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2020年(令和2年)10月
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2020年10月4日(日)11日(日)2756号・2757号
中部経産局9月公表 最近の管内総合経済動向
「低迷しているものの、生産面に
持ち直しの動きがみられる」
2か月連続の上方修正

 中部経済産業局は9月10日発表の「最近の管内総合経済動向」で、管内(愛知、岐阜、三重、富山、石川の5県)の経済活動についての総括判断を「悪化が続いているなか、下げ止まりの動きがみられる」から「低迷しているものの、生産面に持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。上方修正は前月の発表に続いて2か月連続。(比較は、断りのあるものを除き、2020年7月の実績値による)
 個別の項目では、生産、公共投資、輸出の判断を上方修正した。
 生産は、「下げ止まりの動きがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に前月に続いて上方修正。鉱工業生産の動向を指数(7月速報)でみると、輸送機械工業、プラスチック製品工業、鉄鋼業などが上昇したことから、前月比20・4%増と2か月連続で上昇した。前年同月比は19・7%減と10か月連続の低下となった。主要業種では、輸送機械が、乗用車及び自動車部品で持ち直しの動きがみられる。生産用機械は、金属工作機械が国内・海外向けともに低水準。電子部品・デバイスは、SSD向け等を中心に緩やかに持ち直している。
 公共投資は、判断を「弱い動きとなっている」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。上方修正は、2019年9月の発表以来、12か月ぶり。公共工事前払金保証請負金額は、単月で前年比2・3%増となり、年度累計では前年度比10・1%減と下回っているものの低下幅は縮小している。
 輸出は、「下げ止まりの動きがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に前月に続いて判断を上方修正。名古屋税関管内の輸出通関額(円ベース・速報)は、12か月連続で前年を下回った。品目別では自動車や自動車の部分品などが、主要地域別ではアジア向け、アメリカ向け及びEU向けが前年を下回ったものの低下幅は縮小し、中国向けが3か月連続で前年を上回るなど持ち直しの動きがみられた。
 その他、個人消費は「弱まっているものの、一部に持ち直しの動きがみられる」(2か月連続)、設備投資は「増加しているものの、伸びは鈍化している」(6か月連続)、住宅投資は「弱い動きとなっている」(3か月連続)、雇用は「需給が緩和している」(2か月連続)と判断した。

コロナ感染拡大防止の観点から
令和3年賀詞交歓会を中止に
静岡県管工機材商組合 9月理事会を開催

 静岡県管工機材商組合(理事長=一色哲巳氏・一色機材社長)は、9月11日午後3時より静岡市内のホテルシティオ静岡で、理事8名が出席して理事会を開いた。
 組合員・賛助会員が参加する恒例の組合コンペについて、コロナ禍の中にあっても製販交流の場は必要との考えから、11月5日に富嶽カントリークラブ(静岡市清水区)にて開催すると決定した。ただし、参加者は静岡県内に営業所のある賛助会員、県在住者に限る。表彰式およびパーティーは、ソーシャルディスタンスを充分取るなど感染予防に最大限配慮して行うこととした。
 役員会有志コンペについても、10月6日に富嶽カントリークラブで開催することを決めた。午前9時スタート。表彰式やパーティーは行わないこととした。
 賀詞交歓会については、毎年多くの組合員と全国各地から参加する賛助会員により盛大に開催されるが、今期は密を避けられないとして中止を決定した。祝辞の依頼を予定していた来賓にはヌマカンの伊藤会長より断りの連絡をしてもらうことを確認した。
 組合研修旅行は、賛助会員も参加して例年12月に開催されるが、今期については中止することとした。
 業界の市況、新型コロナウイルスの影響等については、静岡県下で特に伊豆半島は観光で持っているところがあり非常に悪い、管材・住設関係の売上は対前期比70〜80%になっているところが多く見受けられると報告された。
 管機連理事会は、10月7日にビデオ会議アプリ「ズーム」を使用してオンラインで開催される。一色理事長が参加予定。接続テストを9月30日午後3時〜4時に行う。
 その他、理事長交代の件は、次期理事長候補者の承諾を得てほぼ決定したと報告。また、会費未納会員(数社)に対し、各担当理事が督促することを確認するなどして、理事会を終了した。
 当日は理事会前に合成管部会(担当=大河理事・大河機材社長)が開かれ、ブリヂストンの岡本課長と田中氏が配管資材の紹介、賠償保険制度の説明などを行った。

導電性を備えた耐摩耗性部品を3Dプリント
イグリデュールI8-ESD
イグス SLS方式用新材質を開発

 イグス(本社=ドイツ)は、ESD(静電気放電)対策が必要な耐摩耗性部品をユーザーの要望に応じて優れたコスト効率で作成できるよう、SLS(粉末焼結積層造形)方式の3Dプリンター用に新材質「イグリデュールI8-ESD」を開発した。この新材質で作成した部品は導電性を備え、静電気を嫌う産業分野において安全な製造ラインを実現する。
 電子産業や半導体産業で使われる耐摩耗性部品には、耐久性だけでなく、静電破壊を防ぐために導電性が求められる。導電性を備えた特殊部品の迅速な製造を実現するため、このほど同社はSLS方式用3Dプリント材質を開発した。
 SLS方式のメリットとして、プリント後の未焼結パウダーを再利用できるため無駄がなく、プラスチック廃棄物の削減に貢献する。さらにプリントした部品はリサイクルが可能。
 イグリデュールI8-ESD製部品は同社の全ての材質と同じく無潤滑で、構造的に安定している。また、体積抵抗率は3× 
10 7Ω・pで静電気対策が必要な用途に適しているだけでなく、材質自体が黒色なため着色作業が不要でコスト削減や納期短縮を実現する。
 同社は、広さ3800uの試験施設において多くのトライボポリマー製品試験を行っている。SLS方式で作成したイグリデュールI8-ESD製部品は、揺動時の摩耗試験においてPA12製3Dプリント部品の約2倍の耐摩耗性を示し、また直動時の摩耗試験でも優れた性能を実証したという。
 この新材質は、ユーザー自身で加工することも、イグス3Dプリントサービスを利用することも可能。同社のオンライン3Dプリントサービスを利用する場合は、STEPファイルをアップロードするだけで簡単に注文できる。同サービスの詳細についてはhttps://www.igus.co.jp/3dprintserviceを参照。

8月度鍛圧機械受注総額30%減
日鍛工 18か月連続で前年下回る

 日本鍛圧機械工業会(日鍛工、代表理事会長=坂木雅治氏・アマダ相談役)が9月8日発表した鍛圧機械会員月次統計によると、2020年8月度の受注総額は、前年同月比30・0%減の160億56百万円となり、18か月連続で前年を下回った。国内外ともに大型設備投資案件は低調で、設備投資意欲の改善は見られない状況が続いている。
 機種別にみると、プレス系機械は、前年同月比16・9%減の61億38百万円となり、2か月連続で前年を下回った。小型プレスが15・1%増、大型プレスが21・0%増、超大型プレスも4・0%増となったが、中型プレスは3・2%減。油圧プレスは58・0%減、フォーミングが31・8%減、自動化・安全装置も64・6%減だった。
 板金系機械は、前年同月比50・6%減の44億72百万円と大幅に減少、11か月連続で前年を下回った。レーザ・プラズマが57・6%減、プレスブレーキが39・2%減、パンチングも58・1%減だった。
 サービス系(サービス・部品金型)は、前年同月比16・4%減の54億46百万円となり、5か月連続で前年を下回った。
 内外別(機種計)では、国内が前年同月比25・6%減の74億74百万円。自動車向けが22・5%増とやや持ち直したものの、その他は金属製品製造業向け26・1%減、一般機械向け40・7%減、電機向け26・6%減、鉄鋼・非鉄金属向け72・2%減と低調のままだった。
 輸出は、前年同月比50・9%減の31億36百万円となり、北米向け69・5%減、中国向け41・4%減、欧州向け10・1%減、東南アジア向け54・5%減、韓国・台湾向け87・8%減。依然北米市場の低迷が続いており、全般的に極めて低位での推移となっている。

売上高1.1%減、純利益9.9%減
トラスコ中山 2020年12月期第2四半期決算

 機械工具卸売商社トラスコ中山(社長=中山哲也氏、本社=東京都港区)が8月7日発表した2020年12月期第2四半期連結決算(2020年1〜6月)は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による製造業の工場稼働率低下や能力増強投資の先送りの広がりなどが影響し、売上高は1084億13百万円(前年同期比1・1%減)、営業利益が61億61百万円(同11・5%減)、経常利益が64億円(同9・9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が43億33百万円(同9・9%減)となった。
 全売上高の74%を占めるファクトリールート(製造業、建設関連業等向け卸売)は、感染症拡大の影響を受けて、マスクや保護服、消毒液などの引き合いは増加したものの、設備投資の際に必要とされる物流保管用品や工場の稼働に必要な製品群の引き合いの低下により、売上高が前年同期比5・8%減。粗利率の高いeビジネスルート(ネット通販企業等向け販売)の売上高が増加(同15・7%増)したことにより、全体の売上総利益率は22・0%と前年同期に比べ0・3ポイント増加した。一方、運賃荷造費や減価償却費の増加により、販売管理費は同5・7%増となった。
 2020年12月期通期業績予想については、上期の業績を踏まえた上で、下期(2020年7〜12月)においては新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な状況下であることから、当初予想(2月10日発表)を下方修正し、レンジ形式による開示に変更。売上高2258億49百万円〜1985億48百万円(前年比2・3%増〜10・0%減)、営業利益126億40百万円〜76億36百万円(同8・4%減〜44・7%減)、経常利益130億円〜79億96百万円(同8・4%減〜43・7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益89億52百万円〜54億99百万円(同6・9%減〜42・8%減)とした。

