、わが国は戦後最長の景気拡大局面を持続できる体力を有するまでになりました。平成20年においても、海外経済や原材料価格の動向など不確実な要因はありますが、世界経済の拡大の下、経済のグローバル化が続く中で、景気のけん引役である企業業績は高水準を維持し、わが国は大方の予想の潜在成長率といわれる2程度の緩やかな経済成長を続けるのではないかと思われます。
産業機械工業会の受注は内外需とも増加し、総じて緩やかな成長が続きました。内需は鉄鋼や石油精製等の素材産業を中心に民需が堅調に推移し、官公需も厳しい状況が続く中ではありますが、底入れから緩やかな回復基調を歩み始めました。外需も主力のアジア地域のみならず、世界的な拡がりを伴いながら増加を続けました。
今年も経済のグローバル化を意識した企業の設備投資は堅調に推移するとみており、また、世界的なエネルギー需要等の急増を背景とした資源開発投資や成長著しい新興国の工業化・インフラ投資等により、内外需とも高水準な受注環境が持続すると期待しております。
産業機械を始め製造業の多くの業種で需要拡大が続き、生産が増加する中で、企業活動はより活発化していくと思われますが、成長と環境保護の両立は社会から一層強く求められおります。今年は京都議定書の第一約束期間がスタートする年でもあり、特に地球温暖化の防止は社会が一丸となって解決していかなければならない重要な問題でございます。
そのため、わが国は、旧来の生産システムや社会インフラなど国民生活のあらゆる局面を、わが国の強みである「ものづくり」と「環境・省エネ」の技術力をテコに変革させ、燃料資源の有効利用と地球温暖化防止の双方を満たしながら経済成長を続けるという、世界でも類をみない「経済成長モデル」の実現に向け、より一層努力していく必要があります。
また、わが国のみならず、世界経済の発展がこれ以上環境への悪影響をもたらさぬよう、更には地球環境の改善に向け、私ども産業機械業界は世界最高水準の環境技術と省エネルギー・新エネルギー技術を駆使し、経済と環境が調和した社会の構築に向けて、今後とも一層努力していく所存であります。
なお、今年は当工業会が創立60周年を迎える年でもあり、工業会活動をより活発化し、社会からの要請に応え、責任を果たしていきたいと考えております。
年頭にあたり、関係各位には一層の御支援、御協力をお願いし、併せて皆様の御多幸を心からお祈り申し上げ、新年の挨拶といたします。

年頭所感
戊子新春によせて
(社)日本ねじ工業協会会長 望月 正紀

平成20年の新春を迎え心からお慶び申し上げます。今年は干支の始まりの子年と言う事で殊更、気持ちを新たにされている方も多いことと存じます。
昨年を、経済、政治、社会・自然現象という括りで振り返ってみますと、まず経済では米国のサブプライムローン問題に端を発した信用不安からの世界的株安の連鎖、その対策として取った米国の金利引き下げもありドル安(円高)が進み、その結果、過剰流動性が原油市場へ向かいバレル100ドルといった途方もない価格が生じてきました。わが国の長期成長路線を牽引してきた自動車などの輸出産業もこの円高・原油高でコスト・売れ行きに大きな影響を受けつつあります。
次に政治の世界ですが、参院選の与野党逆転に続く突然の安倍首相の辞任劇、はたまた小沢代表を巡るドタバタ劇と与野党どちらが得点を挙げたのか判らない事態が続きました。
政治スキャンダルも厚生労働省、防衛省と大きな広がりを見せ国民の政治に対する信頼が大きく失墜した年でした。
昨年はわが国においては猛暑・大型台風の襲来、また世界的にみても、各地で異常気象が多発しました。環境問題に積極的に関ってきたゴア前アメリカ副大統領が国連のIPCCとともにノーベル平和賞を受賞した事もこの問題に関しての象徴的なニュースでした。
また名産品、老舗の食品偽装事件が相次いで発覚し、何を信じて良いのかという疑心暗鬼に囚われるとともに「食の安全」に大いに関心が集まりました。
さて、昨年実施した主な協会事業を申しますと「2007年5地域ねじ協会交流大会」が10月14日から16日の3日間、日本ねじ工業協会の主催で名古屋に於いて開催されました。参加者は日本から42名、中国から38名、台湾から40名、韓国から31名、香港から28名が参加し盛大でした。
まず14日の代表者会議では、@香港螺絲業協会の正式加入承認の件 A香港入会に伴う大会名称変更の件 B次回開催地について、協議しました。交流会議(本会議)は翌15日14時から「名古屋国際会議場」で土肥国際副委員長の司会で進められ、各地域の会長・理事長の挨拶、国際委員長による各地域ねじ産業の現状が報告され、大変な盛況のなか有意義に交流を深める事が出来ました。次回2008年の交流大会は、中国浙江省で開催する事も決まりました。
辻端参与の提唱する「ねじ産業未来開発プロジェクト」では、ねじは基礎締結部品として重要であり益々品質向上が問われているのにも関わらず、産業集団としての認知度が低い為、社会的認知度の向上、イメージアップ活動の展開が必要であるとの問題提起を受けて、現在同プロジェクトを推進中であります。
粗悪輸入ねじに関する苦情が協会に届いている件につきましては、今アンケートを実施して実態の究明に努めております。
下請適正取引等推進に対しては、ガイドラインに基づき、不公平・不公正な取引に対するガイドラインの活用推進及び相談窓口の設置を行いました。
また、昨年も旭サナック(株)との共催による圧造技術スクールを5回開催いたしました。
そして関東・関西・中部の支部懇談会、ねじ商工連盟総会も例年どおり実施され、その他の委員会、部会活動も予定通り開催されております。
本年も協会活動に対して、一層のご協力、ご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
最後になりますが、会員企業の益々のご発展と会員各位のご健勝を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

新年のご挨拶
全日本木工機械商業組合理事長 上阪 太一

平成20年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。平素は、当組合の事業に格別のご支援・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
年頭にあたり、関係業者並びに組合員各位にご挨拶申し上げます。
日本の現在の経済状況は、依然として堅調な好景気が続いております。参議院選挙での民主党の圧勝・安倍首相の突然の退任等、不安定な状況下ではありますが、BRICsの需要増大に支えられ、堅調な景気の拡大に大きな変化は見られません。昨年後半からサブプライムローンの影響によるアメリカ経済の失速、国内でのガソリンを主とする燃料の値上がり・各材料費の値上がり、改正住宅建築基準法の審査遅延による住宅建築の激減等々により若干の陰りが見え始めています。
木工機械業界も住宅着工の激減によるユーザーの大きな減産の影響を受け、さらに厳しい状況が続いております。設備投資の延期・中止が相次ぎ、新たな受注が激減しております。業界関連14団体で『住宅税制に関する要望書』を提出し、改善を求めておりますが、順調になるまでにはまだかなりの時間を要しそうです。木材産業は、地球温暖化対策(CO2削減)の主役として木の需要が拡大すると思われ、フォローの風が吹きそうな状況下であります。木に携わる産業全体で、一致団結し、この風を是非つかみたいものです。
当組合は、主に木工機械販売商社で構成しております。昨今の商社不要論に負けることなく、高度な技術力・幅広い情報力・強力な営業力・きめ細かいフォローを武器に、よりいっそうの飛躍をしたいと思います。
昨年組合費の値上げを実施いたしました。ご理解をいただけない組合員様が20数社いらっしゃいました。断腸の思いですが、今後の事業実施にて組合の必要性を高めたいと考えております。
10月下旬に岡山県真庭市におきまして、全国中小企業団体中央会の補助金を受け、国産材と木質バイオマスをテーマに「人材育成研修会」を実施いたしました。全国から50名の方々に参加していただき、高い評価を頂きました。また、2月には中部支部主催で会計セミナーを開催いたします。
重要事業のひとつであります「技能検定」に関しましても今後関係各省庁に働きかけ、より価値を高めたいと思っております。
本年度も、組合員様のためになる、組合ではなくてはできない事業を展開したいと考えております。
今期は当組合においても正念場の年になります。来期組合創立40周年にむけて、気を引き締めて組合の更なる発展と活性化に取り組んでまいりたいと思います。
どうぞ、本年度も、当組合の活動にご理解を頂き、倍旧のご指導・ご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
最後に、業界関係並びに組合員各位のますますのご繁栄とご健勝を祈念いたしまして、年頭のご挨拶と致します。

うるるとさらら・Rシリーズ
自動で快適な省エネを両立
ダイキン空調東海 消費電力最大5割減

ダイキン工業は、給水不要の「うるる加湿」の機能を生かし、体感温度に影響のある「温度」「湿度」「気流」などの空調要素のコントロールにより、自動で快適な省エネの両立ができるルームエアコン「うるるとさらら・Rシリーズ」をこのほど新発売した。
主な特長は次のとおり。
@パワーアップした「うるる加湿」の力で、省エネ暖房を実現
・ボタンひとつで、最大約50%の省エネと心地よさを両立する「快適エコ運転」=新搭載した「快適エコ運転」は、同社独自の「うるる加湿」の力で、快適環境を作るだけでなく、消費電力を暖房時最大約50%、シーズンを通して約15%削減。また、冷房時は「涼風ゆらぎ気流」で体感温度を下げ、冷房シーズンを通して消費電力を約30%削減し、年間トータルで約20%の省エネとなる。
・新開発のハイキャッチゼオライト搭載、消費電力はそのままで、加湿量約15%アップ=水分の吸着力の高いハイキャッチゼオライトの搭載により、消費電力はそのままで加湿量が約15%アップした。省エネ加湿を実現するだけでなく、50%の快適湿度に到達する時問も約16%スピードアップした。
A「新リモコン」と「音声おしらせ機能」の簡単安心デザイン
・液晶画面が1.5倍の「かんたん大画面リモコン」で、見やすく操作も簡単=大きくて見やすい「でか文字」(従来比最大約2.5倍)、さらには、押しやすくて、見てわかりやすい「でかボタン」(従来比最大3.5倍)を採用した。また、ボタン数を減らし、よく使う6個(従来は12個)のボタンを配置するなど、見やすさ・操作しやすさにも配慮している。
・操作も運転状況もガイダンスしてくれる「音声おしらせ機能」で、わかりやすく安心=エアコンが受信した操作内容や現在の運転状況を、室内機から170パターン以上の音声で知らせる。切り忘れ防止や操作間違いの減少につながり、安心して確実に操作ができる。
B省エネ意識を高める、業界初の「エコポイント」システム搭載
 「快適エコ運転」を行うと、利用時間に応じてエコポイントがたまり、リモコンの中の木が成長する仕組みにより、省エネ行動を実感できる。また、木が最後まで成長したユーザーからの連絡を受けて、同社が植樹などの地球環境保全活動を行う。
C省エネ法の2010年基準(APF)をクリアする業界トップクラスの省エネ
 四kw機種で2010年の省エネ法のAPF6.1をクリア。11年前の従来機に比べ、期間消費電力量で約39%、電気代で約18700円の節約を可能にした。
Dその他の機能
・23dBの「おとなしフィルター掃除ユニット」を含む五つの掃除機能を搭載=(1)おとなしフィルター掃除ユニット(2)フッ素コーティングフィルター(3)セルフウォッシュ熱交換器(除菌・防カビ仕様)(4)除菌・防カビファン(5)内部クリーン
・10年交換不要の空気清浄フィルターを2種類搭載(1)長持ち 光触媒空清フィルター=初期性能において、4大生活悪臭を9分で90%除去、細菌・ウィルスを強力に除去
(2)長持ち 銀除菌・アレル除去フィルター=菌の活動を99%以上抑制、花粉、ダニなどのアレル物質を99%以上抑制
 その他詳細については、ダイキン空調東海(名古屋市東区白壁1―17・TEL052―955―0700)へ問い合わすとよい。