令和2年度第2回
WMゴルフ大会開く

 木工機械研究会WM会(会長=福本豊彦氏・フクモト会長)の令和2年度第2回ゴルフ大会が7月19日、涼を求めて長野県木曽町の御岳ゴルフ&リゾートホテルで開かれた。
 当日は、梅雨の合間の晴天に恵まれ、14名が参加。ダブルペリアのプレイで熱戦の末、川瀬敏裕氏がネット71で優勝を飾った。
 上位入賞者は次の通り(敬称略)。
▽優勝=川瀬敏裕(中京)G95、H24、N71
▽1位=渡邉将人(兼房)G95、H20・4、N74・6
▽2位=青山真人(青山工機)G106、H31・2、N74・8
▽3位=松井忠彦(アミテック)G96、H20・4、N75・6
▽4位=山本隆夫(山本機工)G107、H31・2、N75・8
▽5位=坂入義久(代東)G104、H26・4、N77・4

INTERMOLD/金型展/金属プレス加工技術展
オンライン展示会5日より開催
510社超が出展 チャットによる商談も可能

 日本金型工業会、日本金属プレス工業協会、インターモールド振興会は、10月5日(月)〜16日(金)に「INTERMOLD/金型展/金属プレス加工技術展」のオンライン展示会を開催する。
 同展は長く金型および金属プレス加工技術に焦点を当てた国内唯一の専門展示会としてビジネスマッチングの場を提供してきたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、展示会の開催が見送られた。
 そこで主催者は、Webサイトを活用し、技術・製品・サービスの紹介動画や資料の掲載に加え、チャット機能によるリアルタイムでの商談機能、オンラインセミナー開講など各種機能を盛り込んだ「オンライン展示会」を企画した。
 10月5日からのメイン会期に先立ち、プレオープン期間として9月23日から出展企業情報の公開を開始。510社・団体を超える出展者が、製品パンフレットやデモ動画を公開している。
 メイン会期中は、出展者の詳細ページや来場者と出展者をつなぐチャット機能の解放、オンラインセミナーの開講など、展示会の中心的コンテンツが公開される。
 現在、公式サイト(https://online.intermold.jp/)にて事前来場登録を受付中。一度来場登録すれば、期間中何度でもログインすることができる。
 【公開予定のオンラインセミナー】
 ■10月5日(月)〜
 @「自動車業界のCASE展望」…松島正秀氏(一般社団法人日本自動車部品工業会技術担当顧問、早稲田大学自動車部品産業研究所招聘研究員)  
 A「アディティブマニュファクチャリング(3Dプリンティング)の勝ちパターン-導入、その次に-」…永野知与氏(テュフズードジャパンCOM事業部IEP部アディティブマニュファクチャリングチームAMエキスパート)
 B「アディティブマニュファクチャリング(3Dプリンティング)のチームの作り方-AM人材開発-」…永野知与氏(Aと同じ)
 ■10月6日(火)〜
 C「パワートレインに変革をもたらす、Additive Manufacturing」…塩飽紀之氏(日産自動車パワートレイン生産技術開発本部パワートレイン技術企画部エキスパートリーダー〈新商品工法開発〉)
 ■10月7日(水)〜
 D「コロナ禍での金型IoTへの取り組み」 「KMC金型IoTソリューションのご紹介」…佐藤声喜氏(KMC代表取締役社長)、黒羽根悠氏(KMCソリューション企画推進本部リーダー)
 ■10月8日(木)〜
 E「モータ高効率化に向けたモータコア製造の技術開発動向」…福山修氏(黒田精工技術本部プロセス開発推進室)
 ■《LIVE配信》10月13日(火)午後2時〜3時
 F日本のモノづくり革新に向けた「Kansai-3D実用化プロジェクト」の取り組み…谷川淑子氏(経済産業省近畿経済産業局次世代産業・情報政策課課長補佐)

仕上げ面の測定をサポートする
低接触圧プローブの販売を開始
キャプテンインダストリーズ

 キャプテンインダストリーズ(社長=山下宏氏、東京本社=東京都江戸川区)は、ワーク表面に接触する測定球の圧力を低減した、仕上げ面の測定をサポートする独Hexagon社製「低接触圧プローブ IRP40.02-LF」の国内販売を開始した。工作機械メーカー、自動車メーカーをはじめとするものづくり企業をターゲットに、初年度100システムの販売を目指す。
 「低接触圧プローブ IRP40.02-LF」は、測定圧力を従来品と比較し]-Y方向で約40%、Z方向で約50%低減。精密切削仕上げ面、研削仕上げ面、金型自由曲面仕上げ面等、高精度な面仕上げを施したワークをプローブを使って測定する機上計測が増加する中、従来品のプローブ(標準、高精度)を使った測定では、測定球をワークに接触させてタッチ信号を出力する時に接触圧力で微小な圧痕が残る場合や、柔らかい材料では塑性変形を引き起こす可能性があり、従来品よりワーク表面に接触する測定球の圧力を低減した同製品が開発された。
 また、同社が販売する機上計測ソフト「Hexagon m&h NCゲージ」等と組み合わせることで、より簡易で高精度な機上計測が可能になる。
 「低接触圧プローブ IRP40.02-LF」は、外観では認識できないZ方向のオーバートラベル(行きすぎる量)を検知し青色LEDで知らせる機能を持つほか、ITE高速移動テクノロジーでタッチ信号を正確に判断し50m/minの速度までスキップ送りが可能。
 さらにノイズを検知するパルス量とマージンを増やし、耐ノイズ性を向上させた。電池寿命は、1回/2秒のタッチサイクルで、連続計測800時間。

工場保全・部品製作の
専門情報サイト開設
久満田商会 各種事例を多数紹介

 機械工具商社の久満田商会(社長=熊田誠司氏、本社=名古屋市北区、TEL052-911-0401)はこのほど、尾張・名古屋地域を対象に工場の保全・メンテナンスに特化した専門情報サイト「尾張・名古屋 工場修理・メンテナンス.com」を開設した(https://japan-factory-repairandmaintenance.com/owari/)。
 これまで実施した修理・メンテナンスの事例や、工場の各種設備のメンテナンスのポイントなどを公開している。同社では工場のさまざまな困りごとに対して幅広いメニューで解決・改善提案を実施。現地調査・見積りは無料となっている。
 また、同社公式HP(https://kumadashokai.co.jp/)のオープンに伴い、部品製作・調達の専門情報サイト「尾張・岐阜 部品加工センター.com」を開設https://kumadashokai.co.jp/work/)。特殊製作部品・機械加工品、板金加工品などの製作事例を多数掲載し、部品製作外注時のリードタイム短縮や工程集約を実現したいユーザーなどに役立つ情報を紹介している。小ロット・単品部品の製作にも対応する。

フラッグシップモデル「ネプロス」から
ツールセット2種を新発売
KTC 狭小作業にも対応

 総合ハンドツールメーカー京都機械工具(KTC)(社長=田中滋氏、本社=京都府久世郡)は、ネプロス両開きツールセット2種を発売した。同製品は昨年6月に限定発売したネプロス25周年限定モデル「ネプロス両開きツールセット2種」と同モデルで、発売以降好評を得て、このほど定番化した。
 「ネプロス9・5 ツールセット[32点]」NTX632WZは、自動車整備における作業性にこだわった差込角9・5 のツールセット。ラチェットハンドルはスタンダードタイプに加え、狭小作業にも対応するコンパクトヘッドタイプもセットした。また、ディープソケットは奥まった箇所へのアプローチ時のはまりやすさを重視し、十二角を採用している。
 「ネプロス6・3 ツールセット[41点]」NTX641WZは、コンパクトさと信頼性を両立する差込角6・3 のツールセット。狭所作業に適した6・3 の特長を最大限に活かす入組で、ラチェットハンドルとビット類はスタッビタイプもセットした。ハンドル類はドライバタイプやT形ハンドルなど、早回しに最適なアイテムを追加した。
 いずれのセットも、収納ケースはネプロスのセットでは初となる両開きタイプのメタルケースを採用。カラーはネプロス専用色のダークチャコールパールで、天面に専用のエンブレムをセットした特別仕様となる。
 標準小売価格は「ネプロス9・5 ツールセット[32点]」が15万7000円、「ネプロス6・3 ツールセット[41点]」が16万1000円(いずれも税別)。
 同製品に関する問合せは、同社お客様窓口TEL0774-46-4159、Eメールsupport@kyototool.co.jpまで。