TOTO本社工場視察
第8回総会を開催
若象会 会員等36名が出席

若象会(会長=後藤毅氏・後藤水道社長、大垣管材と販売店、メーカーの集い)の「第八回総会」が、11月30日午後6時より福岡市中央区西中洲の春駒で開催され、正会員等36名が出席した。
総会は、後藤会長の「若象会も発足して早七年が経ち、これからも皆様方にお役に立つ勉強会を通じまして、お役に立つ若象会を目指します」との挨拶のあと、大垣管材の五島社長が平素の拡販に対してお礼を述べる傍ら、「今年は福岡への遠征総会となりました。これからの時代は、特色を出していかないと生き残れないと思います。オンリーワンを目指し、この業界で輝ける存在にして行きたいと思います」と、協力方の要請がされ、引き続いて後藤会長が議長を務めて、各議案を慎重審議し承認可決した。
▽第1号議案=平成19年度事業報告並びに収支決算報告承認の件
▽第2号議案=平成20年度事業計画並びに収支予算案承認の件
▽第3号議案=その他の件
議案審議の後は、懇親会に臨み、TOTO岐阜営業所則松所長の乾杯音頭で開宴、終始和やかに歓談に興じ、一層の親睦を深め、大垣管材山本営業部長の中締めでお開きとした。
一方、総会当日の11月30日は、TOTO本社工場を視察し、翌12月1日は、福岡ドームのバックステージツアーを行った。

コップなしで歯磨きできる
吐水口回転式シングルレバー混合水栓
INAX 手洗切り替えも簡単

INAXは、吐水口が回転し、コップなしでもうがい・歯磨きが快適にできる『吐水口回転式シングルレバー混合水栓』をこのほど新発売した。
駅・飲食店・デパートなど、パブリックの洗面空間で行われるのは、主に手洗いや身づくろい。同じ公共空間でも、オフィスの洗面の場合は、歯磨きやうがいを昼休みなどに行う人が多くなるのが大きな特長。
一方、住宅では、歯磨き・洗面用に、二階の踊り場などのちょっとしたスペースに、第二の洗面器を設置するケースが増えている。しかし、いずれの洗面でも、個人のコップ置き場までは、なかなか確保しにくいのが実情。そこで吐水口先端が回転し、上向き吐水時にはコップがなくても快適に口をゆすげ、下向き吐水時には手洗いができる『吐水口回転式シングルレバー混合水栓』を発売した。
スタイリッシュなコンパクト洗面器(8月発売済み)にもピッタリなシンプルデザイン。
【商品の特長】
@吐水口の先端が回転し、手洗いも歯磨きも快適にできる
(1)下向き吐水時は、ソフトな泡沫吐水で快適に手洗いができる。
(2)上向き吐水時は、うがいしやすい高さ・角度に吐水され、吐水口を汚さない。
(3)左右に首を振ることで、洗面鉢を洗浄し快適に使える。
A回しやすさを配慮した吐水口の形状
 吐水口の先端を平面にし、つかみやすく回転操作がしやすい形状にした。
Bスタイリッシュなコンパクト洗面器(8月発売)にピッタリ
 八月に発売した、オフィスパウダールーム向けのスタイリッシュなコンパクト洗面器にもピッタリなシンプルデザイン。
 価格は、51,450円。

お座敷での懇親忘年会
「賀城園」で賑やかに
中部NaITO会 180余名が参加

中部NaITO会(会長=伊藤照之氏・伊藤信産業会長)は昨年12月13日午後6時30分より、恒例となった「中部NaITO会懇親忘年会」を名古屋市熱田区夜寒町の賀城園で開催した。当日は、会員である販売店、メーカーの関係者ら180名余りが参加し、会のさらなる結束を図った。
冒頭、伊藤会長が「12月のお忙しい時に、中部NaITO会懇親忘年会に沢山の方にお集まりいただき、誠に有り難うございます。NaITOさんの事務局の方も、今回の忘年会を設営するにあたり、本来ですとホテルで忘年会をするというのは簡単ですが、少し趣向を凝らして此処を選定されました。本日は、日頃お忙しい第一線の方々にご出席願っております。どうか有効に時間を使って、ひざを付き合わせて十分に語り合い、この会を盛り上げていただきたいと存じます。お忙しい時期、体にも気をつけてベストコンディションで今年も終われますようにしてください」と挨拶。
続いて、鈴木NaITO社長が「昔はこのような畳の部屋での宴会が多ございましたが、最近は立食パーティーばかりになりましたので、趣を変えて行いました。ごゆっくり楽しんでいただきたいと存じます」と挨拶した。
メーカー賛助会員を代表して田辺日立ツール中部営業部部長の力強い発声で乾杯。一年を振り返り、会員同士親睦を深めた。
最後に、中部NaITO会役員の鈴木鈴商社長が「来年はねずみ算の如く、皆様の健康と商売の繁栄が叶うであろうと祈念しております」と述べ、三本締めでお開きとした。

12月理事会と忘年会
愛鋲協 一年を振り返る
 
愛知鋲螺商協同組合(理事長=鈴木建吾氏・八幡ねじ社長)は昨年12月10日午後6時より、平成19年最後の理事会を、忘年会を兼ねて名古屋市中区新栄の木曽路瓦町店において開催、相談役はじめ理事ら10名が参加した。
冒頭、鈴木理事長が「今年1年を振り返りますと、早かったという感じがします。ボウリング大会も120名を超す参加を得て大盛況のうちに行わせていただきました。今年は、品質の問題で過ぎたようです。最初は名物のみやげ物、最後は老舗料亭の問題。我々も品質を高めていかなければいけないと感じております。本日は忘年会ということで、皆様に色々なご意見をいただき、それを参考に行っていきたいと思いますので、忌憚の無いご意見をお聞かせください」と挨拶。
鈴木相談役(エフシーテック社長)の発声で乾杯した後、参加者は1年を振り返りながら和やかに歓談していた。

「つたも」で忘年会
ジュニアー会 家族会を兼ねて
 
若手経営者が集うジュニアー会(幹事長=水谷隆彦氏・ミズタニ機販社長)は昨年12月15日午後6時より、名古屋市中区栄の料亭「つたも」で忘年会を開催した。当日は、会員の家族も含め35名が参加して親睦を深めた。
水谷幹事長が「今年のジュニアー会のトピックスは新入会員の方が4名入られたことです。本日は、ご家族の方にも沢山ご参加いただき有り難うございます。ひと時ですが、楽しい時間を過ごせたらと思っております」と挨拶。引き続いて、水谷幹事長の力強い発声で乾杯した。
参加者は1年を振り返りながら楽しいひと時を過ごし、午後9時前にお開きとした。

同友会の若いメンバーの
今後の成長が楽しみ
名機工同友会 12月例会と忘年会
 
名機工同友会(会長=金原進一氏・カネキ商会社長)は昨年12月12日午後6時より、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦で12月例会と忘年会を開催した。
例会では各部の報告が行われ、事業部からはユーゲルの値上げ要請があることが報告され、これを承諾した。またコンベックスルールの販売も予定通り終了したと伝えられた。
経営対策部より、2月に予定されている講演会について報告があり、講師に経営コンサルタントの奥井エフビーシー社長を招き、「コミュニケーションの上手なとり方。世代間ギャップを取り除く」をテーマに親子のコミュニケーションが上手く取れているか、事業継承に関する問題とは、社員との意思疎通が図れているか、などについて話を聞くと伝えられた。
また厚生部からは、本日の忘年会、1月8日の新年会に関する報告が行われた。
このあと忘年会に移り、はじめに金原会長が「先月は、旅行会ご苦労様でした。楽しく過ごさせていただきました。同友会の若い面々が、これからも育っていくのを楽しみにしております。今年もあと僅かとなりました。残り少ない今年を大切にし、来年に希望を持っていきたいと存じます」と挨拶し乾杯。
宴会では、1年の反省や新年への抱負を語り合いながら和やかな時間を過ごした。

20年には新本社ビル建設
仕入先各社と親睦図る
ミユキ商會 盛大に忘年会を開催 

ミユキ商會(社長=田中知之氏、本社=名古屋市昭和区円上町)は昨年12月14日午後7時より、同社仕入先のメーカー・商社らおよそ70名を招き、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦にて忘年会を開催した。
冒頭、田中社長が「1年は早いもので、もう恒例の忘年会ということでございます。皆様方のお顔を拝見いたしますとさすがに良い血色で、今年も頑張ったという感じがいたします。12月に入り私共の会社の近くで80坪の土地が出ましたので、契約をいたしました。暫くは駐車場として使い、半年から1年後には新社屋を作りたいと存じます。是非ともなお一層のご協力をお願いします。本日はお時間の許す限り、飲んで食べて情報交換をしていただき、明日からの活力にしていただきたいと存じます」と挨拶。
続いて、井口サンコー商事部長の音頭で乾杯した。
参加者は顔見知りの間柄が多いものの、若手や初参加の人も増えたことから全員の紹介が行われた。
宴会では、恒例となったビンゴゲームなどで大いに盛り上がり、田辺日立ツール中部営業部部長の中締めでお開きとした。

愛機工組合各支部忘年会
愛知県機械工具商業協同組合(理事長=野田道典氏・ノダキ社長)の各支部は昨年末、忘年会を行った。

 東京第一ホテル錦で
12月4日 東支部

東支部(支部長=田中知之氏・ミユキ商會社長)は12月4日午後6時より、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦で支部員ら30名余りが参加して忘年会を開催した。
野崎理事(常磐精機社長)の司会で進められ、冒頭、田中支部長は挨拶で日頃の組合活動並びに支部活動への理解・協力に対し礼を述べた後、「過日、支部長会議が行われ、各支部の活動状況が報告されました。私共の東支部としては年間、総会はじめ、ゴルフ、ビアパーティー、忘年会と4つの行事を行っております。他の支部ではそれにプラスして家族日帰り旅行などを実施されている支部もございます。また逆に、総会と忘年会のみという支部もあります。東支部としても、もう少し行事を開催した方が良いのか、また違う形にしたら良いのか、皆様のご意見をお聞かせ願えればと思います」と語った。
続いて、組合を代表して時津副理事長(東支部所属・新栄商會会長)より組合の現況報告と組合員増強に対しての理解と協力が呼び掛けられた。
新入会の相羽アイビー社長の紹介があり、温かい拍手で迎えられた。
参加者は1年を振り返り、あちらこちらで談笑して和やかなひと時を過ごした。

新年会の下見を兼ね
金山の全日空ホテルで
12月6日 尾張支部

尾張支部(支部長=服部利一郎氏・服部商会社長)は12月6日午後6時30分より、名古屋市中区金山の全日空ホテルズグランコート名古屋において開催。
はじめに服部支部長が「来年の組合賀詞交歓会の当番支部にあたり、皆様にはお忙しい中ご協力を賜りまして有り難うございます。その打合せと試食会も兼ねて忘年会を行います」と挨拶。今回は、当日参加する若手も参加した。
山崎組合事務局長より、現在の参加予定者が300名を超え最終的には350名前後になる見込みであることなど、全体的な流れも含めた説明があり、支部長を中心に役割分担をはじめとする詳細の打合せを行った。
このあと忘年会に移り、近藤理事(油伝商店社長)の乾杯で開宴。和やかな雰囲気のなか歓談し、1月17日の組合新年会の成功を祈念した。

旬采「おお田」で
12月7日 中南支部

中南支部(支部長=志知亨氏・志知社長)の忘年会は12月7日午後6時30分より、名古屋市中区栄の旬采「おお田」で開催された。
冒頭、志知支部長が「今年も年の瀬となり、我々の業界の方はまずまずの年ではなかったかと存じます。本日は皆さん、明るく楽しく、他のお客様に余り迷惑を掛けない程度にやりたいと思います」と挨拶。また、「我々の支部は、各企業の移転などにより支部の会員数が減少いたしております。現在の理事の定数を維持するためには1社足りませんので、組合員の増強は、組合としても大きなテーマではありますが、支部としても積極的に取り組んでまいりたい」と述べた。
ふぐ鍋を囲んで語り合い、1年の締めくくりとした。

中日パレスで
12月17日 西支部

西支部(支部長=滝川和彦氏・滝川物産社長)は12月17日午後6時30分より、名古屋市中区栄の中日パレスで開催した。
梅村理事(梅村本店専務)の司会で進められ、はじめに滝川支部長が「谷理事(岡谷機販会長)の計らいですばらしい企画をしていただき、本日皆さんも出てくるのが楽しみではなかったかと存じます。日頃は組合の活動、西支部の活動にご協力をいただきまして有り難うございます。今年の組合の活動といたしましては、MECT07展があり、大成功のうちに終了することが出来ました。来年も我々の業界は、順調に潤っていけるのではないかと感じております。再来年の組合の新年会は西支部で担当しますので、そちらの方へのご協力もお願いいたします」と挨拶、併せて西支部の支部旗が出来上がったことも報告した。
服部理事(服部社長)の力強い音頭で乾杯。互いに歓談して親睦を深め、途中、お楽しみ抽選会なども行われ大いに盛り上がった。

中華料理「浜木綿」で
12月19日 北支部

北支部(支部長=熊田達也氏・久満田商会社長)は12月19日午後7時より、名古屋市北区金城の浜木綿黒川店において忘年会を開催した。
長村理事(長村商店社長)が司会を務め、支部員ら十六名が出席。冒頭、熊田支部長は挨拶で日頃の組合活動並びに支部活動への協力に対し謝意を表した後、「支部長会議で各支部の活動についての意見交換があり、他支部では活発に活動されているところもありますので、今後北支部でも内容について検討していきたいと存じます。次回2月の幹事会のときにご意見をお聞かせいただければ幸いです」と述べた。
続いて、山崎組合事務局長より組合の概況について話された。
服部理事(伊吹産業社長)の力強い発声で乾杯。円卓を囲んで和やかに1年間の思い出話や新年に対する期待などを語り合った。
また、豊川稲荷への初詣での幹事に清水支部幹事(清水商店社長)が承認された。

ラグナスイートで
12月14日 南支部

南支部(支部長=伊藤照之氏・伊藤信産業会長)は12月14日午後6時30分より、名古屋市中区錦のラグナスイートにて忘年会を開催した。
冒頭の挨拶で伊藤支部長は「12月も半ばとなり、方々で忘年会が行われているこの時期に、南支部の忘年会にご参加いただきまして有り難うございます。今年、皆様方の会社は立派な業績を上げられたのではないかと思っておりますが、噂に聞くところでは、前年に比べるとどうも今年は調子がよくないというお話を伺います。本日届いた組合報をみさせていただきましたところ、3カ月ごとに取りまとめられている景況調査によりますと、前年並みおよび前年より10%減というところが約67%となっておりました。なかには、前年より10%伸びている組合員さんもたくさんございます。これから競争がますます激しくなるでしょうが、流通業として生き残らなければならないと思っています。南支部の組合員の皆様はお元気な方が多く、それなりの業績を上げられていると思いますが、競争は国内にとどまらず、グローバル化が進んでおります。来年はさらに厳しい環境になりそうですが、皆様方が勝ち残れる商社になられることを念願しております」と語った。
金原理事(カネキ商会社長)による乾杯の発声で懇親の場となり、参加者は和やかな雰囲気の中、楽しい時間を過ごし親睦を深めていた。

東京第一ホテル錦で
12月14日 熱田支部

熱田支部(支部長=小浦喜一氏・こうら社長)は12月14日午後6時30分より、名古屋市中区錦の東京第一ホテル錦にて開催。
滝沢理事(松本商店社長)の司会進行で、小浦支部長が欠席のため組合会計理事で前支部長の水谷理事(ミズタニ機販社長)が挨拶に立ち、1年間の組合活動への協力に対し礼を述べた上で、支部行事と組合の現況について話し、乾杯の音頭をとった。
宴会は、滝沢理事の企画によるゲームで大変盛り上がった。ゲームは、各テーブルの代表者がいろいろな商品の価格を当てるものや、14個の商品の内から100円(ショップで売られているもの)で無いものを選ぶというもの。「こんな物も100円で買えるのか」と新しい発見があり、皆で楽しいひと時を過ごし、乾理事(山下機械社長)の中締めで終了した。

岩瀬隆広氏(トヨタ自動車常務役員)を迎え
GEL構築・展開の講演会
日工販中部地区 忘年懇親会を開催

日本工作機械販売協会(中部地区委員長=高田研至氏・井高社長)は昨年12月5日午後4時より、名古屋市中区錦の名古屋観光ホテルで中部地区忘年懇親会を開催、会員ら約160名が参加した。
当日は懇親会に先立ち、記念講演としてトヨタ自動車常務役員の岩瀬隆広氏を講師に「グローバル生産拡大に備えたエンジン分野の取り組み―GEL(グローバル・エンジン・ライン)構築・展開―」についての講演会が行われた。講演会の冒頭、高田中部地区委員長は「本日は、日本の経済に一番影響を与えるトヨタ自動車、その中でエンジン工場の全てを面倒見られている岩瀬常務役員様にご講演をいただきます。皆さんもご存知の通り、トヨタさんは08年には980万台、そして09年には1040万台の生産を計画されているそうです。その中で生産は海外へ拡大の一途を辿っている。グローバルの中で生産をどのようにしていくかについてのお話をいただけると存じます」と述べ、講師のプロフィールを紹介した。
講演会で岩瀬氏は、文化、思想の違う中で、同一の製品を作る難しさについて話した。
忘年懇親会では、はじめに高田中部地区委員長が挨拶で日頃の日工販への支援・協力に感謝を表し、1年間の活動について報告した。また、「この1年間の相互の健闘を称えあいながら、美味しくお酒を飲んでいただきたいと思います」と述べ開会の挨拶とした。
続いて、尾瀬日工販会長(伊藤忠メカトロニクス社長)が「今年は中部地区で少し苦しかったときがあったかもしれませんが、来年の日工販の内需は中部地区に期待しております。本日の講演で、命がけで最後の最後に踏み出せるかどうかという話がありました。名古屋は世界の一流のマーケット。ここで仕事をしていくと鍛えられる。その意味では皆さん、幸せな場所で幸せに工作機械を販売されていると感じ入りました。本日は、心のストレッチをしていただき、来年の日工販は中部地区で盛り上げていただきたいと思います」と挨拶。
新入会員として賛助会員四社の紹介の後、来賓の平元森精機製作所専務の発声で乾杯、互いに親睦を深めた。

服部氏(三共捻子)杉本さん(八幡ねじ)優勝
親睦ボウリング大会開催
愛鋲協 組合員・従業員ら122名参加

愛知鋲螺商協同組合(理事長=鈴木建吾氏・八幡ねじ社長)主催による「ボウリング大会」が昨年12月9日午前10時より、名古屋市千種区の星ケ丘ボウルにて開催された。
組合員の従業員及び家族ら122名が参加して日頃の腕前を競った結果、男子の部では三共捻子の服部七夫氏が3ゲームトータル549ピン、女子の部では八幡ねじの杉本美帆さんが同483ピンで優勝した。
当日、参加者は午前9時30分より順次受付を済ませ、鈴木理事長の始球式の後、各自いっせいにスタート。およそ1時間30分にわたり3ゲームを楽しみ交流を深めた。
ゲーム終了後はパーティールームヘ移動し、大会委員長である大野理事(中部製作所社長)が司会を務めて成績発表が行われた。
発表に先立ち鈴木理事長は「大変お忙しい中、ご参加有り難うございます。本日は、過去最高の12社、122名と非常に大勢の方に参加いただきました。組合としては、製品の品質の向上に努めております。今後とも自信をもってご商売に励んでいただきたいと存じます」と挨拶。
この後、鈴木理事長から男女別に上位入賞者と各賞受賞者が発表され、それぞれに賞品が贈られた。
上位入賞者は次の通り。
(敬称略)
【男子の部】
▽優 勝=服部七夫(三共捻子)549ピン
▽準優勝=水谷行孝(エフシーテック)541ピン
▽第三位=近藤俊和(藤田螺子工業)536ピン
【女子の部】
▽優 勝=杉本美帆(八幡ねじ)483ピン
▽準優勝=犬飼美加(金城螺子製作所)457ピン
▽第三位=西村つゆ子(藤田螺子工業)449ピン

仕入先ら80名が参集
服部商会 「紅蘭」で忘年会

服部商会(社長=服部利一郎氏、本社=愛知県津島市百島町三正六歩23)は昨年12月8日午後6時より、名古屋市中区錦の上海料理「紅蘭」において平成19年忘年会を開催し、仕入れメーカー・商社ら80名余りが集う中、賑やかに1年を締めくくった。
当日は、服部商会の若手社員である杉村氏が司会進行役を務め、はじめに服部社長が「本日はお忙しい中、沢山の方々にご出席いただきまして誠に有り難うございます。景気は自分で作るという信念のもと、服部商会もお陰様で順調に成長させていただいております。今夜は特に、私共の担当者の方々においでいただきました。本日ご参加の皆様にお願いがございます。メーカー様にはすばらしいアイデア、良い商品をどんどんと提供していただき、商社の方々にはそれを上手く私共に伝達し教えていただければと思います」と挨拶。
続いて、メーカーを代表して二村機器の二村社長が「服部商会の忘年会ということで、スタッフの皆様方には色々とご苦労されたことと存じます。改めて御礼申し上げます。景気動向は、プラス要因よりも、若干マイナス要因が来年あたりは多くなるのではと感じております。来年は頑張っていただきたいと存じます」と述べた後、商社を代表して杉本商事名古屋営業所の林所長が「来年また良いスタートが切れますように」と願いを込めて乾杯の音頭をとった。
参加者は若手担当者が中心で、本場の上海料理を味わいながら楽しく会話もはずみ、会場は大いに盛り上がった。
最後に、服部商会の服部常務より「本日お越しのメーカー様、商社様のお陰で、弊社も良い年が過ごせました。来年もこのような会ができるよう社員一同頑張りますので、宜しくお願いします」と決意に満ちた言葉があり、お開きとした。

森精機創業者・前社長
森 幸男氏
京都妙心寺で社葬

森精機製作所(社長=森雅彦氏、本社=名古屋市中村区名駅2―35―6)の創業者で前社長の森幸男氏はかねてより病気療養中のところ、昨年11月19日午前8時3分に薬石効なく逝去された。享年76歳。
通夜、密葬は近親者によってしめやかに行われ、葬儀は12月15日午後1時、告別式が同2時より臨済宗大本山「妙心寺」本坊(京都市左京区花園妙心寺町)にて社葬をもって執り行われた。喪主は妻の智恵子さん、葬儀委員長は長男で同社社長の雅彦氏。
森精機の礎を築いた幸男氏の死を悼み、日本はもとより海外からも多数の関係者が参列し故人の冥福を祈った。