給湯設備に最適
新たな定流量弁を発売
ベン 水道法性能基準(耐圧・浸出性能)適合品

 バルブメーカーのベン(社長=鈴木一実氏、本社=東京都大田区)から水道法性能基準(耐圧・浸出性能)に適合した新しい定流量弁『FD-13N型(青銅製)』と『FD-14型(ステンレス製)』が登場だ。
 本製品の要部はステンレス製のニードル式で耐熱性ならびに耐久性に優れており、コンパクト設計だから取り扱いがとても容易。ホテルや学校、病院、福祉施設などの給湯設備に最適だ。コンパクト設計だから、給湯・給水機器などにも使用できるのが嬉しい。
 『FD-13N型』『FD-14型』の仕様は以下の通り。
●呼び径▽20、25
●適用流体▽温水、水道水
●流体温度▽5〜90度
●一次側適用圧力▽1・0MPa
●設定流量・記号▽8〜20L/min
●作動差圧範囲▽0・05〜0・3MPa
●端接続▽JIS Rcねじ
●設定流量の許容差▽設定流量プラスマイナス15%以内
●本体耐圧試験▽水圧にて1・75MPa
●取付姿勢▽水平・垂直取付自由
●材質▽『FD-13N型』=本体/CAC・要部/SUS、『FD-14型』=本体・要部/SUS
 関連商品として、中央式給湯設備(定流量循環方式)用定流量弁『FD-11N型』ならびに『FD-12型』も好評発売中だ。
 本製品に関して詳しくは、同社名古屋営業所▽電話=052(411)5840/同社静岡出張所▽電話=054(275)2705、または各営業所まで問合せを。

高知ミツトヨ移転に伴う
工場用地購入(高知県香南市)
ミツトヨ 2022年10月操業予定

 精密測定機器メーカーのミツトヨ(社長=沼田恵明氏、本社=神奈川県川崎市)は8月19日、連結子会社の高知ミツトヨ(社長=坂井知峰氏、所在地=高知県高岡郡中土佐町)の移転を伴う工場の拡充を決定し、同月7日に移転先の工場用地譲渡契約を高知県と締結したと発表した。
 今回、移転先として高知県香南市の川谷刈谷工場用地(香南市香我美町徳王子字関屋120-1)を購入し、新工場を建設する。敷地面積3万3833・66u。建物面積は6800u(延床)で現状の約2・6倍に拡大する計画。投資額は約41億円(土地5・6億円、建物18・4億円、設備17億円)を見込んでいる。
 操業開始は2022年10月を予定し、主にマイクロメータヘッド及びマイクロメータ部品の製造を行う。

銀イオンと光触媒の
ハタヤ除菌照明シリーズ
ハタヤリミテッド 電気配線工事なしで簡単導入

 コードリールや照明器具の専門メーカーであるハタヤリミテッド(社長=足立憲泰氏、本社=名古屋市中区)で、今注目を集めている新製品が『ハタヤ除菌照明シリーズ』だ。
 銀イオン(Ag+)と光触媒(酸化チタン)の力により点灯するだけで除菌∞消臭∞防カビ′果が期待できるCCFL蛍光ランプ(冷陰極管)を採用。ノートパソコンや液晶テレビのバックライトにも使われるCCFL蛍光ランプは一般蛍光灯と比べ省エネ・長寿命なだけでなく低発熱で人体にも無害だ。
 仕組みはこうだ。放電管の電位とナノシルバーが銀イオンを発生させて空間に浮遊することで、周囲のウイルスや有害菌(レジオネラ菌、ブドウ球菌、大腸菌など)の殺菌に効力を発揮。さらに浮遊する花粉や悪臭、カビ菌などを光触媒(可視光応答型光触媒)が吸着・殺菌・分解。これが空気の循環で繰り返し作用する。
 ライトに付着する油汚れやタバコのヤニ、鳥の糞尿などを分解して取り除くセルフクリーニング機能≠燉Lしており、その使用例は、内装工事やイベント会場、畜舎、飲食店厨房、魚市場、喫煙所、スポーツ施設など多岐にわたる。
 『ハタヤ除菌照明シリーズ』は現在6つのタイプがラインアップされている。連結点灯が可能な「連結型ライトタイプ(吊り下げ用)」と「三脚スタンド1灯タイプ」(※いずれも最大15灯まで)のほか「キャスター付スタンド2灯タイプ(写真)」「クリップライトタイプ」「スタンドライトタイプ」「ロングライトスタンド4灯タイプ」。
LEDと同等の明るさで照らしてくれる本製品に関して、詳しくは同社顧客サービスデスク▽通話無料のフリーダイヤル=0120(686)888、または同社ウェブサイトへアクセスを。

全工種対応型予約管理システム
『ITENE』提供開始
ユアサクオビスとダンドリワークスで

 建築業界の現場管理アプリ「ダンドリワーク」を運営するダンドリワークス(社長=加賀爪宏介氏、本社=滋賀県)と、ユアサ商事(社長=田村博之氏、本社=東京都千代田区)のグループ会社ユアサクオビス(社長=村山英明氏、本社=東京都千代田区)の2社は、集合住宅における予約管理システム『ITENE(イテネ)』を共同で開発。2020年8月27日(木)より管理会社、工事会社、点検会社、清掃会社などに対してサービスの展開を始めた。
 マンションなどの集合住宅を管理する管理会社は、インターホン交換や水道点検など専有部の工事・点検をしようとする際、その都度居住者と日程を調整し工事・点検を実施している。日程調整の方法は主に電話や書面を用いたアナログによる方法、システムを用いたデジタルによる方法の2通りがある。
 具体的には、電話や書面を用いたアナログによる方法の場合、ポスティングなどにより居住者に専用コールセンターの電話番号を案内し専用コールセンターで居住者の希望日時を受け付けるか、郵送で居住者から希望日時を知らせてもらい居住者の希望日時を受け付ける。この方法は従来から広く行われていたが、ヒューマンエラーが発生しやすいことや専用コールセンターの運営に係る人件費や通信費が相当に生じるという問題が指摘されていた。
 こうした問題点を解決するため2010年代に登場したのがシステムを用いたデジタルによる方法だ。この場合、まず一般的な予約管理システムを用いる方法が考えられるが、一般的な予約管理システムを用いて管理できるのは「予約した人」のみで「予約していない人」を管理できないという問題点がある。予約したい人だけが予約すればよい美容院や英会話教室などではこのようなシステムでも支障がないことがほとんどだが、集合住宅の管理においては法定の工事や点検などが存在し対象者すべてに工事や点検を行う必要がある。そのため、まず「予約すべき人」のすべてを把握し、そのうえで「予約した人」だけでなく、「予約していない人」の管理を行う必要がある。このような業界のニーズに対応したシステムはこれまでも存在したが、特定の機器を施工する場合にのみ使用することができるという制約が存在していた。
 『ITENE』を利用することで、電話や書面を用いたアナログによる方法で懸念されるヒューマンエラーの削減はもちろん、業務上の効率化も実現できるという。ユアサクオビスの試算によると、1物件(平均50戸)の日程調整に平均28時間を要していたところ『ITENE』を利用する方法では約9時間に短縮できると見込まれている。また、システムを用いたデジタルによる方法と比べても、工種に限定されることなく従来のシステムより低価格で「予約すべき人」の予約状況を網羅的に把握することができるという。
 『ITENE』は管理会社がポスティングなどの方法により居住者に専用予約サイトのQRコードを案内し居住者がスマートフォンなどでQRコードを読み取り、アクセスしたうえ空き予定に予約することができるシステムである。管理会社側は居住者の予約状況を管理画面で確認できる。また、居住者との日程調整を各工事会社に行わせている管理会社は所定の設定を行うことにより各工事会社が『ITENE』を用いて行った居住者との日程調整の状況を横断的に閲覧・管理することができるため正しく早く予約状況を管理することが可能だ。これまで物件単位で予約と未予約を確認できるシステムはあったが管理会社(親権限)と協力会社(子権限)の権限階層を分け、管理会社からのみすべての協力会社の予約状況を横断的に確認できるシステムは業界初となる。
 使用方法は、管理会社などの大元となる指定のサーバーに設置しシステムやソフトウェアなどを単一の利用主体(協力業者など)のみで専有して使用できるシングルテナントOEM形式、ダンドリワークスが費用負担するサーバーを間借りするマルチテナント形式の2パターンあり、どちらも管理会社は全工事を確認できるが協力会社間の工事情報は開示されない仕様となっている。また、完工後は居住者の個人情報は一括削除されるため個人情報データが保存されたままになることはなく安全だ。