2008年1月20日(日) 2299号
11月単月受注額前年上回り
累計額も昨年実績超え史上最高
日本工作機械工業会 11月工作機械受注実績

日本工作機械工業会がまとめた2007年11月分の工作機械受注実績調査報告によると、11月の受注額は1366億円で、前月比は0.5%増と2カ月ぶりのプラスとなり、前年比は13.0%増と11カ月連続のプラスになった。11月単月の受注額としては、昨年の1209億円を上回り史上最高額を記録。また、43カ月連続での1000億円超えはバブル期を21カ月抜き最長記録を更新中。さらに、1〜11月の受注累計額1兆4592億円は、史上最高額を記録した昨年の1兆4370億円を既に222億円上回り、2年連続で史上最高額を更新した。
内外需別にみると、内需は632億円で前月比0.3%増と2カ月ぶりのプラスになり、前年同月比は1.6%増と3カ月連続のプラスになった。前月比は、一般機械0.7%減、自動車9.5%減、電気・精密19.4%増(電気39.9%増、精密1.0%減)であり、主要業種では電気・精密が2割弱のプラス、それ以外では造船・航空機等が7割弱のプラスになった。
外需は734億円で前月比0.6%増と2カ月ぶりのプラスになり、前年同月比は25.1%増と27カ月連続してのプラスになった。11月単月の受注額としては、前年の587億円を上回り史上最高額となった。地域ごとでは、アジアが275億円と2カ月ぶりに250億円を上回り、前月比12.9%増、前年同月比39.6%増と主要三極の中で最も高い伸びを示した。欧州も史上最高額を記録した前月の259億円に次ぐ高水準となった。北米は6カ月ぶりに200億円を下回り前月比、前年同月比ともマイナス。アジア・欧州の好調を背景に受注拡大基調が持続している。産業別では、これまでの傾向が続いており、世界各地域で自動車向けが好調なほか、航空機、エネルギー関連、一般機械類、建機、IT関連、医療など多くの分野で拡大基調にある。
内需の内訳をみると、一般機械は259億円で前年同月比5.8%減と2カ月ぶりのマイナスになった。このうち、金型は50億円で同9.0%減。2006年8月以降前年比マイナスで推移している。自動車は190億円で同21.3%増と5カ月連続のプラス。このうち、部品は78億円で同1.9%減と5カ月ぶりのマイナスになった。電気・精密は87億円で同5.0%減と6カ月連続のマイナスになった。主要業種では、自動車が前年同月比21.3%増と2割増となり、一般機械、電気・精密は幾分下回る結果となった。それ以外では、航空機・造船等が同51.4%増と高い伸びを示した。
外需の内訳では、アジアが275億円で前年同月比39.6%増。東アジアでは、韓国・台湾・中国の主要3カ国ともに前年同月比プラス。その他アジアでも、インド・マレーシアが同プラスとなった。欧州は253億円で同33.7%増。EU主要国では、ドイツ・イタリア・イギリスが前年同月比プラス、それ以外の、その他西欧・その他東欧・ロシアも同プラスになった。北米は176億円で同6.2%減。米国が2カ月ぶりに前年同月比マイナスとなるも、カナダは同4カ月連続、メキシコは同2カ月ぶりのプラスになった。
【1〜11月の受注累計額】
受注総額は1兆4592億円(前年同期比11.3%増)となり、11月時点の累計額で、過去最高額を記録した昨年の1兆4370億円を既に222億円上回り、2年連続で史上最高額を更新。
また年率換算では、1兆5900億円強となった。
@内需6677億円(前年同期比1.2%減/内需比率45.8%)
全11業種中、自動車、航空機・造船・輸送用機械等の2業種で前年同期比プラスとなった。主な業種の前年比は、自動車が前年を上回っているが、一般機械、電気・精密はマイナスとなった。◇一般機械二2743億円(前年同期比2.5%減)◇自動車1967億円(同7.8%増)◇電気・精密718億円(同13.1%減)。
A外需7915億円(前年同期比24.7%増/外需比率54.2%)
3年連続で最高額を更新した昨年を上回るペースであり、外需比率は過去最大であった1998年の53.8%を上回る水準。前年比では主要三極ともプラスで、特に欧州・アジアが高い伸びを示している。◇アジア2929億円(前年同期比33.6%増)◇欧州2538億円(同40.1%増)◇北米2236億円(同1.1%増)。
【2008年1〜3月期受注額見通し】(12月上旬会員アンケート調査結果)
10〜12月期見通しに比べ、「増加」のウエイト低下分(3.0%減)が「保合」へシフトしている。「減少」は9月調査と変わらず同ポイント。基本的には、87%弱の会員が「依然として現状の高水準が持続する」と見通しており、変化はない。
2008年1〜3月期見通し(2007年12月調査)「増加」10.2%、「保合」76.6%、「減少」13.2%。2007年10〜12月期見通し(2007年9月調査)「増加」13.2%、「保合」73.6%、「減少」13.2%。

11月単月総受注高過去最高
3ヵ月連続単月最高を記録
中部経産局 11月度金属工作機械受注状況

中部経済産業局が12月26日発表した管内金属工作機械メーカー主要8社(オークマ、テクノワシノ、ジェイテクト、日平トヤマ、富士機械製造、豊和工業、三菱電機名古屋製作所、ヤマザキマザック)の11月度金属工作機械受注状況によると、総受注高は489億7000万円で、前年同月比17.1%増と5カ月連続で前年を上回った。さらに、3カ月連続の単月値過去最高総受注高となり、11月単月での総受注高最高額を記録。なお、前月比は0.1%増となった。
国内受注は、一般機械工業向けが68億9300万円と7カ月連続で前年を下回ったものの、自動車工業向けが84億6500万円と3カ月連続して前年を上回り、全体でも185億4300万円で前年同月比5.6%増と3カ月連続で前年を上回った。また、前月比は7.3%減となった。
海外受注は、北米向けが3カ月連続で前年を下回ったものの、ヨーロッパ向けが27カ月連続、アジア向けが11カ月連続で前年を上回ったことから全体でも304億2700万円で前年同月比25.3%増と6カ月連続で前年を上回った。また、前月比は5.2%増となった。
国別にみると、1位のアメリカが73億5200万円(前年同月比14.2%減)、以下、中国41億6100万円(同76.8%増)、ドイツ40億4100万円(同56.1%増)、イタリア20億1200万円(同44.6%増)、イギリス13億800万円(同47.0%増)の順となった。
販売額は、431億5400万円となり、前年同月比は5.0%増と6カ月連続して前年を上回った。また、前月比は6.2%増となった。
受注残高は、2229億6700万円となり、前年同月比0.7%増と前年を上回った。また、前月比は0.3%減となった。

他とは違うブランド作りを
切磋琢磨で共に発展
浜松機械工具商協同組合 新年賀詞交歓会開催

浜松機械工具商協同組合(理事長=神谷竹彦氏・サカエ社長)の新年賀詞交歓会が1月6日午後5時より、浜松駅前の浜松名鉄ホテル(浜松市中区板屋町)で開催され、来賓はじめ組合員、賛助会員ら百名余りが参加して新年の幕開けを祝った。
新年賀詞交歓会は小栗組合事務局長の司会で進められ、神谷理事長は年頭の挨拶で「新年明けましておめでとうございます。本日は新しく浜松商工会議所の会頭になられました御室様(浜松信用金庫理事長)はじめ、ご来賓の方々には大変お忙しい中ご出席いただき有り難うございます。今年は6日が日曜日ということでしたが、恒例ですのでこの日に開催させていただきました。組合員、賛助会員の方々100名の方にお集まりいただきました。皆様方共々新年を迎えましたが、大変天候に恵まれ、良い年末年始ではなかったかと存じます。ただ経済は、サブプライム問題に端を発し、原油が100ドル(1バレル)と厳しいことが予想されます。大発会も戦後最大の下げ幅と、我々のお客様であります製造業皆様の益々のご健闘を祈る次第でございます。その様な中で嬉しいお話もございます。バスケットボールリーグにOSGのフェニックスが『浜松フェニックス』としてデビューされる。浜松に大勢の方が来られることは大変結構なことで、浜松市民として歓迎いたします。私は商工会議所でブランド創出特別委員会の委員長を務めさせていただいております。ブランドは、よそとは違うものの目印であった。現在のブランドの意味は、良いもの、そして他に負けないもの、自分たちだけが作り出すもの。ということで私たち委員会も、浜松の中で良いものは他の地域の人たちに買っていただき、またそれを求めて他の地域から浜松に来ていただくためのお手伝いが出来ればと感じております。その中で我々浜松機械工具商協同組合もブランドになっていくことが必要ではないかと感じております。他の地域から見て、浜松の機械工具商組合のメンバーが、他所とは違う、何か光っている、頑張っている、と他の同業者に認知されていくような組合が出来たらと思っております。私は4年前に、理事長という立場に就かせていただきました。切磋琢磨という言葉が好きで、皆様方に事ある毎に切磋琢磨という言葉を使わせていただきました。良きライバルとして我々組合員30数社の仲間が、仕入先の商社、メーカーの方々の力を借りて、他者の良いところを確りと学び共に繁栄していく。良い戦い方をしていくことが切磋琢磨だと私は思っております。組合員もブランドを目指しながら、良い組合になって、良い会社作りをしていく。良い会社になれば、後継者も育ち、若い人材が集まってくるのではないかと感じております。切磋琢磨という言葉を大事にしながら、これからも組合の中で私共も仕事をしていきたいと思っております。賛助会員のメーカー、商社の方々の大きなご支援があってこそできる事であります。まず我々組合員が頑張らなければならないことは当然ですが、お集まりいただきました皆様にはこれから益々のご支援をいただきまして、この協同組合が益々発展していくことを心から祈念いたします」と述べた。
賛助会員代表による祝辞では、まずメーカーを代表して森山ミツトヨ中部営業部部長が「孟子の言葉で、商売とは義を重んじる、というのがあります。これこそ日本にとって一番大事なことではないかと感じました。更にその中で、義を重んじたことで利益を得ることは正しいことである、とも言っている。これからの世の中は、付加価値のあるものを、適正な利益を得て販売していく。これがエンドユーザー様にとっても利益となり、販売店、問屋、メーカーにとってこれからの大きな生きる道ではないかと感じております。浜松地区はものづくりの中心地区であります。是非とも、義を重んじかつ利益を得て、そして長く繁栄できる地区でありますよう祈念しております」と挨拶。
続いて、商社を代表して小林ユアサ商事静岡支店長が「昨年12月に日銀の短観で、景気の判断を下方修正したという言葉がありました。2004年の11月から約3年ぶりに景気が減速するのではないかということでした。この原因は、建築基準法の関係で確認申請が通りにくくなっていることと、もう一つは、価格の上昇による中小企業における収益の圧迫がある。その様なことから当面減退という寂しい言葉がありました。しかし、この浜松地区におきましては、自動車産業のスズキ自動車さんがインドへの拡大戦略を、またトヨタ自動車さんもナンバーワン戦略を打ち出し、液晶関係のメーカーさん同士のコラボレーションもあり、ライバルだったものが一緒になるという動きもあります。静岡県の製造出荷額は17兆円を超えている。その中の48%を静岡西部浜松地区が占め、非常に注目される地区。当面、減退という言葉は必要のない地区ではないかと感じております。静岡西部浜松地区における皆様の協力、情報がユーザーさんのところへ行くことによって、益々浜松地区が発展する。そしてそれが組合員、賛助会員の発展につながるのではないかと思っております」と祝いの言葉を述べた。
乾杯に際し、御室浜松商工会議所会頭が「この地域にものづくりの企業を確り誘致する。新しい産業を創出するということを大きなテーマに掲げ、その道筋をつけていきたい。今もものづくりは順調ですが、いつまでも続くという保証はありません。10年後、20年後も続くような道筋をつけていく。景気は良くしないといけない。そこで一番大事なことは、気。我々経済人が、景気を良くするのだという気合を入れていくと、必ず景気は気合によって良くなる」と述べ、力強い発声で乾杯。このあと祝宴に移った。
祝宴では、参加者同士互いに新年の挨拶を交わす姿が見られ、増田理事(プロム・マスダ社長)の中締めで午後7時過ぎに終了した。

里見浩太朗の水戸黄門
新春恒例観劇会を実施
滝川物産 御園座に約200名を招待

滝川物産(社長=滝川和彦氏、本社=名古屋市中川区舟戸町5-23)と滝川会(会長=須藤清勝氏・須藤鋼機会長)の合同企画による「新春御園座観劇会」が1月5日、名古屋市中区栄の御園座で開催され、「水戸黄門 里見浩太朗オンステージ」に会員、取引先のメーカーらおよそ200名が招待された。
この観劇会は、日頃の愛顧に感謝して毎年新春に行われる恒例行事で、40年程の歴史を持つ。
当日は、午後3時30分より受付を開始し、滝川社長はじめ同社営業部のメンバーが招待客を出迎え、一人ひとりと新年の挨拶を交わした。
今回の公演は、里見浩太朗の「水戸黄門」主演放送百回記念公演。第一部水戸黄門は、脚本・宮川一郎、演出・金子良次で、主演の里見浩太朗はじめ原田龍二、合田雅吏、由美かおるらが出演。高松藩を治めるご老公の実子・松平頼常が御禁制である大船の建造を企て、謀反の疑いありとの不穏な報せを受けたご老公は、真偽を確かめるために四国へと旅立つ。旅を急ぐ一行に、柳沢吉保の刺客が襲いかかるというストーリー。立ち回りでは、客席へ演者が乱入する迫力ある演出で観客を沸かせた。
第二部の里見浩太朗オンステージでは新春の幕開けを飾るにふさわしい華麗なステージを満喫。参加者は楽しいひと時を過ごした。

経済産業大臣賞は沖デジタルイメージング、沖データ
機械振興協会
19年度受賞者 新機械振興賞決定

機械振興協会(会長=豊田章一郎氏、住所=東京都港区芝公園3―5―8)は、平成19年度の新機械振興賞の受賞者を決定した。今年度は、40件(うち中小企業17件)の応募の中から、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、機械振興協会会長賞6件が表彰される。
新機械振興賞は、従来の機械振興協会賞(昭和40年度創設)と中堅・中小企業新機械開発賞(昭和45年度創設)を統合し、平成15年度に発足。今回で第5回目となる。
新機械振興賞では、独創性、革新性、経済性に優れた機械工業技術に係る研究開発及びその成果の実用化により、新製品の製造、製品の品質・性能の改善または生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等及び研究開発担当者が表彰対象となる。
第五回新機械振興賞は、新機械振興賞審査委員会(委員長=吉川弘之氏・産業技術総合研究所理事長)において厳正な審査のうえ決定され、経済産業大臣賞には、分子間力接合を用いた新しい半導体技術の構築による「エピフィルムボンディング技術の実用化」(企業名=沖デジタルイメージング、沖データ)が選ばれた。
各賞受賞者は次のとおり。
【経済産業大臣賞】
「エピフィルムボンディング技術の実用化」(企業名=沖デジタルイメージング、沖データ)
【中小企業庁長官賞】
「電磁誘導方式圧力分布センサーの開発」(企業名=シロク)
【機械振興協会会長賞】
「痛み定量化装置の開発」(企業名=オサチ)
「3軸ギヤトレーン無段変速機の開発」(企業名=ダイハツ工業)
「超高圧食品処理装置の開発」(企業名=東洋高圧、広島県立総合技術研究所)
「エンジン用水素フリーDLCバルブリフター」(企業名=日産自動車、リケン、日立製作所、日本アイ・ティ・エフ)
「気流式微粉末製造装置の開発」(企業名=古河産機システムズ)
「水素ロータリーエンジン車の開発」(企業名=マツダ)
なお、表彰式は2月6日に東京プリンスホテルマグノリアホールにて午後3時より行われる。

遮音システム一層充実
フネン遮音パイプ発売
フネンアクロス6層構造の高性能

フネンアクロス(東京都板橋区上板橋1―19―16)は、排水騒音を大幅にシャットアウトする「フネン遮音パイプ」をこのほど新発売した。
同パイプは、ALGC、遮音性シート、吸音フェルト、耐火被覆、空気層、塩ビ管の6層構造により、いやな遮音を抑える仕組み。
種類は、振動絶縁タイプ(XJ―AW)、遮音タイプ(XJ―SS)、複合遮音タイプ(XJ―FS)がある。
【特長】
@6層構造による高性能を実現。
A配管工事業者だけで遮音施工も完了する。
B技能レベルに影響されない安定した性能を確保する。
C簡単施工で施工時問を大幅に削減できる。
D施工時の端材を大幅に削減する。
E省スペース化を実現した。樹脂製シートに吸音材(難燃性フェルト)をあらかじめ装着している。
また、同社では配管と同時にメジ施工が完了する「フネンメジフリー継手」(熱膨張性目地材組込み型継手)も好評裏に拡販しており、「フネン遮音パイプ」との両立で、“フネン遮音システム”が一層充実した。
その他詳細については、同社西日本支店名古屋営業所(名古屋市西区砂原町247・TEL052―509―0591)へ問い合わすとよい。

次世代型マイクロメータ
QuantuMikeカンタマイク発売
ミツトヨクイック測定を実現

ミツトヨ(社長=坂本仁氏、本社=川崎市高津区坂戸1―20―1)は、シンブル一回転でスピンドルが2.0mm移動(一般的には0.5mm移動)するクイック測定を実現したクーラントプルーフマイクロメータ「QuantuMike カンタマイク」を開発・商品化し、国内販売を開始した。
カンタマイクは、一般的なデジマチックマイクロメータMDC‐MJ/PJとほぼ同じ外観寸法であり、ねじピッチ2.0mmを採用し、シンブル1回転でマイクロメータのスピンドルが2.0mm移動するクイック測定を実現。従来品と比べ、ワークへのアプローチ時間を約60%、総測定時間を約35%削減でき、あらゆる測定シーンで実力を発揮する。
その他、片手操作による安定した測定をより充実させた新しい定圧装置「ラチェットシンブル機構」の採用、過酷な加工現場での使用を可能にしたクーラントプルーフ・保護等級IP65の防水機能等、デジタル式マイクロメータの次世代形として市場に投入。
同社の「クーラントプルーフマイクロメータ」は、保護等級の規格に定められた方法にしたがって試験を実施するとともに、出荷前の全数についてエアリーク試験を実施し、ドイツ・ツフラインランド社の公的試験に合格している。
【価格と販売見込み】
標準価格=25mmタイプ・出力有り@19500円、50mmタイプ・出力有り@22000円、25mmタイプ・出力無し@19000円、50mmタイプ・出力無し@21500円
初年度販売個数見込み=15000個(国内販売のみ)
【主な仕様】
測定範囲=0〜25mm、25〜50mm
最小表示量=0.001mm
器差=±一μm※量子化誤差±一カウントを含まず
機能=原点セット機能、ゼロセット機能、ホールド機能、ファンクションロック機能、オートパワーON/OFF機能、測定データ出力機能(出力機種のみ)、エラー警報機能
保護等級=IP65(IEC60529規格)
電源=ボタン形電池(SR44)一個
電池寿命=通常の使用状態で約1.2年
位置検出方式=電磁誘導式ロータリセンサ

年頭所感
新年のごあいさつ
(社)日本鋳造協会会長 加藤 喜久雄

平成20年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
当協会もお陰様で平成17年7月の発足から3度目の新春を迎えることとなりました。この間、多面にわたりご支援、ご協力を賜りました関係官庁、諸団体並びに会員各位の皆様に心からお礼申し上げます。
年頭に当たり、昨年を顧みますと鋳造業界にとって平成19年は原材料価格高騰への対応から始まったといえます。昨年の鉄鋳物生産は前年並みとなる見通しであり、平成15年以降続いた増産傾向もここにきて頭打ちになりつつある中で、スクラップ、コークスや副資材が年間を通して価格高騰し、依然として利益無き繁忙状態にあったというのが実態であります。
鋳造産業ビジョン(以下、ビジョンという。)の展開の初年度として多くの協会事業を実施して参りましたが、中でもビジョンの一番の重点項目である「健全な取引慣行で共存共栄」における当協会の活動として、会員の収益力向上の改善に積極的に取組みました。すなわち、緊急鋳物業取引改善説明会の開催、お客様宛の原材料高騰に対する要望文書作成、そして高騰している原材料価格情報の提供等、会員の原材料等のコスト増の転嫁に役立つ情報を提供致して参りました。また、ユーザーに正確な売価を提示するため、正確な原価の把握を可能とする原価計算モデルの作成と普及に努めて参りました。本年は、さらにユーザーへのガイドライン周知と理解促進の活動強化を進めて参ります。
ビジョンの2つめの柱である「技術・技能で製品力を高め攻めの経営」に関しては、会員の多数を占める中小鋳物メーカーの経営の革新を図るために、会員企業が自己診断を行い将来のビジョンを作成しそれを実現する課題を明確にする活動を実施して参りました。本年も中小鋳物メーカーの底上げに貢献していきたいと考えています。
ビジョンの3つ目の柱である鋳造人材の確保・育成に関しては、日本鋳造工学会や鋳造OBの皆様のご協力を戴き、中部、近畿、北陸の三地区で鋳造カレッジを開設しております。本年は関東、中部、中国の三地区で開設の予定であります。
最後になりましたが、経済産業省を始め関係官庁、関係諸団体並びに会員各位の皆様の一層の御発展と関係各位のますますの御健勝を御祈念申し上げ新年のご挨拶とさせて頂きます。