令和2年7月豪雨の
ボランティアスタッフに寄贈
ノダキ 現場の相棒・塩ビタミンゼリー

 弊紙がこの夏注目してきた、ノダキ(社長=野田典嗣氏、本社=名古屋市西区)と共親製菓(社長=安部隆三氏、本社=名古屋市西区)の共同開発により誕生した熱中症対策用ゼリー飲料の『現場の相棒 塩ビタミンゼリー』。今度は、令和2年7月豪雨のボランティアに携わる学生などに対して寄贈された。
 静岡県浜松市で国内最高気温に並ぶ41・1度を記録した2020年夏のある日、ノダキに「令和2年7月豪雨のボランティアスタッフには学生が多く、彼らは自身を顧みず作業に取り組んでいるため熱中症の問題が出ているという話を聞いた。そんな彼らに『現場の相棒 塩ビタミンゼリー』を1000本ほど寄贈したい!」との問い合わせが寄せられたという。この申し出を受け、ノダキが全国社会福祉協議会の千葉和成氏に問い合わせたところ、5か所のボランティアセンターから熱中症で困っているとの報告が上がってきたという。計2000名のスタッフが熱中症の問題に直面していたことが判明し、寄贈数を大幅に増やさなければと思い至ったノダキはSNSで経緯や状況などを発信。この協力要請に、なんと22組が賛同し『現場の相棒 塩ビタミンゼリー』1万1200本の寄贈が実現した。
 協力を申し出たのは、ノダキの取引先である仕入先や得意先、クリニック、デザイン会社、アパレルショップ、ラジオナビゲーター、芸人、スポーツ選手、その他多くの個人など多岐に亘った。彼らには、ノダキから感謝状が贈られている。
 「今年の夏は非常に厳しい暑さが続きました。各地の災害ボランティアセンターでは、皆さまからのご好意を大切に活用させていただきました。誠にありがとうございます」とは、全国社会福祉協議会の千葉和成氏のコメント。野田ノダキ社長は、「個人の方の想いに我々が協力できたことで現場の相棒≠ェ共創する風土を作れたように思っています。また、これをきっかけに社会福祉協議会に代わって我々の方から共同寄贈してくださった方一組一組にお礼と共にSDGsを広めながら、感謝状を贈らせていただきました。たくさんの皆さまの気持ちが社会貢献につながり、そのプラットフォームとなれたことを誇りに思います」とコメントを寄せてくれた。
 『現場の相棒 塩ビタミンゼリー』は、ほかにも、名古屋市内3店舗の有名バーとのコラボ企画である相棒カクテル≠フ提供、オリジナルラベルでの発注、また、野球チームからの注文が相次いだことから新たに『ベースボールの相棒』が発売されるなど、多くの反響を呼んでいる。

今年度事業はすべて中止に
来年度に向け万全の準備進める
愛機工青年部 9月リモート役員会開催

 愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏・ミズタニ機販社長)の青年部(部長=滝澤有一氏・松本商店社長)は9月3日(木)、なかなか終息の見えない新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から役員会をリモートで開催。組合事業の中止が相次いで決議されるなか、青年部の各事業を今後どう展開していくかについて議論した。
 本役員会の数日前に厚生部がリモート会議を開催。その場で厚生部の今後の事業展望などについて意見交換がなされた。そこで出された意見は、@今年度の事業(1泊2日のキャンプ、レクリエーション“日帰りバスツアー”)は新型コロナウイルスの感染拡大を考慮してすべて中止とするべきか、もしくは今できる範囲内で何かアクションを起こすべきか? A今年度の事業はすべて中止とし、今から来年度に向けて準備を充実させるべきではないか? の2点に集約された。
 こうした意見をうけ本役員会では、@今年度のすべての青年部事業は中止とする。Aそのうえで来年度に入り新型コロナウイルスの感染状況などがどのような状態であっても動けるよう、例えばキャンプや他産業視察などについて今から万全の準備を進めていくことで全員が合意した。
 本役員会ではその他、青年部組織図作成の件や会計に関する確認などが行われた。

山田貞夫音楽賞 4名受賞
特選は阿部氏と松川氏
山田貞夫音楽財団 第2回指揮者オーディション

 公益財団法人山田貞夫音楽財団(代表理事=田中真紀代氏)主催の「2020年度(第2回)指揮者オーディション」が9月10日、名古屋市中区の三井住友海上しらかわホールで午後1時より行われ、新人指揮者4名が山田貞夫音楽賞を受賞、このうち阿部未来氏(秋田県出身)と松川創氏(東京都出身)が「特選」に選ばれた。特選の2人は、11月11日に同ホールで開催される「第2回新進指揮者コンサート」への出演が決まっている。
 このオーディションは、愛知県内で活動している将来有望な新人クラシック音楽家(指揮者)の活動を支援し、愛知県の文化芸術の振興に寄与することを目的に同財団が実施するもの。中部地区唯一の指揮者コンクールとして昨年、第1回が開かれた。
 対象者は愛知県で指揮者として演奏実績のある人で、今回は昨年より年齢枠を3歳引き上げ38歳以下とした。
 当日は、第一次選考(書類審査)を通過した8名がオーディションに臨み、課題曲であるベートーヴェンの交響曲第3番第4楽章を指揮した。オーケストラはセントラル愛知交響楽団。審査・採点の後、上位者がさらに選択曲を指揮し、選考の結果、山田貞夫音楽賞の受賞者4名が確定した。
 同賞は受賞者に賞金10万円、特選にはさらに20万円が贈呈される。また、特選の人は受賞披露コンサートで交響曲を指揮し(演奏はセントラル愛知交響楽団)、コンサートの後、賞金とは別に奨学金として30万円が財団から贈られることになっている。
 今回は新型コロナウイルス感染症対策のため、来場者を制限し、ソーシャルディスタンスを確保した形でオーディションが行われた。
 冒頭の挨拶で田中代表理事は「今年は、春からずっと見えない小さな敵がいるので、世界中、子供から大人まで振り回されており、なかなか思い通りにならないことが多くありますが、この自粛生活の中で小さな楽しみを見つけました。それは世界中の音楽家やアーティストの方々がSNS等を通じて素晴らしいパフォーマンスを発信してくれたことです。映像の中で素晴らしいことがリモートでもできるのだと思いましたが、それと同時にますます普通の日常がどれだけ大事だったかを思い知らされた今年であります。私の父、山田貞夫も幼少の頃、戦後間もない時に友達の家にあった手回し蓄音機でベートーヴェンの交響曲を聴いて、体が震えるほど感動し、力が漲り、音楽から力をもらい、今に至っています。戦後と今は少し違いますが、音楽の素晴らしさを改めて痛感しています。今年はベートーヴェンの生誕250周年ということです。250年間も愛され続けているベートーヴェン。一度聞いたら耳から離れないほど、とても素晴らしい。これからもずっと先まで残ると思います。本日の指揮者オーディションの課題曲は、ベートーヴェン交響曲第3番第4楽章です。天国のベートーヴェンにも届くぐらいの素晴らしいシンフォニーを、素晴らしいタクトで叶えていただくことを期待しています」と述べた。
 選考委員は、瀬戸和夫氏(愛知芸術文化協会理事)、佐藤恵子氏(名古屋音楽大学学長)、竹本義明氏(名古屋芸術大学学長)、オーケストラのメンバーから寺田史人氏(セントラル愛知交響楽団ヴァイオリン奏者、コンサートマスター)、榊原利修氏(同コントラバス奏者、楽団長)、吉岡秀和氏(同ヴァイオリン奏者、アシスタントコンサートマスター)、大津敦氏(同ファゴット奏者)の計7名。
 表彰式では、選考委員の瀬戸氏が「今年で2回目となりますが、昨年に引き続き、短い時間で皆さんのやりたい個性がちゃんと伝わってきて、とても充実した時間を共に過ごすことができました」と講評を述べた後、田中代表理事から受賞者に賞状と賞金が手渡された。
 最後に、財団創設者の山田貞夫会長(ダイドー社長)が「公益財団を作って再来年で10周年となります。今後もますます音楽の振興を通じて社会奉仕をしてまいりたいと思います。日本の音楽を世界レベルにし、是非音楽大国になりたいと思っていますので、皆様のご協力をお願いします。本日はどうもありがとうございました」と感謝の言葉を述べ、閉会した。

人事異動
(10月1日付)
山 善

 山善(社長=長尾雄次氏、本社=大阪市西区)は9月1日、人事異動(10月1日付、一般人事)を次のように発表した。
 敬称略、[ ]は現職
▽坂田正則=経営企画本部副本部長兼DX戦略部長[経営企画本部副本部長]
▽川口将士=大阪支社滋賀支店長[機工事業部大阪業務部長]
▽公文良成=FAE支社名古屋支店長[FAE支社営業部長(自動車担当・名古屋駐在)]
▽萩原学=機械事業部マーケティング部長兼SFS営業部長兼FAE営業部長[名古屋支社岐阜支店副支店長]
▽大山隆司=機械事業部業務部長[機械事業部業務部長兼マーケティング部長兼SFS営業部長兼FAE営業部長]
▽長尾寿朗=機工事業部大阪第1営業部長兼大阪業務部長[機工事業部大阪第1営業部長]
▽辻治樹=家庭機器事業部第1商品統括部営業1部長[家庭機器事業部量販九州営業部長]
▽荒川博幸=家庭機器事業部量販九州営業部長[家庭機器事業部第1商品統括部営業1部長]
左から受賞者の神成大輝氏、松川創氏、財団の山田貞夫会長、山田弘子評議員、田中真紀代代表理事、受賞者の阿部未来氏、服部洋樹氏