前向きに挑戦を
(社)日本ベアリング工業会会長 鈴木 泰信

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
最近のわが国経済は、一部に弱さがみられるものの、企業収益が改善する中で設備投資が増加し、生産が持ち直すなど、景気は回復しております。
このような経済情勢の中、先行きについては、国内民間需要に支えられた景気回復が続くものと見込まれます。しかしながら、サブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の動向、為替レートの変動や原油価格高騰が内外経済に与える影響には留意する必要があります。
一方、ベアリング産業の業況ですが、平成19年度の生産額は、内外の景気回復で需要業界が堅調に推移する見通しであることから、前年度比4.3%増の7310億円を見込んでおります。この生産額は、平成18年度に記録した過去最高の7010億円を更に300億円ほど上回る額ですが、業界各社の努力により是非とも達成し、新年もその成果の上に、ベアリング産業が引き続き拡大していくことを期待しております。
ベアリング産業は、世界的規模での経済構造の急速な変化の中にあって、「ものづくり」の根幹をなす重要な機械要素産業として、需要業界のニーズに適切かつ迅速に応えつつ、今後とも発展を遂げていけるよう、事業構造をはじめ経営全般にわたる改革に向けて努力を続けております。
工業会としても、このようなベアリング各社における努力を踏まえ、本年は次のような取組みに重点を置いていきたいと考えております。
第一に、偽造品対策についての取組みです。工業会は、中国の中央政府から「中国の地方政府の規制当局職員に対し直接研修会を実施してほしい」という要請を受けていました。これは、工業会が以前中国の税関職員に同様の研修会を実施しており、これの第二弾を要請されたものです。これに応え、昨年11月に第7次ミッションを中国に派遣し研修会を実施しました。中国における偽造ベアリングの深刻な状況について認識を共有し、わかりやすい識別手法などについて討議し、摘発強化も要請してまいりました。これにより、中国での偽造品への取締りが強化されることを期待しております。また、中国の税関当局との会談も実施し、そこでは研修会をはじめとする協力について引き続き検討していくこととなりました。
本年もこうした昨年のミッションの成果にもとづき、偽造品問題に対する取組みを強めてまいります。また、中国だけでなく、偽造品の輸入国側であるアセアンにおける対策についても一層推進してまいります。
国際関係としては、一昨年に日米欧三極の工業会により創設された世界ベアリング協会いわゆるWBAへの取組みがあります。
昨年九月にミュンヘンで開催された第二回WBA総会で、共通課題である環境、偽造品、貿易について、WBAの下で本格的な協力活動がスタートすることとなりました。本年は、例えば、日本が幹事国として全面的に貢献する環境分野では「ベアリングが環境にいかにやさしいか」を解く環境ブローシャーを作成することとなっております。また本年9月には、米国において第3回WBA総会が開催される予定で、こうした節目節目をとらえ、協力活動が実りあるものとなるよう、日本の国際的な責務を果たしてまいりたいと思います。
他方、米国との間においては、依然としてアンチ・ダンピング制度に関連した通商問題を抱えておりますが、一昨年にバード修正条項が撤廃されたことに続き、昨年はゼロイングもWTOにおいて協定違反との勧告が出されております。本年も、米国との間の通商問題が終息に向かって進展するよう、引き続き経済産業省のご支援をいただきながら、粘り強く努力を重ねていきたいと考えております。
地球環境対策については、地球温暖化という国際社会の大きな目標を達成するために、日本経団連の環境自主行動計画のフォローアップを引き続き実施するとともに、目標達成年度も間近に迫っていることから、地球温暖化対策、循環型社会形成に向けた廃棄物対策などに関し、一層の努力を行い、取組みを強めてまいります。
ISOでは、永年にわたる前向きな姿勢が評価され、日本の役割がますます重要になってきております。特に昨年6月にパリで開催されたISO/TC4の総会では、どの国よりも日本の意見が多く採用され、その存在感を大いに示すこととなりました。今年もISOの場において機会あるごとに、前向きで建設的な提案ができるよう努力をしていきたいと思います。また、JIS、BASの規格の整備についても傾注してまいります。
中小会員企業に対しては、特に若手経営者の方々に活性化と経営の安定に向け、意見交換の機会を設け、労務問題、中小企業にとっての環境対策などについて突っこんだ議論を行ってきています。今年も適時適切なテーマについて会合を開催するなど、中小会員企業の皆様のご努力を支援してまいりたいと考えております。
日本ベアリング工業会では、このように多岐にわたる事業を推し進め、それぞれの課題の解決に向けて積極的な対応を図ってまいります。
近年、中国など諸外国が目覚しい発展を遂げており、日本の「ものづくり産業」にとって、新たな競争相手になっております。その意味でも、ものづくりを支えるベアリング産業の担う役割は大きいものがあります。日本のベアリング産業は、新たな経済発展に貢献できるよう、今年も前向きに挑戦を続けるとともに、日本の「ものづくり産業」の拡大のため一層の努力を続けていかなければならないと考えております。
最後になりましたが、ベアリング産業に対して、関係各位の引き続いてのご支援とご協力を心からお願い申し上げますとともに、皆様の新年のご多幸を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。

時代の要請に対し鋭意努力重ねる
(社)日本冷凍空調工業会会長 中村 一幸

 年頭にあたり謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
 旧年中は、皆様より当工業会に対し格別なるご厚情ご指導、ご支援を賜り、心より御礼申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。
1、平成19年を振り返って
 平成19年の我が国経済は、国内需要の穏やかな回復と好調な輸出に支えられ景況を持続しておりましたが、12月に入り景気の不透明感が増してきております。また、銅・アルミ等の素材の価格は、一昨年から高値圏が続いており、更に、昨年後半からの石油価格高騰、建築基準法改定に伴う影響等々、今年度の経済全体への影響を懸念しております。一方米国のサブプライム問題に端を発した金融不安の世界的な広がりと、ドル為替の変動による世界経済への影響も心配しております。
 こうした中にあって冷凍空調業界は、世界的な需要の拡大、特にユーロ高と欧州の需要増にも助けられ輸出が好調に推移し、生産・出荷額はほぼ前年並みで堅調に推移しています。
 具体的には、上半期の生産額は1兆717億円・前年比103.6%、同じく出荷額は1兆1657億円・前年比101.1%となりました。
 国内における製品別出荷状況を当工業会の自主統計ベースで見ますと、梅雨明けが例年より遅れた影響もあり、上半期では家庭用エアコンが4,740,000台(前年比96.9%)、業務用エアコンが420,000台(96.1%)と前年を若干下回る結果となりました。
 また、ガスエンジンヒートポンプエアコンは13,000台(93.8%)、冷凍冷蔵ユニットが21,000台(90.0%)、冷凍・冷蔵ショーケースが143,000台(91.8%)、カーエアコンが2,240,000台(93.4%)と苦戦をいたしましたが、家庭用ヒートポンプ給湯機は195,000台(124.6%)と確実に拡大しており、昨年9月には累計で1,000,000台を突破することが出来ました。
 輸出につきましては、2797億円、前年比120.3%となり、特に業務用エアコンは欧州・中東での需要拡大により、190,000台(123.6%)、家庭用ルームエアコンでは158,000台(217.5%)と好調さを維持できました。


 さて、昨年は社会的な問題にも発展いたしました製品安全に関して、大きな変化があった年と考えます。安心・安全な社会の構築を目指し、製品事故の報告・公表制度を設けた「消費生活用製品安全法」の改正法が5月より施行されました。
 当工業会においては、製品安全に資する「製品安全に関する自主行動計画」を策定するとともに、新たに安全対応委員会を組織し、より安全な製品をお客様に提供するための活動を開始いたしました。今年度も引き続き強力に推進してまいります。
 地球温暖化防止に関しては、10月にフロンの回収を義務づけたフロン回収破壊法が改正されましたが、これに先立ち四月には関連業界とともにフロン回収推進産業協議会(INFREP)を立ち上げ、法の確実な執行と啓発を推進してきました。今年度も業界団体として責任ある運営を進めてまいります。
2、平成20年を迎えるにあたって
 昨年12月の日銀短観では米国サブプライム問題や原油高により海外経済の減速懸念とともに、国内景気の先行きの不透明感などが、企業心理を圧迫している状況が示されました。空調冷熱業界においても原油高、原材料の高騰など、昨年来の厳しい事業環境が続きますが、省エネ製品の普及拡大など政府による諸政策の推進や、引き続き好調な業種を中心とした設備投資意欲の継続、欧州での需要拡大等々、冷熱空調製品に対する社会の要請は継続して拡大する方向にあり、厳しい経済環境の中でも成長していくものと期待しております。
 そのような中、当工業会としては、地球温暖化対策、環境対策、安全対策などについて、引き続き強力に取り組むとともに、冷凍空調機器の需要の拡大やグローバル化に対応した施策を実施してまいりたいと考えております。
3、地球温暖化防止・環境対策について
 昨年末にバリ島で開催されたCOP13では、今後の温暖化対策に向けた議論がなされましたが、アメリカや中国などがこの新しい枠組みに参加することが重要であり、一定の成果はあったと思われます。本年は日本でG8洞爺湖サミットが開催され、ここでも温暖化防止は大きなテーマとなると思います。
 冷凍空調機器は、住環境の改善、商品の保存・流通、先進医療現場など人類の生活にとって不可欠な存在となっています。しかし、環境などに関連した各種の規制は、日本のみならず世界の各地域で強化される方向にあります。当工業会はこれら時代の要請に対して、会員各社の協力の下、鋭意努力を重ねております。
 第一に、温暖化影響を大きく左右する機器のエネルギー利用効率の改善については、ここ数年の成果は目覚ましく、我が国が既に世界のトップレベルにあることは自他ともに認めるところであります。この事は単に地球温暖化防止に対する貢献だけではなく、技術立国を標榜する我が国の冷凍空調産業が世界におけるリーダー的な存在として発展を継続していく上で、重要な点と認識しています。そのような中、国内における新たな省エネルギー目標(改正省エネ法)に対しても、速やかに達成できるよう積極果敢にチャレンジしていきたいと考えております。
 第二に、冷凍空調機器のもう一つの大きな環境課題として、フロンガスの取り扱いがあげられます。既にオゾン層破壊係数ゼロのHFC冷媒への転換は大部分の機器で完了しております。
 次に、地球温暖化対策としての活動ですが、HFC冷媒は地球温暖化係数が高いものの現時点では冷凍空調機器に無くてはならないものであります。当工業会におきましても、低GWP冷媒や自然冷媒の研究、対応可能な機器での積極的採用を進めておりますが、現段階での技術では一部の機器を除いて、フロンに代わるものの開発は見通しが立っていません。また、開発に成功しても市場には相当量のフロンガスが使用されており、これらの完全置換えには多くの時間が必要です。このような状況の中、“フロンの責任ある使用原則”の基、フロンガスの大気への排出を削減する努力が求められます。使い終わった機器からのフロン回収量の大幅増加を目指した、改正フロン回収破壊法(回収率30→60%)が昨年10月に施行されました。当工業会におきましても関連諸団体と連携の上、フロン回収推進産業協議会(INFREP)を昨年4月に設立し、回収を推進しております。
4、グローバル化の推進について
 グローバル化が進む中、国際的な連携がますます重要になると認識しております。国際的な工業会の交流機能であるICARMA(冷凍空調工業会国際評議会)の活動も更に有意義なものとなるべく継続して努力してまいります。また、地球温暖化防止のための省エネ技術の紹介による途上国への支援、新しい省エネ基準の提案による国際規格化等々、将来を見据えた地道な国際的活動を今後も推進してまいります。
 一昨年、JBCE(在欧日系ビジネス協議会)内に空調機器に関する部会が発足しました。これは、WEEE/Rohs、F−Gas、REACH、EUP指令など今後ますます厳しくなる欧州の環境規制に対し、その空調業界に関連した情報収集と共有化、日系企業の意見集約などの活動を行い、規制に対する迅速な対応を図るとともに、規制当局への提案活動の展開などを意図するものであると同時に、EUROVENT、EPEEなど在欧州の工業会/協会との関係構築・協調の下で欧州空調産業の発展、しいては我が国の空調産業の発展を目指すものであります。
 特にフロンの禁止に関しては、前回は各業界団体・企業などの諸活動によりかろうじて否決されましたが、既に次期見直しが始まっており、本法案が可決に至れば空調業界は壊滅的な打撃を受けることになる恐れがあります。これらの情報収集と提案活動は、当業界にとって企業の命運を左右する極めて重要な事項であり、今後、日本側として技術要件などの支援活動が強く求められています。
 欧州の事業は各社とも重要な位置を占めて来ており、迅速な対応に向けた現地日系企業の意見調整と集約、及び日本側との連絡・調整をとる人材の欧州への派遣が急務であり、工業会として活動を強化していきたいと考えております。また、これらの活動の拠点として日本冷凍空調工業会の欧州事務所の開設を決定しました。
 その他、拡大している海外生産についても状況を整理し、統計や貿易実態などの情報把握に努めてまいります。
5、今後の業界の活動方針について
 我が国の基幹産業のひとつでもあります当工業会の生産品は、ヒートポンプ技術を核に家庭から業務用における様々な生活環境の快適さを実現するとともに、食品の流通・保存に係わる冷蔵冷凍やカーエアコン分野、先端医療分野まで我々の生活には無くてはならないものであります。
 また、世界的な課題として取り組まなければならない地球温暖化・環境対策などにおいても、ヒートポンプ技術の飛躍的な効率向上と用途の拡大は、京都議定書の目標を達成させるための切り札になりうるものであり、更なる市場拡大と環境に配慮した高効率機器の開発や普及にも積極的に取り組んでいきます。
 また、これらの優れた商品を消費者の皆様に安心してご使用頂けるように、製品安全に係わる設計品質の更なる向上や、分かりやすい適切な性能表示の改善などに努めてまいります。
 そして、長年培ってきた技術を活かし当工業会が今後とも発展し続け、社会から信頼される機関としての評価を高めるため、透明性・情報提供への利便性にもなお一層の努力を続けてまいりたいと存じます。また、世界的に認知される工業会を目指し、国際的な連携も深めていきたいと考えております。
 本年は干支で言うと「戊子」です。「戊」は茂るに通じ植物が良く成長する時期に当たります。「子」は種がたくさん出来ると言うことで、大いに繁栄することを期待したいと思っています。
 皆様方のなお一層のご支援と、関係官庁、関係団体、会員各社そして報道機関の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