2020年10月18日(日)2758号
2020年8月分の工作機械受注額
前年同月比23.2%減の679億80百万円
日工会 10〜12月期見通しではDI値が改善

 日本工作機械工業会(日工会、会長=飯村幸生氏・芝浦機械会長)が9月30日発表した2020年8月分の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比23・2%減の679億80百万円となり、23か月連続で減少した。夏季休暇の影響などで前月比も2・6%減と3か月ぶりに減少に転じ、5か月連続で700億円を下回った。8月単月としては2009年以来11年ぶりの700億円割れとなった。
 内需は、前年同月比38・5%減の230億69百万円となり、21か月連続で減少。前月比も7・0%減と3か月ぶりに減少に転じ、5か月連続で250億円を下回った。半導体関連以外の動きが鈍く、国内需要は依然低調。自動車向け受注額は2019年平均の半分以下の水準で、自動車部品・完成車とも自動車関連投資は底ばいの動きが続いている。
 内需主要4業種の受注額は次の通り。一般機械…102億56百万円(前年同月比42・4%減/前月比4・2%減)▽自動車…51億48百万円(前年同月比40・0%減/前月比1・1%増)▽電気・精密機械…24億48百万円(前年同月比26・4%減/前月比24・7%減)▽航空機・造船・輸送用機械…6億13百万円(前年同月比63・0%減/前月比18・6%減)。
 外需は、前年同月比11・8%減の449億11百万円となり、23か月連続で減少した。メキシコで自動車関連の大型受注があったものの、欧州等で夏季休暇の影響があり前月比は0・2%減と微減、6か月連続の450億円割れとなった。
 アジア向けは、230億88百万円(前年同月比11・5%増/前月比3・8%減)で、3か月連続の200億円超えとなった。欧州向けは、60億65百万円(前年同月比46・0%減/前月比22・3%減)となり、2か月ぶりの70億円割れ。北米向けは、149億9百万円(前年同月比16・7%減/前月比21・3%増)で、2か月ぶりに140億円を上回ったものの、8月単月としては2010年以来10年ぶりの150億円割れとなった。
 この結果、2020年1〜8月の受注累計額は前年同期比37・2%減の5477億88百万円となった。このうち内需が同40・2%減の2064億9百万円、外需が同35・2%減の3413億79百万円で、外需比率は62・3%となっている。
 日工会が9月上旬に実施した会員アンケート調査では、10〜12月期の受注見通しについてのDI値(「増加」-「減少」)がマイナス14・9と6月の前回調査から16・2ポイント改善し、6四半期ぶりにマイナス20を上回った。
 同会は今後の受注動向について、新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明な中で、底を打ち、改善への期待が窺える一方、「増加」(13・5%)よりも「保合」(58・1%)が多くなっており、回復は緩やかなものになるとの見通しを示した。

主要8社の総受注高22か月連続で前年割れ
北米向けは前年同月比13.8%増
中部経済産業局 8月度金属工作機械受注状況

 中部経済産業局が9月30日に発表した令和2年8月度金属工作機械受注状況によると、管内金属工作機械メーカー主要8社(オークマ、アマダマシナリー、ジェイテクト、コマツNTC、FUJI、豊和工業、三菱電機名古屋製作所、ヤマザキマザック)の総受注高は、前年同月比20・5%減の231億61百万円となり、22か月連続で前年を下回った。前月比は1・5%増と3か月連続で増加した。
 国内受注は、前年同月比26・7%減の77億88百万円となり、21か月連続で前年を下回った。前月比は0・1%増だった。
 主力の一般機械工業向けが前年同月比30・9%減の44億36百万円と22か月連続で前年を下回り、自動車工業向けも同25・0%減の17億59百万円と21か月連続で前年を下回った。
 海外受注は、前年同月比16・8%減の153億73百万円となり、22か月連続で前年を下回った。前月比は2・2%増。海外受注比率は66・4%となった。
 ヨーロッパ向けは前年同月比59・3%減と22か月連続で前年を下回り、アジア向け(トルコを含む)も同12・1%減と2か月ぶりに前年を下回った。一方、北米向けは13・8%増と19か月ぶりに前年を上回った。シェアは北米向け43・7%、アジア向け38・9%、ヨーロッパ向け12・6%となっている。
 国別にみると、1位の中国が40億95百万円(前年同月比11・1%減)、以下、アメリカ38億5百万円(同32・7%減)、メキシコ28億54百万円(同1629・7%増)、ドイツ5億74百万円(同58・6%減)、インド4億58百万円(同34・4%減)の順となった。
 販売額は、前年同月比41・4%減の175億25百万円となり、8か月連続で前年を下回った。前月比は11・4%減だった。
 受注残高は、前年同月比34・9%減の1283億30百万円となり、17か月連続で前年を下回った。前月比は1・0%増だった。

テュフ ラインランド ジャパン
愛知県知立市にて8月1日より稼働
増加するEMC試験の需要に対応
「モビリティ技術開発センター」

 テュフ ラインランド ジャパン(社長=トビアス・シュヴァインフルター氏、本社=神奈川県横浜市)は、拡大するCASE(コネクティッド・自動運転・シェア/サービス・電動化)市場でニーズの高まりが予測される車載用電子部品のEMC・ワイヤレス試験に対応するため、自動車産業に特化した「モビリティ技術開発センター(MTC)」を愛知県知立市に開設し、8月1日より稼働を開始させた。
 これに先立ち、同社は7月30日にオンライン記者発表会を開き、トビアス・シュヴァインフルター社長、有馬一志運輸・交通部部長らが同社のモビリティ戦略、MTCの詳細などを説明した。
 同社は、145年の歴史を持つ世界でもトップクラスの第三者検査機関テュフ ラインランド(本社=ドイツ・ケルン市)のグループ会社。第三者検査機関として1978年より日本でサービスを提供しており、自動車の車両と部品全般の安全規格・法規に関わる認証に実績がある。今回稼働したMTCは、横浜、大阪、福岡に続く、4か所目の試験所となる。
 知立駅から徒歩10分の所にあるMTCは、鉄骨2階建て、延べ床面積1154・6uで、1階が試験エリア、2階が事務所、会議室、セミナールームなど。試験エリアには車載機器用電波暗室を2基、車載機器&ワイヤレス機器用電波暗室を1基、シールドルームを1室備え、これにより車載されるECU(エレクトロニックコントロールユニット)や電気・電子機器のEMC(電磁両立性)試験のほか、スマートキーレスをはじめとしたSRD(短距離デバイス)の無線試験を行うことができる。EMC試験には、EMI(電磁妨害性/エミッション)試験とEMS(電磁耐性/イミュニティ)試験の両方が含まれる。
 現在の車は、システムを電子回路で制御するECUが、多いものでは20個以上搭載され、パワートレインやシャシー、また衝突安全や走行安全などさまざまな制御に使われており、自動運転やADAS開発を支えている。
 また、ECUが正しく動作するためには、外部へ電磁波を出して他の電子機器へ影響を与えないように放射(エミッション)を抑制することと、外部からの電磁波の影響を受けないように耐性(イミュニティ)を確保することが重要となる。
 CASE技術が進むにつれ、車載システムがより高度化し、それらの技術に対する安全法規が増加するとともに、それぞれの法規の中にEMC要件が含まれてくるのは明白であり、第三者認証機関のサポートにより、技術的・法規的な適合性を評価する需要がますます増加すると予想される。
 トビアス・シュヴァインフルター社長は、MTCの開設により「CASEの試験計画から認証までをワンストップで提供できる体制が強化された」と強調した。
 車両部品に適用されるEMC法規は国連規則第10号(略称UN R10)だが、EMC要件を含む安全法規は現在22項目ある。具体的には、ステアリング(含む自動運転Level2)や衝突被害軽減制動制御装置、自動事故緊急通報装置、乗用車の衝突被害軽減ブレーキ、車両側方の自転車に対する衝突回避、自動運転Level3などの法規。MTCでは、これらすべてのEMC要件を含む法規に対し、適切に適合性を判断することができる。
 稼働開始時は16名のスタッフで運用を開始し、2021年にはスタッフ数を1・5倍に増員する予定としている。