マルチドリルのマザー工場
東海精密(三重県菰野町)を見学
中日本智泉会 第3回フロント会開催

 中日本智泉会(住友電工ハードメタルと不二越の有力販売店の会)は昨年の12月4日、第3回フロント会を開催し、住友電工ハードメタルのグループ企業で、同社マルチドリル生産の主幹工場である東海精密(三重県三重郡菰野町)を見学した。
 当日は、会員企業の第一線の営業マンら45名が参加。午前11時50分にJR名古屋駅に集合し、バスにて東海精密へ。車中で昼食をとり、午後1時過ぎに到着した。
 はじめに田中東海精密社長より挨拶があり、同社の概況が説明された。
 同社は1969年に四日市の八王子で東海工業として設立。その後、1984年に住友電工が100%出資して同社の子会社となり、社名を東海精密に変更。同年、三重県菰野町に移転した。現在は、中部地区を中心に穴あけ加工用工具を製造している。主力製品のマルチドリルに関しては、住友電工ハードメタルの世界7拠点で製造される中でマザー工場としての役割を果たす。二直体制で生産し、基本的には週休2日制だが、現在は土曜日も出勤している。
 田中社長の話の後、同社で製造している商品のセミナーと生産体制に関する説明があり、その中で、一時期品不足で迷惑をかけていた商品の供給体制が改善されたことも報告された。また、環境、安全の面にも非常に力を注いでいると説明された。
 引き続いて、2班に分かれて工場を見学。工場内では、間近でマルチドリルの製造ラインを見ることができた。また、マシニングで最新工具を使った切削実演も行われた。
 工場見学後は、名古屋に戻って懇親会が開かれ、互いに胸襟を開いて語り合い親睦を深めた。

CNC旋盤「Duraturn」に
ビルトインモータタレット搭載
森精機製作所 高効率ミーリング機能追加

森精機製作所(社長=森雅彦氏、本社=名古屋市中村区名駅2―35―16)は、CNC旋盤Duraturnシリーズに“BMT(ビルトインモータ・タレット)”を搭載することによりミーリング機能を追加した新機種「Duraturn2050MC」および「Duraturn2550MC」の受注を昨年12月19日より開始した。
 Duraturnシリーズは多くのユーザーが工作機械に求める「シンプルかつ頑丈」な構造を追求して開発され、最適な性能と価格を実現し、その信頼性と値打ち感により2006年6月の発売以来、2007年11月末時点で約600台を受注。先月3日には高性能オペレーティングシステム“MAPPSV”を搭載し、使いやすさも向上した。
 Duraturnシリーズには「旋削加工だけでなくミーリング加工もしたい」という要望が多数あり、その要望に応えるべく同社の独自技術であるBMTを搭載した。BMTは従来の旋盤におけるミーリング加工の常識を覆す加工能力と精度を実現し、森精機の累積受注台数8000台を誇るCNC旋盤NLシリーズに搭載され高く評価されている。
 BMTをDuraturnシリーズにも搭載することにより、従来のDuraturnシリーズの特長をそのままに、優れたミーリング能力という新たな価値が追加される。それにより旋削だけでなくタップ加工、ドリル加工など幅広い加工に対応可能となり、ユーザーの生産性の更なる向上に貢献する。
 価格は、Duraturn2050MCが1台1169万円。月産20台。
【主な仕様】
 Duraturn2050MC 最大加工径φ340mm、最大加工長さ436mm、各軸移動量(X/Z)215/570mm、主軸最高回転速度4000min、回転工具主軸回転速度6000min、早送り速度(X/Z)24000/24000mm/min、刃物台の工具取付け本数12、主軸用電動機13.5/13.5/11kw(5分/30分/連続)、回転工具主軸用電動機5.5/5.5/3.7kw(15%/25%/連続)、機械の大きさ(幅×奥行き×高さ)2200×1793×1832mm、機械質量4100kg。
 Duraturn2550MC 最大加工径φ340mm、最大加工長さ436mm、各軸移動量(X/Z)215/570mm、主軸最高回転速度3000min、回転工具主軸回転速度6000min、早送り速度(X/Z)24000/24000mm/min、刃物台の工具取付け本数12、主軸用電動機26/19.5kw(30分/連続)、回転工具主軸用電動機5.5/5.5/3.7kw(15%/25%/連続)、機械の大きさ(幅×奥行き×高さ)2375×1793×1832mm、機械質量4250kg。
※BMTとは
 モータをタレット内に組み込むことにより駆動力をダイレクトに伝達するため、従来のように動力伝達装置(ベルト、ギヤなど)を利用した構造と比較して伝達効率が向上するとともに、刃物台の振動が抑制される。また、オイルジャケット冷却により刃物台の温度上昇を従来機の1/10以下に抑制する。

改革に挑む 
ISO14001取得で社内を活性化
伊藤信産業社長 伊藤正人氏

伊藤信産業(社長=伊藤正人氏、本社=名古屋市瑞穂区田光町1―10―2)は、米国の審査会社ペリージョンソンレジストラーの審査を受け、昨年(2007年)の9月24日にISO14001を取得した。
 そのねらい、取得までの取り組み、これからについて伊藤社長にお話を伺った。
 ―なぜISO14001を取得されたのですか。
 「今回のISO取得の主な目的は、経営層と社員とのベクトル合わせ及びISOのしくみを取り入れ社内を活性化することにあります。紙の削減や節電などの趣旨よりもPDCAの活用による会社運営を重視して、それに取り組んでいくためです」。
 ―取得に至るまでに何か苦労されたことはありましたか。
 「最初は私を含め三人がコンサルタントの指導を仰ぎ、ISO取得に向けた取り組みをスタートさせましたが、時間を計画的に作ること及び全員に活動を周知して理解してもらうことは、推進委員にとって大変なことであったと記憶しています。また、社内の環境整備の面では、ひとまず本社だけISOを取得したのですが、それに先がけて昨年(2007年)の3月着工で本社の改装工事を行いました。2階には研修室と応接室を新たに設置し、1階事務所はデスク・書庫をはじめとする機材の入れ替えをして備品はすべて一新しました。当然、コストもかかりましたし、大がかりなものとなりました。ISO取得までに実質1年強の時間を要しました」。
 ―ISOを取得したうえで新たに何か取り組みを始められていますか。
 「現在、5S・エコ・ゴミ・在庫・伝票の五つの委員会を設けて継続的な改善に取り組んでおり、各委員会がテーマを決めて定期的に会議を行っています」。
 この活動による伊藤社長のねらいは、経営層に命令されてやるのではなく、どうしたら会社のためになるかについて社員が自ら考える、提案することを習慣化して会社を活性化させることにある。
 「まだ取り組んだばかりなのではっきりとはわかりませんが、人材教育を含め、景気に左右されない財務基盤づくりをしていくうえでもISOに取り組んで良かったのではないかと思っています」。
 そして、本社でのISOへの取り組みに対する基盤を固めた後、滋賀営業所(東近江市)でもISOの取り組みを展開させていく方針である。

子年男
株式会社マルエス商会
代表取締役社長 鈴木康仁氏

生家は浜松市元浜で、大衆食堂を営む次男坊として生を受ける。
「店は、母と母の姉妹で切り盛りしていました。麺類から丼もの一品ものと品数は実に豊富でしたよ。昼時になると大勢のお客さんで満席でしたね。小学生の時はよく皿洗いを手伝っていました。中学になると自転車で出前をしては小遣いを貰いましたよ」。
高校までは地元で過ごし、大学は名古屋大学の工学部に進む。専攻課程は、応用化学合成化学科。超伝導物質、半導体、ファインセラミックス等の“材料革命”をなす、応用化学の基礎から応用に至る幅広い研究に没頭していた。
「異なった分子と分子をくっ付けると、将来備わっていた個別のものから、合成によって別のものに変化するという基礎研究をしていました。解りやすく言えば、木炭とダイヤモンドの違いでしょうか? もともとダイヤと炭は元素の並び方が違うだけで、同じ炭素で出来ています。ダイヤも石炭の親類と思えば何となく興味が出てきますよね」。
大学の伝統でもあった奉仕活動サークルにも積極的に参加し、障害者等施設を訪れては、階段作りや塀作りのお手伝い、詩集の募金活動にも情熱を燃やした。募金活動が取り持つ縁で今の奥さんと結婚。
卒業後は、塗料工業のパイオニアとして知られる日本ペイントに入社。品質管理部門に配属され、商品及びサービスの質の向上を目指す顧客満足度の追求に携わった。
「昭和48年に結婚して東京暮らしが始まりました。東京をスタートに、千葉、高浜工場を転々とし、自動車産業向けの塗料の品質管理を手掛けていました」。
今は亡き義父の説得もあり、15年勤めた会社を退職し、昭和63年にマルエス商会に入社。大学での研究、ペイント会社での実績もあり、住宅設備関連会社への転職はさして苦にならなかったと言う。
「全く異なった分野でもなく、化学製品も数多く取り扱っていますから、もともと興味はありましたね。2人娘ですから、ゆくゆくは後を継ぐことになるとは頭の中で理解はしていましたが、実際に引き受けるとなると、責任の重大さを痛感しましたね」。
平成六年に代表権を譲られたが、資金面は会長が担ってくれたので、営業に打ち込むことができたと述懐する。
住宅街での店構えだけあって、一般のお客さんの出入りも多く、リフォームの相談に訪れている住民の姿をよく目にする。
「日曜大工が好きですから、リフォームの相談事には気軽にお応えしています。水漏れを直してほしい、ウォシュレットを取り変えてほしい、給湯機の加減が悪いので見てほしい、と言った相談がよく寄せられますね」。
研究家としての持ち前か、注文が入ると、中身を精査しては、この部品が足らないのでは? とのアドバイスも忘れない。
「普通は、注文が入ればそのまま注文の品を納品して終りですが、それだけでは何か物足りないものを覚えますね。この商品には、この物がセットになっていることを忘れてはいないかと一言口を挟みます。中にはお節介だと言われる方もいますがね」。
“親切とお節介”相反する言葉に思えるが、実に紙一重である。親切は肯定的に用いられ、お節介は否定的に用いる場合が多いからであろう。行動の中心を自分に置くか、相手に置くかによって親切になったり、お節介になったりするものだと思う。
趣味は日曜大工で、イスや電話台作り等はお手のもの。将来はログハウスを建てるのが夢。
モットーは、「会話重視」。今では当たり前になっているメールでのやり取りには閉口するそうだ。
「メールでは相手の状態が伝わりませんからね。話せば相手の様子が解るじゃないですか」。御尤も。
昭和23年9月4日生まれ。