最大246本収納可能
大容量工具マガジン開発
DMG森精機 多品種少量生産にも最適

 DMG森精機(社長=森雅彦氏、名古屋本社=名古屋市中村区名駅2)は大容量工具マガジンを開発し、複合加工機NTXシリーズに搭載を開始した。複合加工機NTXシリーズは航空・宇宙、医療機器、精密機器など世界中のユーザーに使用されており、大容量工具マガジンを搭載することで、増加している多品種少量生産にもフレキシブルに対応できる。また、大容量の工具マガジンながら省スペースを実現しており、自動化システムを検討するうえで今後、欠かせないものとなるだろう。
 近年、生産形態の多様化に伴い、多品種少量生産を行う企業が増加しており、これに対応する複合加工機の需要も高まっている。さまざまな形状を加工する多品種生産では、加工形状に応じて多種多様な工具が必要となるが、今回、同社が開発した最大246本の工具を収納できる大容量工具マガジンを搭載することで、工具段取りや工具交換を効率化することが可能となる。
 チェーン式を採用し大容量かつ省スペースを実現したこの工具マガジンは、従来のラック式と比較して、工具交換時間が約12%短縮されている。工具マガジン内にはLED照明が設置され、工具確認や工具交換時の視認性が向上。工具マガジンの扉は90度まで開閉可能で清掃やメンテナンス作業を容易に行うことができる。
 工具の着脱は、簡単なボタン操作で安全かつ短時間で行える。工具交換用の扉は3ヵ所あり、プログラム中に工具段取りが可能なのも魅力のひとつだ。ユーザーの用途に応じて工具収納本数194本仕様と246本仕様が用意されており、さらにバーフィーダも取り付け可能で、素材供給の自動化にも対応する。収納工具サイズは、工具最大長さ400o、工具最大径130o(隣接工具有りの場合は70o)となっている。詳しくは同社ホームページで確認を。

経産省と東証による「DX銘柄2020」
「DXグランプリ2020」に選定
トラスコ中山 デジタル時代を先導する企業として

 機械工具卸売商社のトラスコ中山(社長=中山哲也氏、本社=東京都港区)は、8月25日に経済産業省と東京証券取引所より「DX銘柄2020」及び「DXグランプリ2020」に選定されたことを発表した。
 これは、中長期的な企業価値の向上や競争力強化に結び付く戦略的IT投資の促進に向けた取り組みの一環として、毎年経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する銘柄で、過去5回にわたり「攻めのIT経営銘柄」として選定を実施。2020年より、デジタルトランスフォーメーション(DX)のグローバルな潮流が起こってきていることを踏まえて、「DX銘柄」として選定した。
 トラスコ中山は、銘柄選定企業のなかから“デジタル時代を先導する企業”として「DXグランプリ」に選ばれた。
 同社は、DXの位置づけを明確にして取り組みを行った結果、「様々なソースからデータを収集し、AI等を活用してデータを分析し、それを同社の独創力としてサービスに転換するサイクルを柔軟に回すことに成功している点」や、「DX施策をKPI(重要業績評価指標)化し、具体的なKPIをリアルタイムで経営判断に活用している点」などが評価されたとしている。
 【トラスコ中山のDXに関する取り組み】
 キャッチコピーは「どんな時代も『こころざし』を胸に、トラスコ中山らしさ溢れるDXで明るく元気な社風とヒトを醸成していく」。
 @DXの取り組み
 2020年1月に基幹システム「パラダイス」を刷新。社内の業務改革とともに、問屋としてサプライチェーンの中流に位置する同社が、ITを活用しDXを図ることで、サプライチェーン全体の商習慣を変え、利便性を高めることに繋がり、日本のモノづくりに貢献することができると考えている。取引先とのデータ連携手段を多種多様な形で用意し、同社の機能(在庫・物流・システム・データ)をプラットフォームとして利用できる環境を整備し、高度化している。
 A新規ビジネスの創出「MROストッカー」
 MROストッカーは販売店と製造現場の利便性向上を目的としたプロツール(工場用副資材)の調達サービス。工場や建設現場などのプロツール使用現場に隣接して設置し、現場でよく使用される間接材を、トラスコ中山の資産として棚に取り揃える。「置き薬」の仕組みを最新のIT技術と高度なデータ分析を利用することで、先回りしてユーザーの手元に必要になるプロツールを在庫化し、必要なときに必要な分だけ商品を利用することが可能となる究極の即納サービスである。
 B最先端物流倉庫「ロジスティクス ワンダーランド」
 世界最先端の物流機器を導入した倉庫を埼玉県幸手市に建設。40万アイテムの在庫を管理して入出庫を行うために、デジタルとメカ(物流機器)を組み合わせてフル活用している。ユーザーが欲しいときに欲しい分だけ商品を届けるため、商品をリアルタイムに届けるための物流と欠品させない在庫を、データを高度に分析することで磨いている。
 【コロナ禍における取り組み】
 @営業変革スタイルの一つとして、同社独自のアプリ「T-Rate(トレイト)」と、オンライン通話アプリを組み合わせたサービスTRUSCOいつでもつながる「フェイスフォン」≠開始。
 A2020年1月にリリースされたAI見積「即答名人」では、従来社員が事務所で行っていた見積業務が自動化され、社員がより在宅勤務しやすい環境の構築と、ユーザーへの回答スピード向上を実現した。2020年7月度は見積全体の8・7%(6万3678行)を自動化。最終的に40%程度の自動化を見込んでいる。

「公益信託山本猛夫記念奨学基金」
新規奨学生4名に認定書を授与
山 善 奨学生は累計113名に

 山善(社長=長尾雄次氏、本社=大阪市西区)は、経済的な理由等により修学困難な学生をサポートすることを目的として「公益信託山本猛夫記念奨学基金」を設立し、委託者として支援している。今年度は新たに4名の学生が新規奨学生として認定され、9月29日に認定書の授与式が本社にて行われた。
 「公益信託山本猛夫記念奨学基金」は、同社の創業者である山本猛夫氏の「勉強したくても十分に出来なかった悔しさをバネに経営に打ち込んできた。一人でも多くの人に勉学に励んで欲しい」という強い遺志を継承し、1992年に設立された。基金から奨学金を受けた学生はアジアからの留学生を含め、今回の認定で累計113名となった。奨学生は各方面で活躍している。
 今年度の授与式では、長尾社長が奨学生に向けて激励の言葉を贈り、続いて新規奨学生に認定された4名が認定書を受け取り、さらなる学業への精進を誓った。
 今後も同社は「一人でも多くの学生が勉学に励む機会を持ち、社会進出できるよう支援を行いながら、人財育成を通して社会に貢献してまいります」としている。

超硬防振型エンドミル「AE-VMシリーズ」に
ライトアングルタイプ登場
オーエスジー 刃先剛性と直角コーナ加工を両立

 オーエスジー(社長=石川則男氏、本社=愛知県豊川市)は、炭素鋼・合金鋼・ステンレス鋼からチタン合金・N@基合金まで幅広い被削材に対応可能な超硬防振型エンドミル「AE-VMシリーズ」に、直角コーナを加工できるライトアングルタイプを追加し、9月9日発売した。ギャッシュ当てをしつつも、刃径が変化しない特殊形状を実現した。
 同シリーズのスタブ形「AE-VMSS」は、工具剛性と切りくず排出性を両立した溝フォーム、短い刃長、φ1という小径から4枚刃の仕様により、高能率な加工が可能。今回、ライトアングルタイプφ1〜6(11アイテム)を追加し、より幅広いニーズに対応する。
 また、ショート形「AE-VMS」は、工具剛性と切りくず排出性を両立した溝フォームにより安定加工を実現し、部品加工で嫌がられるバリを抑制する。ラジアス形状のサイズ拡充により、自動車産業から航空機産業まで幅広い分野で使用可能。さらに、ライトアングルタイプφ3〜6(4アイテム)を追加し、あらゆるニーズに応える。
 AE-VMSS・AE-VMSのライトアングルタイプは、現在開催中のお得な「A-END MILLキャンペーン」の対象製品となっている(期間は2020年11月30日まで)。キャンペーンの詳細についてはhttps://www.osg.co.jp/news/file/f_246.pdfで確認を。

『BoreMeister』シリーズに
芯高調整用デバイス拡充
タンガロイ 最大工具突出しL/D=10可能

 タンガロイ(社長=木下聡氏、本社=福島県いわき市好間工業団地)は内径旋削加工において、最大工具突出しL/D=10を可能とした深穴内径旋削加工用工具『Bore Meister(ボア・マイスター)』シリーズに芯高調整用デバイス(写真)を拡充。全国で発売開始した。
 発売以来、航空機産業や建築機械産業をはじめとする多くの産業にて好評の『Bore Meister』シリーズは、工具本体に内蔵された独自の振動抑制機構によって最大工具突出しL/D=10までの深穴内径旋削加工を安定して加工することができ、ユーザーの生産性を確実に向上させる革新的な工具シリーズだ。
 『Bore Meister』シリーズの性能を最大限引き出すためには正確な芯高調整が必要とされる。今回拡充発売された芯高調整用デバイスは芯高をより簡易的に調整できるようにすることを目的とした製品である。芯高調整用デバイスのセレーション部に設けた磁石により防振バーへの取り付け・取り外しを簡易的に行うことができ、工具の高い操作性を実現。芯高調整用デバイスは工具径φ16、φ20、φ25用デバイスおよびφ32、φ40、φ50、φ60用デバイスの2種類が設定され、1種類のデバイスで数種類の工具径に併用可能な仕様だ。
 主な形番と標準価格は以下の通りだ。●AVC-SET16-25(芯高調整デバイス=防振バーφ16-25用)▽8730円(税込9603円)、●AVC-SET32-60(芯高調整デバイス=防振バーφ32-60用)▽1万1700円(税込1万2870円)。同社は、本製品の発売初年度の販売を175万円(年間)と見込んでいる。
 本製品に関して詳しくは、同社各営業所へ問い合わせ、または同社ウェブサイトへアクセスを。