加藤製作所創業者
加藤富三氏の米寿を祝う
米寿の会に同級生6名も参加

加藤製作所(社長=加藤丈人氏、本社=愛知県清須市清洲1668)の創業者で会長の加藤富三氏が昨年12月7日に米寿(88歳)を迎えた。
長男の加藤社長らが発起人となって「加藤富三氏の米寿の会」を同16日正午より名古屋市中村区名駅の名鉄グランドホテルで開き、97名が参加して富三氏の米寿を祝福した。
会の冒頭、発起人を代表して加藤社長が「本日は公私ともにお忙しい中、またご遠方よりご出席いただきまして誠に有り難うございます。平成19年という年は加藤製作所にとりまして、1月に創業60周年を迎え、締めくくりの12月に会長の米寿を迎えるという、喜びの重なる1年でありました。弊社の会長の加藤富三は、申年の大正9年12月7日に清洲町(現清須市)で生まれ、18歳の時に日立製作所で鋳物にはじめて出会い、以来70年間鋳物一筋に生きてまいりました。それも本日ご出席の皆様の温かいご支援の賜物と深く感謝いたしております。本日は、その足跡を振り返り、皆様と楽しいひと時を過ごしたいと存じます」と挨拶。
続いて、明石日本非鉄金属鋳物協会会長より「加藤会長様には、めでたく米寿を迎えられましたことを心からお喜び申し上げます。加藤製作所様は今年60周年を迎えられたということで、重ね重ね本当に今年は良い年であったことと、お祝いを申し上げます。会長様は、大正、昭和、平成と激動の時を歩んでこられ、特に昭和の混乱期の昭和22年に創業されました。創業時は、我々の想像を絶するような大変なご苦労があったのだろうと推察いたします。また、今日の経済大国日本をここまで築き上げていただいたのも、会長様の年代の方々のお陰だと改めて感謝申し上げ敬意を表します。さらに長生きをしていただき、会社のご隆盛を見守っていただきたいと存じます」と祝辞が述べられた。
辻名古屋清須ロータリークラブ会長の発声で乾杯。
祝宴では、富三氏の足跡を映像で綴ったDVD「ものづくり、ひとすじに」が上映され、孫から花束贈呈のサプライズも。
また当日は、同氏の愛知一中時代「富葉会」の仲間である祖父江愛知医科大名誉教授ら六名も出席し、祖父江氏より当時のことから今日に至るまでのさまざまな思い出が語られた。
最後に、富三氏は挨拶で「私の人生88年経ちまして、一番有り難く思いますのは丈夫な体を授かったこと。次に、昭和8年に2番目の兄に続いて愛知一中に入学でき、『知育』『徳育』『体育』を徹底して叩き込まれた。日立製作所亀有工場で鋳物に触れ、加藤家の養子縁組を機に清洲で銅合金の鋳物を作ることを決心。早速、名古屋市中川区の伊藤合金鋳造所へ見習いに行きながら工場開設の準備をし、昭和22年1月5日に私と職人2人で炭火アイロンの底板の鋳造を始め、その間に扇風機、洗濯機の部品を受注し、次いで瞬間湯沸かし器の部品、水道メーターのケース、減圧弁など製造し、順調に経営を続け、あっという間の60年でした。昭和42年にはロータリークラブに入会し、職業を通じた社会への奉仕の精神に触れ、清洲城の再建、日吉神社の再建などに関わり、故郷清洲へのささやかな恩返しができましたことは大変うれしく思っております。会社の経営におきましては、技術の進歩と国際化の中での舵取りは益々困難な時代になっておりますので、本日ご出席の皆様の一層のご支援をお願いいたしまして、新しい一歩を進めていくことを願っております。最後になりましたが、ご出席の皆々様のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして、お礼のご挨拶に代えさせていただきます」と述べ、安藤日本青銅社長の中締めでお開きとなった。

クリスマス会を開催
三重機械工具商協組 会員等100余名集う

三重県機械工具商協同組合(理事長=松山廣氏・松山機工社長)の福利厚生委員会(委員長=門脇匡伸氏・門脇商店社長)主管による「第11回クリスマス会」が12月15日午後5時30分より、四日市駅西の“四日市文化会館”を会場に、会員はじめ従業員、それに賛助会員等100余名が出席して開催された。
パーティは門脇委員長の司会進行、開会の辞に続いて、松山理事長が挨拶に立ち「クリスマス会も11回目となり、組合行事の中でも大変好評を頂いております。今回も素晴らしい内容となっておりますので、大いに飲んで、大いに食べて、大いに楽しんで頂きたいと思います」と挨拶を述べ、賛助会員のトラスコ中山四日市支店の石井支店長の乾杯音頭でパーティに臨んだ。
パーティーでは、恒例のじゃんけん大会、商品券や宝くじ等が当たるお楽しみ抽選会を行い、会場内を大いに盛り上げ、芦川総務委員長(タイセー社長)の三本締めで盛会の内にクリスマス会をお開きとした。

世界初の超深彫加工の開発に成功
ビビリや異常振動なく安定
オーエスジーグループ会社 金型コンサルが開発

オーエスジー(社長=石川則男氏、本社=愛知県豊川市本野ヶ原3―22)のグループ会社である、金型コンサル(社長=左甲斐武久氏、本社=千葉県鎌ヶ谷市東初富4―5―17)は、世界初となる超深彫加工の開発に成功した。
【開発に至る背景】
金型加工のコストダウンの切札は、放電加工をできるだけ少なくし、NC直彫加工を行うことだが、材料硬さが高くなり(40〜63HRC)、細いリブを含んだ複雑形状で工具突出長比率L/D=10を超えてくると、工具の剛性低下のためNC直彫加工では急激に切削能率が低下すると同時に、正確な形状加工ができなくなる。
また、工具寿命も極端に短くなる。そのため時間のかかる放電加工に依存せざるを得ない、大きな技術的障壁が存在しており、コストダウンを阻む重要課題となっている。
NC直彫加工技術が進歩し高速高送り加工が盛んだが、いまだ解決できていない金型製造業に共通した懸案事項のひとつとなっている。
金型コンサルでは、この問題解決に長年取り組んでおり、この度、突出長比率L/D=30を超える超深彫加工を世界で初めて実現でき、放電加工レスを可能とした。同時に開発した新金型加工工法(新工法)を組合わせることにより、ダイカスト金型、鋳造金型、プラスチック金型、プレス金型等各種金型での30〜50%コストダウン達成の道が開けた。
【超深彫加工開発の道筋】
高速高送り加工では一刃切削量を抑え、毎分数万回転の高速回転、浅切込で切削送り速度を上げることで、低硬度材から高硬度材まで効率よく加工する。しかし、高速回転のため遠心力が増大し、工具突出長が長くなると振動現象が急激に増大するため、深彫加工は技術的に限界があった。
この問題を解決するために金型コンサルが開発した方法が低速高送り加工。この工法は、工具回転数を高速高送り加工の1/2〜1/5に下げ、一刃切削量を数倍大きくし、切削送り速度は高速高送り加工に準じた加工をする方法。この方法では、工具への遠心力は回転数の二乗で減少するため、回転数が低下した分、ビビリが減少し、ロング突出長での加工が可能となる。
使用する工具は、このために金型コンサルとオーエスジーが共同開発した、刃先強度を強化して超深彫加工に適するネガ刃形(OSGフェニックス・シリーズ工具)を使用する。この工具の特長は、薄い切り屑厚みで削るため切削抵抗が小さい。切り屑厚みを薄くするために工具刃底に除変ネガスクイ角を持った円弧上のスパイラル刃形を設け、切削長を極端に長くして、工具の中心部から切削加工が始まる構造とした点にある。この構造により、従来切り屑厚みの1/10〜1/30の薄層化に成功し、切削抵抗が極めて低く、深彫加工が実現できる。
しかし、更に深い形状を加工すると工具先端の撓りが大きくなるため、正確な削りが行えなくなる問題点が出てくる。そこで、工具刃先への切削負荷をいかなる切削状況下でも一定に保つ金型コンサル独自の切削負荷制御技術を開発することにより、この問題を解決することができた。この負荷変動情報は全てNCデータの中に自動的に反映される。
【超深彫加工の効果】
@ダイス鋼硬さ43HRCで工具突出長比率L/D=60でも、Z切込量0.3mmで問題なく切削できる。従来の常識をはるかに超えた切削が可能(新工法 フルカット法採用)。
A切削周速度は30m/分とハイス並みの超低速回転での加工であり、低速高送り加工条件となる。このため、ビビリや異常振動がなく、安定して削れる。
B加工時間は放電加工時間の1/2。

新DLCコーティング材種により
優れた耐溶着性と高い潤滑性実現
タンガロイ 「DS1100」を拡充

タンガロイ(社長=徳永昭大氏、本社=川崎市幸区堀川町580)は、2007年6月に発売したアルミニウム合金加工用DLCコーティング材種「DS1000シリーズ」に、新たに「DS1100」を拡充し販売を開始した。
 DS1000シリーズは、2006年7月に始まるタンガロイとオーエスジーの資本・業務提携の成果のひとつで、両社の先端技術のシナジーにより生まれた。
 アルミニウム合金加工では、被削材が工具刃先に溶着することで加工面に悪影響を及ぼすことが多い。アルミニウムとの化学的親和力が低くかつ平滑なDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング「DSコート」と、大きなすくい角と鏡面化したすくい面を有することで物理的に溶着しにくい「AJ形ブレーカ」とのシナジーで、アルミニウム合金の加工において抜群の加工面品質を提供する。
 今回の「DS1100」アイテム拡充は、フライス加工における、平面加工用「T/EAW13」、肩削り加工用「T/EPW13」、多機能型「T/ESD」・「T/EPS」および軽量タイプ「T/EFE12」を対象とするもので、「T/EPS」用インサートにはコーナR0.4とR0・8をラインナップ。アルミニウム合金加工の幅広い用途で、これまで以上の高性能を発揮する。
 発売アイテムは全10形番で、主な形番の標準価格(税込み)はDS1100 ASGT11T304PDFR‐AJ@1250円、DS1100 GDGT17X6PDFR‐AJ@2793円、DS1100 SWGT1304PDFR‐AJ@1859円.初年度6000万円の販売を見込む。

北九州営業所開設
アカギ 2月2日から営業

アカギ(東京都中央区入船2―1―1・社長=渋谷宏明氏)では、このほどユーザーの利便性に配慮して、「北九州営業所」(所長=宮本裕一氏)を2月に開設する。
 「従来にも増して品質とサービスの向上のために、たゆまぬ努力を続ける所存でおります」と、同社関係者は述べている。
【北九州営業所 概要】
▽所在地 〒800―0257 北九州市小倉南区湯川5―7―8
▽TEL 093―932―0551(代表)
▽FAX 093―932―5221
▽営業開始 2月2日(土)
▽営業品目 アカギ式配管支持金具、インサート類・支持架台一式
▽敷地 約710u
▽事務所 約210u
▽倉庫 約470u
▽人員 15名