一台当たりの受注金額は5.5%増
全社受注前  年同期比39.3%減の1355億円
DMG森精機 2020年度上半期連結決算

 DMG森精機(社長=森雅彦氏、本社=名古屋市中村区)が8月27日に発表した2020年度上半期(1〜6月)の連結決算(国際会計基準)は、売上収益が1543億44百万円(前年同期比35・3%減)、営業利益が24億29百万円(同87・9%減)、税引前四半期損失が5億59百万円、親会社の所有者に帰属する四半期損失が21億53百万円となった。
 全社受注金額は1355億円で、前年同期比39・3%の減少。同社は早くからデジタル化を推進し、ユーザーとの商談は継続できたものの、都市封鎖や移動制限などの影響は避けられず、特に4月、5月の受注が大きな落ち込みとなった。
 一方、1台当たりの受注金額は前年度比5・5%増と引き続き増加。森社長は「同時5軸・複合加工機、自動化、デジタル化などで機械の安売りをせずにグロスマージンを確保しながら、丁寧に直販、直サービスの体制を用いてお客さまに届けたことが効いている」と同日開かれたオンライン決算説明会で述べた。
 デジタル化について、同社では設計データが完全デジタル化されており、その後の製造、テスト加工、ユーザーへのプレゼンテーション、説明、立ち会い等の工程において、デジタルツイン技術を用い、コロナ禍にあっても円滑な業務が行えるよう推進している。また、伊賀グローバルソリューションセンタをフルCG化した「デジタルツインショールーム」を7月に公開し、「DMG MORI Webinar」も拡充した。
 さらに、実際にユーザーとのコンタクトを確保するため、毎週金曜日に東京および伊賀で少人数によるプライベートショー「テクノロジーフライデー」を開催しており、従来以上に個別対応が可能となった。
 2020年12月期の連結業績予想については、前回(5月28日)の予想を修正し、予想レンジを売上収益3300〜3400億円(前回3200〜3400億円)、営業利益70〜100億円(同50〜100億円)と幅を縮めると発表。前回未定としていた、最終損益は10〜30億円の黒字と予想した。なお、為替レートは米ドル110円、ユーロ120円を想定している。

サンドビック・コロマント・ジャパン
アフターサービスを拡充
再研磨・再コーティングの対象製品を追加

 サンドビック・コロマント・ジャパン(カンパニープレジデント=山本雅広氏、本社=名古屋市名東区)は、ユーザーからの再研磨・再コーティングサービスに対する要望に応えるため、2019年末に宮城県栗原市瀬峰にある同社工場内に「リコンディショニングセンター瀬峰」を開設。このほど、同センターにて「CoroDrill860-SM」と今春リリースした「CoroDrill860-GM」の再研磨・再コーティングサービスも開始することとなり、対応可能な製品数が拡大したと発表した。
 アフターサービスを強化することで、ユーザーに同社の超硬ソリッド工具製品の品質を維持しながら長く活用してもらうことが可能。また、製品を再利用することで環境に配慮すると共に、コスト削減も実現できる。
 さらに、日本国内でのサービス稼働により、受注から納入までの期間をこれまでよりも大幅に短縮することができる。
 同センターでは、同社がグローバルで設定している再研磨、再コーティング技術の高い基準をクリアし、対応可能な製品、サービスを今後も拡充していく予定。
 同社は「世界で高い評価を得ている当社の瀬峰ブランドの優れたサービスを、再研磨、再コーティングにおいても最大限発揮し、お客様からの微細な要望にも対応できるよう努める」としている。

御器谷俊雄氏
日東工器会長・創業者

 日東工器(社長=小形明誠氏、本社=東京都大田区)の会長で創業者の御器谷俊雄氏が9月16日、急性骨髄性白血病のため逝去した。満94歳。
 同氏は、1956年10月に東京都大田区で日東工器を創業。「開発は企業の保険なり」を社是に、エアマイクロメーターをはじめ、迅速流体継手「カプラ」や機械工具「アトラ」「ジェットタガネ」等、独創的な製品を次々と生み出した。社会貢献のため、1990年に財団法人(現・公益財団法人)「御器谷科学技術財団」を設立。1997年には黄綬褒章を受章した。
 通夜・葬儀は近親者のみで行われた。後日、「お別れの会」が催される予定。

機能性とデザイン性を向上させた
「ローロン コンパクトレール・プラス」
キャプテンインダストリーズ 国内販売を開始

 キャプテンインダストリーズ(社長=山下宏氏、東京本社=東京都江戸川区)は、従来品と比較し耐荷重(基本静定格荷重、基本動定格荷重、静的許容モーメント)性能の向上をはかるとともに、見栄えの良い生産現場を設計できるように製品デザインも一新したコンパクトレール、伊ローロン社製「ローロン コンパクトレール・プラス」の国内販売を開始した。
 世界各地から主に工業・産業用機械部品や各種ツール・ソフトウェアを輸入販売している同社の販売網を活かし、産業機械、ロボット、梱包、物流、鉄道などの自動搬送を必要とする企業をターゲットに、本年度300システムの販売を目指す。
 ローロン コンパクトレールは、高いミスアライメント(芯ずれ)吸収機構を特徴とし、冷間引き抜き材の転動面に高周波焼入れ、および研削されたレールにスチールベアリングを備えたリニアガイドシステムで、悪環境下および防錆処理(不動態化処理された電気亜鉛メッキ、ニッケルメッキ、ISO2081に準じた亜鉛メッキ)への信頼性が高く、転動面に施された高周波焼入れによる長寿命化、高速運転、耐久性でユーザーの好評を得ている。
 新商品では新たに、複列ボールベアリングのスライダーと凸型状の転動面を備えた新しいレールにより、アキシアル方向で最大+170%、ラジアル方向で最大+65%の許容荷重に増加したことで、より高い剛性と重荷重に対応できるようになった。
 また、セルフセンタリングワイパーを装備した新しいスチール製スライダーボディ、必要箇所全体にグリースが行きわたるフェルト素材を使用した潤滑システムとフロントからの再潤滑、内部コンポーネントを保護するためのサイドシールも備わっている。
 【特徴】
●凸形状のレールと複列のボールベアリングで構成されたリニアガイド
●設置面の平行、傾き誤差吸収機構(V+P/V+UまたはA+P/A+U)
●スチール製スライダーは、複列ボールベアリング、サイドシール、フローティングワイパーで構成
●スライダーと回転部品を含むCプロファイルで確保するコンパクトな寸法
●高周波焼入れ、研削された転動面(サイズ28、43)
●窒化、黒色酸化被膜、研磨転動面(サイズ18)
●予圧調整可能
●3種類のレールサイズ(18、28、43o)をラインナップ
●各サイズのスライダーはローラー数の異なる仕様をラインナップ
 【主要アプリケーション例】
●溶接機械向けリニアガイド、木工機用リニアガイド、セラミック加工用リニアガイド
●搬送用ピックアンドプレース、ボーリングマシン用リニアガイド
※自動車産業・パッケージング・医療機器・セラミック・強化ガラス・大理石・木材・金属加工現場など
 キャプテンインダストリーズURL https://www.capind.co.jp/

身近な社会インフラを活用
冠水センサ付きボラード
ユアサ商事ら 静岡県内で実証試験開始

 サンポール(社長=山根以久子氏、本社=広島県広島市)、ユアサ商事(社長=田村博之氏、本社=東京都千代田区)、応用地質(社長=成田賢氏、本社=東京都千代田区)の3社は、共同開発した冠水センサ付きボラード(車止め)を静岡県内に設置し、実証試験を開始した。また、新たに2段階の深度で水位を設定・検知し、アラート通知する機能を追加したことも発表された。
 令和2年7月豪雨は熊本県を中心に、九州、中部、東北地方などの広範囲で多くの人命や家屋、ライフラインに甚大な被害をもたらした。また、大きな被害には至っていないものの、局所的な集中豪雨による道路の冠水や施設への浸水被害などは、今年も全国で多発している。静岡県では、令和元年東日本台風(令和元年10月台風19号)により、県内全域で大きな被害が発生した。県東部では、主要道路の冠水による通行止めや家屋の浸水被害が多く発生し、伊豆の国市および函南町には災害救助法が適用されている。気候変動の影響により、このような大雨による被害は、全国いつ、どこで発生してもおかしくない状況だ。
 冠水センサ付きボラード(車止め)には、水を検知するセンサ2つ(最大)と通信機が内蔵されている。あらかじめ設定した水位(30o〜300oまで任意に設定可能)に達することで冠水を検知する。今回、新たにパトロール水位と通行止め水位など、異なる2つの水位を設定・検知できる機能が追加されている。近隣住民や通行者、運転者を危険箇所に近づけさせないために、冠水を検知するとボラード(車止め)がフラッシュして周囲に危険を知らせてくれる。冠水を検知すると同時に、道路管理者や関係機関に冠水情報をメールで通知。冠水状況の早期把握により、パトロールや通行規制準備など、初動対応のリードタイムの確保が可能となる。
 静岡県の協力のもと、田方郡函南町内の国道136号、ならびに伊豆の国市内に冠水センサ付きボラード(車止め)が計4か所設置され、令和2年9月から1年間、実証試験が行われる。実証試験では冠水検知情報が道路管理者や関係機関に通知され、道路パトロールや通行止めなど、道路管理オペレーションへの有効性などの検証が行われる。9月1日(火)には関係者を集めた防災訓練を実施。冠水センサ付きボラード(車止め)の機能やメール通知などについて確認された。

これまでにない表情と質感を再現
トステムの新しい内窓
LIXIL オンライン発表会でお披露目

 LIXIL(社長兼CEO=瀬戸欣哉氏、本社=東京都江東区)は、優れた断熱性・遮音性・防露性はもちろん、これまでにない表情と質感を再現したデザインで、快適で理想のインテリア空間を演出するリノベーション向けの内窓「INPLUS for Renovation」を、TOSTEMブランドから2020年10月1日(木)より全国で販売開始した。
 コロナ禍をきっかけに暮らし方や働き方は劇的に変化し、リモート社会が本格化した。住まいにおいては、リモート化によって距離や時間、場所の制約から解放され、例えば地方の古民家を購入してリノベーションをするなど大都市集中から地方回帰といったトレンドの変化をはじめ、今後、住まいの選択肢は多様化していくと考えられている。
 LIXILでは、このようなウィズコロナ時代の新しい日常を健康・快適・安心・安全に過ごせるよう「かんたんリフォームで、♯おうち時間を幸せに」(https://www.lixil.co.jp/ouchijikan/)を通じて、暑さ・寒さや防音、換気、防災対策として「窓・ドアリフォーム」を提案しているほか暮らしに関するさまざまなアイデアを紹介している。
 新しく発売された「INPLUS for Renovation」は、デザインの観点から内窓を考え直すことでインテリアに美しく馴染む、これまでにない表情と質感を再現。加えて「インプラス」シリーズの断熱性や遮音性、防露性といった窓の快適性能を引き継ぐことで、これまで以上に「設計の自由度」が高まり、自分好みのスタイルを採り入れた憧れのインテリア空間や優れた遮音性能で仕事に集中できる自宅ワークスペースの設置など、さまざまな空間を思い通りにリノベーションで実現できる。
 「INPLUS for Renovation」のデザインはフレームの質感にこだわり、高精細のオレフィンシートをラミネートすることで上質な素材感・質感を再現している。そのカラーバリエーションには、現代のリノベーションニーズに合わせたリアルな質感や風合いを重視した「ブリュームメタルグレー」「チーク」「チェリー」「ライトオーク」の全4色をラインアップ。家具や床の色とも合わせやすく、インテリアとも美しく調和する。
 さらにガラスはLow-E複層ガラス、一般的な複層ガラスに加えチェッカー、アンティーク、モール(モールのみ2020年11月発売予定)の3種類のデザイン複層ガラスが用意され、懐かしさや優しさを感じさせるウィンドウトリートメントとして楽しめる。クレセント錠も、建築にも人にも馴染むLIXIL標準の新デザインL-fitが採用され、手にフィットして、よりつかみやすく操作しやすい形状となっている。
 LIXILが提案する「LIXIL Design Style」(https://www.lixil.co.jp/lineup/designstyle/)ともコーディネートが可能だ。
 「INPLUS for Renovation」は「インプラス」シリーズと同様に、今ある窓の内側に商品を取り付けるだけなので、1窓あたり約1時間から簡単に設置できる。本製品に関して詳しくは、同社お客さま相談センター▽通話料無料のフリーダイヤル=0120(126)001まで問合せを。
 LIXILはTOSTEMブランドが提供する価値「風と光を楽しみ、空を味わう。」を、世界中でより多くのエンドユーザーに発信することを目的に、新たにブランドサイト「TOSTEM.com」を立ち上げた。TOSTEMブランドは、今後もさまざまな商品・サービスを通じて、豊かで快適な住生活の未来に貢献してくれることだろう。

エナジーチェーンやケーブルを使用した
革新的なエネルギー供給システムを表彰
イグス 第7回ベクター賞受賞事例を紹介

 イグス(本社=ドイツ)は、エナジーチェーンやチェーンフレックス可動ケーブルを使用した独創的なエネルギー供給システムの事例を表彰する「ベクター賞」を2年に一度開催している。今年の第7回ベクター賞には、32ヶ国から266の事例が集まった。
 ベクター金賞はGildemeister Italiana社(イタリア)による多軸旋盤
 Gildemeister Italiana社の多軸旋盤は、リードタイムや段取り時間、プロセス開発および統合に必要な作業を削減すると同時に、複雑化する工程にも対応している。機械の心臓部は、複数の加工を同時に行う6つのスピンドルを備えたスピンドルドラムで、ドラムは迅速かつ正確に加工物を加工位置まで動かす。1つのスピンドルが次の加工位置まで移動する時間はわずか0・65秒。また、6つのステーションで加工が完了した後、スピンドルがスタート位置に戻るにはドラムを300度逆回転させる必要があるが、その所要時間は重量が3トンを超えるユニットでもわずか1秒という。
 最大の課題は6つのスピンドル全てに安全にエネルギーを供給するシステムだった。解決策として採用されたのが、ドラムに合わせて回転し、スピンドルドラムの直線動作を可能にした独自のエネルギー供給システム。この多軸旋盤には、イグスのエナジーチェーンが合計8本、ケーブル64本、ホース73本が使用されている。
 ベクター銀賞は宇宙監視レーダー、銅賞は摩擦攪拌接合装置
 ベクター銀賞は、フラウンホーファー研究所の「GESTRA」プロジェクトに採用されたAlpina Tec社(オーストリア)の宇宙監視レーダーに贈られた。「GESTRA」は、スペースデブリの探索とマッピングに使用されるレーダーベースシステム。方位角軸には複雑な回転型エネルギー供給システムが特別設計され、仰角軸には両側にダブルチェーンシステムが採用されている。
 ベクター銅賞は、Grenzebach Maschinenbau社(ドイツ)の摩擦攪拌接合装置に贈られた。溶接ヘッド内のエネルギー供給機構も付随物も柔軟性を持たせる必要があった。限られた設置スペースでR4エナジーチェーンとツイスターバンドを直接接続して、創造的かつフェイルセーフなソリューションを実現している。
 サステナブルな事例に贈られるグリーンベクター賞
 今回初めてエナジーチェーンを使用した特にサステナブルなプロジェクトにグリーンベクター賞を贈ることとなり、アメリカのDrop Water社とドイツのHuber社のアプリケーションが選出された。
 Drop Water社は、ボタンを押すと生分解性容器に飲料を充填する飲料自動販売機で受賞した。自動販売機は設置場所の水源につながっているため、水を運ぶ必要がない。ハーネス済みレディーチェーンが、リニアロボット用ケーブルを安全かつ確実にガイドする。
 Huber社の下水汚泥処理装置は、エジプトの水処理プラントにおいて太陽エネルギーを利用して下水汚泥を乾燥させている。水分を取り除いた汚泥は、天日乾燥によって質量・体積ともに約4分の1まで減り、粒状物に変換される。このプラントでは、バハル・エル・バカール運河システムより汲み上げた汚染水を処理し50万人分の飲料水を供給することができる。自動装置に電力や動力を確実に供給するために、チェーンフレックス可動ケーブルを備えたエナジーチェーンが、ストローク100mの128ユニットに使用されている。
 第7回ベクター賞に関する詳細情報や授賞式の様子などは次のURLより見ることができる。www.igus.co.jp/vector-award

小物高精度部品旋削加工用
PVDコーテッド超硬材種
三菱マテリアル 「MS9025」を発売

 三菱マテリアル加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=田中徹也氏、住所=東京都千代田区)は、小物高精度部品旋削加工用PVDコーテッド超硬材種「MS9025」を発売した。
 MS9025は、振動切削加工向けに最適化された切削工具材種。高い母材靭性により耐欠損性に優れ、粗粒WCによる高熱伝導率によって刃先の熱を抑制し、刃先強度の低下を軽減できることで、ステンレス鋼など加工硬化しやすい被削材での切り込み境界損傷抑制に効果を発揮する。
 自動車産業を中心とした電動化技術の発達に伴い需要が高まっている、高精度な小物部品にはステンレス鋼をはじめとした難削材が多く使用され、その加工に切りくず処理の改善を図るため振動切削技術を採用するユーザーも増えている。
 一方で、振動切削加工時は通常の切削加工とは違い被削材への接触回数が増えるため、切り込み境界摩耗や欠損などが発生しやすいというデメリットがあり、同社では従来の切削方法はもちろんのこと、振動切削でも安定した加工が可能になるよう最適化された新材種を開発し、今回12アイテムの販売を開始した。
 標準価格(代表型番)は、インサート「DCGT070201M-FS-P MS9025」が1770円、「DCGT11T304M-FS-P MS9025」が2090円、「DCGT11T302M-LS-P MS9025」が2090円。